Cu-Fe-S系 鉱 物 の 熱 水 合 成 と そ の 相 平 衡, と く に40○。Cお Hydrothermal and their ・ よ び50○ synthesis of minerals phase equilibrium 、芭 木 浅 北 風 上 野 ◎Cに つ い て in the system Cu-Fe-S at 400°C and 500°C 彦 (Asahiko Sugaki)* 嵐 (Arashi Kitakaze)* 禎 一 (Tei-ichi Ueno)** Phase equilibrium in the central part of the system Cu-Fe-S has been studied by thermal gradient transporting method with 5 m NH4C1 aqueous solution in gold tube at 400°C and 500°C under pressure of 1,000 kg/cm2 and 2,000 kg/cm2. As shown in the phase diagrams (Figs. 3 and 4) obtained by the synthetic experiments, there are four solid solutions of bornite, intermediate solid solution, pyrrhotite and chalcopyrite. But, the last latter has very limited range only close to stoichiometric composition CuFeS2. The area of intermediate solid solution is changed by temperature or pressure as moving its area to copper rich direction in the case of increasing temperature or pressure as shown in Figs. 5 and 7. Also, the composition of intermediate solid solution assembled with chalcopyrite and pyrite, or pyrrhotite and pyrite are moved to iron rich side by decreasing of temperature or pressure. From this fact, it is found that the exsolution of bornite and chalcopyrite from intermediate solid solution occurs due to decreasing of pressure besides temperature. The tie line between nukundamite and chalcopyrite (Figs. 3 and 4) is stable at 400°C and 500°C under hydrothermal condition as same as that at 300°C and 350°C by Sugaki et al. (1975). Accordingly, the assemblage of bornite and pyrite which is common in natural copper ore is not found during the experiments of this time though it occurs in the experiments of the evacuated silica tube method by Yund and Kullerud (1966). There is a possibility that its assemblage may be formed at temperatures below 300°C under hydrothermal condition. Meanwhile the tie line change from intermediate solid solutionpyrite (high temperature) to chalcopyrite-pyrrhotite (low temperature) was examined under 1,000 kg/cm2 and 2,000 kg/cm2 and its temperature was confirmed to be 325°C in good accordance with 328°±5°C by Yund and Kullerud. Its temperature is independent of pressure below 2,000 kg/cm2 as shown in Fig. 10. 1.ま 機 構 を明 らか に し よ う とす る場 合,ま ず この 系 に 属 す る え が き 鉱 物 の 合 成 や相 平衡 に 関 す る実 験 が必 要 で もあ る。し 天 然 に お け る金 属 鉱 床 の生 成 機 構 や そ の条 件 を考 察 る場 合,鉱 石 鉱 物 の相 平 衡 に 関 す る資 料 が重 要 で あ る。 が っ て,1937年Merwin&L◎mbardに の 相 平 衡 に 関 す る研 究 以 来,Schlege1&Schifller(1952), レRoseboom&Kullerud(1958) ,Brett(1963),Sugaki(1965), そ の た め に鉱 石 鉱 物 中 そ の大 部 分 を 占 め る硫 化 鉱 物 の 成 とそ の相 平 衡 に 関 す る 実 験 的 研 究 が1950年 に行 われ,多 た よ るCu-Fe-S系 以後盛 Yund&Kullerud(1966),Mukaiyama&Izawa(1970), ・Cabri(1973)お よ びBarton(1973)な くの資 料 が蓄 積 され つ つ あ る。鉱 石 鉱 物 どの 研究 に よ り , 研 究 上 最 も重 要 な鉱 物 群 は諸 種 の鉱 床 よ り普 遍 的 に産 す 200。