( 1) 平成 27年 4月1日(毎月1日発行 ) 赤 十字 NE WS (第三種郵便物認可) 平成 27年 4月1日(毎月1日発行 ) 赤 十字 NE WS 第 899号 (昭和24年9月30日第三種郵便物認可) 4 April 2015 Vol.899 第 899号 http://www.jrc.or.jp 十字 NE WS (3 ) TOPICS 平成 27年 4月1日(毎月1 日発行 ) : 03 -3438赤 -1- 3 TEL -1311 一部20円 赤十字新聞の購読料は、 赤十字新聞 編集・発行/日本赤十字社 企画広報室 〒105-8521 東京都港区芝大門1 社費に含まれています。 第 899号 TOPICS ( 2 ) (第三種郵便物認可) CONTENTS 赤 十字 NE WS TOP I CS 2 日赤×海保 協定締結 (第三種郵便物認可) 平成 27年 4月1日(毎月1日発行 ) 日赤×巨人 選手がファンと AREA赤十字救急法 NEWS ( 6 ) 赤十字幼児安全法 保育園などへ普及を進めよう 赤 十字 NE WS 第 899号 健康豆知識 ( 7 ) AREA NEWS 平成 27年 4月1日(毎月1日発行 ) 良性発作性頭位めまい症 赤 十字 NE WS 第 899号 TOP I CS (第三種郵便物認可) 3 平成27年度 日本赤十字社の予算概要 常任理事会開催報告 (第三種郵便物認可) 平成 27年 4月1日(毎月1日発行 ) 理事会開催報告 赤 十字 NE WS 第85回代議員会審議結果公告 WORLD ( 8 ) 第 899号 SPECI AL 4 5 視覚障がい者施設 神奈川県ライトセンター 笑顔と元気を届けます AREA NEWS 6 7 大阪・佐賀・兵庫・愛知・青森・広島・島根 秋田・徳島・兵庫 日赤災害医療コーディネート研修会 日赤×JAF イベント開催 赤数字回答 プレゼント WORLD 8 国連防災世界会議 CHILDREN&YOUTH FORUM 南太平洋サイクロン被害 新連載 コラム 被爆70年 守るべき いのちと尊厳 かな? 何の数字 赤十字をイラストと数字で見てみよう 世界の災害被害を減らしていくための行動指針「仙台行動枠組」を採択 した第3回国連防災世界会議(3月14∼18日、仙台市)。赤十字からも42の国・ 地域から約120人が参加し、議論に参加しました。国際赤十字・赤新月社 連盟の近衞忠煇会長は15日の閣僚級会議で発言。災害に強い地域コミュ ニティー形成には公的機関や民間団体、地域の人々が幅広く手をつなぐ必 要があることを強調した上で、「赤十字社も草の根レベルから世界レベルま で、断固たる思いで行動し、貢献していく」と力強く決意を表明しました。 や救援物資を我々の巡視船や航空機で被災地へ運ぶことで、より 大規模災害時の業務協力協定を日本赤十字社との間で締結した 護班員からは「揺れる船内での活動は難しい」の声も。長時間の 海上保安庁。防災対策官としてその任に当たるのが白石さんです。 白石 浩一さん 答えは7面をご覧ください 迅速な救護・救援活動へ 力を合わせよう 「お互いの強みを生かし、いざというときには一人でも多くの人を 海上保安庁 警備救難部 環境防災課 防災対策官 48562 28 迅速な被災者救護が可能になると考えています」 これまでも日赤各支部と各保安部は協定を結び、主に海難事故 などを想定した共同訓練を重ねてきましたが、訓練に参加した救 活動になった場合は船酔いも心配です。そこで船酔い対策につい て聞くと…。白石さんからは「そこは慣れていただくしかないで 助けられるように頑張りたい」とこぶしに力を込めます。 すね」と明るい笑顔が返ってきました。 海上保安庁は、領海警備や海難救助、環境保全など日本の海 PROFILE の安全を幅広い分野で守っていますが、自然災害時の救助活動も 重要な任務の一つ。東日本大震災では海上に流された被災者の 救助や行方不明者の捜索などを行ってきました。今回の協定はこ うした大規模災害を想定して結ばれたもの。「全国の日赤救護班 昭和39年4月生まれ。神奈川県出身。海上保安学校を経て海上保安庁 に。巡視船では機関科職員として運航を担当。第三管区海上保安本部警 備救難部環境防災課長、海上保安庁警備救難部環境防災課専門官など を経て、平成26年4月より現職。 日赤と海保が協定締結 (第三種郵便物認可) WORLD ( 8 ) 日赤×巨人 選手がファンと一緒に赤十字救急法を受講 が 社 会にとって野 球 チー ム 海 上 保 安 庁の船 艇・航 空 救護班や救援物資などを 結 しました 。各 地の日 赤 めの業務協力の協定を締 効 果 的に実 施していくた 模災害時の被災者救護を 日本赤十字社と海上 保 安 庁は3月6日 、大 規 た 場 合 、救 護 班 が の陸 路 がと ざされ 調 印 式で日 赤の近 衞 忠 煇 社 長 は、 「被 災 地へ す。 者の搬 送 待を述べました。 救 援 活 動 が 行 え ま す」と 期 に日 赤が 協 力 。その第 一 ジェクト「G ♥hands」 参 加 し、心 肺 蘇 生の方 法 や 以 上の存 在となることを 目 機により被 災 地へ輸 送し 被 災 地に到 達でき 「 もしもし大 丈 夫です か?」 「 あ なたは119番 ていくこと な どが盛り込 ない状 況 も 起こり ③ 船 艇・航 空 機による 傷 病 先度の選別)、応急救護活動 輸 送 ② ト リ アー ジ( 治 療 優 そ れぞ れの強 みを 生 か すこ 機 動 力 と 日 赤 の医 療 能 力 。 雄 二 長 官 は「 海 上 保 安 庁の 献 活 動 発 展のために今 年 読 売 巨 人 軍が 社 会 貢 たファンな ど 約 3 0 0 人 が 今 回の講 習 会には選 手や 球団スタッフ、抽選で選ばれ な どを 行いま 海 路による広 域 支 赤 十字 NE WS G ♥ h a n d sは、選 手 とファンが手を取り合って社 わたりました。 めの大 き なかけ声が響 き ウンドにいのち を 救 う た 東京ドームで開かれ、グラ 急 法 講 習 会が3月1日に 弾としてファンを招いた救 講 習を終 えた 村 田 修一選 手会長は「AEDはもっと難 てくれました。 かった」と笑 顔で感 想を語っ 目的を持って学べてとても良 さ んの二 人 は「 選 手 と 同 じ た 室 岡 ゆ みさん 、浅 見 進 也 器) の使用法を実習。参加し ました。 き たい」と 表 情 を 引 き 締 め 備えて、しっかりと覚えてお わる 大 切 な 知 識 。も し もに 大田泰示選手は「いのちに関 順 を 知 り、動 揺 し な け れ ば 定で 、よ り 幅 広い活 動 が 期 なバックアップが行われる予 個 人の社 会 貢 献にも積 極 的 G ♥ h a n d sでは、選 手 じ ました」と 頼 も しい一言 。 献 活 動 を 続 けて き ま し た 。 実 際の場 面でも使 えると感 待されています。 