平成23年度第2回函館市美しいまちづくり検討会

平成23年度第2回函館市美しいまちづくり検討会
日時:平成23年10月6日(木)9:30~
場所:函館市企業局4階会議室
次
第
1.座長挨拶
2.都市空間の形成に係る勉強会
講師:日本政策投資銀行 参事役
3.議
藻 谷 浩 介 氏
事
(1)第1回検討内容の確認
(2)質の高い都市空間の形成に向けた街全体のグランドデザインについて
4.そ の 他
平成23年度 第1回函館市美しいまちづくり検討会における
函館市の都市空間イメージについてのキーワード
1. まちづくりの進め方
りの進め方
選択と集中
・20年後の人口や生活のあるべき姿を想定したまちづくりが必要(岩田委員)
・選択と集中という観点も重要であり,核となる地域を1つか2つに絞るという選択もある(奥平委員)
函館らしさとは?
・「函館らしさ」が何であるか整理することが必要(渡辺 ( 良 ) 委員)
・市全体として「函館らしさ」を定義する難しさ(渡辺 ( 譲 ) 委員)
・「函館らしさ」を考えるにはどのような景観が重要なのか精査することも必要(奥平委員)
・現状にプラスするのではなく,一旦素に戻って整理することが良いのではないか(渡辺 ( 譲 ) 委員)
etc.
土木技術重視からデザイン重視のまちづくりへの転換(工藤市長)
国際観光都市としてビジョンを持ったまちの再生が必要(照井委員)
現実の生活と過去と未来を常に検証することが必要(小栗委員)
2. 美しいまちの実現に向けて
(1)あるべき姿・将来像は
デザイン性に優れたまち
・公園のなかにまちがあるようなデザインに優れ,歩くだけで楽しい町並み(工藤市長)
・歴史・文化・デザインを取り入れた市民優先のまちづくり(照井委員)
歴史を感じる新しいまち
・ただ古いものを残すのではなく,そのDNAを持った新しいまちづくり(岩田委員)
・まちは変化していく宿命にあり,これまで築いてきた歴史や香りをどこかで感じられるまちづくり
ができれば良い(小栗委員)
・まちというのは,歴史を踏まえつつも新しさも必要(照井委員)
・古いものを守るだけではなく,新しい町並みをつくっていくことも重要(工藤市長)
etc.
駅前・大門地区に活気を取り戻すことが重要(渡辺 ( 良 ) 委員)
歩いて暮らせるまちづくりは重要(折谷委員)
(2)まちをデザインするには
人々の生活がベース
・景観をデザインするということは,そこに住む人々の生活をデザインすること(岩田委員)
・デザインは何かをプラスするというものではなく,人々が生活のなかに心地良さや快適さを求める
と,それについてくるものであり,自ずと,美しいまちに行きつくのでは(渡辺 ( 譲 ) 委員)
・狭い領域に充実感のある生活空間をつくることにより「函館らしさ」がでてくる(岩田委員)
・人の生活があってのまちであり,住む人の活気がなければ魅力あるまちにならない(工藤市長)
(3)磨き上げ,持続するには
市民を巻き込む
・市民参加は,物理的に出来たものを上手く活かすために重要なポイント(岩田委員)
・ターゲットとなる地区を決め,早い段階から市民を巻き込むことが必要(岩田委員)
・まちづくりには地域住民の意見を聞くことが重要(折谷委員)
・美しいものを造ってから,まちの人がどう磨き上げていくかが重要(大野委員)
・美しさは五感で感じるものであり,加えて人のやさしい心が必要(大野委員)
(4)その素材となるものは
グリーンベルト
・グリーンベルトの存在は重要であり,
「公園のなかにまちがある」を具現化するきっかけ(奥平委員)
自然景観
・函館は景観が特異であり,様々な自然景観が市民生活に大きく入り込んでいる(奥平委員)
・海岸線など自然の景観を活かしたまちづくり(奥平委員)
沿道の町並み
・観光客は,住んでいる人が気付かない景観に魅力を感じることもある(奥平委員)
函館CIの取り組み
1
基本方針「個性と活力と魅力にあふれた函館の創造をめざして」の策定(平成4年6月)
(1)背景
「地域環境」
S59 年指定のテクノポリス函館の進展および S63 年青函博覧会の開催
→これらを契機に人や物の流れが活発化,まちづくりへの市民参加意識の高まりが見られ,行政と
