いじめ防止基本方針 ~ いじめを見逃さない 風通しのよい学校

能美市立福岡小学校
いじめ防止基本方針
~ いじめを見逃さない
風通しのよい学校づくり ~
平成26年9月
能美市立福岡小学校
いじめ問題への基本方針
1
指導体制
(1) いじめの未然防止のため、いじめ問題の重要性を教職員が認識し、校長を中心に「い
じめ問題対策チーム」を常設し、いじめを見逃さない学校づくりの体制を確立する。
(2) いじめの態様の特質や原因や背景を具体的な指導上の留意点などについて職員会議
や研修会の場で取り上げ、教職員間で共通理解を図る。
(3) 少年野球や学童クラブなどの校外の任意団体と情報を共有し、警察・児童相談所等
の外部機関といじめ問題について連携できるよう努力する。
(4) 保護者や地域の人々や PTA などの関係団体とともに、いじめ問題について話し合う
機会をつくり、広く連携していじめ防止を推進する。
未然防止の基本方針
2
教育指導
(1) あらゆる学校の教育活動の中で人を思いやり、尊重し、生命や人権や規範を大切にす
る指導等の充実に努め、「いじめは人間として絶対許されない」との認識に立って指
導を行う。教職員自身の言動でいじめを助長することのないようにもする。
(2) どの子にも「わかる授業」をめざし、体験活動や読書を通して、豊かな心とたくまし
い心身をはぐくみ、いじめを許さない道徳的心情を育てる。
(3) 日常のさまざまな指導場面でいじめに関わる問題を取り上げ、学校全体で積極的に指
導する。
(4) 児童会や学級活動を通して、児童が主体的にいじめ問題と向き合い、解決できる力を
育てる。
(5) 開発的な生徒指導として、人間関係づくりの各種エクササイズや「ほめ言葉シャワー」
などの自尊感情を高める取り組みを計画的・日常的に実施する。
(6) いじめが解決したと見られる場合でも、継続して十分な注意を払い、折に触れて指導
を行う。
(7) 児童の個人情報の取り扱いを慎重に行う。
いじめの早期発見
(8) 生活実態について、QU や「いじめアンケート」を計画的に行ったり、子どもの出すサ
インを見逃さずに、児童と面談をしたりして、いじめを早期に把握できるように努め
る。これらで把握した情報は、全教職員で共有する。
(9) いじめ問題について、児童や保護者と好ましい人間関係を築くとともに、その言動に
十分留意し、特定の教員が抱え込んだり、事実を隠したりすることなく、学校全体で
対応することを基本とする。
(10) 保健室相談活動や教育相談や特別支援教育校内委員会を積極的に活用し、早期発
見に努める。
いじめ防止のための年間計画
月
4
5
6
7
8
9
10
11
内
容
・児童理解の会(配慮が必要な児童の確認)
・いじめ問題対策チームの組織と計画
・児童理解の会
・いじめ対応アドバイザーの訪問指導
・QUアンケート1回目(4~6年)、友だちアンケート(全学年)
・QUアンケート、友だちアンケートをもとに個人面談
・児童理解の会
・児童理解の会
・個人懇談
・QUアンケート分析(分析し、2学期からの取り組み考える)
・人間関係づくり研修会
(1学期の構成的グループエンカウンター・ほめ言葉シャワーの実践報告と反省)
・いじめ問題対応研修会1(1 学期の検証と対応)
・児童理解の会
・いじめ対応アドバイザー訪問指導
(解決志向による事例検討、2学期の取り組みを交流し検証)
・児童理解の会
・QUアンケート2回目(4~6年)、友だちアンケート(全学年)
・QUアンケート、友だちアンケートをもとに個人面談
・児童理解の会
児童会主催の人権集会(いじめ問題)
12
・QUアンケート分析(分析し、3学期からの取り組み考える)
・児童理解の会
・いじめ問題対応研修会2(2 学期の検証と対応)
1
・児童理解の会
・いじめ問題対応アドバイザーの訪問指導
・児童理解の会
・児童理解の会(3学期の取り組み検証、次年度配慮が必要な児童の確認)
・人間関係づくり研修会(2学期以降の構成的グループエンカウンター・ほめ言葉
3
シャワーの実践報告と反省)
・いじめ問題対策チームのまとめ(検証と次年度の計画)
※ 年間を通して全学年で、
