当院の超音波検査の新人教育について 大垣市民病院 診療検査科 形態診断室 乙部 克彦 2013 年度の当院の超音波検査数は、 67060 件(腹部領域:29594、表在領域:10954、 健診:2501、心臓領域:17040、胎児:709、血管領域 6262)で一日平均は 250~ 300 件である。これらの検査を技師 15 名(腹部・表在領域:9.5 名、心臓領域:4.5 名、 血管領域 1 名)で対応している。また当院には健康管理センターと一般外来超音波検査が 存在するが、新人は一般外来超音波検査から業務を開始している。 腹部領域の超音波検査の新人教育のスゲジュールは、US 経験年数 3 年以上の超音波検査 士を有する者を教育担当者とし、最初の 2 週間は見学を主体としている。見学期間中は、 当院で作成した超音波検査マニュアルを参考に、ボランテイア被験者を用いてスクリーニ ング検査ができるようにトレーニングしている。3 週目より、実際の患者さんに対して検査 を行い、1 ケ月間は全例に対しダブルチェックを行っている。その後は、基本的に 1 名で検 査を行うが、①以前チェックされたものが描出できない、②描出不良な臓器がある、③自 分では判断できないような所見がある、④腹痛や下血など主訴があるが所見がない、⑤腫 瘍マーカーが高いが所見が無い、⑥他検査で異常を指摘されているが所見がないなど、そ のような時はダブルチェックを行っている。最終的にダブルチェックが少なくなるのは半 年から 1 年くらいかかっている。 レポート記載に関しても同様に、教育担当者から 1 カ月間は、全例ダブルチェックする。 それ以降は自己では判断できないものに対して、その都度チェックしてもらい記載する。 過去に CT や MRI 等の検査経験ある方は、教育もスムーズであるが、過去に画像検査に携 わっていない者や全くの新人はさらに教育期間が長くなっているのが現状である。また新 人のみではなく、レポート記載の精度を高めるために、 検出された超音波所見を CT、MRI 等の他検査と比較し整合性を行っており、院内の消化器や外科の症例検討会等にも参加し ている。
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