ど日 赤と提 携した 社 会 貢 十 字 支 援 プロジェク ト 」な 巨 人 軍 はこ れ まで も「 赤 年度から て 、幼 児 安 全 法 を 普 及 する と は 大 き な 収 穫でし た 」と 人 と 異 なること を 学べたこ ナー」に、保 育 園に勤める保 「 子 ど もの健 康 と 安 全 セ ミ が3 月 5日に都 内で開いた 育園保健師看護師連絡会 吸 が 重 要で す 」 全国保 は胸骨圧迫と同時に人工呼 まらせたときに、背中を叩い か、食べ物や玩具をのどに詰 乳 幼 児へ心 肺 蘇 生を行 う 際の注 意 点 を 確 認 し た ほ ものです。 その一環 と して企 画 さ れた スタートしています。今回は します。 講座を開いてほしい」と要望 容 。園 内でも 幼 児 安 全 法の の先 生にも 知って欲 しい内 ら参加した看護師の根岸里 感 想 。栃 木 県 内の保 育 園 か 取り組みを平成 育士や看護師など全国か たり、腹部や胸部をつき上げ じめとした 職 員 だけではな ていき ま す が 、保 育 士 を は に幼 児 安 全 法の普 及 を 図っ ど 、乳 幼 児の救 命 処 置 が 大 会 会 員のいる全 国の保 育 園 抱負を語っています。 子 どものいのちを 守る知 識 く 、保 護 者 や 地 域の方 に も と技術を広げていきたい」と 8 5 4 施 設) とタイアップし た。 都 内 保 育 園の看 護 職 員 、 施 設 は 多 く 、今 後 も 増 える 日 本 赤 十 字 社 は 同 連 絡 波 呂 久 美 子 さん( )は「い こと が 予 想 さ れ ま す。平 成 会( 会 員 数 約 1 0 0 0 人 、 ち早い人工 呼 吸の必 要 性な 年 度からの3 年 間で連 絡 る 私 だ けでは な く 、保 育 士 )は「 看 護 師であ ら 約 2 0 0 人 が参 加 。乳 幼 て異 物を除 去 する方 法を2 同連絡会の並木由美江会 長 は「 看 護 師 がいない保 育 江 さん( 児に起こりやすい事 故を想 人 一 組で実習しました。 「 乳 幼 児の心 停 止の多 く は 窒 息 が 原 因 。心 肺 蘇 生で 全国保育園保健師看護師連絡会との タイアップ講習に 人 赤十字幼児安全法 保育園や父母への普及を進めよう! しいと思っていましたが、手 胸骨圧迫による心肺蘇生を学ぶ坂本 勇人選手 会 貢 献の輪 を 作 り、巨 人 軍 A E D( 自 動 体 外 式 除 細 動 とで、迅 速かつ適 切な救 護・ からスタート さ せた プロ 通 報 を お 願いしま す! 」 指していくものです。 まれています。 日赤各支部と海上保安庁 各 保 安 部との間ではこれま 援 が 可 能 となり ま 平成 27年 4月1日(毎月1日発行 ) 得 ま す。今 回 の 協 でも地 域の実 情に応じた 地 し た 」と あいさつ。 (第三種郵便物認可) 定 に よ り 、空 路 や 域 協 定が締 結されてきてお 海 上 保 安 庁の佐 藤 赤 十字 NE WS 第 899号 平成 27年 4月1日(毎月1日発行 ) - り、共 同 訓 練 な どに取 り 組 んできました。 今 回の協 定は、今 後、高い 確 率で発 生 が予 想 されてい る南 海 トラフ地 震や首 都 直 下地震などの大規模広域災 害に備えたもの。地域協定の 枠を超えて、迅速かつ円滑な 災害救護活動を日赤と海上 保 安 庁が連 携して行 うこと ができるよ う 相 互に協 力 す ること を 念 頭に置いていま す。 両 者 は、必 要 な 情 報 を 共 有 していくた めの連 絡 体 制 な どを 平 素 から 確 立 してい 第 899号 ( 7 ) AREA NEWS TEL 045-628-6100(代表) (※)新井医師の本は7頁のプレゼント欄でご紹介しています。 AREA NEWS ( 6 ) 首都直下地震など大規模災害時 赤 十字 NE WS - - 定した救命処置を学びまし 39 治療は薬剤に加えて、頭と体を動かすリハビ リを重視します。三半規管に入り込んだ耳石を 外に出し、元の位置に戻すためです。「目が回 ▲横浜市立みなと赤十字病院では リハビリ入院治療(4泊5日)を るから…」と安静にしていては、いつまでたっ 実施中。約7割の人が入院中に ても治りません。またリハビリでは、目が回ら 症状を改善。退院後の自宅リハ ないように小脳を鍛える訓練も行います。フィ ビリを含めると約9割の人がめま ギュアスケートの選手はリンクで高速回転をし いを克服しています ても目を回しませんが、これは練習の積み重 横浜市立みなと赤十字病院 ねにより、小脳が鍛えられた結果。これと同じ 〒231-8682 神奈川県 仕組みを使うのです。リハビリ方法は、私の本 横浜市中区新山下3-12-1 の中で解説していますのでぜひご覧ください。 た感覚が、日常生活の中でも発生している状 態ですから、仕事や家庭生活にも深刻な影響 が出てきます。悪化するとうつ状態になる人も いるので、早期治療が大切です。 原因は加齢や頭部打撲、内耳疾患などです が、寝返りをうたず長時間同じ姿勢で頭を動 かさないでいるだけでも耳石はたくさんはがれ ることがあります。重力が一方向にかかってし まうからです。また耳石は炭酸カルシウムでで きています。そのため、カルシウムが不足し がちな高齢女性にこの病気を患う人が目立っ ています。 目の前がぐるぐる回ったり、フワフワふらつ いたりするめまい。その90%以上は耳の疾患 です。その中の半分近くを占めるのが「良性 発作性頭位めまい症」で、女子サッカーの澤 穂希選手が患ったことでも話題になりました。 ご存じの方も多いと思います。 この病気は、耳の奥にある耳石がはがれて しまい、隣接する三半規管に入り込んでしまう のが原因。耳石も三半規管も体のバランスを つかさどる役割を持っているため、脳に誤った 情報が伝わってしまい、めまいを感じてしまう のです。遊園地の回転遊具に乗って目が回っ 2 0 0 26 50 くと と もに、定 期 的 な 共 同 訓 練 を 実 施 。大 規 模 災 害 発 生時には、それぞれの支援要 請に基づき、①船艇・航空機 - - 赤 十字 NE WS による 救 護 班・救 援 物 資の 27 (第三種郵便物認可) 医療救護と搬送・輸送で業務協力 平成 27年 4月1日(毎月1日発行 ) 第- 899号 赤 十字 NE WS 平成 27年 4月1日(毎月1日発行 ) (第三種郵便物認可) 海保の巡視船「そうや」。ヘリコプター運用能力を備え た氷砕船で、災害時には日赤の救護班が乗る可能性も 調印された協定書を手にする海上保安庁の佐藤長官(左)と日赤の近衞社長(右) TOPICS ( 2 ) (第三種郵便物認可) 第 899号 赤 十字 NE WS 第 899号 赤 十字 NE WS 平成 27年 4月1日(毎月1日発行 ) ( 3 ) TOPICS (昭和24年9月30日第三種郵便物認可) 平成 27年 4月1日(毎月1日発行 ) 第 899号 ( 1) 知ってて良かった! ⑪動いて治す 「良性発作性頭位めまい症」横浜市立みなと赤十字病院 耳鼻咽喉科 新井基洋部長 (第三種郵便物認可) 平成 27年 4月1日(毎月1日発行 ) 赤 十字 NE WS 第 899号 TOPICS ( 2 ) ( 3 ) TOPICS 平成 27年 4月1日(毎月1日発行 ) 赤 十字 NE WS 第 899号 (第三種郵便物認可) 平成 27 年度 日本赤十字社の予算概要 赤 十字 NE WS 日本赤十字社では、一般会計のほか、医療、血液、社会福祉の3つの事業にかかる特別会計を設けています。