2014年11月度 2014年11月度 商業動向報告書 1.経済動向指標 【国内景気指標】 全体概況 出典:内閣府「月例経済報告」(2014年11月) 景気は、個人消費などに弱さがみられるが、緩やかな回復基調が続いている。先行きについては、当面、弱さが残るもの の、雇用・所得環境の改善傾向が続くなかで、各種政策の効果もあって、緩やかに回復していくことが期待される。ただし、 消費者マインドの低下や海外景気の下振れなど、我が国の景気を下押しするリスクに留意する必要がある。 10月小売販売額 出典:経済産業省「商業販売統計」(10月) 平成26年10月の商業販売額は38兆7280億円、前年同月比0.3%の増加となった。これを卸売業、小売業別にみると、卸売 業は27兆3570億円、同0.1%の減少となった。小売業は11兆3710億円、同1.4%の増加となった。なお、商業販売額の季節調 整済前月比は、1.1%の減少となった。卸売業は同0.3%の減少、小売業は同1.4%の減少となった。 10月専門量販店販売額 出典:経済産業省「専門量販店販売統計調査」(10月) 平成26年10月の専門量販店販売は、家電大型専門店が2990億円、ドラッグストアが3925億円、ホームセンターが2622億円 となった。 10月全国消費者物価指数 出典:総務省「消費者物価指数」(10月) 総務省が発表した10月の全国消費者物価指数(CPI、2010年=100)は、総合指数が前年同月比2.9%上昇の103.9ポイントと 17ヶ月連続のプラス、前月比は前月から一転0.3%のマイナスとなった。生鮮食品を除く総合が103.6ポイントと前月と同水 準、前年同月比は2.9%の上昇。食料及びエネルギーを除く総合では前年同月比2.2%上昇の100.9ポイントとなり、前月比は 0.3%の上昇となった。 【商業関連指数】 10月SC売上高/前月より後退 出典:日本SC協会「SC販売統計調査報告」10月 2014年10月の既存SC売上高は前年同月比-1.1%で、前月より1.5ポイント後退し、前年を上回ることができなかった。10月 は、月前半は比較的気温の高い日が続いたためにアウター等の動きが鈍く、また2度にわたる台風上陸の影響を受け伸び 悩んだ。月後半からは気温の低下で秋冬物衣料が好調に稼動したが、前半の落ち込みを挽回することはできずマイナスと なった。テナントは-0.5%、キーテナントは-2.6%であった。地域別でみると、プラスとなったのは九州・沖縄が2.6%で、リ ニューアル効果等により好調な結果になった。関東は0.3%で3ヶ月連続のプラスとなった。また、立地別では郊外に位置す るSCの不振が目立った。 10月百貨店売上高/7ヶ月連続のマイナス 出典:日本百貨店協会「全国百貨店売上高概況」10月 天候不順の影響で7ヶ月連続のマイナスとなり、減少率も-2.2%と前月から1.5ポイント水準を下げる結果となった。月の前半 週末毎に2つの台風が相次いで上陸したことで、特に西日本では営業時間を短縮する店が出るなど、入店客数に大きな影 響を受けた。下旬からは気温低下に伴い、主力の重衣料など季節商材に動きが見られたほか、各店が集客・販促施策を積 極展開したこともあって増勢に転じたが、最終的には、前半の不振をカバーするまでには至らなかった。これにより本年1月 ~10月累計売上高は、4兆9,436億円余となった。地区別では、大都市と地方共に前年実績を下回った。 10月チェーンストア売上高/7ヵ月連続のマイナス 出典:日本チェーンストア協会「チェーンストア販売統計」10月 平成26年10月度は、食料品は、相場高の畜産品のほか惣菜は好調だったものの、台風の影響など天候要因もあり衣料品 や住関品が伸び悩んだことから、総販売額の前年同月比(店舗調整後)は、7カ月連続のマイナスとなった。 10月外食産業売上高/売上げ下げ幅は縮小傾向 出典:日本フードサービス協会「外食産業概況」10月 10月は、前半に2つの台風が相次いで上陸し、特に休祝日の客足に影響して客数は前年比95.8%にとどまり、全体売上は 前年比98.8%と5カ月連続のマイナスとなった。