Yes No

生化学Ⅲ 第4回
生化学ⅢSBO-6
遺伝情報を担う分子-2
ゲノムと遺伝子の関係を説明できる
Genome&Gene
今回のSBOs
ゲノムと遺伝子の関係を説明できる
遺伝子の構造に関する基本的用語(プロ
モーター、エンハンサー、エキソン、イ
ントロンなど)を説明できる
SBO-6課題(予習&復習)
ゲノムと遺伝子に関連する基本的な用語の意味につい
て確認し、ノートにまとめること。
SBO-6小テスト-1
ある生物の染色体DNAの全ての塩基配列情報をゲノムと
呼ぶ
ゲノム、ゲノムサイズ、コーディング領域とノ
ンコーディング領域、原核生物のゲノム、真核
生物のゲノム、ウイルスゲノム、ミトコンドリ
Yes
No
アゲノム、葉緑体ゲノム
復習・基礎生命科学p147-151
7-1DNAと遺伝子
ゲノム(genome)
本来、ゲノムとは1つの生物がもつすべての遺伝子の
セットと定義されていた。現在では遺伝子を含まない
DNAの領域も含めて、ある生物のDNAがもつ全情報をま
とめてゲノムという(全DNAのことをゲノムということ
もある)。
1 生物種とDNA量
2 ゲノムと遺伝子
3 ヒトゲノムの構造
なんだか難しそうですね・・・・
遺伝子とゲノム(gene&genome)
遺伝子塩基配列で規定される情報の基本単位
転写されてから機能を発揮する
ヒトの染色体とゲノム
常染色体:22種類
性染色体:2種類
(X染色体とY染色体)
A遺伝子 B遺伝子 C遺伝子
ヒトゲノム
染色体の全DNA
ゲノム
全染色体DNA・全遺伝子
(ある生物が持つ全ての遺伝物質・遺伝情報)
染色体DNAの全情報
広義の意味
ゲノムDNA
ゲノムセット
ゲノムDNAは細胞に含まれる染色体DNAを示し、
必要最小限の遺伝子群をすべて有している。
原核生物
配偶子は1セットのゲノムを、体細胞は2セッ
トのゲノムをもつ。
体細胞:2n
真核生物
配偶子:n
配偶子(n)
DNAと遺伝子
ヒトゲノム
約30億塩基対のDNAで構成されている。
狭義の遺伝子は、タンパク質のアミノ酸配列情報を持つDNA
の領域を示します(codingDNA)。
「タンパク質をコードする遺伝子」は、
約2万 3万種類あると推定されている。
多型性(個人差)がある。
例:一塩基多型(SNP)
DNAと遺伝子
DNAと遺伝子
広義には、複製・転写に係わる領域や、rRNA・tRNA・siRNA
などの翻訳されないRNAの配列情報を持つ領域(noncording
DNA)なども遺伝子に含まれると考えられます。
DNAには、RNAに転写されない領域もいっぱいあるよ
無駄じゃないよ
無駄なの?