以下に平成27年度事業計画に基づく各会計の予算 概要を報告します。各予算内容の詳細については、 日本赤十字社のホームページ (http://www.jrc.or.jp) もしくは本社・支部でご覧いただけます。 ※各合計額には、 本社・支部・施設間の内部取引額を含んでいます。 (血液事業特別会計を除く。) 一般会計 赤 十字 NE WS 平成 27年 4月1日(毎月1日発行 ) (第三種郵便物認可) AREA NEWS ( 6 ) 第 899号 国際活動費 本社及び47都道府県支部において、個 災害救護事業費 人・法人の皆さまからの社費(会費)及び寄 社会活動費 79 億 1,935 万 1,000 円( 22.1% ) 付金等を主な財源に、国際活動、災害救護、 救援物資の備蓄、復興支援事業など 38 億 4,264 万 7,000 円( 10.7% ) 救急法等講習会、青少年赤十字やボラン のために 講習会、奉仕団・青少年赤十字活動普 赤 十字 NE WS ( 7 ) AREA NEWS 平成 27年 4月1日(毎月1日発行 ) 及のために ティアの活動など、 本社・支部の事業にかか る歳入歳出予算をまとめたものです。 39 億 9,365 万円( 11.1% ) 国際救援、開発協力などのために (第三種郵便物認可) 第 899号 指定事業地方振興費 7 億 1,387 万 7,000 円( 2.0% ) 災害救護設備や救急医療体制の整備 などのために ※東日本大震災義援金にかかる歳入歳出予算は、含まれておりません。 社資収入 地区分区交付金支出 赤 十字 NE WS ) 191 億 4,896 万 4,000 円( 53.4% 平成 27年 4月1日(毎月1日発行 ) (第三種郵便物認可) WORLD ()8 ) 第 899号 円( 6.2% 22 億 3,370 万 7,000 地区・分区への事務費および事業費の交付 その他 57 億 9,022 万 1,000 円 ( 16.1% ) 歳出 (東日本大震災海外救援金 51 億 5,355 万 2,000 円 【東日本大震災海外救援金 充当事業】) 歳入 億 358 万 社業振興費 358億 30 億 3,138 万 3,000 円( 8.4% ) 赤十字社員への参加呼びかけや広報 活動などのために 8,796万7,000円 8,796 7,000円 本社送納金 21 億 2,322 万 7,000 円( 5.9% ) 支部から本社への送納金 その他 基盤整備交付金・補助金支出 60 億 4,145 万円( 16.8% ) (東日本大震災 海外救援金 51 億 5,355 万 2,000 円) 20 億 7,704 万 7,000 円( 5.8% ) 支部、病院、血液センター、社会福祉施 設の基盤整備のために 委託金・補助金等 12 億 6,943 万円( 3.5% ) 繰入金収入 積立金支出 資産取得及び資産管理費 96 億 7,935 万 2,000 円( 27.0% ) 16 億 4,310 万 6,000 円( 4.6% ) 22 億 6,852 万 2,000 円( 6.3% ) 災害救護事業、国際活動などのための 準備積立金 建物の整備、資産の維持管理などのために 特別会計 医療施設特別会計 血液事業特別会計 社会福祉施設特別会計 医療施設の運営等にかかる予算をまとめたもので、赤 十字病院等医療施設の診療収入を主な財源として、医 療施設運営のための費用等に充てられます。 血液事業の推進にかかる予算をまとめたもので、血液 製剤供給収益を主な財源として、安全な血液製剤供給 のための費用等に充てられます。 社会福祉施設の運営等にかかる予算をまとめたもの で、措置費、運営費、介護保険、自立支援費、診療収入及び 都道府県・市町村からの補助金を主な財源として、社会福 祉施設運営のための費用に充てられます。 医療社会事業収益 関連事業収益 付帯事業収益 9 億 4,054 万 5,000 円( 0.1% ) 17 億 6,809 万 8,000 円( 1.1% ) 105 億 5,499 万 4,000 円 ( 1.0% ) 医業外収益 事業外収益 特別利益 328 億 1,158 万 9,000 円 ( 3.2% ) 8,470 万 7,000 円 ( 0.01% ) 収益的収入 1 117 兆 11 億 4,095 万円 ( 0.7% ) 前期末支払資金残高 41 億 3,508 万 6,000 円 ( 23.3% ) 収入 1,612億 9,674 億 706 万 4,000 円 ( 95.6% ) 9,889 万 9,000 円 1,582 億 9,260 万 3,000 円 ( 98.2% ) 収益的収入 医業収益 億 事業収益 その他の活動による収入 12 億 3,285 万 2,000 円 ( 6.9% ) 事業活動による収入 177億 165 万 1,000 円 124 億 1,642 万 5,000 円 ( 69.8% ) 8,481 万 8,000 円 施設整備等による収入 45 万 5,000 円( 0.00% ) 付帯事業費用 医療奉仕費用 関連事業費用 115 億 5,071 万 1,000 円( 1.1% ) 75 億 6,791 万 5,000 円 ( 0.7% ) 特別損失 その他 205 億 6,909 万 2,000 円 ( 2.0% ) 1兆212億 5,425 万 4,000 円 法人税等 収益的支出 事業費用 127 億 5,780 万 5,000 円 ( 91.6% ) 27 26 19 日 本 大 震 災 義 援 金に かかる予算の補正) 審 議の結 果 、資 金の借 入及び不動産の処分につ いては原 案のとおり議 決 事項については、原案のと され、理 事 会に付 議 する 常任理事会開催報告 回の常任理事会が開催 10 平成 年3 月 日、本 社において平成 年度第 されました。 記 理事会に付議することが おり本年3月 日開催の 了承されました。 20 審議結果は左記のとお りです。 1 資金 の借入について ( 鳥 取 赤 十 字 病 院の増 改築工事の事業費増額 にかかる資金の借入) 発 ラダー 導 入 後の変 化 、 将 来の献 血 者 推 計 と 確 事 項 等の決 定 状 況につい また、赤 十 字 施 設にお ける看 護 職のキャリア開 保対策及び予算の補正に 2 不動 産の処分について 須赤十字病院の移転に ( 仙 台 赤 十 字 病 院 、那 かかる不動産の処分) かかる2月分の社長専決 項について た。 て、そ れぞ れ報 告 しまし 改築工事にかかる資金 3 理事 会 に 付 議 する 事 (前 橋 赤 十 字 病 院 及 び 広 島 赤 十 字・原 爆 病 院 の資金の借入並びに東 20 収入支出差引額 38 億 5,996 万 5,000 円 理事会開催報告 27 の借入) 審 議の結 果 、いず れも 原案のとおり議決されま 年 度 3 回 目の 26 平成 年3 月 日、全 国社会福祉協議会会議室 した。 ( 新 霞 が 関 ビ ル )に お い 理 事 会 が 開 催 されまし また、「フィリピン中 部 台風から1年」 の上映、社 て平 成 た。 検討状況、青少年赤十字 組み及び社長委任事項の 員制度の見直しにかかる 記 85 審議結果は左記のとお りです。 が進める防災教育の取り 決 定 状 況 について、そ れ ぞれ報告しました。 また、常 任 理 事 会の理 事の互 選 が行 われ、諸 星 衛、松金秀暢、髙橋博美、 大 坪 紘 子 、鈴 木 健 治 、藤 澤 福 男 、中 島 博 、中 冨 博隆の各氏が選出されま した。 1 第 回 代 議 員 会 に 付 27 議する事項について (役員の選出、平成 年 度 事 業 計 画 及 び収 支 予算) 2 予算 の補正について ( 東日 本 大 震 災 義 援 金 にかかる予算の補正) 3 資金の借入について ( 前 橋 赤 十 字 病 院の移 転 新 築工 事 及 び広 島 鈴木 健治 内野 矜自 幸重 綱二 神谷美智子 扇 道徳 第2号議案 平成 年 度 事業計画に ついて 原案のとおり議決され ました。 第3号議案 平成 年度 収支予算に ついて 原案のとおり議決され ました。 27 赤 十 字・原 爆 病 院の増 20 回代議員会審議結果公告 27 事業活動による 支出 2,485 万 3,000 円 収益的収入支出差引額 △ 35 億 9,868 万円 第 回代議員会におけ 平 成 年 3 月 日、新 霞が関ビル「全社協 灘・尾 た第 ホ ー ル」において 開 催 し 日本赤十字社 年4月1日 る審議結果は左記のとお りです。 平成 記 衛 秀暢 希六 第1号議案 役員 の選出 について 諸星 松金 竹内 理事8名が次のとおり 選出されました。 事 理 27 27 支出 1,590 億 6,250 万 7,000 円 ( 96.5% ) 収益的収入支出差引額 △ 94 億 5,535 万 5,000 円 85 予備費支出 139億 33 万 1,000 円 医業費用 その他の活動による支出 8 億 4,365 万 1,000 円( 6.1% ) 9,451 万 3,000 円( 0.7% ) 1,648億 9,756 億 2,009 万 1,000 円 ( 95.5% ) 85 施設整備等 による支出 2 億 2,888 万 4,000 円 ( 1.6% ) 350 万円( 0.002% ) 33 億 3,053 万円 ( 2.0% ) 20 億 7,961 万 3,000 円 ( 0.2% ) 収益的支出 7 億 1,692 万 7,000 円( 0.4% ) 事業外費用 38 億 6,683 万 2,000 円( 0.4% ) 医業外費用 特別損失 16 億 8,686 万 7,000 円( 1.0% ) ( 3 ) TOPICS (5) 平成 27年 4月1日(毎月1日発行 ) 日 赤 が 指 定 管 理 者 とし て 運 営 (第三種郵便物認可) 平成 27年 4月1日(毎月1日発行 ) 視覚障がい者施設 神奈川県ライトセンター 希望の光となって、 笑顔と元気を届けます ( 7 ) AREA NEWS (第三種郵便物認可) 神奈川県視覚障害援助赤十字奉仕団 点訳部会部会長 秋武 惠さん − − (第三種郵便物認可) (第三種郵便物認可) 「読書をしたい」「スポーツを楽しみたい」「外を自由に歩きたい」 −視覚障がい者の幅広い要 赤 十字 NE WS AREA NEWS ( 6 ) 第 899号 望に応え、元気に笑顔で生活していける援助を行う赤十字の福祉施設が神奈川県ライトセン ター。県が設置し、日本赤十字社が指定管理者として運営しています。点字と録音による情報 提供や相談・訓練、スポーツ、さらにはボランティア育成まで、視覚障がい者のための総合的 な事業を行う施設は全国的にもめずらしい存在。これらの活動をボランティア組織の神奈川県視 赤 十字 NE WS 第 899号 (第三種郵便物認可) 第 899号 SPECIAL ( 4 ) 視覚障がい者の 福祉向上を目指して 神奈川県視覚障害援助赤十字奉仕団 委員長 中村 泰子さん 覚障害援助赤十字奉仕団(視援奉)と一体で展開しているのも特徴です。このような施設の 視覚障がい者の目の代わりと 取り組みを入社3年目のセンター職員、八尋絵美さんが案内します。 なるボランティア活動に取り組 や ひろ んでいるのが私たち神奈川県視 覚障害援助赤十字奉仕団で 平成 27年 4月1日(毎月1日発行 ) 赤 十字 NE WS 普及啓発 − − WORLD ( 8 ) 第 899号 す。点訳、録音、レクリエーショ ン、誘導、拡大写本、在宅者 援助の6部会とスポーツ介助グループなど4グループで 視覚障がい者への理解広げよう 700人を超える団員がそれぞれ活動しています。活動の ライトセンターを 紹介します! 情報提供 際には利用者のプライバシーに触れる機会が多く、個人 情報の保護にも気を配っています。 私は、録音ボランティアとして平成元年から奉仕団に 点字・録音図書の製作、貸し出し 参加し、現在は誘導と在宅者援助に関わっています。人 道や公平の原則を掲げる赤十字の下での活動は私たち の誇りですし、視覚障がい者の方からも厚い信頼が寄せ られています。 神奈川県ライトセンター 支援課 スポーツ係 主事 や ひろ 八尋 絵美さん センター内の点字図書館の蔵書は、点字図 書約1万8000冊、録音図書約1万4000冊。ま た週刊誌や月刊誌などの点訳版や録音版の提 供も行っています。図書の製作を担っているの は点訳・録音ボランティアの皆さんです。 スポーツ振興 − − 平成 27年 4月1日(毎月1日発行 ) 達成感 成時には 毎週水曜日の活動日に、センター で午前9時から午後3時頃まで作業を しています。休み時間には皆さんとお しゃべりをしたり、食事をしたり。同じ 思いで集まってきた仲間と過ごす時間 が楽しいですね。点訳リク エストされた本をできるだ け早く届けたいと、ほとん どの作業は自宅で行 います。一冊が完 成した時の達成感 など、やりがいの ある活動です。 第 899号 赤 十字 NE WS 平成 27年 4月1日(毎月1日発行 ) 点訳本完 赤 十字 NE WS シンクロ 楽しく安全なスポーツ環境を提供 視覚障がい者専用のスポーツ施設として、安 全面に配慮した体育館や温水プール、ジョギン グコースなどを整備。水泳教室やクライミング体 験、競技会なども開催し、利用者がスポーツに 親しむ機会を提供しています。 に背 てもら 中を押し いました ! 趣味を楽しむのに目が見える見えないは関係な い! 視覚障がい者と晴眼者(目の見える方)が 同じテーブルで楽しむのがライトセンターのクラブ活 動です。文化系14クラブ、スポーツ系13クラブに 739人の方が参加しています。 灯して を明るく くれたダ 援助に不可欠な専門知識・技術を習得 中途失明で辛い思いをしていたと き、誘われたのがダンスクラブ。踊る ことで晴々した気持ちになれるんです。 だから27年間も続けられてきたんです ね。いま40人の会員 ね。い の中で晴眼者は17 の中で晴眼者 人。私たちだけで 踊ると、壁に衝突 する危険などもあり ますから、晴 眼 者 の会員のサポート には感謝していま 笠羽 明美さん す。 