Horse L ogging Furniture お問い合わせ・ご相談は、下記へ きづくりラボ YONB59-3D1 P. AZ ’ 13-12 C.W. ニコル氏からのメッセージ − 私とオカムラさんとの出会いは、2010 年。 Horse Logging S ong 長野県黒姫にアファンセンターを建てたときに、 我々の森から間伐したカラマツを使い家具をつくってもらったことがきっかけです。 それ以来、東日本大震災の復興支援として「森の学校づくり」 プロジェクトを行うなど多くの時間をともに過ごし、絆を深めてきました。 2012 年、私たちアファンの森財団は、アファンの森に隣接する 暗く密集した人工林の新しくて健全な管理手法を探るために林野庁と契約を結びました。 立木を傷つけたり、大型の重機で地面にダメージを与えたくなかったので、 間伐したスギの木を運びだすのに、馬を用いることにしました。 そうして切りだした木をムダにしないために、 オカムラさんに有効活用できないかお願いしてみました。 スギは美しくやさしい風合いをもつのですが、家具にするにはやわらかすぎる。 しかし、彼らは意欲的に取り組んでくれました。 オカムラさんは、馬具の鞍をイメージしたユニークな、 木とスチールのハイブリッドデザインを思いつきました。 軽くて座り心地がいいのはもちろんのこと、実用的なアイデアもあります。 アパートやゲストルームがせまく、来客のための家具を置きにくい場合でも、 積み重ねて置いておけるし、持ち運びもしやすい。 当初、多くの人から実現するのは難しいといわれました。 しかし、オカムラさんは、見事にカタチにしてくれました。 いま、残された木々は丈夫に成長し、森の地面には植物が生えてきています。 これは本当に、森林や野生動物ばかりでなく、自然全般に利益を もたらしてくれる作品だと思います。とても感謝しています。 アファンの森財団 理事長 C.W.Nicol words : C.W.Nicol music : Hajime Hirano 日本の人 工林を 健全化するため 、 馬 搬で 運んだ間伐材で 家具をつくりました 。 C.W.ニコル氏が理事長を務める「アファンの森財団」。 2012年に、長野にある国有林の管理をまかされ、手入れをはじめました。 切りだした間伐材を、森にやさしい手段で運びだそうと、 こだわったのは、伝統技術「馬搬(ホースロギング)」を活用すること。 それらの木をムダにしないよう託され、岡村製作所がつくった家具。 それが、 「ホースロギングファニチャー“KURA”」です。 木をつかうことが、森の経済を循環させることにつながる。 日本の森の一部である人工林を、健全化するためのプロジェクト。 Horse L oggi ng Furni ture 4 森を豊かにすることは 、 日本人の心を豊かにすること 。 森林再生に取り組みつづける、 「アファンの森財団」の想い。 いちど人が手を入れた森は、手を入れつづけなければ荒廃し てしまいます。日本の国土の約68%は森林であり、そのうち約 40%が、人の手が必要な人工林。 しかし、その多くが放置され てしまっているのが現状です。 豊かな自然を取りもどし、心豊かな日本をつくりたい。そんな 想いで、C.W.ニコル氏が理事長を務める「アファンの森財団」 は、長年にわたり森林再生に取り組んできました。 2012年には、長野県黒姫の「アファンの森」に隣接する、約 27haの国有林を整備する協定を林野庁とかわしました。 環境調査をしながら間伐などの手入れを行い、健全な人工林 を育てる手法を模索しています。 混みあった木を切ることで地面まで光が届けば、下草が花を咲 かせ、その花に昆虫たちが集まり少しずつ命の環がもどってく る。残された木々にとっても、1本1本に十分な陽があたり力 5 Afan Woodland Trust 強く成長できます。 「 森をよみがえらせる」という想いから、切り だした間伐材は、馬で運びだすことにしました。 約30年前、 荒廃していく日本の森に危機感を覚え、 私財を投じて少 しずつ土地を買い足し、森の手入れをつづけているC.W.ニコル氏。 人が情熱と愛情と知恵を注げば、森はよみがえる。 森への想いが、そこにはある。 「アファンの森財団」とは・・・ 長野県黒姫にある「アファンの森」。そこを拠点に、放置された里山や人工 林を地域本来の生物多様性に富んだ森によみがえらせるための活動を 行っている。C.W.ニコル氏が再生活動を行う決意をさせたのが、生まれ故郷 ウェールズでの取り組み。 荒れ果てた炭鉱の跡地が、 有志による運動によって “アファン森林公園“としてよみがえったこと。 それにちなんで”アファンの森” と名づけた。 姉妹森としての協定も結んでいる。 〈 一般財団法人C.W.ニコル・アファンの森財団 〉 http://www.afan.or.jp/ 6 Horse L oggi ng 森にやさしい伝統技術「馬搬」を、 間伐材の搬出に活用しました。 馬は、歩きやすい道を知っています。森のなかで、人から間伐材 を託されると、馬はじぶんで歩く。目的地まで先に行き、待って いることさえあるそうです。人と馬が一体となって、森から木を 運びだす「馬搬(ホースロギング)」。日本の森で昔から行われ てきた、自然に寄り添う林業技術です。 馬が歩くと適度に耕され、山菜がよくとれる。そう言われることも あるように、 「馬搬」は森にやさしい手段。車体の重い重機に比 べると、地表へのダメージは極端にすくない。新たに作業道をつ くる必要もなく、小回りがきき、立木を傷つけることもほとんどな い。重機が入れない斜面や、いりくんだ森林でも活躍できる。斜 度25度くらいまでなら、馬が引ける。 そして、森にやさしいだけで はありません。日本で一般的に行われている小規模林業におい て、 「馬搬」は手間やコストの面でも有利なことが多いのです。 