第 12 回 国際定位放射線治療学会学術大会 12th International Stereotactic Radiosurgery Society(ISRS) Congress 開 催 概 要 説 明 会期:平成 27 年 6 月 7 日から 11 日(5 日間) 場所:パシフィコ横浜 主催 共催 後援 国際定位放射線治療学会(ISRS) 横浜市(次世代育成事業) 日本脳神経外科学会(生涯教育クレジット認定学会) 財団法人 日本脳神経財団 日本放射線腫瘍学会(JASTRO) 厚生労働省・文部科学省・読売新聞社申請中 1 この度、12th International Stereotactic Radiosurgery Society(ISRS) congress (第 12 回 国際定位放射線治療学会学術大会)を、2015 年6月 7 日-11 日(5 日間)・横浜パシフィコにて 開催をいたします。本会は 2 年に一度の脳定位放射線手術および脳・体幹部高精度照射治 療における世界最高峰の学術大会であります。国内招致開催として、2003 年に高倉公朋会 長のもと京都で初開催されて以来、実に 12 年ぶりとなります。前回トロント大会では 600 人以上の医師参加があり盛会となりました。 今や定位放射線治療は各診療科において、欠くべからざる治療分野へと成長いたしまし た。同時に、画像診断および機器におけるテクノロジーの進化発展とともに、多様な疾患 にも適用可能となりました。治療症例数だけではなく、その治療精度の向上ゆえ、重篤な 合併症を抑えつつ治療効果も格段の進歩を遂げております。しかし一方で、今やその治療 機器における種類・台数は複雑化かつ相当数となり、紹介医および定位照射治療医の中で も、適応疾患の棲み分や治療指針そのものに混乱をきたしかねない状況となっていること も事実です。よって今こそ、われわれ定位放射線治療医とその他関連診療専門医(放射線 治療科・脳神経外科・腫瘍外科・腫瘍内科・その他)との間において、より良いコラボレ ーションを構築し、互いに技術・知識・考え方に関する摺合せを行い、最終的に患者にと って最良の治療指針を提供すべき状況であると考えております。 そこで、今回のテーマを「Meet the Experts and Share the Experiences」と題し、従来 の定位放射線治療専門医師のみによる学会としてではなく、各専門分野医師と直接交流し 顔を突き合わせ、それぞれの長所・短所を互いに明らかとし、今後の疾患治療戦略につい て討議・結論できる会運営を大きな目的としています。また、日本・アジア・オセアニア・ 環太平洋地域開催として、もう一つの命題である、定位放射線治療未経験医師・若手医師・ 研究者・パラメデイカルの方々へ数多く勉強・経験いただき、将来の ISRS への積極的な参 加と定位放射線治療の将来的な拡充を図りたいと考えております。 学術プログラム構成上、従来のプレナリー・一般・ポスター演題のほかに、大きな特徴 として「教育プログラムの充実」と「ディベートセッションの新設」の2つを学会の柱と して運営できるよう企画を進めております。具体的に、 「教育プログラムの充実」として具 体的に3つのコースおよびセミナーを企画しました: 1)Pre-congress educational course:前回同様、即実践的な上級者コースを経験ある講師 陣のもと企画。そして、初心者・初級者向けの基本コースを新たに設置いたします(主 言語:日本語[英語同通あり]) 。定位放射線治療の基礎についてきっちりとマスターでき るようレクチャーを企画していきます。 2)Pre-congress practical course:定位放射線治療における実際の治療計画について症例 を通じて具体的にノウハウを体得していただくことを目的にしております(初中級者向 2 け) 。上記2つの教育コースは世界脳神経外科学会連盟(WNFS)、定位放射線治療部会の 正式承認が得られ、ジョイントコースという形の運営で行います。 3)Breakfast educational seminar:脳神経外科医・放射線治療医・がん治療医・医学物 理士・放射線生物学などの研究者・学生に至るまで、すべての参加者が「明日からの診 療・研究」のために非常に役立つトピックス・基礎知識・最近の臨床・技術や薬剤にお ける最新事情について勉強できるよう企画しています(一部、日本語[英語同通あり] を 検討中) 。 次に、 「ディベートセッションの新設」として具体的に2つのプログラムを企画中です: 1)Luncheon debate session:疾患テーマごとに、脳神経外科医・放射線治療医・関連診 療医それぞれのトップドクターにより疾患治療のアップデートについて講演をいただき、 その後自由に討議を行っていただくことを考案中(一部、日本語[英語同通あり]を検討中) 。 