市民が一体となって潤いと活力のあるまちづくりに取り組んでいかなければならない。
「社会経済環境」
国際化・情報化の進展,高齢化の進行という時代の潮流の中で,
「物の豊かさ」から「心の豊かさ」
へと変化し,価値観・ニーズの多様化
→活力と個性,ふれあいと潤いのある新たなまちづくりが求められている。
これらを踏まえ,地域の個性いわゆる「函館らしさ」を市民と共に考え,21世紀に向けた望ましい
函館のあり方を再構築し,各種施策の展開によりその実現に向けての努力が必要である。
(2)函館CIの目標
函館の望ましいアイデンティティ(独自性,主体性)を内外に明らかにし,これにふさわしい各種
施策を展開することで,地域づくりに対する職員意識や市民の郷土愛を高め,新たな創造的・自主的
活動を誘発し,個性と活力と魅力にあふれた函館らしいイメージづくりと,市民が誇れる函館の創造
をめざす。
(3)函館CIの進め方・推進体制の整備
①基本理念の策定
②推進計画(主要プロジェクト・シンボルマークの策定)の策定・実施
③庁内に推進本部・WGを設置
2
基本理念策定に向けた取り組み(平成4年6月~平成7年2月)
(1)各種調査の実施
市民・職員・他都市アンケート,オピニオンリーダーヒアリングなどの実施
(2)各種調査の分析(CI委員会活動報告から抜粋)
函館らしいまちづくりにあたっては,市民にとって住みよいまちをつくっていく必要があり,また,
シティ・アイデンティティの手法を取り入れていくためには,市民の主体的な参加意識に裏打ちされ
た,行政と市民の共同作業がなくてはならない。
基本理念に沿った各種の施策展開にあたっては,行政と市民の新しい関係の構築が大変重要であり,
そのためには,職員(市役所)が市民に信頼され,親しまれ,市民と共にある職員(市役所)として
自らの意識を改革していくことが,根底になければならない。
また,「望ましい都市,函館の創造」は,他から与えられるものではなく,自らが共に創り出して
いく“市民運動”として展開していかなければならないことを,市民も私たちも強く自覚する必要が
あると考えます。
pg. 1
3
基本理念の決定(平成7年3月)
(1)基本理念構築にあたっての基本認識の整理
「まち」とは,市民全体が共有のものとして自覚でき,共同で利用・活用できる「場」であり,そ
れを端的に表すと以下の5つの姿に集約することが可能である。
○市民全体に利用され,その共同利益の場
〈共用・共益〉
○異なる考えを持つ人が,互いを認め生活する場
〈共存・共生〉
○市民の共同作業により,共同責任で作られる場
〈共働・共責〉
○市民が,共通した誇りと愛情をもてる場
〈共感・共愛〉
○市民共有の空間であり,環境である場
〈共有環境〉
(2)函館のイメージを導き出す環境
【函館の環境要素】
○物理的環境
【導き出されるイメージ】
すごし易い,温かい,住みよい
世界一の夜景
輝き,きらめき
星形の城郭
歴史・伝統,箱館戦争
歴史的建造物
輝き,きらめき,歴史・伝統
わが国最初の国際貿易港
歴史・伝統,異国情緒,港町
近代日本の夜明け
歴史・伝統,先進の気質
文明開化(異文化との出会い)
ハイカラ,エキゾチック
南北海道の中核都市
すごし易い,住みよい
開放的な人柄と人情
温かい,住みよい,港町
○歴史的要件
温暖な気候
○社会的要件
(3)函館のイメージの二面性
【プラスイメージ】
【マイナスイメージ】
夜景の美しい都市
活気をあまり感じない都市
歴史・伝統の息づく都市
若い人が少ない都市
北の玄関・港町
何となく雑然とした都市
人情味・やすらぎのある都市
先進性をあまり感じない都市
函館をより一層輝きのあるまちにするためには,プラスイメージをさらに伸ばすと同時に,マイナス
イメージをプラスに転化する努力が必要である。
(4)函館と光のかかわり
函館はかつての開港以降,北海道開拓の玄関口,北洋漁業の基地など,歴史的発展と変革を果たし
てきた。今日の函館は,ある意味ではその遺産によって成り立っているとも言える。
函館はいま,産業構造の変革や行政と市民の新たな関係の構築,国際化,情報化,高齢化社会の到