∼700。Cの るCu-Fe-S系 降 下 に よ る鉱 物 組 合 せ の 変 化 お よ び 固 溶 体 領 域 の 減 少 な *東 **同 鉱 物 で,鉱 石 鉱 物 の生 成 条 件 や そ の 晶 出 北 大学理 学 部岩石 鉱物 鉱床 学教 室 上(現 在 福 岡教育 大学 地学 教室) 温 度 範 囲 で の 相 関 係,固 溶 体 領 域,温 度 どが 一 応 明 らか に され た。し か し,こ の系 の 相 関 係 は 複 の有 無,黄 銅 鉱+磁 硫 鉄 鉱 組 合 せ の 生成 温 度 お よび そ の 雑 で あ り,安 定鉱 物 組 合 せ,固 溶 体 範 囲,結 線(tieline) 圧 力 依 存 性 な どに つ い て 検 討 を加 えた。し か し,Cu-Fe-S 変 化,温 度 一鉱 物組 合 せ(ま た は固 溶 体 組 成)一硫 黄 フ ェ ガ 系 の全 領 域 に わ た る相 平衡 実験 とし て は,ま だ十 分 で な シ テ ィー関係 な ど詳 細 か つ正 確 な資 料 は求 め られ て い な く,今 な お実 験 を継 続 中 で あ るが,現 在 まで の 実験 結 果 い。し か もこの 系 の ほ ぼ 中央 部 に黄 銅 鉱 あ るい は キ ュー を ま とめ て報 告 し,批 判 を 仰 ぐ こ とに す る。 バ鉱 類 似 の薪 し い鉱 物 相talmakhite(Budko&Kulag◎v , 1963;Genkinet 1972)お Ial.,1966),mooihoekite(Cabri&Hal1, よびhayc㏄kite(Hall&Weiblen,1968)が 出 され,200℃ 以 下 の低 温 でのCrFe-S系 見 中央部 の 相 関係 は きわ めて 複 雑 に な る こ とが予 想 され るが,全 く未 解 で あ る(Cabri,1967,1973;Cabri&Hall,1971,1972; Cabri&Harris,1971)。 上 記 の 諸 研 究 は す べ て乾 式 法 に よ る もの で,天 然 の 鉱 床 の生 成 され る条 件,た とえ ば熱 水 条 件 と はか な り異 な る条 件 下 で の 実 験 で あ る。ま た乾 式 法 で は低 温 で の 反 応 速 度 が遅 く相 平 衡 実 験 を 困難 に し て い る。こ れ らの た め 天 然 の条 件 に よ り近 い熱 水 溶液 中 で の合 成 お よび 相 平 衡 実 験 を行 い,乾 式 法 の 結果 と比較 検 討 し て み る必 要 が 生 じ て きたおSugakietal.(1975)は 水 溶 液)を 用 い,Cu-Fe-S系 関 す る実 験 を行 い,300℃ 熱 水 溶 液(5mNH4C1 鉱物 の合 成 とそ の相 平 衡 に お よび350℃ で の相 図 を求 め て い る。こ の 実 験 に よれ ば,系 中央 部 に きわ め て限 られ た範 囲 の小 規 模 な黄 銅 鉱 固 溶 体 と広 領 域 を 占 め る 中間 固 溶 体(intermediatesolidsolution,iss)と の存 在 が確 か め られ た。こ の結 果 はMukaiyama&Izawa(1970)お よび Barton(1973)に よ る それ とほ ぼ近 似 す る が,YURd& Ku11蜘d(1966)の 相 図 とは全 く異 な って い る。ま た上 記 しだ 乾式 法 に よ る実 験 で は,700。C以 下 の 温 度 で斑 銅 鉱 一黄 鉄 鉱 結線 が安 定 に存 在 す る が,Sugakietal.(1975) に よ る300℃ お よび350。Cで の熱水合成 の 実験ではア イダ鉱(idaite)*一黄 銅 鉱 結 線 が 存 在 す るた め,斑 銅 鉱+ 黄 鉄 鉱 組 合 せ が 生 じ な い な どの違 い が認 め られ た。し か し,Yund&Kullerud(1966)に よ る3280C付 近 で生 じ 今 現 在 ま で わ か っ て い るCu-Fe-S系 をCu-Fe--S三 角 図 中 に 示 せ ばFig.1の に 属 す る鉱 物 群 よ う で,そ の う ち 本 実 験 に よ っ て 生 じ た 鉱 物 相 は 後 述 す る よ う に,銅 藍,ヌ ク ン ダ ム 鉱(Rukundamite,Cu3.4Feo.6S4),黄 斑 銅 鉱,黄 の7相 銅 鉱,中 鉄 鉱, 間 固 溶 体 お よ び 磁 硫 鉄 鉱(六 方 型) で あ る。 るキ ューバ 鉱 固 溶 体(中 間 固溶 体)一黄 鉄 鉱 結 線(高 温 で 安 定)か ら 黄銅 鉱 固 溶体 一 磁 硫 鉄 鉱 結 線(低 温 で安 定) へ の変 化 はSugakietal.(1975)の 熱 水 条 件 下 の実 験 で 2.実 2.1合 も確 か め られ て い る。 Sugakietal.(1975)に 350。Cの よ る 熱 水 実 験 は300℃ 低 温 部 に 限 ら れ,実 分 で は な く,ま たCu-Fe-S系 験 のRun数 および も必 ず し も十 全領 域 に わ た る実 験 で も な い。そ こ で筆 者 らは彼 らの 実 験 を さ らに進 め,上 記 の 温度 の ほか に400℃ お よび500。Cで 上述 し た問 題 点,と くに 中間 固 溶 体 の 範 囲,そ れ と温 度 お よび 圧 力 との関 係,斑 験 の方 法 の熱 水 合 成 を行 い, 銅 鉱 固 溶 体 一黄鉄 鉱 結線 の存 在 成 実験 合 成 実 験 はChemyshev&Anfilog◎v(1968),Scott& Bames(1971),Sugaki&Kitakaze(1972)お etal.(1975,1976)に よ びSugaki よ る実 験 と 同 様 で,温 度勾配法に よ る熱 水 溶 液 中 で の 硫 化 鉱 物 の 溶 解 度 差 を 利 用 し てCuFe-S系 鉱 物 の 合 成 を 行 っ た。