高速 CR 発振器の温度補正方法

高速 CR 発振器の温度補正方法
32-BIT MICROCONTROLLER
FM3 ファミリ アプリケーションノート
APPLICATION NOTE
ARM is the registered trademark of ARM Limited in the EU and other countries.
Cortex is the trademark of ARM Limited in the EU and other countries.
Publication Number AN706-00064
Revision 1.1
Issue Date January 31, 2014
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AN706-00064-1v1-J, January 31, 2014
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目次
目次 ...................................................................................................................................... 3
対象製品 ............................................................................................................................... 4
1
はじめに ........................................................................................................................ 5
2
高速 CR 発振器の温度補正方法 ...................................................................................... 6
2.1
高速 CR 発振器 温度トリミング設定..................................................................... 6
2.2
高速 CR トリミング機能 設定手順例..................................................................... 6
2.3
フラッシュメモリ内部の CR トリミング領域保存データの使用手順例 ................. 7
2.4
高速 CR 発振 温度トリミング設定レジスタ(MCR_TTRM) ................................... 8
2.5
レジスタマップ ...................................................................................................... 9
2.6
使用上の注意 .......................................................................................................... 9
改版履歴 ............................................................................................................................. 10
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対象製品
本アプリケーションノートに記載されている内容の対象製品は、下記の通り
です。
(TYPE9)
シリーズ名
品種型格(パッケージサフィックスは除く)
MB9B520M
MB9BF521K,MB9BF522K, MB9BF524K
MB9BF521L,MB9BF522L, MB9BF524L
MB9BF521M,MB9BF522M, MB9BF524M
MB9B320M
MB9BF321K,MB9BF322K, MB9BF324K
MB9BF321L,MB9BF322L, MB9BF324L
MB9BF321M,MB9BF322M, MB9BF324M
MB9B120M
MB9BF121K,MB9BF122K, MB9BF124K
MB9BF121L,MB9BF122L, MB9BF124L
MB9BF121M,MB9BF122M, MB9BF124M
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はじめに
FM3 に搭載されている高速 CR 発振器は、トリミング機能の設定を行うことで、周波数の
オフセット調整および、温度による周波数の変動を抑えることができます。
高速 CR トリミング機能は、周波数トリミング設定部と温度トリミング設定部から構成され、
以下の機能を持っています。
周波数トリミング設定部

周波数トリミングレジスタ(MCR_FTRM)にトリミング値を書き込むことにより、高速
CR の周波数オフセット調整が可能

インプットキャプチャまたはベースタイマを使用することにより、一定期間内のカウ
ント値から、周波数トリミングレジスタへの設定値を算出することが可能
温度トリミング設定部