に 地域ととも ィバル ーフェステ フェス タ ン セ ト ライ ンター る「ライトセ 視覚障がい者の援助活動には高い専門性が 必要。センターでは点訳・録音、誘導など各分 野でボランティア養成講座を行っています。こう した講座を経て、ボランティア活動をする奉仕団 メンバーは現在724人を数えます。 通じて 応援 利用者を 音声ソフトによるパソコン操作を皆さん に教えています。「情報が得られるように なった」 「便利になった」などの声を聞くと、 少しは役に立てたかなと感じます。身近 にパソコンを使える人 がいない視 覚 障がい の方は少なくありませ ん。そうした方のため に今後はパソコン やタブレットの相 談日を企 画し たいですね。 パソコンサポートボランティア 江口 三郎さん 視覚障がい者の生活の質を上げるために 白杖を用いた歩行訓練や点字指導、身辺管 理などの日常生活動作訓練、中学生以下を対 象とした親子イベントなどを行います。外出が困 難な方も多く、訪問による相談・訓練も行って います。 寄り添う パソコン 街で視覚障がい者を見かけたら ンス 昨年のフェスティバルでシンクロナイズド スイミング発表会に参加した 豊田 澄子さん − − 1月に開かれ 所され、 年1回1 方が 大 勢 来 の 民 県 、 には くさの ティバル」 験や見えに ポーツの 体 ス 者 覚障 い 視 が 、 視覚障 通じて 体験などを ア ィ テ ン ラ ます。 体験、ボ を深めてい 理解と交流 がい者への 障がいを超えた交流でいきいきライフ ボランティア育成 い、喜び合えるのも魅力ですね。 − − 人生 発表の1カ月くらい前になると、寝ても 覚めてもシンクロ。分からないところを仲 間に電話で確認したり、ボランティアさ んに助けてもらったり。発表会に参加で きたことで、大きな達成感 を味わえました。これほど 夢中になって取り組んだ のは、若いとき以 来、 久々の感覚です。今 年のシンクロ教室も 楽しみにしています。 ですが、楽しくやりがいがあります。仲間とともに励まし合 指導訓練 クラブ活動 − − 専門的な活動なので事前の講座受講など勉強も必要 公共交通機関の職員などへの研修会やセン ター見学会など、福祉教室を開き、視覚障がい 者への理解を広げる活動を展開しています。また、 中途失明者へセンターの存在を知らせるため、医 療関係者への広報活動にも力を入れています。 ぜひ生ライトセンターを 見てください 視覚障がいのある方に元気と笑顔 を届ける私たちの活動。紙面には紹 介しきれないもっとたくさんのメニュー が用意されています。センターに来て いただければご案内します。ボランティ ア希望の方などたくさんの皆さまの来 所をお待ちしています! 始めて ことから 「道で立ち止まって困っている様子の視覚障がい者を 見かけたときは、 ぜひ声をかけてください」と中村委員長。 「視覚障がい者の方は周りが見えませんから、自分から は声をかけられません。ちょっと勇気がいるかもしれませ んが、 『何かお手伝いしましょうか』と皆さんから話かけ ていただけるととても喜ばれるんですよ」 来所できない方も 視野に入れた活動を ライトセンター 工藤 孝志所長 職員と視援奉は、ライト います 視覚障がい者の中には、不安と恐怖でいっぱ いの方もいます。訓練は、そうした気持ちを受け 止めることから始まることが多く、個々の視覚障が い者が、自分の障がいを受容し、前向きな人生 を送れるようになることを目指して支援しています。 例えば、歩行訓練でほんの少 し歩けるようになると、自信がめ ばえ、生活が生き生きしてく ることもあります。何事も 訓練は楽ではありません が、私たちがサポートし ます。 神奈川県ライトセンター支援課 相談指導係長 青山 しのぶさん センターを支える車 の 両 輪。相互に補完し合いな がら、質の高いサービスの 提供を行っています。また、 スポーツや文化のクラブで は視覚障がい者と晴眼者が一緒に活動を楽しむなど、 障がいを超えた仲間づくりの場になっているのもセンター の魅力です。 とは言っても、来所されている視覚障がい者は一部。 ここまで来ることができない方、ライトセンターの存在自 体を知らない方も大勢います。県内すべての視覚障がい 者に必要な援助を届けていくため、私たちの側から地域 に出かけて行くことが現在の課題です。またパソコンなど IT 機器操作の講習や「晴眼者と同じ種目のスポーツに 挑戦したい」などの声が高まっており、そうした多様な要 求にも応えていかなければなりません。 指定管理者制度の下、サービス向上や経費節減が 求められていますが、視覚障がい者の皆さまに寄り添う 地道な取り組みの積み重ねこそが「日赤に任せるのが 一番」という信頼の醸成につながると考えています。 赤 十字 NE WS (第三種郵便物認可) 平成 27年 4月1日(毎月1日発行 ) 防災ピア・エデュケーション JRC加盟高校で開催 ( 7 ) AREA NEWS 平成 27年 4月1日(毎月1日発行 ) 大阪府 赤 十字 NE WS 第 899号 AREA NEWS ( 6 ) JRCメンバーがガイドヘルプ実習 赤 十字 NE視覚障がい者サポートを初体験 WS 第 899号 (第三種郵便物認可) 兵庫県 大阪府青年赤十字奉仕団によ る防災ピア・エデュケーションが 1~2月にかけて、青少年赤十字 (JRC)に加盟する羽衣学園高 平成 27年 4月1日(毎月1日発行 ) (第三種郵便物認可) 等学校と高槻高等学校でそれぞ 赤 十字 NE WS 第 899号 WORLD ( 8 ) れ開催され、計120人の生徒が 災害時の避難などについて学び 合いました。 青少年赤十字の態度目標(気づき、考え、実行する) を実践する場となりました ピア・エデュケーションは、同世代のリーダーから学ぶことで、問題をより身近に 考えていく学習法です。今回は、大阪管区気象台の協力の下、大雨災害について の理解を深めた上で、さまざまな状況下での避難のタイミング、避難場所などにつ いて話し合いました。スタッフとして参加した青年ボランティアからは「年齢の近い 高校生たちに教えるのは難しいがやりがいもある」などの声が聞かれました。 若者同士でHIV/エイズ学習 「学校では学べない!」の反響 佐賀県 実習では三宮の街中や店舗内を案内。ゲストの方との会話も弾みます HIV/ エ イ ズ に つ い て 考 え る「AIDS文化フォーラム in 佐 青少年赤十字(JRC)協議会は2月1日に開いた例会で、視覚障がいを持つ方 賀 」が2月21日から2日間、 佐 をゲストとして招いたガイドヘルプ実習を三宮周辺で行いました。 賀大学キャンパスで開催され、 同協議会の平成26年度の学習テーマは「健康・安全」。ガイドヘルプ実習は1 佐賀県青年赤十字奉仕団のメン 年間学んだことを実践するために企画されました。障がい者と健常者の共生という バーが「ピア・エデュケーション」 観点から「互いに暮らしやすい街はどんな街か、どのようなサポートが必要か」を 年齢の近い者同士だからこそ恥ずかしがらずに学び あえるのがピア・エデュケーションの特色です 考えていくことが狙いです。