「ほめ言葉シャワー」を取り組む
2
児童会主催の人権集会(いじめ問題)
・ めあて 児童が主体的かつ積極的に「いじめ問題」を考え、行動するための集会とする。
・ 時
期 12月の人権週間
いじめ対策・対応の校内体制
(県教育委員会)
生徒指導主事
[日常のいじめ対策]
・未然防止
いじめ対応
アドバイザー
校長(本部長)・教頭
いじめ問題対策チーム
・いじめを見逃さない学校
教務主任
能美市教育委員会
養護教諭
・風通しのよい学校 ・PTA・関係団体と連携
保健主事 特別支援教
・楽しい学校 ・アンケートの実施 ・校内研修
育支援コーディネーター
学校指導課
いじめ初期対応の基本的な指導
さ
最悪の事態を想定して
し
慎重に 情報収集・記録
せ
誠意をもって
そ
組織的に
す
すばやく
<いじめが起こったときの組織的対応>
1 発見
招集・指揮
教
頭
(緊急対策会議)
校
報告
いじめ情報の報告・共通理解
3 事実確認
職員会議(情報共有)
2 情報収集
早期対応(即日対応)
いじめ対応チーム
指導・助言
能美市教育委員会
調査方針・分担決定
いじめアドバイザー
聞き取りメンバー決定(複数対応)
(担任・級外・生徒指導主事・養護教諭)
4 方針決定
報告・事実関係の把握
PTA
適宜 保護者
連絡
教育センター
支援センター
連携
SSW
指導方針の決定、指導体制の編成
相談・連携
5 対応
対応チームによる指導(複数対応)
支援
■誰が、誰に、いつまでに 何を
解
6
長
解消後の経過観察
消
■すぐすること、中長期目標
寺井警察署
児童相談所
生活福祉課
<いじめが起こったときの対応>
いじめの定義
「いじめ」に当たるか否かの判断は、表面的・形式的に行うことなく、いじめられた児童生徒の立場に立って行う
ものとする。「いじめ」とは、「当該児童生徒が、一定の人間関係のある者から、心理的、物理的な攻撃を受けた
ことにより、精神的な苦痛を感じているもの。」とする。なお、起こった場所は学校の内外を問わない。
(文部科学省:平成 18 年)
教師の基本姿勢
○
いじめは、人間として絶対に許されないことであって、人間の尊厳を傷つける人権問
題である。
○
いじめられた子どもを徹底して守る。いじめを見たら、即指導。
いじめ発見時の緊急対応
1
いじめられていると相談があったとき、他児童の目に触れないように配慮する。事実確
認は、加害者と被害者は別の場所で行う。
2
いじめの周辺にいる児童や保護者から、第三者として客観的に正確な情報を取得する。
3
短時間で正確な事実確認を行うため、複数教員が対応することを原則とする。
把握すべき情報
◇ 5W1H(だれが、だれを、いつ、どこで、どんないじめをしたか?)
◇
いじめのきっかけや動機は何か?(動機と背景)
◇
いつごろから、どれぐらい継続しているか?(期間)
いじめの深度のレベル
レベル 1
1 対 1 の比較的軽度に叩くことやからかい、あざけり、無視
レベル 2
数名の軽度な言葉によるいじめ、仲間外れ、無視
レベル3
長期間の集団無視、軽度の実害
レベル4
自殺の企図・身体の重大な傷害・金品等に重大な被害・精神性の疾患
(重大事態)
不登校(30日以上)、暴力、恐喝、PTSD の診断、自傷行為、死を語る
レベル 1 の指導 偶発、単発、一時的場合。子どもによっては、自分の言動が相手に精神
的な苦痛を与えていることに気づいていない場合。
「△さんは○さ
んに対する、○○○のやったこと(言ったこと)は、○さんにとって
はとても傷つくことです。
」と言動に焦点化して説諭し、加害の事実を
伝え、いじめに気づくようにする。トラブル、けんか、言い合いとの
峻別をする。管理職に報告。
(これらは、成長の糧となることもある。
)
レベル 2 以上の指導 迅速に、校長・教頭・生徒指導主事に連絡し、組織的にいじめの解
消に向けて対応する。
レベル4 重大事態として対応する。
いじめ対応(対象者別)
被害の子ども
加害の子ども
・ 事実確認とともに、共感し、心の安定を図る。 ・ 言動の何がいじめであるかを明確にする。
・ 最後まで守り抜き、秘密を守ることを伝え ・ いじめられた子どもの精神的な苦痛を知
る。