しかし各社はキャンペーンや季節限定フェア等で客単価の向上に努め、売上 の下げ幅は縮小傾向にある。 10月コンビニ売上高/台風影響で客数減小 出典:日本フランチャイズチェーン協会「コンビニ統計月報」10月 今月は、北日本で平均気温が低かったことに加え、台風第18号、第19号等の影響により客数が減少した。反面、淹れたて コーヒーを含むカウンター商材、惣菜等が好調に推移し、既存店客単価は前年を上回った。既存店ベースでは、来店客数12 億8,183万人(前年同月比-1.2%)が8ヶ月連続のマイナス、平均客単価588円(前年同月比+0.1%)が2ヶ月ぶりにプラスに なり、売上高7,532億円(前年同月比-1.1%)は7ヶ月連続のマイナスとなった。 1 2014年11月度 商業動向報告書 2.マーケティング情報 【経済・消費・市場動向】 国内アパレル市場/2013年は1.4%増の9兆2925億円 出典:流通ニュース(11月6日) 矢野経済研究所は11月6日、国内アパレル市場に関する調査結果2014を発表した。調査によると、2013年の国内アパレル 総小売市場規模は前年比1.4%増の9兆2925億円であった。品目別では、婦人服・洋品市場が1.4%増の5兆8290億円、紳士 服・洋品市場が1.2%増の2兆5475億円、ベビー・子供服・洋品市場が2.2%増の9160億円であった。いずれの品目において も前年を上回り、堅調に推移した。2013年は大手百貨店の都心旗艦店の大型改装が相次いで実施され、その改装効果によ り都心の百貨店衣料品売上は伸長した。アパレルや小売(百貨店、ファッションビルなど)は通販事業に注力した。インター ネットと実店舗の相乗効果を狙い、ネット戦略を強化することで、オムニチャネル化を推進した。2013年は国内景況感の回復 を受け、消費者マインドが改善し、都心部の大手百貨店では高額商品が堅調に推移した。大手百貨店、専門店を中心にこ れまでの価格重視から、品質やブランドなどを重視する消費行動が見られ、客単価の上昇傾向が顕在化したという。 道南の商業施設、新幹線対応急ぐ 免税や物産品展 出典:日本経済新聞(11月14日) 函館・道南の商業施設などで2016年春の北海道新幹線開業に向けた取り組みが活発化している。外国人客向けの免税対 応や新幹線PRに絡めたイベント、地元産品の取り扱い拡大が相次ぐ。新幹線開業により東京方面から列車で道南を訪れる 外国人観光客の増加が見込まれる。JR函館駅前の百貨店、棒二森屋(中合棒二森屋店)は10月に免税制度の拡充で訪日 外国人向けの消費税免除の品目が増えたのに合わせ、手続きのコーナーを本館の全フロアと隣接するアネックス館の2階、 地下1階の計10カ所に倍増した。函館駅前では昨年秋に閉館した和光ビルの跡地で、上層部がマンションの16階建て再開 発ビルの建設が本格化している。地下1階から地上2階の商業施設は16年3月に先行開業する予定で、飲食店など観光客を 受け入れる店舗の入居が予想される。 東京に5000億円超のカジノ構想/米大手のMGM 出典:産経ニュース(11月15日) 世界最大級のカジノ運営会社、米MGMリゾーツ・インターナショナルは14日、日本でカジノが解禁された場合、「MICE(マイ ス)」と呼ばれる大規模な国際会議場・展示場を中核とした統合型リゾート施設(IR)を、東京都内に整備する構想を明らか にした。複数の日本企業とコンソーシアム(企業連合)を組み、総額5000億円超を投資する。IRはカジノのほか、ホテル、飲 食・商業施設、劇場などで構成する複合施設だが、MGMはMICEを併設し集客力を高める。 栃木県内初「ウォームシェア」開始 小山市と栃木市、来月から 出典:産経ニュース(11月21日) 小山市と栃木市は12月から、小人数による暖房使用を控えて、できるだけ多くの人が暖かい公共・商業施設で過ごすことで 電力やガス代などを節約し、環境負荷の軽減につなげる「ウォームシェア」の取り組みを始めると発表した。県内でこうした 取り組みを行うのは初めて。