す て 径4mm,長 い,そ さ40mm,厚 な わ ち,合 さ0.1mmの 成 容 器 とし 金パ イプを 用 の 一・ 端 を 直 流 ア ー ク に て 封 じ た 後,溶 媒 と して 濃 度5mの 塩 化 ア ン モ ニ ウ ム水 溶 液(O.13∼0.20m1)*,出 るい は その 集 合 で,乾 式 法 で合 成 され た もの よ り大 き く 発 物 質 とし て乾 式 法(真 空 密 封 ガ ラス管 法)で 合 成 し た かつ 結 晶 形 の 発 達 もよ く,同 定 し易 い。相 Cu-Fe-S系 鉱 物 あ るい は その 混 合 物50士mgを 入 れ,金 パ 双 眼 顕 微 鏡 お よび 走査 型 電子 顕 微 鏡 に よ る結 晶 形 態 の観 イプの 他 の 端 を ア ー クで密 封 し使 用 し た。密 封 金 パ イプ 察,鉱 石(反 射)顕 微 鏡 に よ る光 学 的 性 質 の試 験,粉 末 は 圧 力 容 器 で あ る ハ ス テ ロ ィ製 の 円筒 状 オ ー ト クレ ー プ X線 回 折 お よびEPMAな ど を 併 用 し た。合 成 物 の 量 が 一般 に40∼50mgの 少 量 で あ るの で ,X線 デ ィフ ラ ク ト に 入 れ られ,さ され,加 らに オ ー トク レ ー プ は縦 型 電 気 炉 に 挿 入 熱 き れ た。こ の 電 気 炉 は 上 下2つ の ヒ・ 一タ ー (カ ン タル線)を 有 し,こ れ に よ り電 気 炉 内 に 任 意 の 下 高 上低 の 温度 勾 配 をつ く る こ とが で きる よ うに 設 計 され て い る。こ の 温 度 勾 配 は 円 筒 状 オ ー トク レ ー プ外 壁 の 上 下2個 所 に 設 け ら れ た 小 孔 に 挿 入 し た シ ー ス型 ク ロ メ ル ・アル メル 熱 電 対 で 測 定 され,普 通 相 平 衡 実 験 の 場 合 1。∼2℃/cm程 2℃/cmの 度 の 温 度 勾 配 が採 用 され た。た 温 度 勾 配 の 場 合,オ とえば ■ 一 ・一 一トク レ ー プ中 に 入 れ ら れ た金 パ イプ上 下 の温 度 差 は8℃ 底 の高 温 部 で 出 発物 質 のCu-Fe-S系 と な る。金 パ イ プ下 鉱物が 溶媒中に 溶 解 し,対 流 に よ り金 パ イ プの 上部 に 運 ば れ,そ の 上端 の 低 温 部 でCu-Fe-S系 鉱 物 が 晶 出 す る。温 度 勾 配 が 大 き い場 合 に は短 期 間 に か な りの 量 の 晶 出 物 を うる こ とが 可 能 で あ るが,平 衡 状 態 で の鉱 物 組 合 せ や 固 溶 体 を うる こ とが で きず,相 図 を求 め るた め の合 成 実 験 の 場 合 に は, 上 記 の よ うな穏 や か な 温 度 勾 配 を選 ぶ 必 要 が あ る。鉱 物 の 晶 出温 度 は オ ー トク レ ー プ内 部 に 金 パ イプ の 上端 に接 近 し て挿 入 され た シー ス型 ク ロ メル ・アル メル 熱 電 対 に よ り直接 測 定 され た。従 来 オ ー トク レ ー プを 用 い る実 験 の場 合 オ ー トクレ ー プ外 壁 の 測 温 で 内部 の 温 度 を推 定 す る こ とが よ くあ るが,筆 者 らの測 定 で は,た 500。C加 25。Cあ 熱 の場 合,内 と えば 部 の温 度 が 外 壁 の それ よ り20。∼ る い は それ 以上 低 くな っ て お り オー 一トク レー プ外 壁 の測 温 の み で は 危 険 で あ る。オ ー トク レー プ 内部 の肝 心 な 個所 の温 度 を 直 接測 定 す る必 要 が あ る。オ ー ト クレ ー プ の圧 力 は,こ れ に 直 結 し た ブル ドン 管式 圧 力計 イ リ ップ ス製 専 ら用 い た。 2.3EPMA分 析 分 析 に は 島津ARL-EMX2型(X線 取 り出 し角52,5。) に オ ン ラ イン でX線 強 度 値 の計 数 処 理 が で きる よ うに し た 装 置 を使 用 し た。こ の計 数 処 理 装 置 は パ ー ソ ナル コン ピ ュー タ(横 河 ・ヒ ュー レ ッ ト ・パ ッカー ド製9825S) と イン ター フx一 ス で構 成 され,X線 強度値の入九 補 正 計 算 お よび分 析 結 果 の 出力 機 能 を有 し てい る。分 析 は 加速 電圧20kV,試 料 電 流().020μA(黄 条 件 で,通 常2∼3μm,離 銅 鉱 上)の 測 定 溶 組 織 を有 す る試 料 で は30∼ 40μm程 度 の ビー ム径 で行 っ た。測 定X線 はC亘K偽FeKα お よびSKα 線 で,そ の分 光結 晶 と し て 前2者 に 対 し, LiF,後 者 にADPを 用 い た。標 準 試 料 と して 黄銅 鉱 固溶 体 お よび 中 間固 溶 体 の 分 析 に 天 然 産 黄銅 鉱(CuFeS2)を, 斑 銅 鉱 固 溶 体 の そ れ に合 成 斑 銅 鉱(Cu5FeS4)を,ま 硫 鉄 鉱 の それ に合 成 ト ロ イ ラ イ ト(FeS)お 用 い た。測 定 は10秒 た磁 よび 黄銅 鉱 を 間5回 行 っ たが,こ れ らの値 は オ ン ラ イン で計 数 処 理 装 置 に入 り,そ の平 均 値 がX線 強度 値 とし て記 憶 され,5∼10の 分 析 点 につ い て のX線 強 度 の 蟄 定 終 了 後,補 正 計 算 を行 い,直 ち に分 析 値 が プ リン トア ウ トされ る。こ の補 正 計 算 は バ ック グ ラ ン ドお よび数 え 落 し補 正 を行 っ た後,硫 化 鉱物 系 のes-factor値(萱 木他, 1974,1976)を 用 い てBence&Albee(1968)の 方法 に よ った。ま た測 定 中 ビー ムの微 小 変 化 を装 置 の 電 子光 学 系 中 に新 し く設 け た ビー ム電 流 検 出 回 路 に よ り測 定 し, (ハ イゼ製)で 測 定 し た。 こ の熱 水 合 成 は4∼20日 メ ー タ ーは 使 用 せ ず,ギ ニ ヱ ヵ メ ラ(フ XDC-700)を の同定には に い た る連 続 実 験 で か な りの その 変化(通 常O.5%以 下)を 上 記 計 数 処 理 装置 に オ ン ラ イン し,日 動 的 にX線 強 度 値 を補 正 で きる よ うに し た。 