資料4(PDF:152KB)

資料
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国際バカロレアの概要
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国際バカロレアとは
国際的に認められる大学入学資格を与え、大学進学へのルートを確保するとともに、
学生の柔軟な知性の育成と,国際理解教育の促進に資することを目的として、国際バカ
ロレア機構(本部:スイス)によって認定校に対する共通カリキュラムの作成や国際バ
カロレア試験の実施及び国際バカロレア資格の授与などを行っている。
2 プログラム
(1)概要
国際バカロレアには、3 歳~19 歳の子どもの年齢に応じて 3 つのプログラムがある。
① PYP (Primary Years Programme:初等教育プログラム) 3歳~12 歳
② MYP (Middle Years Programme:中等教育プログラム)
11 歳~16 歳
③ D P (Diploma Programme:ディプロマ資格プログラム) 16 歳~19 歳
(2)DPについて
DPは 16 歳~19 歳までを対象としており、資格試験に合格すると世界各国で認め
られている大学入学資格を得られるプログラムであり、授業、試験ともに英語、フラ
ンス語、スペイン語のいずれかで行われるのが基本である。
日本でも、高等学校を卒業したものと同等以上の学力があると認められる者として
大学入学資格が認められている。
【カリキュラム(表中から6科目選択)】
①言語と文学
言語A:文学、言語A:言語と文化、文学と演劇
②言語習得
言語B、初級語学
ビジネス、経済、地理、歴史、情報テクノロジーとグローバル
③個人と社会
社会、哲学、心理学等
④実験化学
生物、化学、デザインテクノロジー、物理、環境システム
⑤数学とコンピ
数学スタディーズ、数学 SL、数学 HL、コンピューター科学
ューター科学
⑥芸術
音楽、美術、ダンス、フィルム、演劇
加えて、ディプロマ取得のためには以下の3つの要件を満たす必要がある。
① Extended Essay(EE:課題論文)
生徒が学んでいる科目に関連した研究課題を決めて、自分で調査・研究を行い、
学術論文にまとめる。
② Theory of Knowledge(TOK:知識の理論)
学際的な観点から個々の学問分野の知識体系を吟味して、理性的な考え方と客
観的精神を養う。さらに、言語・文化・伝統の多様性を認識し国際理解を深め
て、偏見や偏狭な考え方をただし、論理的思考力を育成する。
③ Creativity/Action/Service(CAS:創造性・活動・奉仕)
教室を出て広い社会で経験を積み、いろいろな人と共同作業することにより協
調性、思いやり、実践の大切さを学ぶ。
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国際バカロレア認定校
3つのプログラムは、全て導入することも、どれか 1 つのみ導入することも可能とな
っており、国際バカロレアに認定されている学校数は、2013 年 10 月現在、世界 146 か
国において 3,671 校である。日本における認定校の数は 27 校である。
所在地
学
校
名
PYP
学校教育法第1条に規定されている学校
群馬県
ぐんま国際アカデミー
東京都
玉川学園中学部・高等部
東京都
東京学芸大学附属国際中等教育学校
静岡県
加藤学園暁秀高等学校・中学校
京都府
立命館宇治中学校・高等学校
広島県
AICJ中学・高等学校
インターナショナルスクールなど学校教育法の管轄外の学校
茨城県
つくばインターナショナルスクール
東京都
セント・メリーズ・インターナショナルスクール
東京都
清泉インターナショナル学園
東京都
ケイ・インターナショナルスクール東京
東京都
東京インターナショナルスクール
東京都
カナディアン・インターナショナルスクール
東京都
インディア・インターナショナルスクール・イン・ジャパン
神奈川県
サンモール・インターナショナルスクール
神奈川県
横浜インターナショナルスクール
神奈川県
ホライゾン・ジャパン・インターナショナルスクール
愛知県
名古屋国際学園
京都府
京都インターナショナルスクール
京都府
同志社国際学院
大阪府
関西学院大阪インターナショナルスクール
大阪府
大阪YMCAインターナショナルスクール
兵庫県
カナディアン・アカデミー
兵庫県
神戸ドイツ学院
広島県
広島インターナショナルスクール
福岡県
福岡インターナショナルスクール
福岡県
リンデンホールスクール中高学部
沖縄県
沖縄インターナショナルスクール
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MYP
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DP
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国際バカロレアの認定校になるためには
プログラムの認定を希望する学校は、プログラムが実行可能か確かめるため、国際バ
カロレア機構による審査を受け、機構にプログラム別の年間認定校加盟費を支払う。
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1条校が国際バカロレア認定校になるに当たっての留意事項
学校教育法第 1 条で規定されている学校が国際バカロレアの認定校になるためには、
学校教育法等関係法令と国際バカロレア機構の定める教育課程の双方を満たす必要があ
る。
各学校においては、学習指導要領が定める各教科等の目標・内容と、国際バカロレア
のカリキュラムの内容を比較し、国際バカロレアのカリキュラムに学習指導要領が定め
る内容を補うなどして、両方の内容を適切に取り扱えるよう、教育課程を工夫して編成・
実施することが求められる。
例えば、DP認定校である高等学校においては、1年次に必履修科目の大半を履修し、
2年次以降、学校設定科目として国際バカロレアのカリキュラムに対応した科目を設定
して履修するような工夫をしている例がある。
DPは英語、フランス語、スペイン語のいずれかの言語で授業を行うことが求められ
る。DPへの接続といった観点から、中学校、高等学校等において一部の教科等の授業
を英語で実施することも考えられる。一方、我が国の学習指導要領は、日本語で授業を
実施することを前提としているため、学習指導要領が定める各教科・科目等の授業を日
本語以外の言語で実施する際には、教育課程上様々な配慮が必要となる。このため、学
習指導要領が定める教科・科目等の授業を、英語をはじめとする日本語以外の言語で実
施する場合、学習指導要領等の教育課程の基準によらない特別の教育課程の編成・実施
を可能とする「教育課程特例校制度」に申請し、
「教育課程特例校」として文部科学大臣
の指定を受けることが必要となる。
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我が国の大学での取扱い
国際バカロレア資格を有する者で 18 歳に達した者に対しては、我が国の大学への入学
資格が認められる。大学に入学するためには、大学入学志願者が個々の大学の入学者選
抜を経ることとされており、当該選抜を経た者に入学が許可されることになっている。
出願要件などは、大学ごとに多少異なるが、国際バカロレア資格取得者についても、
多くの大学で帰国子女特別選抜等の出願資格の一つとして募集要項に明記されており、
一定の要件を満たす場合には、この制度により大学入試を受験することが可能である。
その際、小論文、面接などを総合して選抜を行っている例が見られる。
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諸外国の高等教育機関における取扱い
国際バカロレア資格については、国ごとに具体的な取扱いは異なるものの、欧米諸国
を中心として多くの国々の高等教育機関において、大学入学資格として幅広く受け入れ
られている。
国際バカロレア資格及びスコア(資格試験の点数)は、世界共通の成績証明書として、
世界の約 2,000 の大学において入学選考等に広く活用されている。
(出典:文部科学省ホームページ「国際バカロレアについて」)
(出典:教育再生実行会議第 12 回会議資料)
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