兵庫県立国際高等学校をはじめ、6校15人の生徒が のメンバーが年齢の近い高校生とともに恋愛や性感染症などについて学び合う 実際に視覚障がい者と街を歩くのは初めてのメンバーたち。不安から緊張気味 もの。 研修を受けた青年奉仕団員がリーダー役を務め、京都、熊本、鹿児島の の表情も浮かんでいましたが、赤十字ボランティアの指導やゲストの方との触れ合 のプログラムを担当しました。 プログラムは、 青 年 奉 仕 団 参加しました。 メンバーも応援に駆けつけました。参加した高校生は、佐賀県内の青少年赤十字 いを通じ、徐々に笑顔もこぼれてきました。実習後の反省会では「耳からの情報 (JRC)メンバー31人。「学校では学べない内容で、とても楽しく勉強できた」 やにおいがどれほど大切か分かった」「困っている人がいたら声をかけてあげたい」 など体験を通しての気づきと感想が聞かれました。 などの感想が出されました。 フランス赤ボランティア 日赤の救急法講習を体験受講 「もっと赤十字活動を頑張りたい!」むつ市の小学生が活動発表 愛知県 青森県 フランス赤十字社(以下、フ 平成 27年度の社員増強・社 ランス赤)トゥルーズ支部で救急 資増収に向けて開かれたむつ市 法講習のボランティア指導員を 地区協賛委員会総会で、市内の しているピエール・ラフロランス 青少年赤十字(JRC)加盟校の さんが2月5~7日の3日間、愛 3人の小学生メンバーが校内で 知県内で行われた救急法講習を の奉仕活動などについて発表し 体験受講しました。 ました。 日本 語 の 講 習に戸 惑 い 気 味 フランスでは交通機関の運転手や、学校の教員は救 急法の資格を持つ義務があるそうです 3人の児童は「JRC活動を通じて成長できました。こ 総会でのJRC活動の発表は、 れからも頑張っていきます」などと決意表明 だったピエールさんですが、AED(自動体外式除細動器)講習や心肺蘇生が始ま 社資がどのような活動に使われているのかを協賛委員に知ってもらうのが目的で ると、手慣れた動作で手当を行い、受講生のお手本に。「フランス赤の講習と同じ す。発表したむつ市立奥内小学校の工藤葵さん(6年)、 浜谷聖菜さん(6年)立 内容もありましたが、日本では三角巾を使った手当の種類が多いことなど異なる部 花亮太君(5年)の3人は、奉仕活動や青少年赤十字登録式の様子などを報告。 分もあり、貴重な経験になりました。人の役に立ちたいという思いを持った人を増 同校の宮木くみ子校長 ( むつ下北地区青少年赤十字指導者協議会長 ) が、 リーダー やしていきたいですね」と意気込みを語ってくれました。 シップ・トレーニング・センターや作品展の様子などを紹介しました。 被災者へ飲料を無償提供 災害時にやさしい献血ルームへ 笑いで小児患者を応援! パリのホスピタル・クラウン2人が来院 広島県 島根県 広島県赤十字血液センターと フランスのビジュアルコミッ 株式会社アペックス西日本は3月 クサーカス・カルテット“Les 4日、災害時に献血ルーム内の Mangeurs de Lapin” (日本語 自販機を被災者らに無償開放す 訳:ウサギ食べるズ)のメンバー るための協定を締結。 献血ルー 2人が2月23日、松江赤十字病 ム「もみじ」で調印式を行いま した。 「もみじ」 のある広島市中区 院に来院。 入院中の子どもたち 血液センターと企業が連携した「飲料の無償提供支 援」は全国初の試み のためにコミカルなショーを披露 しました。 ベッドを一つずつ回って熱演したフィリップさん(左) とシグリードさん(右) 本通周辺は中四国地方で最も人通りの多い場所。大規模災害発生時には多くの帰 ウサギ食べるズは、パリを中心に活動している4人組のコミックサーカスです。 宅困難者が発生すると想定されています。そうした際に、 「もみじ」を一般開放し、 来院したリーダーのシグリード・ラ・シャペルさんとジャン=フィリップ・ビュゾーさ 各種飲料を無償提供していくのが今回の協定の目的。通常血液センターが費用負 んは「笑いのお医者さん」というホスピタル・クラウンにも所属。患者や家族らを 担している飲料代について、災害発生時にはアペックス西日本からの支援物資とし 元気づける活動をしています。今回は来日公演の合間に同院小児科病棟をボラン ていくものです。 ティアで訪れたもの。2人のコミカルな演技に子どもたちの笑顔が弾けました。 ○○○○ ○○○○ (第三種郵便物認可) 平成 27年 4月1日(毎月1日発行 ) 赤 十字 NE WS 第 899号 AREA NEWS ( 6 ) ( 7 ) AREA NEWS 平成 27年 4月1日(毎月1日発行 ) 赤 十字 NE WS 第 899号 (第三種郵便物認可) 世界交通安全週間スペシャルイベント開催 ハローキティと学ぶ 平成 27年 4月1日(毎月1日発行 ) 交通安全と応急手当 日 赤 × (第三種郵便物認可) JAF 赤 十字 NE WS 日本赤十字社と日本自動車連盟(JAF)は5月4日から始まる世界交通安全 週間のスペシャルイベントとして、「ハローキティと学ぶ交通安全と応急手当」 をサンリオピューロランド(東京都多摩市)で同月9日(土)に開催します。 国際赤十字・赤新月社連盟(IFRC)と国際自動車連盟(FIA)は昨年、交 通事故時の応急処置改善に向けた協定を締結しました。これを受け日赤も JAFとの連携を強化。 今回の イベントはその一環です。反射 材の効果やチャイルドシートの 重要性を体感できるコーナー をJAFが企 画するほか、日赤 は保護者を対象に幼児安全法 体験コーナーなどを展開する ハートラちゃん エコてん君 予定です。ご来場の際にはぜ (日赤) (JAF) ハローキティ ひお立ち寄りください。 キャラクターたちが交通安全を呼び掛けるステージも予定 ©'76,'15 SANRIO APPROVAL No.P0603241 お知らせ 赤十字 NEWS3月号 2、3 面に掲載の広告、「イタリア赤十字社国際平和行進へ参加 赤十 字ゆかりの地スイス・アルプスとベニスをめぐる旅」の日程が、イタリア赤の都合により変更 となりました。2015年6月22日 (月)〜7月1日 (水)→2015年6月15日 (月) 〜24日 (水) (決定) お問い合わせ (株) トラベルパートナーズ03-5645-3700 せき すう じ 答え 「3.11から未来へ」 看護学生を中心に防災セミナー開催 秋田県 第 899号 WORLD ( 8 ) 東日本大震災の体験を風化さ せず、防災意識を高めていく取 り組みとして「3.11から未来へ 心に刻む いま、私たちにでき るプロジェクト」が3月11日、日 本赤十字秋田看護大学・同短期 大学で開かれ、学生や市民など 震災発生の14時46分には参加者全員で黙とうを捧 げました 約70人が参加しました。 プロジェクトは同学の学生が中心になって企画し、大学と県支部が共催したもの。 日赤が進めている被災地での復興支援や学生たちが実践してきた防災教育などに ついて発表するとともに、災害発生時の対応方法などについて話し合いました。 参加した学生からは「改めて被災地を知る機会になった」「防災に対する自分の考 えが深まった」などの声が出されました。 