らせ、いじめが許されない行為であること
・ 必ず解決できる希望を持たせる。
を認識させる。
・ 自信を持たせる言葉かけをし、自尊感情を高 ・ いじめた気持ちや状況を十分に聴き、その
めるようにする。
背景にも目を向ける。
・ 安易に早期解決を行わず、心理的な安定が得 ・ 被害者への心からの謝罪の気持ちを持つ
られるまで、継続して相談を受け付ける。
まで、謝罪の機会を持たない。
・ 指導ののちも、複数教員で見守る体制をつく ・ 傍観者もいじめの荷担をしていることに
る。担任との心の交流を続けるようにする。
気づかせる。
被害者の保護者
加害者の保護者
・ 発見されたその日のうちに、家庭訪問をし ・ 正確な事実関係を説明し、いじめの解決に
て、事実を伝え、いじめ解消の方針を伝える。
協力を求める。
・ 学校は誠意ある姿勢で臨み、保護者の気持ち ・ いじめは絶対に正当化できない行為とい
を共感し問題の解決に学校をあげて取り組
う毅然とした姿勢を示し、家庭での指導を
むことを約束する。
要請する。
・ 家庭での子どもの変化を注意してもらい、ど ・ いじめの要因や背景を知るために、適切な
■
のような些細なことでも相談するよう伝え、
情報の聞き取りの協力を求め、必要に応じ
連携を密にする。
て助言や支援を行う。
いじめ問題対応の留意点 ■
事情聴取
○ 複数の担当者で行うようにして、いじめの事実を正確に把握できるように、情報整理
のため関係者で事実関係をつきあわせるようにする。
○ 秘密を守り、慎重に行い、冷静沈着に事情聴取を実施する。
○ その日のうちに行い、事実関係を明確にしておく。帰宅が遅くなる場合は、保護者に
簡単に説明し、了解を取っておく。
記
録
○
いじめの事実や指導の実際をこまめに時系列で記録するように努め、意見や憶測を
書かないようにする。構造図を作成することも有効。
保護者説明会
○ 生命や身体の安全が脅かされるなど重大な事案においては、当事者の保護者の同意を
得た上で、PTA 会長等に諮り、文書説明の配布や緊急保護者会を行う。
インターネットを通じて行われるいじめへの対応
「ネットいじめ」の未然防止・早期発見
・学校や地域の実態及び児童の発達の段階に応じた情報モラル教育を推進する。
・インターネットの利用に関する親子のルール作りや児童同士のルール作りを推進する。
・保護者は、防災・防犯その他特別な目的のために使用する場合を除き、小中学生には携
帯電話等を所持させないようよびかける。
・保護者は、児童に携帯電話等を所持させる場合には、フィルタリングサービスの利用を
徹底するようよびかける。
・児童が悩みを抱え込まないよう、学校内に児童が相談しやすい環境を作る。関係機関の
取組についても周知する。
・「ネットいじめ」について、教職員自身が理解するとともに、保護者においてもこれら
についての研修を実施し、理解を深める。
「ネットいじめ」の対応
・「ネットいじめ」の対応に当たっては、より速やかで適切な対応する。また、保護者や
関係機関と連携する。
・グループチャット機能を使用した仲間はずしなどのいじめについては、被害児童及び加
害児童双方から、十分な聞き取りを行い、事実関係を明らかにするとともに、相手の立
場に立って考えさせる指導する。
・インターネット上の不適切な書き込み等については、一旦保存した上で、被害の拡大を
避けるため、直ちに削除する措置をとる。
・名誉毀損やプライバシー侵害等があった場合、プロバイダに対して速やかに削除を求め
るなど必要な措置を講じる。なお、必要に応じて警察や地方法務局の協力を求める。
・児童の生命、身体又は財産に重大な被害が生じるおそれがあるときは、直ちに寺井警察
署に通報し、適切に援助を求める。
削除依頼等の手順
・事実の確認
被害者本人及び保護者の了解のもと、発見の経緯、書き込み者の心当たりの有無、
保護者への相談状況、他の児童の認知状況等を確認し、実態を把握する。なお、書き
込みのあった掲示板等のアドレスを控え、書き込み内容は保存しておく。
・児童生徒への対応
被害者本人への対応(不安の共感的理解)、加害者への対応(書き込み者が特定され
