医療科学研究所 産官 産官学シンポジウム2014 灘尾ホール、東京 2014年5月24日 新薬創出のための双方向性産学連携 ~AKプロジェクトの経験から~ project 成宮 周 京都大学医学研究科 AK Project 拠点執行責任者 メディカルイノ メディカルイノベーションセンター長 ションセンタ 長 0 “次世代免疫制御を⽬指す創薬医学融合拠点” ⼈類の福祉と健康 次世代の医療 臓器移植・再⽣医療 難病の克服 アレルギー・⾃⼰免疫病 慢性炎症・がん・感染症 我が国経済の国際競争⼒ ポストゲノム時代の創 薬モデルの構築と⽇本 薬 構築 本 発の Game changing drugs の創製 ⾰新的免疫制御薬 京都⼤学 医学研究科 附属病院 薬学研究所 臨床研究 総合セン ター アステラス 製薬株式会社 醗酵研・分⼦医学研 探索研・化学研 薬理研 Astellas-Kyoto Astellas Kyoto University (AK) プロジェクト 1 融合ラボ参加者(2013年6月現在、119名) 融合ラボ参加者(2013年6月現在 119名) 男性 77名 女性 42名;外国人研究員 3名 京都大学 106名;アステラス 13名 PI 18名;研究員 28名;補助員 22名; 学内登録研究者 21名;大学院生・学生 26名 アステラスサテライトラボ参加者:100名以上 AKプロジェクトの研究体制 バイオマーカー探索・融合ラボで創出された創薬 ターゲットの適用症の検討など Clinical Validation 5つの臨床科・病理部 3臨床研究グラント 1つの基礎講座 2つの薬学研究科ラボ 3 中核ラボ. 成宮・湊・坂口研究 チーム 京大ーアステラス 融合ラボ 統括 成宮(京大PL) 副統括 荒森(アステラス PL) 情報知財管理 オフィス(阿部、早乙女) 研究・開発に対する 助言 特許出願と公表の調整 15 若手研究者 グル プ グループ 3 アステラス 創薬研究チーム 創薬研究チ ム 個別に創薬ターゲットを探索、Redundancy を防ぎ、ポートフォリオを充実させる。 技術支援 グループ グル プ サテライトラボ (アステラス) つくば市 HTS、化合物最 HTS 化合物最 適化、抗体取得 京大病院 臨床研究 総合セン ター(探索 医療セン ター) 個々がテーマを持つとともに、オミック ス解析、前臨床、アッセイ開発を担当。 3 大学と企業の創薬技術融合 4 AK 研究鳥瞰図 自己免疫疾患 RA SLE H、H、H、 Y M、T、N PIを研究テーマで振り分けたもの 氏名;赤字(MD)、黒字(PhD) 氏名;赤字( )、黒字( ) 青字(アステラス) 慢性感染症 S H、Y、H、A 乾癬 アトピ アトピー M、K、M、O 対象疾患毎の H、Y、N 脳動脈瘤 臨床・基礎・企業研究者の融合 Treg誘導 A、Y がん 炎症性 自己免疫病全般 S、O、A、H、W、H、T、H、M H C 腸疾患 W, S 肝炎 免疫細胞 動態 T 移植後 後遺症 Y 移植医療 喘息 COPD 喘息・COPD C、O F Stellate cell 慢性炎症全般 I A A C I、A、A、C H C A 子宮内膜症 K ケミカルバ イオロジー T H 5 Open Innovation は企業でできない創薬の実験工房 対象領域、疾患にこだわらず、サイエンスベース ゲノム創薬(Genome -> HTS -> Combinatorial Chemistry)のみでなく、表現型スクリーニングを重視 y Pharmacology versus Reverse Pharmacology Pharmacology は、標的は不明で化合物の活性から出発するもの。 これに対し Reverse Pharmacologyはゲノム上の遺伝子にコードされる標的 これに対し、Reverse として薬物を開発し、その薬物の応用を考えようと言うもの。ゲノム解読以来、 製薬企業はこぞってこの方向に走り出した。これにより、企業での研究はステ レオタイプ化し 創薬が作業化する 方 基礎研究は衰退した レオタイプ化し、創薬が作業化する一方、基礎研究は衰退した。 6 産学連携で創薬を成功させる 双方向性のアプローチ アカデミアの知(アイデア・情報)を企業の創薬研究へ 注入する。 注入する 企業既有の薬物 抗体を拠点の研究で臨床に繋ぐ 。 企業既有の薬物・抗体を拠点の研究で臨床に繋ぐ 企業名 アステラ ス 武田 第一三共 エーザイ 件数(年度別) 件数(理由別) 2012 2011 上半期 合計 まで 重篤な 副作用 2007 2008 2009 2010 3 6 4 9 6 7 35 5 5 0 13 6 1 0 13 8 2 0 14 7 1 1 18 8 3 5 22 7 4 1 19 41 16 7 99 効果な 経済的 その他 総計 し 理由 2 15 13 5 35 1 20 14 6 41 0 8 5 3 16 0 1 0 6 7 3 44 32 20 99 7 製薬会社が知らないアンメット・メディカル・ニーズ の発見 例 脳動脈瘤 の発見〜例、脳動脈瘤〜 くも膜下出血:全死亡の1.5%、死亡率50% くも膜下出血:全死亡の1 5% 死亡率50% 脳動脈瘤:くも膜下出血の主要な原因、有病率1~5% 血流ストレスで発生するが、マクロファージ集積を特徴とする慢性炎症である。 