地域に広がる災害用移動炊飯器 県内150基目を達成 徳島県 徳島県支部が県内各地に設置 28施設に 4万8562人 日本赤十字社の社会福祉施設数と、 そこで活動するボランティア数(延べ) 日本赤十字社は、児童福祉施設(乳児院、児童養護施設など15施設) 、高齢 者福祉施設(特別養護老人ホームなど9施設) 、障がい者福祉施設(視聴覚障が い者情報提供施設など4施設)と、全部で28の社会福祉施設を運営しています。 これらの施設では、誰もが尊厳を持って自立し、充実した生活を送れるよう、多 様な専門職が連携して、日々、利用者の支援に従事しています。 また、専門職だけでなく、個人や赤十字奉仕団、学生サークルなどのボラン ティアも、利用者を支えています。延べ4万8562人(平成25年度)のボラン ティアの活動内容は、高齢者のお話し相手、子どもの遊び相手、衣類の整理、音 楽演奏など様々。それぞれ得意なことを生かし、利用者のために活躍しています。 日赤社会福祉施設にとって、ボランティアは利用者のより良い生活に欠かせない 存在です。利用者も、ボランティアの来訪を心から楽しみにしています。 日赤社会福祉施設のボランティア活動に関する詳しい情報は、http://www.jrc.or.jp/activity/ welfare/join/ を進めている災害用移動炊飯器 の150基 目 の 贈 呈 式が2月23 日、青少年赤十字(JRC)加盟 ろんでん 校の徳島市論田小学校で行われ ました。 災害用移動炊飯器の設置は赤 十字有功会などの協力の下、支 設置に協力した宮崎商事株式会社の宮㟢営業本部長(左) と小森事務局長が炊飯器の杓子を 4 年生の児童代表に 部創立120周年の平成19年から進めているもの。 贈呈式に出席した児童からは 「これから炊き出しを勉強して、いざというときに使えるようにしたいです」と頼 もしい言葉が聞かれました。支部では、災害時における地域の「食」支援として、 約9 万人 オリジナルの災害用炊飯袋(ハイゼックス)や炊き出しメニューレシピブックの作成、 「炊き出しサポーター」の養成なども展開しています。 スキルアップ目指し 防災ボランティアら100人が訓練 樽の胡麻 兵庫県 災害時にいち早く被災地で活 動できるよう、赤十字奉仕団や 防災ボランティアなど約100人 が参加した総合訓練が2月7日、 淡路島の東浦サンパークで開か れました。 訓練では、防災ボランティアの 2面健康豆知識のコーナーで登場した横浜市立みなと赤 十字病院の新井基洋医師の著書「めまいは自宅で治せる」 と「DVDでいちばんわかる!めまい・ふらつきは目・首・ 足の運動で治す」をそれぞれ5名様(計10名様)にプレ ゼント い たします。以 下 の 項 目 を 明 記 のうえ、郵 送・ FAX・メールでご応募ください。 リーダーやサブリーダーを中心に 被災地の情報収集に欠かせない無線。訓練では全国 の無線赤十字奉仕団との交信も ボランティアセンターを設置。集まった大勢のボランティアを支援が必要とされる 活動場所に派遣し、実際にテント設営や救援物資の搬送、炊き出しなどを行いまし た。一般の方々を対象とした体験型防災イベントも同時に開かれ、AED(自動体 外式除細動器)の使い方などの救急法講習、ロープワークや火おこし、身近なも ①お名前(匿名をご希望の方は、その旨もご記入ください) ②郵便番号・ご住所 ③電話番号 ④年齢 ⑤赤十字 NEWS4月号を手にされた場所(例/献血ルーム) ⑥4月号で良かった記事、興味深かった記事はどれですか?(いくつでも) ⓐ 今月の出会い ⓑ 日赤×海保 協定締結 ⓒ 日赤×巨人 選手がファンと共に赤十字救急法 ⓓ 赤十字幼児安全法 保育園などへ普及を進めよう ⓔ 健康豆知識 良性発作性頭位めまい症 ⓕ 平成27年度 日赤の予算概要 ⓖ 常任理事会・理事会開催報告 第85回代議員会審議結果公告 ⓗ 特集 視覚障がい者施設 神奈川県ライトセンター ⓘ エリアニュース ⓙ 日赤×JAF イベントのお知らせ ⓚ 赤数字 ⓛ プレゼント ⓜ ワールドニュース ⑦赤十字NEWSのご感想、扱ってほしいテーマ、その他 Voice(読者の声) への投稿もお待ちしています。 応 募 先● 郵 送/〒105-8521 東京都港区芝大門 1-1-3 日本赤十字社 企画広報室 赤十字 NEWS4月号プレゼント係 F A X / 03-3432-5507 メール/ [email protected](件名「赤十字 NEWS4月号プレゼント係」) 応募締切● 4月27日 (月)必着 ※当選者の発表はプレゼントの発送をもって代えさせていただきます。 http://www. jrc-undougekkan.jp のを使った電池やランプ作りなど災害時に役立つ知識と技術を身につけました。 日赤災害医療コーディネート研修会 効率的・効果的な救護活動を展開するために 日本赤十字社は3月12~13日、災害時の被災地医療ニーズの把握と、都道府県 や防災関係機関との連絡調整の担い手として、各支部に設置を進めている日赤災害 医療コーディネートチームなどを対象とした研修会を本社で開催しました。 研修会では、災害を想定した図上訓練やグループワーク、行政やDMAT(災害 派遣医療チーム)、医師会など多方面から招いた外部講師とのパネルディスカッショ ンを通して、災害医療のコーディネート活動 について共通理解を深めるとともに、効率的・ 効果的な救護活動を展開するうえでの専門 的な知識習得を図りました。 同チームは、コーディネーターとなる医師 1 名を中心に、看護師・薬剤師・事務職員の スタッフで編成され、災害時のみならず、各 支部の防災計画の策定や救護訓練の企画、 指導等、平時からの災害医療体制の構築に 災害医療コーディネートチームの活動内容を学 ぶため、図上訓練を行う も参画します。 TEL ( 7 ) AREA NEWS 平成 27年 4月1日(毎月1日発行 ) 赤 十字 NE WS 第 899号 (第三種郵便物認可) (第三種郵便物認可) 平成 27年 4月1日(毎月1日発行 ) 赤 十字 NE WS 第 899号 WORLD ( 8 ) 仙台 バヌアツ 国連防災世界会議 人的・経済的被害減へ7目標設定 世界47の赤十字からも約120人が参加 ネパール 第3回国連防災世界会議が3月14日から18日まで宮城県仙台市内で開かれ、新たな防災と減災対策の指針として 「仙台防災枠組」を採択。 災害犠牲者の割合や被災者数の大幅減など7項目について、2030年までの達成目標を 設定しました。赤十字も国連のオブザーバーとして42の国・地域から約120人が集まり、防災・減災の取り組みや過 去の災害の経験などを議論するセッションに参加しました。 気候変動と技術的災害の リスクに言及 チリ 会議には世界187カ国から約6500人が参加し活発な議論が交わ されました 係機関などに求められる。効果的な法的枠 していくことが提起されました。 組みとその遵守がカギ」と訴えました。 ※防災の観点から、さまざまな災害や危機に対して事前にリ タイ スクを把握・軽減し、ひとたび災害が発生すれば適切に対 処し、逆境から立ち上がる復元力・回復力。 間でも十分な情報共有や連携ができず、効 WORLD NEWS 「東日本大震災での福島第一原子力発電 所の事故がもたらした地域住民への影響 ガボン 防災・減災にネットワークと ボランティアの力を 果的な被災者支援が実施できませんでし た。