長期 間 を 要 す る。し か し 期 間 中 の 温 度 お よび圧 力 変動 は それ ぞれ400。お cm2お よび500。Cで よび2,㎜kg/cm2で と もに 士3。C,1,000kg/ ±10お よび20kg/cm2程 度 で あ っ た。電 気 炉上 下2個 の ヒー ター の 温 度調 飾 は 電子 式 記 録 調 節計(千 野製)に よ る オ ンオ フ制 御 あ るい は 電 子 式 偏 差 指 示 温 度 調 節 計(千 野 製)に よ るPID連 続制 御 で 行 つた。 2.2合 験 結 果 3.1500。Cに ・ お け る相 平 衡 500。Cの 温 度 で 圧 力1,000kg/cm2お cm2,一 部700kg/cm2の 結 果 はTable1の 成相の同定 よ び2,000kg/ 条 件 下 で行 った 熱 水合 成 実 験 の よ うで,表 中に は 出 発物 質 の全 組 成, そ の構 成 鉱 物 種,圧 力,加 熱(実 験)期 間 お よび合 成 さ 上 記 の方 法 で 合成 され た鉱 物 相 は 後述 す る よ うに大 き さ一般 にO.05∼0.2mmの *こ 3.実 自形 な い し半 自形 の単 結 晶 あ の 溶 液 の 常 温 に お け るpHは4 .6で あ る。 れ た鉱 物 相 が示 され て お り,合 成 実 験 は4日 間 な い し20 日間 の長 期 に亘 っ て行 われ た。こ れ に よ って生 じ たCu一 Fe-S系 鉱 物 は斑 銅 鉱 銅 鉱,中 銅 藍,ヌ クン ダ ム鉱 黄 鉄 鉱,黄 間固 溶 体 お よび磁 硫 鉄 鉱(六 方 型)で,こ の 走査 電 顕 写 真 がFig.2に に っ い て のEPMA分 示 され て い る。・ま た合 成 相* 析 の 結 果 がTable2に て い る。中 間 固溶 体 の うち,キ 銅 に 富 み,か れら か かげ られ ュー バ鉱 の組 成 よ りや や つ 硫 黄 分 の多 い(49∼50atomic%)も で は試 料 の冷 却 中 に生 じ た微 細 な(1μm以 の 下)黄 銅 鉱 葉 を選 び,ピ ー ム径 を約10μm大 平 方 に 走査 し な が ら,100秒 とし,ビ ー ムを100μm 間 測 定***し,10∼20個 所 の 平 均 値 で 離 溶 前 の 固 溶 体 組 成 とし た。上 記 の 合 成 実験 お よびEPMA分 Fe-S系 析 の結 果(Tables1お よび2)か 中央 部 の 相 図 を圧 力 条 件2,000kg/cm2で ばFig.3の kg/cm2と よ うで あ る。1,000kg/cm2に らCu求めれ お い て も2,000 ほぼ 同様 な鉱 物 組 合 せ と 固溶 体 領 域 を有 し, 片 が つ ね に 認 め られ,一 方 斑 銅 鉱 と組 合 う銅 に富 む 中 間 圧 力 に よ る変化 は あ ま りみ られ な い が,後 述 す る よ うに 固溶 体 には2∼10pm幅,ま の斑銅鉱離溶 詳 し く観 察 すれ ば,中 間 固溶 体 お よ び斑 銅 鉱 固溶 体 範 囲 葉 片 が み られ る。か か る離 溶 組 織 を呈 す る 中間 固 溶 体 の や 一 変 系(univariant)組 合 せの 中 間 固 溶 体 お よび斑 銅 鉱 EPMA分 固 溶 体 組 成 が 若 干 異 な って い る。こ の相 図 に は 明 らか に 析 は,前 拡 げ て 測 定**し,後 れ に25μm幅 者 の 場 合 ビー ム径 を30∼40μm大 に 者 の場 合 の よ うな や や粗 い 斑 銅 鉱 葉 片 を もつ もの で は,斑 銅鉱 葉 片 が均 等 に分 布 す る場 所 斑 銅 鉱(bn),中 間 固 溶 体(iss)お よび磁 硫 鉄 鉱(P◎)の3 固 溶 体 が み と め られ,中 間 固溶 体 の領 域 内 にmoolh㏄kite 組 成 を 含 む が,キ ュー バ鉱 の組 成 は 固溶 体 よ り離 れ て さ らに鉄 に富 む側 に位 し,talnakhiteお よ びhayoockiteの それ は 固溶 体 境 界 の 上 限 お よ び 下 限 に それ ぞ れ位 置 す で,こ れ を参 考 にし て 相 図 で は ご く限 られ た固 溶 体 とし て表 して い る。系 中央 部 に お け る一 変 系 鉱 物 組合 せ とし て は相 図 に示 され て い るよ うに, る。黄 銅 鉱 は分 析 の 結果 ほ とん ど化 学 量 論 的 組 成 で,そ 銅 藍+黄 鉄 鉱+硫 黄 の 固 溶 体領 域 は認 め 難 い が,筆 者 らに よ る乾 式 法 に よ る 銅 藍+ヌ 500。Cで ヌ ク ンダ ム鉱 十黄 銅 鉱 十黄 鉄 鉱 の合 成 実 験 の 結果 固溶 体 の存 在 が確 め られ た の ク ンダ ム鉱 十黄 鉄 鉱 中 間 固 溶 体+黄 銅 鉱+黄 鉄 鉱 中 間 固 溶 体+黄 鉄 鉱+磁 硫 鉄 鉱 銅 藍+ヌ ク ンダ ム鉱+斑 銅 鉱 ヌ ク ンダ ム鉱+斑 銅 鉱 十黄 銅 鉱 斑 銅 鉱+中 間 固溶 体+黄 銅 鉱 斑 銅 鉱+中 間 固溶 体+磁 硫 鉄 鉱 (金属 鉄+斑 銅 鉱+金 属銅 〉* (斑銅 鉱+磁 硫 鉄 鉱+金 属 鉄) が み られ,こ の 温 度 に お い て もヌ ク ン ダ ム鉱 一 黄 銅 鉱 結 線(組 合 せ)が 安 定 に 存 在 し,Yund&Kullemd(1966) の 実 験 の よ うに 斑 銅 鉱+黄 鉄 鉱 組 合 せ は 生 じ ない。ま た 中間 固 溶 体 が 黄 鉄 鉱 と安 定 組 合 せ をつ くる た め に,黄 銅 鉱+磁 硫 鉄 鉱 組 合 せ を生 じ て い な い。こ れ らの 結 果 は sugakietal.(1975)に よ る350。cの 相図 と 同様で固溶 体 範 囲 の 変化 以外 は本 質 的 な差 異 は 認 め られ な い。 3.2400。Cに お け る相 平 衡 500℃ 同様400。Cに 示 す れ ばTable3の び2,000kg/cm2の お け る合 成 実験 の結 果 を一 括 表 よ うで,実 験 は300,700,1,000お よ 圧 力 下 で4日 な い し20日 連 続 し て 行 わ れ た。