実施期間はともに来年3月末まで。公共施設では、栃木市が市役所本庁舎や総合支所、公民 館、道の駅など約50カ所で、小山市は出先機関を中心に17カ所で、それぞれ実施する予定。民間施設では、栃木市は東武 百貨店栃木店などの民間商業施設9カ所をすでに指定。小山市も、夏のクールシェアに協力した店舗などに登録を呼びかけ ている。ともに趣旨に賛同する企業や団体、個人を随時募集していく。 カード普及、地方に照準 地域限定ポイントや決済端末増設 出典:日本経済新聞(11月24日) クレジットカード会社が地方への普及を狙ってしのぎを削っている。日本は欧米と比べてカード利用率が低く、地方ほど使わ れていない。カード支払いが定着している外国人観光客も増加しており、地域限定のポイント制度や決済端末の拡充で成長 市場の取り込みに力を入れている。JCBは地方銀行と提携して「エリアカード」と呼ばれる仕組みを導入した。提携カードを 地元の対象店で使うと、通常よりもポイントを多くもらえる。ポイントの地産地消を広げ、カードの利用拡大を地域の消費活性 化につなげる。クレディセゾンは他のカード会社と共同で、地方の商業施設でカード利用を促すイベントを展開している。期 間中に利用すると、抽選で地域の名産品や商品券が当たる。政府は東京五輪を開く2020年に訪日外国人を年2000万人に 増やす目標を掲げる。カード払いの習慣が身についた外国人に対し、地方には大都市圏ほどカードで決済できる店舗がな い。このため決済端末の拡充にも力を入れている。三菱UFJニコスは富士山周辺の商工会議所と連携し、決済端末を商議 所に加盟する商店街や店舗に導入した。三井住友カードは静岡県沼津市と広島市の商店街が経済産業省の補助金制度を 使ってカード決済端末を導入する事業を支援した。 3.商業施設関連情報 【開発関連】 小田原駅東口地下街を再生 市、商店街と連携 出典:日本経済新聞(11月1日) 神奈川県小田原市は11月1日、小田原駅東口の地下街を開業する。売り上げの低迷などにより、「シャッター通り」になって いた地下街を再生。各商店街が連携して地元特産品や観光名所を案内するカウンターを設けるなど、地域振興と連動し、 人を街中へ導いていきたいとしている。新たな地下街「ハルネ小田原」は売り場面積が約2000平方メートル。地元企業を中 心に、飲食や雑貨など24店が入居する。施設運営は東日本旅客鉄道の子会社、湘南ステーションビルに委託した。地下街 は2002年に運営会社が経営破綻して閉鎖。03年に市などが出資する会社が再開したものの、07年に再び閉鎖した。それ以 来、シャッターに囲まれた公共地下道になり、「小田原経済の地盤沈下の象徴と見られていた」(加藤市長)。今回の開業で は、周辺商店街や観光地と連動した商業施設になるように、市が地元業者らと調整した。駅に通じる出入り口には6メートル 四方の観光案内の床面地図を設置。地下街の公共スペースでは農作物や鮮魚、間伐材を使ったイベントなども開催する計 画で、ハードとソフトの両面から市内の回遊性を高める考えだ。 2 2014年11月度 商業動向報告書 3.商業施設関連情報 【開発関連】 JR東、さいたま新都心に複合商業施設 出典:日本経済新聞(11月6日) 東日本旅客鉄道は5日、JRさいたま新都心駅周辺に複合商業施設を建設すると発表した。核テナントとして大型ホテルが入 るほか、飲食施設やオフィスを整備。総事業費は約110億円で、2017年の開業を目指す。新たな複合商業施設はNTTドコモ さいたまビルや明治安田生命さいたま新都心ビルが並ぶ4街区に建設する。地上20階建てで、延べ床面積は約2万8500平 方メートル。15年5月に着工する予定だ。大和ハウス工業が施工し、施設運営はJR東日本グループのジェイアール東日本 ビルディングが担う。新施設は低層部、中層部、高層部で構成。中層部にはJR東日本グループが手掛ける「ホテルメトロポ リタン」が入居する。低層部は1階に保育施設を設け、2~4階には飲食施設などを誘致する。高層部はオフィスフロアとし、 19、20階にはブライダル施設を設ける。