辻創介先生 :. N Engl J Med 2014 March 18 [Early publish online] EGDTの再検証、敗血症ショックに CV モニタリングは不要か?? A Randomized Trial of Protocol-Based Care for Early Septic Shock.(ProCESS trial) 【背景】敗血症ショック患者に対し、CVカテーテル確保後、CVP や ScvO2 をモニターしながら、大量 輸液,循環作動薬,強心薬,輸血により 6 時間で循環動態を立て直す EGDT が死亡率を低下する という衝撃的な結果が 2001 年に発表されましたが、今回、このEGDTが大規模に再検証されまし た。 【方法】米国 31 施設の ER にて、敗血症性ショック患者の 6 時間の蘇生において,EGDT プロトコ ル群,CVは用いずに強心薬と輸血を用いた標準治療プロトコル群、担当医に任せる通常治療群の 3 群に割り付け、60 日院内死亡率を主要評価項目、長期死亡率と臓器支持療法の必要性を副次 評価項目に、それぞれの治療の優位性が検証されました。 【結果】1341 例の患者が登録され,439 例が無作為に EGDT 群に,446 例が標準治療プロトコル 群に,456 例が通常治療群に割り付けられました。60 日までに,EGDT プロトコル群で 92 例が死亡 (21.0%),標準治療群で 81 例が死亡(18.2%),通常治療群で 86 例が死亡(18.9%)し、主要評価 項目でのEGDTの優位性は認めませんでした。また、90 日死亡率,1 年死亡率,臓器支持療法の 必要性についても有意差は認めませんでした。 【結論】今回、2001 年の Rivers らの報告のような敗血症性ショック患者に対する EGDT の優位性 は再現できませんでした。しかし、EGDT の発表以後、敗血症の初期治療での循環動態の立て直し の重要性が浸透し、標準治療プロトコル群や、通常治療群でも治療の基本的な考え方に大差なく 厳重に管理されたことが、今回予後に有意差を出せなかった可能性は否定できません。安易に、シ ョック患者にCV管理は不要!と決めつけるのは、早計かもしれません。。(文責 阿比留)
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