こ の 実 験 に よ っ て合 成 され た鉱 物 相 は500。Cの 場 合 と全 く同一 で,斑 銅 鉱 鉱,黄 銅 鉱,中 り,Fig.2に 銅 藍,黄 鉄 鉱,ヌ クンダム 間 固溶 体 お よ び磁 硫 鉄 鉱(六 方 型)で あ そ の一 部 の 走査 型 電 顕 写 真 が か か げ られ て い る。こ れ らの合 成 相 のEPMA分 析 結果 はTable4の よ うで,分 析 数 は+分 で な いが,一 応 斑 銅 鉱,中 間 固溶 *括 弧 内 の ものは本 実験 で は未確 認 で,相 関係か ら推 定 した組 合せ で あ る。 体 お よび磁 硫 鉄 鉱 の 固溶 体 の 存 在 が み とめ られ,黄 銅 鉱 も化 学 量 論 的 組 成 か ら若 干 鉄 に富 ん だ 固 溶体 を つ くる傾 向 が うか が わ れ る。ヌ ク ンダ ム鉱 はSugakiε'砿(1975) の ア イダ鉱 の それ と 同相 で,そ の 組成 に 一致 し て い る。合 .資 の 分 析 値 もCu3,4Feo.6S4 成 実 験 お よびEPMA分 料 よ り求 め た2,000kg/cm2下 で,現 出 す る安 定鉱 物 組 合 せ は500℃ るが,斑 銅 鉱,中 500。Cの 析の の相 図 はFig.4の よう の それ と同一 で あ 間 固溶 体 お よ び 磁 硫 鉄 鉱 の 固溶 体 は そ れ らに 比 し 多少 狭 くな っ て い る。そ の た め 中 間 固溶 体 の領 域 内 に はmooih㏄kite組 他 のtalnahkiteお よびhaycockite組 成 の み が 含 まれ, 成点は 固溶体 より は なれ て その 領 域 外 に位 置 す る。し か し,遮 ∞。Cで 間 固溶 体 が500。Cの の中 それ に比 し鉄側 に移 動 す る た め, もっ と も鉄 に富 む もの は キ ュー バ 鉱 の組 成 に接 近 し て い る。な お 相 図 中 に み られ る一 変 系 鉱 物組 合 せ は5∞。Cと 同様 次 の よ うで あ る。 銅 藍+黄 鉄 鉱+硫 黄 銅 藍+ヌ クン ダ ム鉱+黄 鉄 鉱 銅 藍 十 ヌ クン ダ ム鉱 十斑 銅 鉱 ヌ クン ダ ム鉱+黄 銅 鉱+黄 鉄 鉱 ヌ クン ダ ム鉱+黄 銅 鉱 十斑 銅 鉱 ・, こ とが 今 回 の 実験 に よ って判 った。400。Cお 中間固溶体+黄 銅鉱+黄 鉄鉱 中間固溶体+磁 硫 鉄鉱+黄 鉄鉱 1,000kg/cm2の 瑳銅鉱+中 間固溶体+黄 銅 鉱 がFig.5に (斑銅鉱+中 間固溶体+磁 硫鉄鉱) (金属銅+斑 銅鉱+金 属鉄) よび500℃, 条 件 下 で 合成 さ れ た 中 間 固溶 体 の範 囲 示 され て い る。ま た同 図 に はSugakietal. (1975)に よ る300。C,300kg/cm2で の 中 間 固溶 体 の範 囲 が 参 考 まで に点 線 で 併 記 きれ てい る。こ れ に よれ ば 中 間 (斑銅鉱+磁 硫 鉄鉱+金 属鉄) 上記 のよ うに,400℃ で もヌクンダ ム鉱+黄 銅鉱組合 せが現 出し,斑 銅鉱+黄 鉄鉱組合せは生 じない。ま た中 固 溶 体 の 範 囲 は 降 温 に つ れ て 面積 を縮 小 し な が ら,全 体 間固溶体 一黄鉄鉱結線が安定で,黄 銅鉱+磁 硫鉄鉱組合 せは現 われない。 へ の 移 動 は 少 な い。Fig .5に と し て鉄 に富 む 側 に移 動 す る。こ の 場 合,銅 に 富 む先 端 の 鉄 側 へ の 移 動 が 顕 著 で あ る に比 し,鉄 に 富 む端 の鉄 側 示 され る よ うに 降 温 に よ る 中間 固 溶 体 の 移 動 縮 小 に よ り中 間 固 溶 体 よ りの 斑銅 鉱 お 間固溶体 の温度 および圧力依存性 よ び黄 銅 鉱 の離 溶 現 象 が考 え られ る。事 実 既 述 し た よ う 中間固溶体 の領域 が温度お よび圧力に よって移動 す る に合 成 実 験 終 了後 冷 却 途 中 で,し ば し ば この現 象 が観 察 3.3中 され た。そ の 離 溶 組織 の 一部 を示 せ ばFig,6の よ うで あ る。 ず,降 圧 に よ って も生 ず る こ とが考 え られ る。ま た 中間 固 溶 体 に お け る もっ と も銅 お よ び 鉄 に富 む両 端 の組 成 また 中 間 固溶 体 の領 域 が温 度 だ け で な く圧 力 に よ って も移 動 す る こ とが 実 験 の 結 果 明 らか に な った。500。Cの 温 度 で,1,0○Okg/cm2お 溶 体領 域 がFig.7}c示 (含鉄 量)と 温 度 ・圧 力 関 係 を示 せ ばFig.8の よ うで, 中 間 固溶 体 の温 度,圧 力 依 存 性 が よ く理 解 で き る。同 図 場合の固 に は ま た斑 銅 鉱 固溶 体 の も っ と も 鉄 に富 ん だ組 成 の温 され て い る。同 図 に は また 参 考 ま よび2,000kg/cm2の で に,筆 者 らに よ っ て求 め ら れ た 乾 式 法500。Cの 中間 度 ・圧 力 変 化 が 併 記 きれ てい る。 一 方 ,中 間固 溶 体 が 斑 銅 鉱,黄 銅 鉱,黄 鉄 鉱 あ るい は 固 溶 体 範 囲*が 併 記 され て い る。こ れ に よれ ば,明 らか 磁 硫 鉄 鉱 と組 合 う場 合,同 一 鉱 物 組 合 せ の 中 間 固溶 体 組 に降 圧 に よ る固 溶 体 範 囲 の 鉄 側 へ の移 動 が認 め られ る, 成 が 温度 お よ び圧 力 に よ っ て 変化 す る現 象 が 認 め られ この 場 合 も銅 に富 む先 端 の 移 動 が 鉄 に富 む端 の 移 動 よ り た。た 著 し い。こ の よ うに 中間 固 溶 体 の 領 域 が 温 度 だ け で な く で あ る中 間 固溶 体+磁 硫 鉄 鉱+黄 鉄 鉱 の場 合,中 間 固溶 圧 力 依 存 性 を示 す こ とは興 味 あ る現 象 で あ り,鉱 石 中 の 体 の 組成(含 鉄 量)が 降 温 あ るい は降 圧 に よ って,と 鉱 物 共 生 や組 織 の解 釈 上 留 意 す べ き事 柄 で あ る。