来春に延伸開業する北陸新幹線がさいたま新都心駅の隣の大宮駅に停車するのを 踏まえ、新幹線のアクセスを生かした高層ブライダル施設で集客を目指すという。 東急不動産/銀座数寄屋橋に約120店の大型商業施設 出典:日本経済新聞(10月10日) 東急不動産は11月13日、中央区銀座5丁目の数寄屋橋交差点前で開発中の「(仮称)銀座5丁目プロジェクト」の開発概要を 発表した。施設の開発コンセプトは、「CreativeJapan~世界は、ここから、おもしろくなる。~」。伝統と革新が共存する銀座エ リアの魅力を受け継ぎ、多彩な文化や価値がクロスする銀座・数寄屋橋交差点という立地に相応しい新たな商業空間の創 造を目指す。施設は地下2階~地上11階部分の13フロアを店舗とし、地下2階部分で東京メトロ銀座駅と地下コンコースで直 結、全館で約120店舗の出店を予定しており、アパレル、雑貨、食物販、飲食などの幅広いカテゴリーを凝縮した銀座エリア では希少な大型商業施設となる。路面部分にはラグジュアリーブランドをはじめとした複数のグローバル旗艦店が出店する 他、全館ではアパレル・雑貨・飲食等、魅力溢れる約120店を集積する。 「MIDORI長野」一部先行オープン 出典:産経ニュース(11月21日) 来年3月の北陸新幹線金沢延伸開業に向けてリニューアル中の長野駅ビル「MIDORI長野」が21日、一部を先行オープン し、既存の11店に加えて県内初出店の9店舗を含む34店舗が新たに開業する。北陸新幹線の延伸開業や善光寺御開帳な どのビッグイベントが待ち受ける来春には、約110店を有する大型の駅前商業施設として全面オープンする。来年の全面 オープン時には、新駅ビルの2、3階に地元の特産品を販売する土産物店や、信州の味覚を味わえる飲食店を新たにオープ ンさせるなど、集客力や話題性のある約65店のテナントを加え、信州の魅力発信につながる大型商業施設を目指す。県都・ 長野の玄関口としてにぎわいを呼び込むことができるか、大きな期待がかかっている。 【運営関連】 イオンモールに高島屋?! 他社施設に初テナント、岡山 出典:産経ニュース(11月6日) 岡山高島屋(岡山市北区)は、12月5日にJR岡山駅南で開業する大型商業施設「イオンモール岡山」に「タカシマヤフードメ ゾン岡山店」を出店すると発表した。高島屋が他の流通業者の経営する施設にテナントを出店するのは初めてという。タカシ マヤフードメゾン岡山店は「みんなのデパチカ」がテーマで、デパートの地下食料品売り場をイメージ。西日本初の出店で、 売り場面積約1900平方メートルを5つのエリアに分け、高級食品やカフェ、生鮮食品、スイーツなど31ブランドを展開する。岡 山高島屋の南約200メートルで開業するイオンモール岡山(地上8階地下2階、売り場面積9万2千平方メートル)は西日本最 大級のショッピングモール。約400の店舗、テレビ局や映画館、文化施設などが入る複合施設となる。年間来客数は2千万人 とされ、既存の商業施設との競合、商圏の人の流れへの大きな影響が予測される。 「グリーン大通り」にオープンカフェ、豊島区が社会実験 出典:産経ニュース(11月10日) 池袋駅東口周辺に集中するにぎわいを、東口から延びる「グリーン大通り」に波及させようと、豊島区は通りの歩道にオープ ンカフェを開設する社会実験をしている。通行量や街のイメージの変化などを調査し、来春にも再度実験を行って常設化を 検討する。グリーン大通りは、東口から南東に伸びる区道約470メートルの区間。区によると、商業施設が並ぶサンシャイン 60通りなどに比べ、夜間の人通りが少ないという。実験は11月11日までの予定。午前8時から午後8時まで、通りの歩道5カ 所に、1カ所につき5卓ほどのテーブルと椅子を配置し、沿道の「フレッシュネスバーガー」「ドトールコーヒー」など協力店から テークアウトして飲食できるようにした。区は店舗から道路使用料は徴収しない。利用者や通行人、通り沿いの商業者にア ンケートを実施し、常設化への意見や通行量や街の魅力が向上したと感じるか、などを検証する。