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平成26年度全国高校選抜(岐阜大会)「審判員報告書」
審判長
前田節夫
C3
1 採点上打ち合わせた事項
(1)審判研修の実施
ア 審判員宣誓の内容を厳守することについて
イ 採点競技の特性について
ウ 新体操の方向性について
エ 審判員の採点・業務にあたっての心得について
(ア)審判員としてのマナーやモラルの遵守のこと。
(イ)特に審判員は、会場内での監督・選手との接触等厳禁のこと。
(ウ)各審判員の採点結果において、大きな影響を与える事の自覚を持っての
審判業務を行うこと。
(エ)審判員全員が採点ミスをしないよう細心の注意と集中力を持っての審判を
すること。
(2)主任審判員を中心に採点規則及び高校生適応ルールの確認
2 採点上起こった事項とその処理
採点上起こった事項は、特にありませんが、練習会場等で伴奏音楽が途切れる現象
が発生する報告があり、演技中に再発した場合の対策を事前協議しましたが、何事も
なく無事競技をすませることができました。
3 その他特記事項・意見・感想等
(1) 個人競技・団体競技ともに成績上位者およびチームは競技力がアップしており、
成績上位者と下位者の能力格差が大きくなっている。
(2) 主審の挙旗後にアナウンスによる選手名およびチーム名をコールされた後、速や
かに入場し、演技を開始していただきたい。競技時間の遅延奉防止に協力を願いたい。
(3) 応援マナーについて、男子関係者にはご理解とご協力をお願いしていますが、
男女の関係者への依頼が必要に感じました。特に団体競技中、男子演技終了間際
に次演技のために女子チームが入場する際の大きな手拍子の応援は、男子演技を
阻害することではないでしょうか。また、一般の観客者からも理解が得たいこと
ではないでしょうか。
近年、いろいろな大会での一般の観客者の方々が多くなってまいりました。
その方々に新体操を楽しんで観戦いただくことも大切なことではないでしょうか。
それゆえ競技者および応援団の応援のあり方も意識改革が必要であると考えて
います。
(4)大会運営について、地元役員の方々及び補助員の生徒諸君のご尽力に対して、多
大なる感謝を申し上げます。
C3
団体競技(構成)
個人競技(スティック・ロープ)
主任審判員
中田吉光
1.採点上打ち合わせた事項
(1)団体・個人共通
・それぞれの質をしっかり見極めることの確認(同時性・手具操作・体作り。例え
ば空間使用の多様性、伴奏音楽との一致、動きの緩急、自己の身体支配や熟練度
等)。
・集まっての協議の場を極力取らないようにする。
・難度・要素等取れない(見えない)と思うのであれば、それはそれで各自判断し
てもらう。また、その点数には説明責任があることを忘れない。
(2)団体競技
・隊形変化の多様性(演技面の使用・移動方法や軌道)を重視。特に崩れている隊
形の減点があまり見られないため。
・空間の使用の差をつける(ジャンプ・跳躍系、交差の空間を跳ぶものと徒手系を
跳ぶものとの違い)
。
・最近多い表現や組運動など、構成としてのバランスを考慮し採点する。
・四肢の動きだけにとらわれず、しっかり体幹が使われているかを見ること。
・重心(踵)の引き上げ、姿勢(上挙の肩の上げ)、動きの柔軟性、跳躍力、転向
などの軌道を見ること。
(3)個人競技
・手具の重さを感じられるような自然性からくる深さ・大きさ・スピードを見極め
審判すること。
・手具の操作に伴う軌道・タンブリング中、手具がいかされていない場合、タンブ
リングの難度としては取るが減点(その都度 0.1)をすることの確認。
・持ち方・投げ受けの処理の仕方での減点に対する共通理解をもった。
・団体同様、重心の引き上げや可動域の大きさを見極めること。
2.採点上起こった事項とその処理
・特になし。
3.その他特記事項・意見・感想等
(1)団体競技
・組とタンブリングの組み合わせ、併せて繋ぎの部分(接触している時間)も多い
ように感じる。また、徒手というよりは小手先の表現と捉える部分が多く長いチ
ームがあり、運動量としては少なくて楽であろうとの意見が出た。相変わらず重
心(踵の引き上げ)が低い。
・交差・組技などで動いていない選手がいる。その工夫がもっと必要である。
・伏臥着地(腹這いで着地する技)や座着地(片足座)の姿勢が多い。
・タンブリングの多様性、独創性がない。同じ系統のタンブリングしか入っていな
いチームもある。
・団体ならではの 6 人同時性の部分が限られた基本徒手だけのようになってきて、
本来ある新体操の大切な部分で且つ極めるのに時間を要する難しい部分の評価を
もっとするべきだ。
・選手が 1 人と 5 人に分かれての動き方が多い。構成上作りやすい。
・放送でチームのコールがあり、選手が返事をし、入場・演技開始の準備をするそ
の間に観客から応援があるが、音楽が鳴り始めても声が続いていることに違和感
がある。
(2)個人競技
・団体同様、タンブリングの工夫が欲しい。それに加えしっかりとした着地の先取
りができていない。
・転回系に入る助走での手具操作の工夫、手具を投げ上げてからの間やキャッチを
した後の動作など、もっと上手く裁いて欲しい。(特に難度の取り方や手具の受
けの姿勢は座が多い。運動の流れを切らさないように)
・全体的に重心が低く(手具操作にばっかり気を取られている)基本姿勢(特に爪
先)が不十分。
・投げ上げが同一である。
・伴奏音楽がギリギリ。半数近い選手が 1 分 30 秒を超えていて、タイム減点も数
名いた。
<スティック>
・スティックの操作(回し)がもっと欲しい。特に左手を使った操作や左投げ受け
の工夫欲しい。左手操作が持ち替えのみ。
・転がしが短い。
<ロープ>
・ロープの演技で上半身を使っている選手が少ない。また、跳びの難度・多様性が
欲しい。
C3
団体競技(実施)
個人競技(リング・クラブ)
主任審判員
安福康夫
1 採点上打ち合わせた事項
はじめに団体・個人とも、徒手の重要性について確認をした。特に姿勢の確認・体全
体を使った動きの見極めを大切にし、転回系の難度や勢いに惑わされることのないよう
打ち合わせをした。
<個人競技>
・さまざまな転回系(同じ系統に偏らないこと)
・両手の手具が止まらず動いていること
・2本投げの高さやころがしが短い場合の減点の確認。
・手具操作の流れの中で行われる投げ受けと流れの止まった投げ受けには技術的な差
があること。
<団体競技>
・そのチームの徒手の質と技術レベルを見極めた上で、得点を出すこと。
・転回系の着地の見極め
2 採点上起こった事項とその処理
特になし
3 その他特記事項・意見・感想等
<個人競技>
・動きの技術が高い選手にミスが出たこともあり、4 種目をうまくまとめた選手が上
位に入賞した。ミスがなかった場合の決定点がどのような差になるのかを研究して
いきたい。
<団体競技>
・上位の数チームはほとんど差がなく優秀である。ミスによる減点が得点の差となっ
てあらわれた。
・多くのチームは新チームということもあり、ミスが多発していた。なかにはミスが
多すぎて減点しきれていないチームもあった。
・転回系の着地の安定感に欠けるチームが多く、その都度大きな減点になり順位を下
げるチームがあった。
・ダンス的な表現が増えてきており、体全体を使う動きから体の一部のみを使った
動きに偏るチームが出てきている。新体操としての本質からかけ離れなすぎない
ようにジャッジをする必要がある。