rRNA,tRNA,etc
遺伝子の基本構造
遺伝子の基本構造
転写される領域(mRNA、rRNA、tRNA、siRNAなどの
配列情報を持つ)
転写される領域は、RNA分子(mRNA,rRNA,tRNAなど)
として機能を持つ領域と、それらの機能を持たない領
域に分けられる。
二本鎖DNA
二本鎖DNA
Agene
Bgene
Agene
Cgene
Bgene
Bgene
転写
転写されない領域(転写制御領域、複製制御領域、反
復配列など)
Cgene
転写
転写
スプライシング
プロセッシング
RNA
機能
mRNA
機能を持つRNA
染色体DNAと遺伝子
遺伝子の基本構造
p406
すべての真核生物ゲノムDNAの90%以上が転写され
ており、その多くがncRNA(長鎖非コードRNA)。
遺伝子は染色体DNA中に散在しており、染色体
DNAにはRNAに転写されない領域も含まれる。
DNA
NO
非転写領域
制御領域など
二本鎖DNA
Cgene
Agene
転写
転写
転写
YES
転写領域
NO
非翻訳領域
(非コード領域)
制御領域
rRNA、tRNA
イントロンなど
翻訳領域
(コード領域)
mRNAのORF部分
転写されるか
RNA
ncRNA
ncRNAは翻訳時に利用されない
(アミノ酸の配列情報をコードしない)
染色体DNAと遺伝子
Bgene
Bgene
転写
*OPR=openreadingframe,開始コドンから始まって、終止コドンの1つ前のコドン
まで続く領域で、タンパク質のアミノ酸配列情報を持つ。
生化学ⅢSBO-7
二本鎖DNA
Agene
翻訳されるか
YES
Cgene
転写
転写
スプライシング
プロセッシング
遺伝子の構造に関する基本的用語(プロモーター、エ
ンハンサー、エキソン、イントロンなど)を説明でき
る
GeneStructure
RNA
機能
mRNA
翻訳
タンパク質
機能
機能
SBO-7課題(予習&復習)
遺伝子の構造に関連する基本的な用語の意味について
確認し、ノートにまとめること。
SBO-7小テスト-1
多くの遺伝子は基本的に転写調節領域、転写領域、転
写終結シグナルから構成されている。
プロモーター、-35&-10領域、TATAボックス、
イニシエーター配列(Inr)、下流プロモーター配
列(DPE)、エンハンサー、サイレンサー、シスエ
Yes
No
レメント、終結シグナル(ターミネーター)、エ
キソン、イントロン
復習・基礎生命科学p157-161
7-3転写
別表現:DNAの鋳型鎖とコード鎖
コード鎖をセンス鎖、非コード鎖をアンチセンス鎖と
呼ぶことがある
コード鎖(センス鎖)
1 遺伝子構造と転写
2 mRNAのプロセシング
二本鎖DNA
mRNA
非コード鎖=鋳型鎖(アンチセンス鎖)
p435図36-1
コード鎖と非コード鎖:呼び方の確認
どちらのDNA鎖もコード鎖、鋳型鎖になり得るが、二
本鎖DNAの同一部分でコード鎖と鋳型鎖が重複する
ケースは希である。
mRNAに相当する塩基配列をも
つ鎖(mRNAのUはDNAのT)
mRNAと相補的な塩基配列をも
つ鎖
コード鎖
codingstrand
非コード鎖
noncodingstrand
鋳型ではない鎖
non-templatestrand
鋳型鎖
templatestrand
センス鎖
sensestrand
アンチセンス鎖
antisensestrand
細菌遺伝子のプロモーターとターミネーター
発現調節に
関わる領域
コード鎖
5
3
原核生物の場合、転写開始点の5 上流側にはプロ
モーターが、転写終結点付近にはターミネーターが存
在する。
発現調節に
関わる領域
転写開始点
転写終結点
コード領域
鋳型鎖
細菌遺伝子のプロモーターとターミネーター
転写開始点
3
5
5
3
転写終結点
コード領域
転写される領域
翻訳領域
(非コード領域)
ターミネーター
遺伝子のコード領域と非コード領域
RNAとして転写される領域(転写単位)には、翻訳領域
(コード領域)と非翻訳領域(非コード領域)が含まれて
いる。
転写開始点
p440図36-6
5
原核生物の遺伝子では、転写開始点の3