し た に鉄 に 富 む側 に 移 動 す る。し か し,そ の変 化 量 は 鉱 物組 が ってFig.6に 合 せ に よ って 異 な る。こ の よ うな温 度 ・圧 力 依 存 性 は ま 示 し た よ う な 離 溶組 織 は 降 温 の み な ら とえ ば,Fig.9で 示 され る よ うに、 一 変 系組 合 せ も た 斑銅 鉱+銅 藍+ヌ クン ダ ム鉱 お よび 斑 銅 鉱+中 間 固 溶 記 の一 変 系組 合 せ の 中 間 固溶 体 お よび斑 銅 鉱 固溶 体組 成 体+黄 銅 鉱 の一 変 系組 合 せ の斑 銅 鉱 固溶 体 につ い て もみ の温 度 お よび圧 力 変化 が何 を 意 味 す るか は今 の と ころ 明 られ,前 者 の場 合 の斑 銅 鉱 組 成 は 中間 固溶 体 と同 様 に 降 らか で な い が,両 固溶 体 の組 成 が,常 温 ・常圧 で それ ぞ 温 あ るい は 降圧 に よ っ て鉄 に富 む側 に移 動 す るが,後 者 れ キ ェー バ鉱 お よ び斑 銅 鉱 の 化 学 量 論 的 組 成 に収 敏 す る の組 合 せ の斑 銅 鉱 組 成 は 降 温 で 鉄 に富 む 側 に 移 動*し, 過 程 を示 し て い るの か も知 れ な い。 降圧 で は逆 に銅 に富 む側 に 変化 し て い る。こ の よ うに上 線 の置 換 温 度 を328。士5。Cと し て い る。後 者 の 実験 は 乾 式 法 で あ り,圧 力 に よ る影 響 は検 討 され て い な い。そ こで 筆者 らは熱 水 合 成 法 で圧 力 の 影 響 を考 慮 し な が ら. 両 結線 の置 換 され る温 度 を さ らに 検 討 す る た め 温 度 300。,320。,330。,350。,400eお 2,000kg/cm2の よび500℃,圧 力300∼ 条 件 下 で 実験 を行 っ た。こ れ らの 実 験 結 果 はTable5お よ びFig.10に 示 され てい る。な おFi& 10に は 上 記 の 実験 結果 の ほ か筆 者 らに よ っ て乾 式 法 で 求 め られ た 資 料 を も併 記 し て い る。実 験 結 果 か ら明 らか な よ う に,中 間 固溶 体 一黄 鉄 鉱 結 線 と黄 銅 鉱 一磁 硫 鉄 鉱 結 線 との 置換 温 度 は3200Cと330。Cの 中 間 の325。C付 間 に あ り.そ の 近 と考 え られ る。こ の 温 度 は2,㎜kg/ cm2程 度 の圧 力 で は,ほ と ん ど そ の影 響 を被 っ て い な い。し た が って 天 然 に み られ る黄 銅 鉱+磁 硫 鉄 鉱 組 合 せ は325。G以 4.ま 下 の温 度 で生 じ た こ とに な る。 と め ぷ 温 度 勾 配 を用 い る熱 水 合成 法 で,500。Cお 3.4中 間 固 溶 体+黄 鉄 鉱 組 合 せ と黄 銅 鉱+磁 硫 鉄 そ の結 果 はTables1お 鉱 組 合 せ の 安 定 領域 5∞ ℃ お よび400℃ に お け るCu-Fe-S系 の温 度 範 囲 で は 中 間 固溶 体 一黄 は銅 藍,ヌ よび400。C 中央 部 の 相 関係 に つ い て 研 究 し た。 よ び3の よ うで 合 成 で きた鉱 物 クン ダ ム鉱,黄 鉄 鉱,斑 銅 鉱 黄銅 鉱,中 間 鉄 鉱 結線 が安 定 に 存 在 す るた め,天 然 の 銅 鉱 石 中 に よ く 固溶 体 お よび磁 硫 鉄 鉱 で,こ れ らの合 成 温 度 に お け る相 み られ る黄 銅 鉱+磁 硫 鉄 鉱 組 合 せ は 生 じ な い。一 方, 関 係 はFig乳3お Sugakietal.(1975)の 銅 鉱,中 間 固溶 体 お よび磁 硫 鉄 鉱 の3相 は明 らか に 固溶 実 験 に よれ ば,350。Cで は上 記 よ び4の 相 図 に示 され て い る。相 図 中斑 同様 中間 固 溶 体 一黄 鉄 鉱 結線 が安 定 で あ るが,300"Cで 体 を形 成 し,一 方 黄銅 鉱 は化 学 量 論 的 組 成 に近 い が,そ は黄 銅 鉱 一磁 硫 鉄 鉱 結 線 が生 じ,中 間 固溶 体 一黄 鉄 鉱 結 れ よ り若 干 鉄 に富 む 側 に わ ず か に 固溶 体 をつ くって い 線 を置 換 し て い る。Y皿d&Kullerud(1966)は る。そ の うち中 間 固溶 体 はFigs.5お この両 結 よび7の よ うに温 度 あ るい は 圧 力 に よ って そ の範 囲 を変 化 し,降 温 あ るい は 銅 鉱 磁 硫 鉄 鉱 結 線 の 置 換 反応 で あ る。こ の現 象 はYund 降 圧 す る場 合,固 溶 体領 域 は よ り 鉄 に 富 む側 に移 動 す &Kullerud(1966)に よ る乾式 実 験 お よびSugakietal. る。こ の 現 象 か ら降 温 だ け で な く,降 圧 に よ っ て も中間 (1975)に 固 溶 体 か ら斑 銅 鉱 お よび 黄 銅 鉱 を離 溶 す る こ とが考 え ら の 置 換 温 度 を それ ぞ れ328。±5℃ れ,こ の こ とは 鉱 石 組 織 の 釈 解 上 留 意 す べ き 事 柄 で あ よ る 熱 水 合 成 法 で と もに 認 め られ て お り,そ お よ び3○0。∼3500C 間 の 温 度 と推 定 して い る。今 回 の 実 験 で もTable5お よ る。ま た一 方 中間 固 溶 体 が 斑 銅 鉱+黄 銅 鉱 あ るい は 黄鉄 びFig.10に の 鉱+磁 硫 鉄 鉱 と一 変 系 組 合 せ を なす 場 合 に も,中 間 固溶 間 の325℃ 体 組 成 は温 度'・圧 力 依 存牲 を示 す(Fig.9)。す て い る。こ の 温 度 は2,000kg/cm2程 な わ ち両 示 し た よ うに,そ の温 度 は320。∼330℃ 付 近 とみ ら れ,前2者 の結 果 と よ く一 致 し 度の 圧力 ではほと ん ど影 響 され ず変 化 し て い な い。天 然 の鉱 石 中 に よ くみ 組 合 せ と も中間 固 溶 体 は降 温 あ るい は 降 圧 に よ って,と もに鉄 に富 む方 向 に その 組 成 を変 化 させ て い る。