第一回輪講 名城大学 理工学部 情報工学科 渡邊研究室 110430112 丸山敦志 本の紹介 • タイトル:GPSのしくみと応用技術 • 編集:トランジスタ技術編集部 • 発行人:溝口早苗 • 発行所:CQ出版株式会社 1 本日の内容 ・GPSについて ・位置・時刻の測位のしくみ ・応用技術 2 GPSとは • GPSとは,Global Positining Systemの 略で衛星を使った測位 システムの一つ. • 元々は,米国が開発した 軍事用の測位システム. 3 三つのブロックで構成された巨大システム • ①GPS衛星(スペースセグメント) GPS衛星は約2万キロ上空の6つの軌道上に4基以上ず つ配置され,約12時間で地球を1周する. • ②地上管制(コントロールセグメント) GPS衛星を監視したり制御したりする. • ③GPS受信機(ユーザセグメント) GPS衛星からの電波を受信し,位置を計算する. 4 測位のしくみ • 受信機は自身の緯度,経 度,高度,時刻を測定する ためには4つ以上の GPS衛星が必要. 5 測位過程 • 4つの衛星をそれぞれA,B,C,Dと置 き,まずはAとGPS受信機について 考える. • 2点間の距離は衛星Aが信号を送 信してからGPS受信機が信号を受 信するまでの時間に光速Cをかけ れば求まるので以下の等式が成り 立つ. C 𝑇a − 𝑇𝑠 + ⊿𝑡 = 𝑋a − 𝑋 2 + 𝑌a − 𝑌 2 + 𝑍a − 𝑍 2 ・・・・・・ (𝑎) 6 測位過程 • 衛星B,C,Dに対しても同様の計算式を立てると以下のよ うになり,方程式(a),(b),(c),(d)の4元連立方程式が得 られ,未知な値であったX,Y,Z,⊿tの値が求まる. • C 𝑇𝑏 − 𝑇𝑠 + ⊿𝑡 = 𝑋𝑏 − 𝑋 2 + 𝑌𝑏 − 𝑌 2 + 𝑍𝑏 − 𝑍 2 ・・・・・・ (𝑏) • C 𝑇𝑐 − 𝑇𝑠 + ⊿𝑡 = 𝑋𝑐 − 𝑋 2 + 𝑌𝑐 − 𝑌 2 + 𝑍𝑐 − 𝑍 2 ・・・・・・ (𝑐) • C 𝑇𝑑 − 𝑇𝑠 + ⊿𝑡 = 𝑋𝑑 − 𝑋 2 + 𝑌𝑑 − 𝑌 2 + 𝑍𝑑 − 𝑍 2 ・・・・・・ (𝑑) 7 高精度測位とそのしくみ • 単独測位 一つの受信機で測位する方式. 測位精度は10m程度. • 相対(ディファレンシャル)測位 基準点を設けて基準点の誤差と計測点の誤差は 同じと仮定して,基準点の誤差を補正値として計測 点に送り,計測点の誤差補正に使用する方式. 測位精度は数㎝程度. 8 相対測位 • キネマティック方式 GPS衛星から送られてくる搬送波の位相を連続的 に観測することにより移動する物体の位置を瞬時 瞬時に2~3㎝の精度で決定していく手法. • スタティック方式 複数の受信機で4つ以上の衛星を長時間観測し, 衛星の時間的位置変化を利用して数㎜程度の精 度で決定していく手法. 9 高精度測位特有の課題 • 電離層や大気の影響を除去しなければならな い →受信機をもう一つ用意し,二つの受信機間の 位相差を測定することにより誤差量を相殺すること ができる. • 電波障害が発生した場合位置の再計算が必 要になる →今後の課題. 10 応用技術1 • 速度測定 受信機が移動している 場合,受信機が受信す る衛星からの搬送波の ドップラー効果による周 波数の変化を読み取る ことにより受信機の速 度を計算する. 11 応用技術2 • お年寄りや子供の監視 GPS受信機と携帯電話 を組み合わせることで子 供やお年寄りの居場所を 離れたところで監視できる. 12 まとめ • 衛星からの信号が途絶えたときのサイクル・ス リップの発生の検出と補正の仕方の確立. • GPS受信機と通信機を組み合わせたアプリ ケーションの普及. 13
© Copyright 2024 ExpyDoc