UDGI 危険物 Q&A このコーナーは、受講生の皆様から寄せられたご質問をご紹介するコーナーです。 ご注意:危険物規則は定期的に改訂が行われます。以下ご質問への回答はその時点での最新の規則に基づいてお答えしています。その後の規則改訂で内容が変更と なっている場合もありますので、最新版の IATA 危険物規則で内容を再度ご確認下さい。 また資料作成に際しては、細心の注意を払っておりますが、万一誤記、誤訳等により損害が発生した場合、一切の責任を負いかねますので、詳細は必ず規 則書本文をご確認下さい。 旅客・乗務員の手荷物に含まれる危険物について ご質問日 ご質問 回答 これは、危険物の適用を受けない乾電池等も対象となります。 2014 年 6 月 3 日 旅客手荷物についての質問です。IATA 危険物規則書の Table 2.3.A 大元の規則である ICAO の技術指針では、この部分についての記述はリチ では、携帯電子機器のスペア電池について、 「All spare batteries」 ウムイオン・金属電池のスペア電池について記載されていますが、IATA で の表現が使用され、受託手荷物(Checked Baggage)に含めての受 は、 「All spare batteries」として独自の要件を定めているものです。果たし 託が不可とされていますが、この「All spare batteries」とはどこま て危険物の適用を受けないスペア電池も対象とするかというご質問を多く でを指したものでしょうか? 頂きますので、IATA 専門家の確認も取りましたが、上記の通り、全てのス ペア電池が対象となるとの回答です。 リチウムイオン電池 1) 電池(Battery)の Wh が 100Wh を超えないものは、規則書の 2.3.5.9 を参照して下さい。 電池を内蔵した電子機器は、受託手荷物、機内持ち込み手荷物、または身に着けて持ち込む事が可能で 旅客・乗務員の手荷 物に含まれるリチウ 2014 年 6 月 3 日 ム電池についての取 り扱いが複雑で解り づらい。 リチウム電池駆 すが、規則書では、機内持ち込み手荷物が望ましいとされています。但し、スペア電池については、受 動の携帯電子機 託手荷物に含める事は禁止されています。携行に際して、機器、スペア電池共に、航空会社の承認は必 器について 要ありません。また携行出来るスペア電池の数にも特に制限はありません。 (携帯電話、ノ ート PC、スマ 2) 電池(Battery)の Wh が 100Wh を超えるものは、規則書の 2.3.3.2 を参照して下さい。 ートフォン等) Wh の上限は 160Wh となります。これを超えるものは、旅客手荷物に含める事は出来ません。輸送に際 しては、危険物貨物としての輸送となります。 100Wh を超え、160Wh を超えないものについて、それら電池を内蔵する機器は、受託手荷物、機内持 ち込み手荷物の何れも可能です。但しスペア電池については、旅客 1 人 2 個までで、受託手荷物に含め UDGI 危険物 Q&A る事は禁止されています。 機器に内蔵されている場合、スペア電池共に、航空会社の承認が必要です。 リチウム金属電池 3) リチウム金属電池(Battery)に含まれるリチウム含有量は 2g が上限となります。 これを超えるものは、機器内臓の場合もスペア電池も旅客手荷物に含める事は出来ません。輸送に際し ては、危険物貨物としての輸送となります。 リチウム含有量が 2g を超えないものの取り扱いについては、機器内臓の場合、スペア電池の扱い共に、 上記リチウムイオン電池の Wh が 100Wh を超えない場合、1) と同様です。詳しくは、規則書の 2.3.5.9 を参照して下さい。 リチウムイオン電池 4) 電池(Battery)の Wh が 100Wh を超えないものは、規則書の 2.3.5.9 を参照して下さい。 上記携帯電子機器の Wh が 100Wh を超えない場合、1) と同様です。 5) 電池(Battery)の Wh が 100Wh を超えるものは、規則書の 2.3.3.3 を参照して下さい。 Wh の上限は、160Wh となります。 リチウム電池駆 動の医療機器に ついて (AED、ネブラ イザー等) 機器に内蔵されている場合、その機器の使用は旅客の医療目的のものに限られ、機内持ち込み手荷物に 含めてのみ許可されています。スペア電池は旅客 1 人 2 個まで、認められていますが、受託手荷物に含 める事は禁止されています。 機器内臓、スペア電池共に携行には航空会社の承認が必要となります。 リチウム金属電池 6) リチウム含有量が 2g を超えないものについては、上記の携帯電子機器の場合、3) と同様です。詳 しくは規則書の 2.3.5.9 を参照して下さい。 7) リチウム含有量が 2g を超えるものについては、規則書の 2.3.3.3 を参照して下さい。 リチウム含有量の上限は 8g です。その他の要件は、上記 5) と同様です。 UDGI 危険物 Q&A 車椅子等の使用は、年齢上、健康上移動に補助の必要な旅客による使用に限定され、その他の目的に使 用されるものについてはこの対象とはなりません。 手荷物としての受託に際しては、航空会社の承認が必要となります。 航空会社は、電池の装着された器具または、取り外した電池の搭載ポジションをその便の機長へ通知す る必要があります。 電池の取り外せないタイプの補助器具の取り扱い 短絡を起こさない様端子が保護されている事。 電池は器具にきちんと装着されている事。 リチウム電池で 駆動する車椅子 等電動の移動補 助器具について 電気回路が遮断されている事。 車椅子等の器具は、貨物室内で損傷を受けない様、きちんと保護、固定して搭載する事。 電池取り外しの可能な補助器具の取り扱い(使用者によって取り外しが可能なもの) 電池は取り外す事。(電池を取り外した後の器具は、特に要件なく通常の受託手荷物としての扱いが可 能。) 取り外した電池は、端子が短絡しない様保護され、損傷を受けないように梱包の上、客室内に搭載する 事。 リチウムイオン電池の Wh は、1 個の電池で駆動する器具の場合は、300Wh が上限となり、2 個の電池 で駆動する器具の場合は、1 個当たりの Wh は 160Wh を超えない事。 スペア電池については、300Wh を超えないもの 1 個または、160Wh を超えないもの 2 個まで携行可能。 スペア電池については規則書上、電池が取り外せるタイプの場合についてのみ言及されている。(取り 外し出来ないものについてはスペア電池への交換は想定されない為) 注意: 旅客手荷物として携行出来るリチウム電池は、国連の定める試験に合格した電池のみが許可されています。未試験電池を旅客手荷物に含 める事は出来ません。また内蔵する機器は誤作動、電池の短絡が防止されていなければなりません。 また、スペア電池については、個々の電池について、短絡防止と端子を保護する個別の梱包が必要となります。
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