アンケート結果を分析し、 来年5月に通りの近くに区役所新庁舎がオープンするのに合わせて再度実験を行い、来年下期の常設化を目指し、検討を 進めるという。 グランツリー武蔵小杉/初日12万人 出典:流通ニュース(11月24日) セブン&アイ・ホールディングスは11月23日、川崎市中原区に22日グランドオープンした「グランツリー武蔵小杉」への初日 来館者数が、12万人と発表した。開店前には7000人が並び、同社始まって以来の最高の人数となった。商圏人口は、半径 5km圏内で約117万人、約49万世帯。日本初出店や新業態を含む全160のテナントが入居し、ファッション、インテリア&生活 雑貨、レストラン&カフェ、フード、ビューティ&サービスと幅広いカテゴリーのテナントを集めた。イトーヨーカドーは、新しいラ イフスタイルをご提案する総合スーパーとして、館内1F・3F・4Fで売場展開している。日本最大級の屋上庭園「ぐらんぐりん ガーデン」を設け、利便性や回遊性、コミュニケーション等をサポートし、独自のサービス機能を充実した。 3 2014年11月度 商業動向報告書 3.商業施設関連情報 【運営関連】 高島屋/外国人旅行者の購入商品、空港までお届け 出典:流通ニュース(11月25日) 高島屋は11月25日、外国人旅行者が店内で購入した商品を空港まで届けるサービスを実施すると発表した。限られた滞在 時間を身軽に快適に過ごす目的で12月20日から、ヤマト運輸と協業し、新宿店、大阪店で開始する。受付窓口は、各店舗 の免税カウンターで、新宿店は羽田空港、成田空港、大阪店が関西国際空港に届ける。料金は1件1,400円~2,600円を予 定(配送料、空港手数料含む)しているが、10万円(税抜)以上の購入の場合は、料金を高島屋が負担する。海外のお客が 主対象だ、出国する日本のお客も利用できる。同社では、10月の免税制度改正により、都市部の大型店を中心に免税売上 が好調に推移し、10月は前年比2倍超の大幅な伸びとなっており、実施店舗は、順次、拡大する計画。 【店舗関連】 伊勢丹、農業女子という新しい市場 出典:繊研プラス(11月5日) 伊勢丹新宿本店は1~3日、日本の農業の新しい価値を顧客に伝えるイベントを開いた。農産品を販売するだけでなく、婦人 服、雑貨、リビングのバイヤーを加えた横断型の取り組みで、暮らしをおしゃれに、可愛く表現することを目指した。同イベン トは農林水産省が官民連携で13年にスタートした「農業女子プロジェクト」の一環。現在、農業に従事する女性196人、民間 企業13社が参加しており、三越伊勢丹ホールディングスは14年に加わった。農業女子参加メンバーとともに産直品の販売の ほか、オーバーオール、レインブーツ、直輸入のバンダナ、自然由来コスメなど自然に親しむためのアイテムを揃えた。農業 女子プロジェクトではアパレル製品で、首相夫人の安倍昭恵さんと山口県立大学の協業で、オリジナルの縞模様を使った 「モンペッコ」を商品化した。農水省の皆川芳嗣事務次官は「日本の農業は女性の力で支えられてきた。三越伊勢丹との協 業を通して、農業女子という新しい市場を作るための新たな気付きの場としたい」と話す。 チャコット、勝どきに複合商業施設 出典:繊研プラス(11月10日) オンワードグループでバレエ・ダンス用品販売を主力とするチャコットは7日、三井不動産グループの三井不動産レジデン シャルと共同で、東京都中央区勝どきにバレエをテーマにした複合商業施設「ダンスキューブ勝どき」を開いた。ダンス用品 の販売、ダンススタジオの運営に加えて、初めての飲食事業となるカフェも開設。バレエを軸に「美と健康」をテーマにしたラ イフスタイルを発信する。ファミリー層が多い地域のニーズに応え、キッズ向けのサービスにも力を入れる。ショップにキッズ コーナーを設置したほか、ダンススタジオでは初めてとなる本格的な子供向けレッスン講座を開く。 パルコ/Web取置き予約&通販注文サービスを8店舗に拡大 出典:流通ニュース(11月11日) パルコは、一部ショップで先行導入していたWeb取置き予約&通販注文サービス「カエルパルコ」の対応店舗を札幌・仙台・ 池袋・渋谷・静岡・名古屋・広島・福岡の8店舗に拡大した。