こ の よ られ る黄 銅 鉱+磁 硫 鉄 鉱組 合 せ は 上 記 の実 験 結 果 か ら うな現 象 は斑 銅 鉱 固溶 体 に つ い て も認 め られ,銅 藍+ヌ 325℃ 以 下 で生 じ た こ と に な る。こ の場 合2通 クン ダ ム鉱 と一 変 系 組 合 せ の斑 銅 鉱 固 溶 体 は上 記 中 間 固 が 考 え られ る。そ の1つ は325◎C以 りの過 程 下 の温 度 で鉱 液 よ 溶 体 同様 降 温 あ るい は 降圧 す る場 合 と もに鉄 に富 む方 向 り直接 黄 銅 鉱+磁 硫 鉄 鉱 組 合 せ が 晶 出 す る場 合 で,他 は に そ の組 成 を移 動 す るが,中 間 固溶 体+黄 銅 鉱 と一 変 系 高 温 で 中 間 固溶 体+黄 鉄 鉱(+黄 組 合 せ を す る斑 銅 鉱 の 組 成 変 化 は複 雑 で,降 合 せ とし て 一 たん 生 じ た もの が,降 400。C)で は鉄 に富 む方 向へ,ま 1,000kg/cm2)で 温(500。- た降 圧(2,000kg/cm2- 銅 鉱 ま た は磁 硫 鉄 鉱)組 温 の 途 中325℃ 近 で互 い に 固相 反 応 を起 し黄 銅 鉱+磁 硫 鉄 鉱(+黄 付 鉄鉱 は逆1誓鐸 に富 む側 に そ の組 成 を変 化 さ また は 中 間 固溶 体)組 合 せ に 変化 す る場 合 で あ る。と く せ る。こ れ らの動 向 は 固溶 体 の離 溶 現 象 の過 程 を追 究 す に 後 者 の 場 合 は鉱 石 の研 究 上 従 来 あ ま り考 慮 され て い な る重 要 な 資料 とな る.黄 銅 鉱 固溶 体 の範 囲 が きわ めて 限 い現 象 で あ るが,今 後 鉱 石 鉱 物 の共 生 お よび そ の組 織 の られ て い るた め,こ れ よ り離 溶 で きる キ ュー バ鉱(中 間 成 因 に つ い て,こ の よ うな 見 地 か ら さ らに検 討 を加 え る 固 溶 体)あ こ とが必 要 で あ ろ う。 る い は 磁 硫 鉄鉱 の 量 は黄 銅 鉱 固溶 体 組 成 が Cuo.g6Feエ,04S2.oo程度 の 場 合 そ れ ぞ れ11,9wt%(12。4 vol.%)あ るい は3.8wt%(3.4vol.%)程 度 で あ る。し か し,天 然 産 黄 銅 鉱 中 に み られ る離 溶 産物 の キ ュー バ鉱 あ るい は磁 硫 鉄 鉱 の量 が上 記 の量 以上 み られ る場 合 も決 して まれ で は な い。こ の 黄銅 鉱 固溶 体 領 域 か らは この よ うな場 合 の 説 明 が で きな い。ま た 黄銅 鉱 固溶 体 の銅 に富 む端 の組 成 は化 学 量 論 的 組成CuFeS2で あ る。し たが っ て降 温 に よ り,こ れ か ら斑 銅 鉱 が 離 溶 す る こ とは まず考 え られ ない が,天 然 の 黄 銅 鉱 中 に は きわ め て まれ に斑 銅 鉱 の離 溶 葉 片 を有 す る もの が あ る。こ れ らの現 象 を ど う 説 明 す るか は今 後 の 課題 で あ る。 Sugakietal.(1975)に よ る350℃ お よび300℃ 相 図 の よ うに,500。Cお よび400℃ で もヌ ク ン ダ ム鉱 一 での 黄銅 鉱 結線 が安 定 に存 在 し,こ の た め斑 銅 鉱+黄 鉄 鉱 組 合 せ が現 出 し な い。こ れ はYund&Kullerud(1966)の 実 験 で 求 め られ た斑 銅 鉱 一黄 鉄 鉱 結 線 の安 定 性 と矛 盾 す る。こ れ また今 後 解 決 し な けれ ば な らな い問 題 で あ る. 筆 者 らの 実験 の よ うに熱 水 条 件 下 で500。C∼3000Cで ヌ ク ン ダ ム鉱 ∼黄銅 鉱結 線 が安 定 で あ るな らば,天 然 産 鉱 石 中 に み られ る斑 銅 鉱+黄 鉄 鉱 組 合 せ が いっ 生 成 され る か が 問 題 で あ るが,300℃ 以 下 の温 度 で ヌ クン ダ ム鉱 一 黄 銅 鉱 結線 が 斑 銅 鉱 一黄鉄 鉱 結線 に置 き換 え られ る可 能 性 が 考 え られ る。 この 系 中 央 部 に み られ る も う一 つ の重 要 な結 線 変化 は 高 温 で 安 定 な中 間 固 溶 体 一黄鉄 鉱 結線 と低 温 で安 定 な黄 謝 辞 本 研 究 に 要 し た 費 用 は 主 と し て 科 学研 究 費(特 定研 究:地 球 深 部 の 物 質 科 学)に よ っ た。こ こに 明 記 し て 謝 意 を表 す る。 引 用 文 献 Barton, P.B. (1973), Solid solutions in the system Cu-Fe-S. Part I, The Cu-S and CuFeS join. Econ. Geol., 68, 455-465. Bence, A.E. and Albee, A.L. (1968), Empirical correction factors for the electron microanalysis of silicate and oxides. Jour. Geol., 76, 382-403. Brett, P.R. (1963), The Cu-Fe-S system. Carnegie Inst. Wash. Year Book, 62, 1963— 1966. Budko, I.A. and Kulagov, E.A. (1963), Natural cubic chalcopyrite. Doklady Akad. Nauk. SSSR, 152, 408-410. Cabri, L.J. (1967), A new copper-iron sulfide. Econ. Geol., 62, 910-925. Cabri, L.J. (1973), New data on phase relations in the Cu-Fe-S system. Econ. Geol., 68, 443-454. Cabri, L.J. and Hall, S.R. (1971), Phase relations in the