H-08 Thermal Barrier

FECT Inc.
技術資料 No. FOC11100KAT
二液性常温硬化型特殊遮熱塗料
H-grade (Heat function) H-08 Thermal Barrier
H-08 Thermal Barrier は、アンチモンドーブ酸化スズを配合したガラス用遮熱コーティング剤です。
紫外線を約 98%カット・太陽光(近赤外線)を約 60%カットし、省エネルギーと CO2 削減に大変有効です。
また現場施工性が良く、塗布後のレベリング性に優れ、塗膜は透明です。
〈特徴〉
1. 紫外線・赤外線をカットする遮熱コーティング剤です。
2. ガラス用コーティング剤で、1 コートで塗装可能です。
3. 常温乾燥・レベリング性が良好で、現場施工性に優れます。
4. 成膜後は透明です。
代表特性
項目
外
性状
観
紺色透明液体
組 成 ・成 分
比
備考
主溶剤:IPA、酢酸ブチル、イソブタノールなど
アクリルシリコン樹脂
重
0.95
保 存 安 定 性
23℃
6 ヶ月
使用方法
塗 装 方
法
スプレー、刷毛・ローラー、Dipping など
混
比
主剤:硬化剤=9:1(質量比%)
厚
6~8μm
量
30~40g/㎡
指 触 乾
燥
40~50 分(20℃)、60~70 分(10℃)、35~40 分(30℃)
常 温 乾
燥
24 時間、完全硬化 5 日
強 制 乾
燥
80℃×30 分、完全硬化は強制乾燥後、常温乾燥 5 日
合
膜
塗
布
株式会社フェクト
本
社 / 〒708-0856 岡山県津山市西吉田 558-3
TEL 0868-35-2315,
FAX 0868-35-2316
東京営業所 / 〒140-0002 東京都品川区東品川 1-5-10 丸長倉庫 B
TEL 03-5461-4185,
FAX 03-6369-4186
米子研究所 / 〒689-3522 鳥取県米子市日下 1239 鳥取県産業技術センター企業化支援室 11
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<データ>
塗膜性能
試験項目
鉛 筆 硬
試験条件
度
三菱鉛筆ユニを使用
試験結果
3H
付 着 性 試 験
2 ㎜方眼 100 個作成、セロテープ剥離テスト
100/100
耐 衝 撃 試 験
デュポン式 R=1/2”、W=4.9N、H=30 ㎝
異常なし
耐 屈 曲 試 験
2 ㎜φ
異常なし
耐 アルカリ試 験
水酸化カルシウム飽和溶液に 24 時間浸漬後(20℃)
異常なし
耐 酸 試
験
5%硫酸水溶液に 24 時間浸漬(20℃)
異常なし
耐 溶 剤
性
ラビングテスト(500g 荷重/10 往復)
1)MEK ラビングテスト(500g荷重/10 往復)
異常なし
2)ラッカーシンナー(500g荷重/10 往復)
異常なし
3)エタノール(500g荷重/10 往復)
異常なし
4)エーテル(500g荷重/10 往復)
異常なし
5)ベンジン(500g荷重/10 往復)
異常なし
6)無鉛ガソリン(500g荷重/10 往復)
異常なし
性
水道水、240 時間浸漬(20℃)
異常なし
耐 温 水
性
水道水、240 時間浸漬(50℃)
異常なし
耐
性
サンシャインウェザオメーター(2000 時間) 光沢保持率
90%以上
耐 冷 熱 サイクル
60℃×3hr ⇔ -20℃×3hr (10 サイクル)
異常なし
耐塩水噴霧性
35℃、5%食塩水、500 時間
異常なし
PRTR 法該当物質
該当せず
毒物・劇物取締法
該当せず
RoHS 指 令 物 質
含有せず
耐
水
候
※ 素材:ガラス板 膜厚:6~8μm 硬化条件:80℃×30 分乾燥後、室温下で 5 日間放置
※ 上記数値は参考値であり、規格値ではありません。
遮熱等の効果(分光光度計による)
紫 外 線 カット率
97%
近赤外線カット率
60~80%
可視光透過率
82%
夏 場 の効 果
外部からの放射熱の透過を軽減
冷
果
冷房温度を 2~3℃高く設定可能
冬 場 の効 果
内部からの放射熱の透過を軽減
暖
暖房温度を 2~3℃低く設定可能
房
房
効
効
率
