第20 泡消火設備に関する計算例 図4-20-1 屋外タンク貯蔵所の固定泡放出出口方式の例 1 最大タンク(A)の固定式泡放出口の型式と取付個数 (1) 最大タンクの大きさ及び貯蔵危険物 屋根の構造 固定屋根構造 容 量 8,000k 直 径 24m 高 さ 24m 貯蔵危険物 第一石油類(ガソリン) 泡放出口種別 Ⅰ型 (2) 泡水溶液量 第3章第15(消火設備の技術上の基準)第7の表3-13-2により M=A×F M:必要泡水溶液量() A:液表面積(㎡) F:液表面積1㎡当りの必要泡水溶液量(/㎡) M=(12.0×12.0×3.14)×220=99,476 (3) 泡放出口の型式と設置個数 泡放出口の型式と個数は、第3章第15(消火設備の技術上の基準)第7の表3- 13-1によりⅡ型2個以上である。 放出量の計算 M′=M/T M′:1分当りの放出水溶液量(/min) M :必要泡水溶液量() T :放射時間(min) - 527 - M′=99,476÷55=1,809/min (4) 連結送液口の個数 AQ N= C N:連結送液口の設置数 A:タンクの最大水平断面積(㎡) Q:タンクの単位液表面積1平方メートルにつき放射すべき泡水溶液の放出率 (/min) C:連結送液口1口あたりの標準送液量(800/min) (12.0×12.0×3.14) 99,476 N= ×220= =2.3 800×55 44,000 従って3個以上 2 泡原液量 泡原液量は、次の(1)から(3)までの合計以上とする。 (1) 最大タンクに対する必要量 Qア=M×r M:必要泡水溶液量() r:泡原液の混合比=0.03(3%型使用) Qア=(12.0×12.0×3.14×220)×0.03=2,985 (2) 補助泡消火栓に対する必要量 Qイ=q×N×r×t q:1分当りの吐出量=400/min N:消火栓設置数(3以上のものについては3とする。) t:放射時間(min) (3) Qイ=400×3×0.03×20=720 最遠距離にあるタンクの固定泡放出口までの配管内をみたす必要量 πd2 Qウ= ×L×r×1,000() 4 d:配管内径(m) L:配管の長さ(m) なお計算の場合は、次表を利用すること。 - 528 - 表4-20-1 配管用炭素鋼鋼管10m当りの原液量 配管の呼び径 原 液 量 ミ リ インチ 3% 6% 40 1 1/2 0.41 0.82 50 2 0.66 1.32 65 2 1/2 1.09 2.18 80 3 1.54 3.08 90 3 1/2 2.05 4.10 100 4 2.62 5.24 125 5 4.03 8.06 150 6 5.68 11.36 175 7 7.64 15.28 200 8 9.87 19.74 250 10 15.22 30.44 5×4.03 100×1.54 Qウ= + =17.4≒18 10 10 (4) 補助泡消火栓の配管をみたす必要量計算は前(3)に準じること。 360×2.62 Qエ= =94.3≒95 10 泡原液量Qは Q=Qア+Qイ+Qウ+Qエ =2,985+720+18+95==3,818 3 ポンプ容量 (1) 各配管の曲管、継手及び弁類を全て同径直線管に換算し管の摩擦損失水頭を求め る。 ア タンク消火用配管(80㎜)の直線管の長さは 90°ネジ込みエルボ 3個 2.4×3=7.2=7.2m 45°エルボ 2〃 1.1×2=2.2 制水弁 1〃 0.5×1=0.5 配管の長さ 100m 100.0 合計 イ 109.9m 80㎜配管に1,809/min流した時の摩擦損失水頭は次により算出する。 58 110× =63.8 100 補助泡消火栓(100㎜)の直線管の長さは 90°ネジ込みエルボ 4個 3.1×4=12.4m 制水弁 3個 0.7×3= 2.1m 360m =360.0m 合計 374.5m 配管の長さ 100㎜配管に1,200/min流した時の摩擦 - 529 - 8 損失水頭は、374.5× =30.0 100 125㎜配管の直線管の長さは、 90°エルボ 2個 3.8×2=7.6m T字管(分流) 1個 5.7×1=5.7m 制水弁 1個 0.8×1=0.8m 配管の長さ 5m 5.0m 合計 19.1m (2) 125㎜配管に3,009/min流した時の摩擦損失水頭は 14 19.1m× =2.7 100 補助泡消火栓のホースの摩擦損失水頭 (3) ホースはゴム内張、径65㎜、長さ40mとする。 40 6× =2.4m 100 固定泡放出口における静水頭 吐出圧力 0.35MPa 立上り静水頭 (4) 35m 17m 合計 52m 0.35MPa 35m 補助泡消火栓における静水頭 放水圧力 立上り静水頭 0.8m 合計 35.8m ここでタンク系統水頭と補助泡消火栓系統水頭を比較すると タンク系統水頭 63.8+52=115.8 補助泡消火栓系統水頭 30.0+2.4+35.8=68.2 タンク系統水頭の方が大きいので、ポンプの総揚程はタンク系統だけを加算す ればよい。 (5) 吸水側における摩擦損失水頭は5mとする。 (6) 混合器における摩擦損失水頭は7mとする。 したがって総揚程は 63.8+52+2.7+5+7=130.5m また総吐出量は 固定泡放出口 1,809/min 補助泡消火栓 1,200 〃 ポンプ容量は、吐出圧力1.31MPa、吐出量3,009/min以上を要する。 - 530 - 4 電動機の必要量 0.163×Q×H×K P(KW)= F Q:吐出量=3.009㎡/min H:揚程=131m K:伝達係数(モーター)1.1 F:ポンプ効率は、0.65とする。 0.163×3.009×131×1.1 P= =108.7 0.65 故に109kW以上必要とする。 5 必要水量 水量は泡原液の97/3倍であるから 3.818×97 水量= =123.5 3 水量は124㎡以上必要とする。 - 531 -
© Copyright 2024 ExpyDoc