chalcopyrite region of the CuFe-S system. (Abstr. prog. GAC-MAC Ann. Meet., Sudbury) Can. Miner., 11, 569. Cabri, L.J. and Hall, S.R. (1972), Mooihoekite and haycockite, two new copper-iron sulfides, and their relationship to chalcopyrite and talnahkite. Amer. Miner., 57, 689— 708. Cabri, L.J. and Harris, D.C. (1971), New compositional data on talnahkite. Econ. Geol., 66, 673-675. Chernyshev, L.V. and Anfilogov, V.N. (1968), Subsolidus phase relations in the ZnS-FeSFeS2 system. Econ. Geol., 63, 841-844. Genkin, A.D., Filimonva, A.A., Shadlum, T.N., Sovoleva, S.V. and Troneva, N.V. (1966), On cubic cubanite and cubic chalcopyrite. Geol. Rudnygh. Mestorozhdenii, 8, 41-45. Hall, S.R. and Weiblen, P.W. (1968) Ore minerals of the Duluth Gabbro complex (Abstr.). Geol. Soc. Amer., Spec. Paper, 115, 80-90. Merwin, H.E. and Lombard, R.H. (1937), The system Cu-Fe-S. Econ. Geol., 32, 203-284. Mukaiyama, H. and Izawa, E. (1970), Phase relations in the Cu-Fe-S system: The copper deficient part. In Volcanism and Ore Genesis, ed. T. Tatsumi, Univ. Tokyo Press, 339-355. Rice, C.M., Atkin, D., Bowles, J.F.W. and Criddle, A.J. (1979), Nukundamite a new mineral, and idaite. Miner. Mag., 43, 193— 200. Roseboom, E.H. and Kullerud, G. (1958), The solidus in the system Cu-Fe-S between 400°C and 800°C. Carnegie Inst. Wash. Year Book, 57, 222-227. Schlegel, H. and Schtiller, A. (1952), Das Zustandsbild Kupfer-Eisen-Schwefel. Zeit. Metall., 43, 421-428. Scott, S.D. and Barnes, H.L. (1971), Sphalerite goethermometry and geobarometry. Econ. Geol., 66, 653-669. Sugaki, A. (1965), Studies on the join Cu3FeS4CuFeS2_3, as geothermometer. Jour. Japan. Assoc. Miner. Petrol. Econ. Geol., 53, 1-18. Sugaki, A. and Kitakaze, A. (1972), Chemical composition of synthetic alabandite solid solution and its phase realtions in the system Mn-Fe-S. Proc. 6th Intern. Conf. X-ray Optics and Microanalysis, Osaka, 755-761. 萱 木 浅 彦 ・島 徹 史 ・北 風 Microanalyserに 基 礎 的 研 究(V).山 嵐(1974),ElectronProbe よる硫化 鉱物 の定 量分 析に関 す る 口 大 学 工 学 部 研 報24,225- 230. Sugaki, A., Shima, H., Kitakaze, A. and Harada, H. (1975), Isothermal phase rela,bons in the sytem Cu-Fe-S under hydrothermal conditions at 350°C and 300°C. Econ. Geol., 70, 806-823. 萱 木 浅 彦 ・島 Albee法 Pb-Bi-S系 敵史 ・北 風 嵐(1976>,Benceand の硫化 鉱物 へ の適用 に つ い て 一.鉱 一 と くにCu-Fe- 物 雑,12,特 別 号, 85-92. Sugaki, A., Shima, H. and Kitakaze, A. (1976), Hydrothermal synthesis of sulfide minerals with complex compositions. Sci. Rept. Tohoku Univ., Ser. 3, 13, 115-129. Sugaki, A., Shima, H., Kitakaze, A. and Mizota, T. (1981), Hydrothermal synthesis of nukundamite and its crystal structure. Amer. Miner., 66, 398-402. Yund, R.A. and Kullerud, G. (1966), Thermal stability of assemblages in the Cu-Fe-S system. Jour. Petrol., 7, 454-488.
© Copyright 2025 ExpyDoc