ケーブルジャンパ(CJ)工法

〔図-1:ケーブルジャンパ(CJ)施工後 状況図〕
∼ 特 集 ∼
ケーブルジャンパ(CJ)工法
<<このケーブルジャンパ(CJ)工法を次の現場で施工しましたので、ご紹介いたします。>>
【工事件名】
【工事概要】
大高大府線一部増強工事(現場代理人 : 平野茂廣)
電圧 : 77kV 電線張替 : 13径間 鉄塔改造 : 12基
【工法採用目的】 大高大府線電線張替工事において、No.9分岐鉄塔にて2L電線張替のとき1L
充電部分(分岐側)を上空横断する。作業中の充電回線の地絡防止のために
ケーブルジャンパを施工するものである。
〔大高大府線当該鉄塔 現況〕
【注意事項】
1.運搬については、落下・移動防止のためコンテナを確実に固定し衝撃を与えないようにする。
2.ケーブル延線箇所は事前に突起物・障害物が無いことを確認し、シート・養生マット等で養生を行う。
3.ケーブルジャンパーの移動時はケーブルヘッドを必ず持つ。
(ケーブルとケーブルヘッドの接続点に力がかからないようにする)
4.CVケーブルが鉄塔部材と接触するところはドングロス等で養生する。
5.半径600Rを順守する(円定規の作成、使用)
6.踏まない・蹴らない・曲げすぎない・こすらない・引きずらない・投げない
【管理上、苦労した点(平野現場代理人の談)】
・当初ケーブルジャンパーの施工について日立電線㈱による技術指導の下に行う予定だったが、指導なしで行う事と変更になった。
・経験が少ない中での施工だったので、社員・作業員全員が情報を共有するため打ち合わせをこまめに行った。
・施工計画について、上記の状況でもあり電力担当者等と打ち合わせ等を綿密に行い指導等のほか資料・情報等でもご協力
を頂いた。当社だけで施工するには、リスクが多いと思う。
【施工方法】
※ 施工前に、施工手順・注意事項等の情報について社員・作業員全員が理解し共有する。
1.ケーブルジャンパー仮設材を設置する。(図−4 青線部分及びピンク線の部分)
2.高所作業車を使用し、ライン側電線に碍子連と吊線を接続し所定の弛度に合わせる。(C6→C5→C4の順で行う)
(図−4 青線部分及びピンク線の部分)
3.ケーブルジャンパーを地上に引き延ばす。
4.高所作業車等を使用し、所定の位置までケーブルジャンパーを移設する。
(今回はケーブルヘッドを高所作業車2台と中間3箇所をロープで吊り上げ移設した)
5.ライン側のケーブルヘッドを取付後、鉄塔側ケーブルヘッドを回転させながら余長の調整を行う。
6.余長調整のメドがついた時点で鉄塔側ケーブルヘッドを取り付ける。
7.余長部をクリート及びケプラロープにて鉄塔材・仮設部に固定する。
【設置後の試験※ CVケーブルの絶縁抵抗測定 : 2000MΩ以上 1000vメガー使用
※ 接地線の接地抵抗測定 : 数Ω 1000vメガー使用
注)接地抵抗がとれていないとケーブルに不具合が発生送電不可となる。
【施工日数】 ■ 準備
2日
■ ケーブルジャンパ取付 3日
合計 : 5日
【施工上、苦労した点(作業員の談)】
・上回線作業時は、下部に充電部がないので安心して作業ができた。
・施工上注意した点は、曲げ、傷の無いように施工した。またケーブルヘッドの取扱いには特に注意した。
・ジャンパーが全体的に重いのでケーブルを延ばしたり、収めたりするのに人数を要(15人で施工)
・今回は、高所作業車が使えたが使えない所では大変そうだ。
〔ケーブルジャンパ仕様〕
【参考】
『 ケーブルジャンパ(CJ)工法について 』
【開発者】
【工法概要】
中部電力(株)
日立電線(株) 2社による協同開発
(特許番号:第3367912号)
ケーブルジャンパ(CJ)工法は、工事対象の
鉄塔近傍の充電回線をあらかじめ電力用
ケーブルに置き換え絶縁化することにより、
通電状態においても当該鉄塔での作業を可
能にする仮工事工法のこと。
〔ケーブルジヤンパ施工写真〕
接地線
CVケーブル固定用仮設材
ケーブルハンガー 両端は2個留め
ケーブルハンガー
吊架線 AC90
ケーブルハンガー 両端は2個留め
接地線 AC90と接続
CVケーブル
ケーブルヘッド
ケーブル余長調整部
ドングロスで養生
〔CVケーブル収納状況〕
銅テープとブラケットをつな
ぐ接地線
クリート
ケーブルヘッド
ターンバックル
〔ケーブルヘッド養生用のプロテクターを半分開いた状態)〕
ブラケット
ケーブルヘッドを仮設材
で鉄塔などへ支持する
ブラケットと鉄塔をつなぐ接地線
半径600を確保
がいし部
端子
養生してあるが通常の端子
CVケーブル
ケーブルのしゃへい銅テープとブラケット
の接地線
ここに曲げ荷重をかけては
いけない
この端子から
鉄塔へ接地線を接続する
プロテクター