来への対応など,多くの課題を抱えながら,なおかつ大きな節目を迎えている。新たな改革,新たな
“文明開化”が求められている。
“文明開化”は,ガス燈の点灯をもって象徴されるが,函館は新たな変革を,再び「ひかり」をキ
ーワードとして,新たなガス燈に灯を灯すことをもってなさなければならない。
「ひかり」は,単に人工的な光を意味するものではなく,人の「輝き」,暮らしの「灯り」,産業の「光」,
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歴史・文化の「きらめき」などと,広い概念をもつ言葉である。
多くの課題を克服しながら,また,一部にある閉鎖的で沈滞した都市イメージを払拭しながら,将
来に向けたまちづくりを市民とともに推進していくには,「ひかり」という開放的で,明るく,のび
やかな都市イメージを共有する必要がある。
(5)函館CIの基本理念
○メインコンセプト
「函館
ひかりのおくりもの
」
○コンセプトワードと目標像
【コンセプトワード】
【目標像】
温かなひかりをあなたに
人がやさしい,人にやさしいまち
ときめく出会いを生むまち
様々な生き方ができるまち
きらめくひかりを未来に
伝え残していきたい歴史が息づくまち
新しい文化を創り出していくまち
豊かなひかりをまちに
うるおい,やすらぎに満ちたまち
機能とあたたかさが調和したまち
みんなが生き生きと働けるまち
4
コミュニケーションマークの決定(平成8年3月)
基本理念の視覚的な展開を図るため,コミュニケーションマーク
などについての「函館CIベーシックデザインマニュアル」を発刊
5
函館CI推進計画(平成11~15年度)の策定・実施
(1)策定の目的
函館CIの一層の推進を図るとともに,基本理念を反映したモデル事業等を明らかにし,民間・行
政問わず,すべての人や組織が協働で函館らしいまちづくりを推進するもので,市民参画によりモデ
ル事業を選定した。
(2)計画の体系と主要事業
「温かなひかりをあなたに」
○花いっぱい,きれいなまち
-
清掃美化,花いっぱい運動など
○異なる文化がふれあうまち
-
日本語教室の開催など
「きらめく光をあなたに」
○やさしいひかりに包まれるまち-
新ファンタジー・フラッシュ・タウン計画(ライトアップ,
街路灯設置)の推進など
○歴史が輝くまち
-
函館の歴史を学ぶ各種講座等の開催など
○自然に親しむまち
-
自然観察教室等の開催など
○市民の意識をはぐくむまち
-
函館ひかりのおくりものフォトコンテストの開催など
「豊かなひかりをまちに」
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函館市美しいまちづくり検討会 平成23年度検討スケジュール
回
日時/会場
議
事
等
備
考
第1回 H23/8/31(水)14:30~
本庁舎8階会議室
・概要説明
・座長の選出
・委員フリートーク
第2回 H23/10/6(木)9:30~
企業局4階会議室
・勉強会(藻谷アドバイザー)
・前回意見等の確認
・全体コンセプトの検討
第3回 H23/10/12(水)18:30~
サンリフレ函館2階
大会議室
・勉強会(西村アドバイザー)
・前回協議内容の確認
・全体コンセプトの整理
・地区コンセプト(駅前・大門)
の検討
第4回 H23/11 月中 日時未定
会場未定
※H24 年度の市
・前回協議内容の確認
・地区コンセプト(駅前・大門) 事 業 に 関 連 し
てご意見をお
の整理
伺いする場合
・地区コンセプト(西部,本町・
もあります。
五稜郭)の検討
第5回 H24/1 月中 日時未定
会場未定
・前回協議内容の確認
・地区コンセプト(西部,本町・
五稜郭)の整理
・地区コンセプト(湯の川)の
検討
・沿道コンセプトの検討
第6回 H24/2/20(月) 午後
会場未定
・前回協議内容の確認
・地区コンセプト(湯の川)の
整理
・沿道コンセプトの整理
・全てのコンセプトの再確認
・アドバイザーへの意見聴取
・各コンセプトの確定
※H24/2/21(火)に,当検討会での検討成果を含め「美しいまちづくり」をテーマ
とした市民向け講演会の開催を計画しています。