写終結シグナルが存在する。
転写終結点
コード領域
翻訳領域
ATG
転写終結点
3'
5'
DNA
SD配列(RBS)
翻訳開始コドン
AUG
RNA
翻訳領域
UAA
UGA
UAG
(非コード領域)
mRNA上の翻訳開始コドン上流には、翻訳開始時
にリボソームが結合する特定の部位(RBS)があ
り、この部分の塩基配列をSD配列と呼ぶ。
mRNAは翻訳開始コドン(AUG)と翻訳終止コドン
(UAA、UAG、UGA)を含んでいる。
TAA
TGA
TAG
非翻訳領域
リボソーム結合部位
開始コドンと終止コドン
3'
転写される領域
(非コード領域)
プロモーター
(promoter)
3
下流側に転
非翻訳領域
5'
(非コード領域)
原核生物の遺伝子では、転写開始点の5 上流側-35領
域と-10領域に保存された塩基配列が存在する。
転写開始点
5
非翻訳領域
p437図36-5
5'
転写される領域
プロモーター
非翻訳領域
3
3'
翻訳終止コドン
リボソーム結合部位
(ribosomebindingsite)
*SD配列:Shine-Dalgarnosequence
オペロン
真核生物のプロモーター
転写開始点の-3 +5
ターミネーター
DNA
+1
P
ターミネーター
+1
A遺伝子 B遺伝子 C遺伝子
D遺伝子
P
転写
転写
A遺伝子 B遺伝子 C遺伝子
D遺伝子
3つの遺伝子からなるオペロン
単独遺伝子
mRNA
認識
TATA
Inr
-25
+1→
DPE
25 30bp
TBP
*TBPはTFIIDを構成するサブユニットの1つ
TATAボックスにTBP(TATA結合タンパク質)が結合する。
TATAボックスの共通配列:TATAAA
真核生物のプロモーター
転写開始点の-3
TATA
真核生物のプロモーター
+5
Inr
転写開始点の-3 +5
DPE
+1→
TBPとTAFの複合体
TATA
Inr
-25
+1→
DPE
約25bp
TFIID
PolII
TAF
*TFIID=transcriptionfactorIID
Inr(イニシエーター配列)にTFIIDとPolII(RNAポリメ
ラーゼII)が結合し、+1の塩基から転写が始まる。
DPE(下流プロモーター配列)にTAF(TBP結合因子)が結
合する。
Inrの共通配列:TCA+1G/TTT/C
TAF:TBP結合因子
DPEの共通配列:A/GGA/TCGTG
真核生物のプロモーター
転写開始点の-3
TATA
Inr
-25
+1→
25
30%
25%
15%
30%
30bp
p441図36-8
真核生物の遺伝子では、転写開始点付近に基礎的発現
に必要なプロモーターが存在する。
+5
DPE
RNAポリメラーゼⅡの転写開始位置を指令する
約25bp
TATAボックス
Inr
DPE
○
○
○
○
○
○
○
○
p441図36-8
真核生物の遺伝子では、転写開始点の5 上流側の少
し離れた位置に基礎的発現に必要なプロモーター近位
要素(転写頻度の調節に関わる領域)が存在する。
p441図36-8 エンハンサー&サイレンサー
真核生物の遺伝子では、転写開始点から離れた位置に
エンハンサーやサイレンサーなどの調節的発現に関わ
る領域(遠位調節要素)が存在する。
転写の頻度を指定する
転写開始の頻度を指定する
転写開始点の5
p441図36-7 プロモーター近位調節要素
転写の頻度を調節する
上流側だけでなく下流側にも存在する場合もある
エンハンサーの役割
エンハンサーは、プロモーターのみをもつ場合と比較
して、転写活性を100 1000倍に増強する。
p491表38-2エンハンサー
イントロンとエキソン
真核生物の遺伝子にはイントロンとエキソンが含まれ
る場合がある。
DNA
イントロンはスプライシングにより除かれ、mRNAには
エキソンのみが残る。
DNA
エキソン
転写
イントロンとエキソン
コード領域
イントロン
エキソン
非コード領域
コード領域
イントロン
エキソン
RNA
エキソン
転写
コード領域
イントロン
エキソン
非コード領域
コード領域
イントロン
エキソン
RNA
エキソン
エキソン
スプライシング
翻訳