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波長別透過率表
分光光度計透過率測定結果
100
90
80
70
透
過 60
率
H-08
ブランクガラス
50
(
% 40
)
30
20
10
0
0
200
400
600
800
1000
1200
1400
1600
1800
2000
2200
2400
波長(nm)
<使用できる場所>
屋内 ガラス
<使用上の注意>
■遮熱塗料は、通常のフロートガラス面に使用のこと。
■網入りガラスなど特殊ガラスには不向きです。
■清掃の際は、やわらかい布をご使用下さい。
<塗装時の注意事項>
■塗装環境 ・通気性の悪い環境下での使用は避けてください。
■前 処 理 ・素材表面の油分、水分、汚れは溶剤脱脂により十分に除去してください。
■塗
装 ・塗装は速やかに行ってください。長時間放置すると目詰まり、塗りムラの原因となります。
・膜厚は指定された範囲内になるよう管理してください。
■乾
燥 ・乾燥時に有機ガスが発生しますので換気、排気を十分に行ってください。
■廃
棄 ・塗料の使用残や廃液の処理は MSDS(製品安全データシート)に従ってください。
■取扱注意 ・可燃性の有機溶剤を使用しているため火気のある所では使用しないで下さい。
・皮膚や粘膜、特に眼などに刺激性があるため接触しないよう十分注意してください。
・接触した場合は多量の水で洗浄してください。
■そ の 他 ・詳細な内容については、製品の MSDS をご参照下さい。
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<施工方法>
Ⅰ.ガラス面事前処理
① 霧吹き等でガラス面を濡らし、スクレーパーで表面清掃する。
② 隅の部分を IPA にて脱脂清掃する。
Ⅱ.養生
① ガラスの周囲をマスキングテープでガラス面に1mm 程度掛かるように養生する。
② 床やその周囲は新聞紙、ビニールシート等で養生する。
Ⅲ.ガラス面下地処理
① スポンジに油膜取りを染みこまし、ガラス面を円を描くようにこする。(ワックスを塗るように)
② 全面研磨し終わったら霧吹き等でガラス面を濡らし、スクイージーで油膜取りを除去する。
③ ガラス面に油膜取りの液剤が残らないよう、水拭きにて丁寧に拭きあげる。
④ IPA にて脱脂、及び水分の除去を行う。
※スポンジの代わりにポリッシャーを使用すると大幅に下地処理時間が削減できます。
Ⅳ.施工
【スポンジ塗装】
① スポンジに塗料を含浸させ、ガラス全面に塗り広げます。
② 施工する面積によって塗料を足したりしながら素早く均等に隅々まで塗料が行渡るよう塗り広げます。
③ 最後に上から下へ力を入れずにスポンジを引き、仕上げます。
④ ある程度の塗り斑は経時で均一に広がりますので、養生を除去しながら待ちます。
【スプレー塗装】
① カップに塗料を入れ、圧力・吐出量・パターン幅の調整を行います。
② トリガーを少し握り、エアーのみを出しながらガラス全体に風を当てホコリを飛ばします。
③ ガラス面の外から塗料を吐出しながらパターンの半分がガラス面上部にかかるよう水平に動かし、塗り始
めます。
④ 図の矢印のように、パターンが半分ずつ被るように段々と下へ塗りすすめます。
⑤ 最後はパターンがガラス面の外に出るまで吐出させながら塗り終わります
ガラス面の外から塗り始めます
半分ずつパターンが
被るように塗っていき
ます。
ガラス面の外に出るまで吐出
しながら塗り終わります。
※注意事項
真夏の直射日光が当たる部分のガラスは塗装面が高温になる為、乾燥時間が早くなります。
高温のまま施工しますと、塗膜の平滑性に悪影響を与えますので注意が必要です。
硬化前の補修は可能ですが、天候や季節によって硬化時間が違うので注意が必要です。
エアコン等の風が直接当たらないよう、施工時は特に注意してください。
スプレー塗装の場合は特に念入りに養生を行ってください。ミストが飛散して汚れる場合があります。
塗料の跳ね返りを極力少なくするため、低圧ガンをお勧めいたします。
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