提言はこうした教訓に立ったものです。 連携のための 調整システム構築を提起 ジを発表。日赤の西島秀一救護・福祉部長 同セッションでは内閣府と日赤がメッセー は大きい」--国際赤十字・赤新月社連盟 IFRCは「One billion Coalition for (IFRC)のエルハッジ・アズ・シィ事務総 Resilience(レジリエンス※への10億人の 日赤が参加したセッション「災害時にお は、震災を機に災害医療における関係機関 長が議長として参加した14日のセッション 協働)」というメッセージを発信しました。コ ける支援調整の仕組みを考える」では、大 の連携が進んでいることを紹介。 活動から では、技術的災害がもたらす独特な課題に ミュニティーに暮らす人びとが自発的に手を 災害が起こった際、被災者へきめ細かく偏 得た情報や海外赤十字社のネットワークとし ついて言及がありました。 取り合って行動しようという呼びかけです。 りのない支援を行うために官民が連携する て蓄積されたノウハウの共有など、今後日 シィ事務総長は、「技術的災害に備えるに 地球規模のネットワークとボランティアを擁 調整システムの構築が提言されました。東 赤として積極的に関わっていく旨を表明しま は、市民の安全を確保する責任が政府や関 する赤十字の組織力を、防災・減災に生か 日本大震災では、官民をはじめ関係機関の した。 CHILDREN&YOUTH FORUM スタディーツアーで被災地訪問 「自分にできること 考えていきたい」 第3回国連防災世界会議には各国から若 ついて話を聞きました。 南太平洋サイクロン被害 国際赤十字が緊急支援要請 日赤も救援金の募集を開始 超大型サイクロン「パム」に直撃され、 い世代も参加しました。神奈川県青年赤十 川上さんはツアーを振り返りながら語り 大きな被害に見舞われた南太平洋の島しょ 字奉仕団で活動し、日本赤十字社ユース ます。「ニュースなどで見る他の被災地に 国。 国際赤十字は被災者支援のため、各 代表となった川上紗良さん(フェリス女学 比べて、石巻は思ったより復興が進んでい 国の赤十字・赤新月社に対して緊急支援を 院大学1年) もその一人。世界会議に先立っ ると感じました。でも、もう4年ではなく、 要請。 日赤は救援活動の調整のため直ち て 開 催 さ れ た「CHILDREN & YOUTH まだ4年。10年後、20年後にはより良い に職員1人を被災地の一つバヌアツ共和国 FORUM」で被災地へのスタディーツアー 街になっていることを祈っています。 今回 に派遣するとともに、支援要請に応えて救 に参加し、東日本大震災で甚大な被害を の体験を踏まえて、これから自分ができる 援金の募集を開始しました。皆さまの温か 受けた宮城県石巻市を初めて訪ねました。 ことを考えていきたい」 いご支援をお願いいたします。 被災状況や復興状況、市の将来像など ⓒ Vanuatu Red Cross 避難した住民の調査を行うバヌアツ赤十字社のスタッフ 2015 年南太平洋サイクロン救援金 を発信する復興まちづくり情報交流館のス タッフから説明を聞いた川上さんは「壮絶 受付期間 平成27年5月29日 (金) まで だった当時の状況を実感しました。同時に 受付方法 ①インターネット ②銀行振込 ※①②についての詳細は日赤ホームページをご覧ください。 URL:http://donate.jrc.or.jp/jrc/application/selectCampaign 将来に向かっていく石巻市民の思いも伝 ③郵便局・ゆうちょ銀行 口座番号「00110-2-5606」/口座名義 「日本赤十字社」 わってきました」。 津波に襲われた市内の ※通信欄に「2015年南太平洋サイクロン」とご記入ください。窓口でのお振込みの場合は振込手数料は免除されます。 ※ホームページでのお申し込みをしないでご協力いただく方で、受領証をご希望の場合は日本赤十字社まで下記事項をご連絡ください。 お名前/受領証の宛名/ご住所/電話番号/ご寄付された日/寄付額/お振込み金融機関名・支店名 二つの小学校も訪問。 多数の児童・教職 員が犠牲となった大川小学校では、息子さ んを亡くされた方から当時の様子や現状に お問い合わせ 日本赤十字社 組織推進部 海外救援金担当 TEL 03-3437-7081 石巻市を訪問した川上さん (手前) ら参加者 ― 核 兵 器 の な い 世 界 へ ― 国際赤十字は2011年、世界の赤十字社が集う国際会議で、核兵器廃絶を世界に呼びかける決議を採択しました。 その理由は 「もし核 兵器が使用された場合、 その犠牲者を誰も救うことはできない」 という人道的観点によるものです。広島、長崎への原爆投下から70年。核 兵器はどう人間のいのちと尊厳を脅かし、人びとはそれにどう立ち向かったのか。赤十字の歴史の中から紐解いていきます。 未 知 の 救 護 活 動 の はじまり ∼1 9 4 5 年 8 月 6 日 、広 島∼ の「広島赤十字病院」の項目に次のような記 述があります。 「幸いにも大きな傷を受けなかった者たちは 世界ではじめて核兵器が使われたあの日、 たのはまさに彼女たちの一日が始まろうとして 皆一様に、最初の大きな衝撃のすぐ後に、救 護活動についている」(金田文雄) 広島の地で赤十字は、これまでに誰も経験し いた快晴の朝のことでした。 たことのない被爆者救護活動を行いました。 証言―(被爆後)気が付いた時には私は数メー 突然の閃光と爆風、そして傷つき半死半生 トル離れた廊下らしいところに倒れていました の凄惨な人びとの群れにもパニックに陥らず、 救護の矢面に立たされた看護学生 爆心地から1.5㎞ほどに位置する広島赤十 …「私は日赤の看護婦の卵だ、 日赤の看護婦だ」 そのようなことができたのはなぜでしょうか? と身の引き締まるような戦慄感が全身をはしり、 「…私は“ パニック ”を超える力が彼らの中 字病院。壊滅的な被害を受けたものの奇跡的 「やるぞ、やらなくては」との気持ちで飛び出 に内在していたことこそ最大の理由であったよ に建物の外郭だけが残った病院には白地に赤 しました…(五條美恵子『ほづつのあとに 殉 うに思える…すなわちそれは、苦しむ者を目 十字の旗が掲げられ、無数の被爆者を収容し 職従軍看護婦追悼記』より、当時17歳) 前にした時の医者、あるいは看護婦としての しかし実際には、多くの医師、看護師が不在 使命感がそれであり、さらにいえばそうしたも の中での手探りの治療、不足する医薬品など ました。 当時、病院の医師、看護師の大半は戦時救 未知の被爆者救護 被爆後の広島赤十字病院 のさえ超えた人間としての義務、あるいは慈 多くの困難が彼女たちを待ち受けていました。 愛がそうさせたのではなかったのだろうか」と また、看護学生をはじめとする多くの救護者 護のため各地に派遣されており、その不足を 被爆建造物を考える会による『広島の被爆 補ったのは看護学生でした。原爆が投下され 建造物−被爆45周年調査報告書』 (1990 年) 金田氏は語ります。 自身も被ばくしていたのでした。
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