ている場合)、当事者以外の児童への指導(必要と判断した場合)等について、インター
ネット上の対応と平行して行う。
・インターネット上の対応
書き込み者が特定できた場合には、当該児童に書き込みを削除させることが先決であ
る。書き込み者が特定できない場合には、被害者本人や保護者又は学校等が掲示板の管
理者やプロバイダ等に削除依頼を行う。削除依頼のタイミングは、事案の内容に応じて
適切に判断する。
・事後の経過の確認
書き込みを削除できた場合でも、しばらくの間は、被害者の心のケアはもちろんのこ
と、その後の書き込み状況の経過を見る。
重大事態への対処
(1)重大事態について
「法」第28条第1号の「いじめにより当該学校に在籍する児童等の生命、心身又
は財産に重大な被害が生じた疑いがあると認めるとき。」については、いじめを受け
る児童生徒の状況に着目して判断する。例えば、以下のようなケースが想定される。
・児童が自殺を企図した場合
・身体に重大な傷害を負った場合
・金品等に重大な被害を被った場合
・精神性の疾患を発症した場合
また、第2号の「いじめにより当該学校に在籍する児童等が相当の期間学校を欠席
することを余儀なくされている疑いがあると認めるとき。」については、不登校の定
義を踏まえ、年間30日を目安とする。ただし、児童生徒が一定期間、連続して欠席
しているような場合には、上記目安にかかわらず、市教育委員会又は学校の判断によ
り、迅速に調査に着手することが必要である。
なお、児童や保護者からいじめられて重大事態に至ったという申立てがあったとき
は、その時点で学校が「いじめの結果ではない」あるいは「重大事態とはいえない」
と考えたとしても、重大事態が発生したものとして報告・調査等に当たる。
(2)重大事態発生の報告
重大事態が発生した場合、学校は市教育委員会を通じて市長に事態発生について報
告する。また、市教育委員会は、その事案の調査を行う主体について判断する。
(3)重大事態の調査
ア
学校が調査主体の場合
・市教育委員会の指導・助言のもと、速やかに学校の下に、重大事態の調査組織を設
置し、質問票の使用その他の適切な方法により、当該重大事態に係る事実関係を明
確にするための調査を行う。
・組織の構成については、専門的知識及び経験を有し、当該いじめ事案の関係者と直
接の人間関係又は特別の利害関係を有しない第三者の参加を図ることにより、当該
調査の公平性・中立性を確保するよう努める。
・調査の実施に当たっては、いじめ行為の事実関係を、可能な限り網羅的に明確にす
る。その際、因果関係の特定を急ぐべきではなく、客観的な事実関係を速やかに調
査する。
・調査主体に不都合なことがあったとしても、事実にしっかりと向き合おうとする姿
勢が重要である。
・これまでに学校で先行して調査している場合も、調査資料の再分析や必要に応じて
新たな調査を実施する。
イ
市教育委員会が調査主体の場合
・市教育委員会の下に、速やかに公平・中立な再調査を行う組織を設置し、質問票の
使用その他の適切な方法により、当該重大事態に係る事実関係を明確にするための
調査を行う。
・学校は市教育委員会の指示のもと、資料の提出など、調査に協力する。
(4)調査結果の提供及び報告
ア
調査結果の提供
・市教育委員会又は学校は、いじめを受けた児童生徒及びその保護者に対して、調査
により明らかになった事実関係について、情報を適切に提供する。
・情報の提供に当たっては、関係者の個人情報に十分配慮する。ただし、いたずらに
個人情報保護を楯に説明を怠るようなことがあってはならない。
・得られたアンケートは、いじめられた児童や保護者に提供する場合があることを念
頭におき、調査に先立ち、その旨を調査対象の在校生や保護者に説明する。
イ
調査結果の報告
・学校に係る調査結果については、市長に報告する。
・いじめを受けた児童生徒又はその保護者が希望する場合には、いじめを受けた児童
生徒又はその保護者の所見をまとめた文書の提供を受け、調査結果に添える。
(5)調査結果を踏まえた必要な措置
市教育委員会及び学校は、調査結果を踏まえ、当該調査に係る重大事態への対処又
は当該重大事態と同種の事態の発生の防止のために必要な措置を講ずる。