平成 27 年 年頭所感 東京小売酒販組合 理事長 坂田 辰久 新年あけましておめでとうございます。 年頭に当たり、本年が組合員の皆様並びにご家族の皆様にとって、より佳き 年でありますようご祈念申し上げます。 昨年を顧みますと、我が国経済は脱デフレに向け、前例のない金融緩和が行 われるなど大きく舵をきりましたが、4月の消費税増税の影響により、景気が 低迷し回復も足踏み状態となりました。更に政府は、脱デフレを確実にする為 に、追加の金融緩和を行うも円安が加速し、輸入原材料の高騰から中小企業等 の費用負担増や、物価高による消費動向の停滞が懸念されております。一方、 輸出関連については円安効果が少しずつ表れてきているとは言え、我が国経済 は現在、国民全体が実感できる真の意味での景気回復に向けて正念場を迎えて おります。 又、東日本大震災からの復興・復旧については、未だに多くの方が避難して おり、生活面等への更なる支援・施策を期待するものであります。 このような状況下、昨年四月の役員改選で理事長に就任して以来、 「組合員の ための事業」を行うべく、支部長会等を通じて各地域の皆さんと積極的な意見 交換を図って参りました。本年も「現場の声が第一」との姿勢を崩さず、組合 運営に取り組んで参る所存です。 さて、本組合はかねてから健全な飲酒環境の整備を図るため、各支部の協力 のもと、未成年者飲酒防止及び飲酒運転根絶キャンペーンを展開しております。 昨年は駅頭を中心に都内約50ヵ所でキャンペーンを開催し、多くの組合員が 参加する中、啓蒙・啓発活動を行いました。現在この運動は、東京都や警視庁、 国税当局並びにメーカー・卸とも連携し、業界全体の取組へと進展しておりま す。今後とも小売酒販業界の先頭に立ち、同キャンペーンを更に充実させ適正 飲酒の推進に一層取り組んで参ります。 そうした中、平成25年12月「アルコール健康障害対策基本法」が公布さ れ、平成26年6月施行となりました。 同法ではアルコール健康障害の発生・進行・再発の防止対策等を適切に行っ ていく事が明記されており、現在、政府は同法の基本計画策定へ向け、 「アルコ ール健康障害対策関係者会議」を立上げ具体的な検討を開始しました。 私自身、中央会副会長の立場で同会議の委員に選任されましたが、今後は小 売酒販業界の代表として、未成年者の飲酒を誘発しかねない極端な廉売や酒類 の24時間販売の是非等について、積極的に議論して参りたいと考えておりま す。 又、平成25年末から再三皆様にご協力頂いた「健全な飲酒環境の整備に関 する請願」が第186回国会において全会派一致で採択されました。 政府はこの採択を受け、同請願が掲げる酒類の価格競争の収束や、組合組織 対策、酒類小売業免許の要件強化について必要な対策を立てる事となります。 現在、全国小売酒販組合中央会並びに全国小売酒販政治連盟では、請願採択 を追い風として、①酒類に関する公正な取引のための指針の法令への衣替え② 同指針に従わない方への酒類小売業免許の取消等罰則の強化③公正取引委員会 と国税庁との連携強化④酒類販売管理研修の義務化の4点について、本年の通 常国会で議員立法による「酒税法・酒類業組合法の改正」が実現するよう総力 を挙げて取り組んでおります。 本組合及び政治連盟としても、議員立法の成立に向け、各議員への働きかけ を活発に行い、中央会の活動を全力で支援・協力していく所存です。 このほか、本組合とは根拠法の異なる別組織ではありますが、長きにわたり 一体となった事業活動を展開している東京味噌醤油商業協同組合(以下、味噌 組合)について、一言述べさせて頂きます。味噌組合では共済事業や労働保険 事務の委託事業、各種団体保険の斡旋などを行うとともに、公報紙の発行を通 じた組合員への情報提供を行っております。本年も引き続き、組合員の要望に 応える事業を実施して参ります。 最後に東京小売酒販組合青年会については、昨年ワイナリー見学やウイスキ ー研修会を開催したほか、きき酒会に初めて出展しベルギービールを販売する など、活発な事業を続けながら会員相互の連携を深めております。本組合は青 年会の更なる発展に期待しており、若い発想を思う存分発揮していけるような 環境を整える中で、積極的な支援をして参りたいと思います。 本年、私どもを取巻く環境は、新たな局面へ進もうとしております。 今後とも組合員の皆様の声を反映させた政策を進めて参りますので、一層の ご支援、ご協力をお願い申し上げます。 重ねて本年が皆様にとって佳き年でありますことをご祈念申し上げ、新年の ご挨拶とさせていただきます。
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