ほんの 数 十 年 前まで、日 本 各 地 の 森 林であ たりまえの 光 景 失われつつある 「 馬 搬 」を、 つぎの世 代に 受け継ぎたい。 だった「馬搬」。その技を受け継ぐ人は、いまでは岩手県遠野 市に残るだけとなり、名手2人も高齢化してしまいました。そ こで若者たちが立ちあがり、行政や森林組合、NPOなどとと もに「遠野馬搬振興会」を設立。 「馬搬」の普及や啓発に取り組 んでいます。 これらの活動を応援し、PRすることを目的に「ホース ロギングファニチャー“KURA”」は誕生しました。スツールに、森 と馬への想いを込めて。 「馬搬(ホースロギング)」とは・・・ 人と馬が一体となって、森から木を運びだす昔ながらの伝統技術。馬と運 ぶことで、森をいためることなく作業でき、森を守ることにつながる。日本 でも数十年前まではあたりまえの光景だったが、その技術を受け継ぐ「馬 方」は、もう数人しか残っていない。岩手県「遠野馬搬振興会」では、 「馬 搬」をつぎの世代に受け継ぐために、さまざまな活動に取り組んでいる。 7 8 家 具に向かないスギで 、 洗 練されたスツールをつくる。 Ok amura 木材利用を森の健全化につなぐ、 「ACORN」というアクション。 木製家具は、広葉樹などの固い木材をつかうのが主流です。 し かし今回、あえて柔らかいスギ材で、デザイン性と機能性にす ぐれた家具に挑みました。森林管理と馬搬のたいせつさを広 く知ってもらうために、多くの人がふれられるモノにしたい。そ の想いを、オカムラの A C O R N 活動act-1、act-3として実現 させました。 オカムラがつくる以上、デザイン性も機能性も、どちらも完成 度の高い製品にしたい。幾度となく議論や検討を重ねながら、 理想のカタチを追求する日々はつづきました。美しく繊細な フォルムを実現しつつ、スツールとしての強度もしっかりと確 保するために。たどりついたのは、スギだけではなくスチール を併用した、木金混合のハイブリッド仕様とすることでした。 長く使ってもらうことを理想とするからこそ、品質にこだわりぬ くこともまた、使命。デザイン性と品質を兼ね備えたスツール ができあがりました。 「馬搬」の普及•啓発のPRにつなげるべ く、馬をイメージしたフォルムとしています。欧州では、蹄鉄の カタチは幸運を呼ぶしるし。 「U字型で幸運を受けとめ、やって きた幸運を逃さないように」。そんな想いを込めて、金属パーツ の一部に蹄鉄のマークをあしらいました。売り上げの一部は、 森林再生に役立てます。家具づくりが、森づくりの一部になる。 「ACOR N」とは・・・ 岡村製作所の、生物多様性にむけたアクションのこと。環境に配慮した木 材利用を通じて森林の健全化に取り組む、act -1「木材利用による森林 の健全化」。従業員の意識向上を図る、act-2「自然環境に学ぶ」。そして、 act -1と act -2を社会へ広げていく、act -3「 環を広げる 」。これら3つの アクションプランを設定し、継続的な取り組みを進めるとともに、 アクション をステップアップさせている。 〈 ACORNスペシャルページ 〉 http:// www.okamura.co.jp/company/csr/acorn/ 9 10 スギ の 限 界を 超えたデザイン。 Horse L ogging Furniture スギはやわらかい風合いをもつ反面、割れやすい性質をもつ。 しかも、手入れの行き届いていないところで育った木は細く、 枝が多いぶん節もたくさんあり、扱いがむずかしい。 そんな、家具には向かないスギの間伐材をつかって、 どうやって洗練されたデザインに仕上げていくか。 たどりついた答えは、 スチール材を併用することでした。 「木金混合」の思想のもと、ふだんから長く使える家具を 志向する岡村製作所らしい発想といえるかもしれません。 スギのぬくもりとスチールの強さを兼ね備えた、繊細なフォルム。 使用しないときは、4脚までスタッキングできるので、 スマートに置いておくことができます。 それはまさに、 “スギの限界を超えた”スツールの誕生です。 ※木部について 1脚ごとに木目や節の数、 寸法: W470×D409×H450 mm 色合いが変わります。 ホースロギングファニチャー“KURA”スペシャルページ http://www.okamura.co.jp/kura/ 「鞍」をイメージした、独特のフォルム。 11 U字の「蹄鉄」は、幸運のモチーフ。 馬具のひとつ、 「鞍」をイメージしてデザインしました。 ご購入いただく方の幸運を願い、欧州では幸運 脚のフォルムも、馬の脚を感じさせるものに。 のしるしである「蹄鉄」の紋様をあしらいました。 「馬搬」で運んだ木の証。 「Afan」の焼き印を、 さりげなく。 三層構造で、 しっかりと耐久性を確保。 馬が木を引くデザインの焼き印は、 「馬搬 アファンの森財団が管理している人工林の 座面の内側にもスギを使用。耐久性確保のため、 (ホースロギング) 」で運びだした木である証。 材であることを示す焼き印も入っています。 異なる三方向の木目の材を重ね合わせています。 12 スツールになったあの木があった場所は 、 いまでは陽だまりになっています 。 ぽ か ぽ かと、あ かるい 光 が 注ぎこんで、 そこからまた 、命 は めぐる。森 は 育ってゆく。 家 具をつくって終 わり、じゃない 。 森と私 たちの 物 語 は 、これ からもつ づきます。 Horse Logging Furniture の売上げの一部は、森林保全活動の普及のために使わせていただきます。 Horse L ogging Furniture お問い合わせ・ご相談は、下記へ きづくりラボ YONB59-3D1 P. AZ ’ 13-12
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