分岐部 に生じた 脳動脈 瘤 動脈瘤血管壁に見られる 脳動脈瘤は脳血管分岐部(○)に好発 マクロファージの集積 脳動脈瘤 の拡大・破 の拡大 破 裂阻害薬 を創って く を創って、く も膜下出血 の無い明る い日本を! 8 大学のアイデアを企業のシーズつなぐ を 業 大学のアイデア=病気の進行と連関しているゲノム情報、生理的過程 に働いている細胞 分子 に働いている細胞、分子 企業のシーズ=HTS可能な、できれば、臨床での有用性が証明、ある いは 示唆されている標的分子 いは、示唆されている標的分子 この二つの間には距離がある;大学はアイデアを出したから企業が詰 めたらというが 企業は詰めてから持って来て欲しいという 現在の企 めたらというが、企業は詰めてから持って来て欲しいという。現在の企 業がおかれた状況では、とてもそこまで手が廻らない。では、どうする か? ゲノム情報の意味を生化学的に解き明かす。ゲノムで見 出された異常の周辺、例えば、遺伝子制御のメカニズムや 周辺のシグナル伝達( th 周辺のシグナル伝達(pathway 解析) 特異的細胞 解析)、特異的細胞 subsetの誘導メカニズムなどを解析する。 表現型スクリーニングで化合物を同定、これをツールとし て標的とメカニズムをあぶり出す。 標的 ズ をあ す 9 フィラグリン欠損による皮膚バリアの破綻 アレルゲンの浸透 Allergen infiltration ⾓層 表⽪⾓化細胞 基底膜 ⽪膚樹状細胞 (ランゲルハンス細胞など) アトピー性⽪膚炎発症 Atopic Dermatitis アレルギー マーチ g Allergic March 10 FLG誘導薬物、JTCー801、の同定とマウス・アトピー性皮膚炎 モデルでの治療効果 治療効果 ctrl内服終了後1ヶ月 JTC内服終了後1ヶ月 12 10 8 6 4 2 0 臨床症状 80 ctrl JTC 経皮水分蒸散量 投与8週間目 60 g/h・m2 Clin nical skin to otal sev verity score e JTC‐801 40 20 正常上限 0 0 4wk 8wk 12wk JTC − + 11 薬を用いた知の再生産サイクル New therapeutics Validation using biomarkers and clinical trials + KO mice 新規リガンドの生 Drugs g transgenic mice 物学 出発 Toxins cDNA expression 物学の出発 Other RNAi 市販化合物ライブラリー Chemicals JTC‐801 GPR142 Dissection of body function D Creation of new drugs e Prototype化合物 JTC‐801と薬理作 用の発見 GPR142を標的とする 新規化合物の探索 Discovery of principles, mechanisms and 新規リガンドをも molecules operating in the body とにする薬物探 化合物添加でFLG合成促進経路の発見 索 Orphan 受容体GPR142の発見 新規リガンドの同定? 皮膚細胞での FLG産生作用 皮膚細胞でのJTC‐ 801の標的探索 GPR142の内在性リ ガンドの探索 AKプロジェクトのミッションステートメント 延べ25以上の標的分子の検討 延べ3以上の候補薬物の創出 延べ3以上の生物製剤の創出 延べ20名以上の創薬医学研究者の輩出 13 AKプロジェクトのミッションステートメント 達成 なお増加 達成、なお増加 延べ25以上の標的分子の検討 現時点で7つ の候補化合 物乃至薬物 標的 延べ3以上の候補薬物の創出 延べ3以上の生物製剤の創出 延べ20名以上の創薬医学研究者の輩出 現時点で3つの 候補抗体 昇任;教授 3;准教授 1 京都大学 メディカル イノベ ション イノベーション センター の設立 14 メディカルイノベーションセンター 医学研究科長 project センター長(成宮) 副センター長 マネジメント部門 木下 柳田 野田 PL プロジ クトリ ダ PL: プロジェクトリーダー 中尾 悪性腫瘍研究ラボ (DSKプロジェクト) 慢性腎臓病研究ラボ (TMKプロジェクト) 神経変成疾患研究ラボ ( SKプロジェクト) 中枢神経系制御研究ラボ (TKプロジェクト) センター会議 研究開発部門 Scientia est potentia 15
© Copyright 2024 ExpyDoc