2)Main debate symposium: 定位放射線治療対象疾患の中でもまだ完全に確立されたエ ビデンスがなく、定位放射線治療医および関連診療専門医、同時に関連医学会(国際頭 蓋底外科学会[2016 年大会長:大阪市大・大畑教授]・国際定位機能脳神経外科学会[2013 年大会長:東京女子医大・平教授]・日本放射線腫瘍学会[2015 年大会長:群馬大・中野 教授]・悪性神経膠腫関連学会[東京女子医大・村垣教授]などとの正式協力下)において、 直接的に討議必要なトピックス(下記 5 項目)をテーマとして掲げたディベートシンポジウ ムを上記関連学会とのジョイントセッションとして企画中です:1)High grade glioma、 2)Craniopharyngioma、3)Intractable (non benign) skull base tumors、4)CNS (Brain and Spinal) metastases、5)Neuromodulation in functional disorders など。 学術面における日本開催の大きなメリットの第一は、各関連医療分野に日本人世界的権 威が居られることであると確信しております。そこで、世界各国から参加の定位放射線治 療専門医を迎い入れ、“日本が世界に誇るトップドクター(日本の匠) ”を招聘し、エビデ ンス、経験、知識に裏付けされた熱いパラレル・ディスカッションを行うことが期待でき る環境にあると考えています。また、“学術に言葉の壁は無用”と考え、とくにディスカッ ションにおいて日本人向けの同時通訳を設置予定としています。 また今回、外国人ゲスト用にオフィシャル・イベントを3つ用意いたします。梅雨前で はありますが爽やかな時期の日本、とくに東京および横浜近隣を十分に堪能していただけ るよう下記のごとく企画を進めております:1)重粒子線治療施設(群馬大学)見学、2) 2020 年オリンピック開催地・東京観光(ナイトカクテル含む)と歌舞伎特別席鑑賞ツアー、 3)日本文化 (温泉・旅館・鎌倉) と世界遺産 (富士山) 観光ツアー。いずれも今の日本を 代表する学術・文化・観光を十分に堪能できるツアー構成となっており、より参加するた めのモチベーションとなることを目的としております。 3 最後に、今回の ISRS 日本再招致理由の一つに、東北大震災復興の一助を挙げさせていた だきました。この地震により多くの命が犠牲になっただけではなく、福島原発事故により いまもなお多くの問題が山積しているのが現状です。とくに、国民の間で「放射能・放射 線」への誤解もまだ多く、一部風評被害としてまだ残っております。今回の ISRS 招致開催、 そしてここから日本国民へ多くのメッセージを発信できることこそ、 「放射能・放射線」に 対する正しい理解と大きな勇気に変わるものと信じております。われわれ学会日本事務局 としましても、日本国民に向けての企画として「第 1 回がん撲滅サミット(市民公開講座)」 を日本政府後援のもと行う運びとなりました(6 月 9 日午後、横浜パシフィコ・メインホー ル) 。その中で、 “今後のがん医療における新たなベストミックスの提唱”と題し、会長講 演の後、がん低侵襲治療(高精度照射治療・免疫治療・再生医療)の最前線について各分 野権威の研究者から講演を賜ります。そして日本政府の取組みについて和泉洋人内閣総理 大臣補佐官(内閣官房健康医療戦略室長)から特別講演を、そして作家・ジャーナリスト 中見利男氏より文化講演を頂きます。そして最後に、ザ・サミット「今、日本から始まる がん撲滅への挑戦!」と題し、タレントのダンカン氏をゲストに招聘し、がん撲滅のため の決意を自らの経験に基づきご講演を頂く予定としています。続いて、本会のメイン企画 である「公開セカンドオピニオン」を開催します。がん治療の最先端エキスパート 6 人衆 が檀上に並び、事前もしくは直接会場参加者から Q&A 形式にて具体的に相談解決していく 会場一体型のディスカッションとして進めていく予定です。 2011 年、安倍晋三内閣総理大臣より、定位放射線治療は今後の先駆的医療として重要で あると御認識を頂いた上で公式メッセージ(別途資料)を授かり、前回トロント大会にて その内容を今回大会長である林が代読をさせていただきました。その他後援に関しまして は日本脳神経外科学会(生涯教育クレジット 10 点)・日本脳神経財団より申請許可済であ り、かつ現在も日本放射線腫瘍学会・内閣府・厚労省・文科省・読売新聞社へ申請中でご ざいます。そして本学術大会は、東京女子医科大学脳神経外科学講座・先端工学外科学講 座、群馬大学放射線腫瘍学講座、福島県立医科大学放射線治療学講座を主な活動母体とし て運営組織委員を結成し、さらに京都大学放射線医学講座放射線腫瘍学-画像応用治療 学 平岡真寛教授(現 ISRS board member)、北海道大学放射線腫瘍学講座 白土博樹教授、 および古川星陵病院 城倉英史先生のお三方に学会運営および学術プログラムにおける相 談役として加わっていただいております。社会へも発信すべく学術的に実りある盛会とな りますよう、そして今後将来に亘って発展性のある学術大会となりますよう精進して参り ます。何卒よろしくお願い申し上げます。 敬具 平成 26 年 12 月 27 日 学術大会長 林 基弘 4
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