温度トリミングレジスタ(MCR_TTRM)にトリミング値を書き込むことにより、高速 CR
の温度補正が可能
本アプリケーションノートでは、高速 CR トリミングの温度補正の方法について説明します。
周 波 数 補 正 の 方 法 に つ き ま し て は 、『 FM3 フ ァ ミ リ ペ リ フ ェ ラ ル マ ニ ュ ア ル 』 の
「CHAPTER2-2 高速 CR トリミング」を参照してください。
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高速 CR 発振器の温度補正方法
2.1 高速 CR 発振器 温度トリミング設定
温度トリミング設定レジスタ(MCR_TTRM)にトリミングデータ値を書き込むことにより、
温度変動による高速 CR クロックの誤差を補正できます。
温度トリミング設定レジスタ(MCR_TTRM)に書込むデータは、工場出荷時のフラッシュメ
モリの「温度トリミングデータ領域」に保存されている値を用いるか、CR トリミングデー
タ・ミラー・レジスタ(CRTRMM)の TTRMM ビットの値を用いてください。
「温度トリミングデータ領域」のアドレスにつきましては、
『MB9AB40N/A40N/340N/140N/150R/MB9B520M/320M/120M シリーズフラッシュプログラ
ミングマニュアル』を参照してください。
2.2 高速 CR トリミング機能 設定手順例
温度補正を行う場合の設定手順例を以下に示します。
1. 高速 CR 発振 レジスタ書込み保護レジスタ(MCR_RLR)の TRMLCK[31:0] ビットに
「0x1ACCE554」を書込み、周波数トリミング設定レジスタ(MCR_FTRM)/温度トリミ
ング設定レジスタ(MCR_TTRM)のロックを解除する。
2. 温度トリミング設定レジスタ(MCR_TTRM)の TRT ビットにトリミングデータを設定す
る。
3. 周波数トリミング設定レジスタ(MCR_FTRM)の TRD ビットを設定する。
4. 高速 CR 発振 レジスタ書込み保護レジスタ(MCR_RLR)の TRMLCK[31:0] ビットに
「0x1ACCE554 以外」の値を書込み、周波数トリミング設定レジスタ(MCR_FTRM)/温
度トリミング設定レジスタ(MCR_TTRM)にロックをかける。
図 2.1 周波数/温度トリミングデータ設定
設定開始
レジスタロック解除
MCR_RLR.TRMLCK[31:0]=0x1ACC_E554
温度トリミング設定レジスタ設定
MCR_TTRM.TRT
周波数トリミング設定レジスタ設定
MCR_FTRM.TRD
レジスタロック
MCR_RLR.TRMLCK[31:0]=0x0000_0000
※ 0x1ACC_E554以外を書込む
設定完了
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2.3 フラッシュメモリ内部の CR トリミング領域保存データの使用手順例
以下にフラッシュメモリの『CR トリミング領域』に保存されているトリミングデータを読
み出して周波数トリミング設定レジスタ、温度トリミング設定レジスタに設定する手順例を
図 2.2 に示します。
図 2.2 温度トリミングデータ領域保存データの使用手順例
設定開始
レジスタロック解除
MCR_RLR.TRMLCK[31:0]=0x1ACC_E554
フラッシュメモリの
CRトリミング領域読み出し
MCR_TTRM.TRTに
読出した温度トリミングデータ(TTRM)を設定
MCR_FTRM.TRDに
読出した周波数トリミングデータ(TRMM)を設定
レジスタロック
MCR_RLR.TRMLCK[31:0]=0x0000_0000
※ 0x1ACC_E554以外を書込む
設定完了
<注意事項>
「温度トリミングデータ領域」のアドレスについては、
『MB9AB40N/A40N/340N/140N/150R/MB9B520M/320M/120M シリーズフラッシュプログラ
ミング』を参照してください。
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2.4
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高速 CR 発振 温度トリミング設定レジスタ(MCR_TTRM)
MCR_TTRM レジスタは、温度トリミング値を設定します。
レジスタ構成, レジスタ機能について説明します。
レジスタ構成
bit
31
Field
属性
初期値
bit
Field
属性
初期値
16
予約
-
15
5
予約
-
4
3
2
1
TRT[4:0]
R/W
01111
0
レジスタ機能
[bit31:5] 予約 : 予約ビット
これらのビットからは、常に"0"が読み出されます。
書込みは動作に影響しません。
[bit4:0] TRT[4:0] : 温度トリミング設定ビット
Bit4:0
説明
書込み時
温度による周波数変動の補正を行うビットです。
フラッシュメモリの温度トリミングビット保存領域を読み出した値を
書き込んでください。
温度トリミング設定ビットに書込み値については、「2.1 高速 CR 発振
器 温度トリミング設定」を参照してください。
読出し時
設定された値が読み出されます。
初期値は 0b01111 が読み出されます。
<注意事項>
・ 本レジスタはソフトウェアリセット時には初期化されません。
・ 周波数トリミングデータを取得する際は、必ず先に本レジスタの設定を行ってください。
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2.5 レジスタマップ
表 2.1 に高速 CR トリミング機能のレジスタマップを示します。
表 2.1 高速 CR トリミング機能
レジスタマップ
Register
+2
0x4002_E000
+ Address
+3
0x000
-
-
0x004
-
-
0x008
-
-
0x00C
0x010 - 0x0FC
-
+1
+0
MCR_PSR[B,H,W]
------01
MCR_FTRM[B,H,W]
------10 00000000
MCR_TTRM[B,H,W]
---01111
MCR_RLR[W]
00000000 00000000 00000000 00000001
-
-
2.6 使用上の注意
・ 「CR トリミング」領域に保存されているデータについて
「CR トリミング」領域には、工場出荷時に設定した周波数/温度トリミングデータが保存さ
れています。「CR トリミング」領域のアドレスについては、
『MB9AB40N/A40N/340N/140N/150R/MB9B520M/320M/120M シリーズフラッシュプログラ
ミング』を参照してください。
フラッシュメモリを消去する場合、「CR トリミング」領域も同時に消去されます。「CR
トリミング」領域の値を使用する場合、フラッシュメモリを消去する前に「CR トリミング」
領域のデータを別領域(RAM など)に保存してください。
または、「CR トリミング」領域以外のセクタを消去してください。
・ 高速 CR 発振器 発振周波数精度について
温度補正機能に対応した製品で高速 CR 発振 温度トリミング設定レジスタ(MCR_TTRM)と
高速 CR 発振 周波数トリミング設定レジスタ(MCR_FTRM)の設定を行わない場合、データ
シートに記載されている高速 CR 発振器の精度を保証できないため、必ず設定を行ってく
ださい。
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改版履歴
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版数
日付
内容
1.0 版
2013/02/08
新規作成
1.1 版
2014/01/31
社名変更および記述フォーマットの変換
AN706-00064-1v1-J, January 31, 2014
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りません) に使用されることを意図して設計・製造されています。(1) 極めて高度な安全性が要求され、仮に当該安全性が
確保されない場合、社会的に重大な影響を与えかつ直接生命・身体に対する重大な危険性を伴う用途 (原子力施設における
核反応制御, 航空機自動飛行制御, 航空交通管制, 大量輸送システムにおける運行制御, 生命維持のための医療機器, 兵器シ
ステムにおけるミサイル発射制御等をいう) 、ならびに(2) 極めて高い信頼性が要求される用途 (海底中継器, 宇宙衛星等を
いう) に使用されるよう設計・製造されたものではありません。上記の製品の使用法によって惹起されたいかなる請求また
は損害についても、Spansion は、お客様または第三者、あるいはその両方に対して責任を一切負いません。半導体デバイス
はある確率で故障が発生します。当社半導体デバイスが故障しても、結果的に人身事故, 火災事故, 社会的な損害を生じさ
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いします。本資料に記載された製品が、外国為替及び外国貿易法、米国輸出管理関連法規などの規制に基づき規制されてい
る製品または技術に該当する場合には、本製品の輸出に際して、同法に基づく許可が必要となります。
商標および注記
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