カエルパルコは、パルコ各店のWebサイトにある各ショップのブロ グページで紹介される商品を、パソコンやスマートフォンを通じて、取置き(店頭引き取り)予約や通販(クレジット・コンビ二決 済・銀行振込)で注文できるサービス。11月の参加ショップ数は約50ショップ、2015年春までに100ショップ以上への導入を目 指す。ショップスタッフのおすすめアイテムが買える「キュレーションECプラットフォーム」として、出店テナントの店舗集客や 売上拡大に貢献する。5月から、先行導入したショップでは、商圏エリア以外から多くのお客が利用したことで販売機会が拡 大し、「カエルパルコ」で受注した商品売上のシェアが全売上の10%を超える事例も出たという。 フライング・タイガー新業態オープン 出典:繊研プラス(11月20日) ゼブラジャパンは20日、ライフスタイル雑貨店「フライング・タイガー・コペンハーゲン」京都河原町ストアを開く。日本で初の ゲームバーを併設した新業態で、男性客など客層の拡大を狙う。同ストアは京都の中心部、河原町通りに面しており、3階建 て。全国では12店目となる。1、2階が雑貨のフライング・タイガーで、売り場面積は383平方㍍。3階がゲームバー「スピル バー・フライング・タイガー」で店舗面積は145平方㍍。スピルバーはエスプレッソ、ホットドッグなどが楽しめるカフェスペース に、サッカーゲームや卓球台がある。さまざまなボードゲームも置いてある。フライング・タイガーは女性客が多く、大人の男 性客などを開拓する狙いがある。スピルバーは世界でもデンマークの1店しかなく、フライング・タイガーとの併設は世界初。 スピルバーは当面半年ほど消費者の反応を検証し、好立地に限って出店する。 ルミネ/新宿、有楽町、横浜でアナ雪の体験型イルミネーション 出典:流通ニュース(11月26日) ルミネは11月26日から、新宿、有楽町、横浜で、映画「アナと雪の女王」をテーマにした体験型イルミネーションを順次実施 する。12月25日まで開催する「LUMINE CHRISTMAS WORLD OF ICE」の一環で、ルミネが体感型イルミネーションを設置す るのは、初の試み。ルミネ新宿では、劇中、エルサが「Let It Go」を歌いながら氷で作られた階段を駆け上がっていく場面を イメージした階段・エスカレーターエリアを設置した。人感センサーを用いて、人の通過を検知し、階段エリアを通るたびに、 人の動きにあわせてLED ストリップライトが組み込まれた装飾が光り輝き、来館したお客の目を楽しませる。「アナと雪の女 王」は、自立した女性像を描いており、ルミネの主要顧客である20~30代のアクティブな女性の共感を得られると考え、クリ スマスキャンペーンに起用。企画の準備期間に約6か月を要したという。 4 2014年11月度 商業動向報告書 4.東京建物グループトピックス 東京建物に優先交渉権/官民合わせ2.3万㎡/足立区の東綾瀬施設活用 出典:建設通信新聞(11月6日) 東京都足立区は5日、東綾瀬地区施設用地活用事業の公募型プロポーザルを実施した結果、優先交渉権者に東京建物を 選定したことを明らかにした。住宅棟とフィットネス棟あわせて総延べ1万8000㎡程度の民間施設と、延べ5800㎡超の公共 施設を提案している。区は2015年1月上旬の基本協定、同年7月上旬での事業契約の締結を予定しており、今後協議を進め ていく。区活用部分は17年度中の開設を目指すとしているが、民間活用部を合わせた全体の開設時期は今後の協議で詰 めていく。東京建物の施設配置提案によると、民間施設は地下1階地上17階建ての住宅棟と地下1階地上4階建てのフィット ネス棟あわせて総延べ1万7877㎡、公共施設は地下1階地上4階建ての総合棟と地下1階地上3階建ての保育園棟総延べ 5842㎡の規模を想定している。 5
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