PDF version - Meguro Lab

KxCs₃₋xSbカソードの特性
緑色 532nm(2.33eV)
寿命
1種類以上のアルカリ金属とアンチ
実用化
長
されている モンの化合物から成ると言われ、バ
ルクではDO₃構造を持つ。緑色の
アンチモン
光に感度を持ち、量子効率が高く、
カソード
寿命が長いと言われている。光電
NEAGaAs
子倍増管としての実績はあるが、
候補
短
波長(色) 大電流(数μA~100mA)フォトカソー
赤
青
緑
ドとしての実績はほとんどない。
CsTe
,Cu,
Mg アルカリ‐
1.11.8eV
C.B 1.1
V.L
Φ=2.22.9eV
0.45
eV
C.B
eV
V.L
Φ=
2.05eV
eV
V.B
V.B
Φ=
1.9eV
C.B 1.2
1.6
eV
KxCs₃-xSbカソードは最
適な作成方法などわかっ
ていないことが多々ある。
大電流を流せるフォトカ
ソードとして実用できるよ
うにどのような特性をもつ
か調べる。
V.L
0.7
eV
V.B
K₂CsSb
Cs₃Sb
K₃Sb
アルカリ-アンチモンカソードの中で
KxCs₃-xSbカソードは、仕事関数が低い!
装置全体図
<基板の表面処理>
基板止め
Puck
・SUS304(厚さ0.35mm)を40×20mmに切り出す。
インストール ・光の照射面を耐水ペーパーの#320から#2000
チェンバー
まで徐々に細かいものに変えて研磨する。
・仕上げに超精密研磨フィルム#4000(砥粒
TMP
3μm)か#8000(砥粒1μm)で物理研磨を施す。
基板
・処理しない基板、#4000で研磨した基板、
左:研磨済みのSUS基板
#8000で研磨した基板の3つを使用した。
成膜
チェンバー
5×10⁻⁸Pa
右:切り出した研磨前のSUS基板
TMP
TMP
成膜チェンバー内(上から見た図)
RP
RP
ヒーター
Puck
<成膜手順>
①基板を600℃又は650℃で加熱処理を行う。
②Sbが5nm~10nmになるように150-180℃で成膜する。
③引出電圧は―100V、基板表面にハロゲンランプ又は緑色
LD(532nm)を基板表面に当て光電流を測定する。
④基板表面にKを100-150℃で成膜し、光電流値が最も高くなるま
で成膜する。
⑤基板表面にCsを成膜し、光電流値が最も高くなるまで成膜する。
⇒同じ基板を使用し繰り返し成膜を行う。
z
x
Sb Box内
膜厚計
x
Csディスペンサー
3.5
250
Current[μ A]校正10
QE=0.01%
100
50
0
0.0
Quantum Efficiency
150
150
QE=1.3%
100
50
0.5
1.0
1.5
2.0 2.5 3.0
Time[hour]
3.5
4.0
0
4.5
0
1
2
3
4
5
Time[hour]
6
7
(a)表面処理を施さず、ハロゲンランプ照射時
(b)#4000で研磨し、ハロゲンランプ照射時
1000
10
8
Quantum Efficiency
Current[uA]
τ=19.0[hour]
3.0
QE
2.5
2.0
1.5
1.0
2.5
2.0
1.5
1.0
0.5
0.5
0.0
0.0
0
2
4
6
Time[hour]
8
10
<量子効率>
(a)と(b)から基板表面は表面処理を
施したものは量子効率が約100倍に
なる。
(d)は測定を1回しか測定していない
が、(c)と比較すると有意な差は現れ
なかった。
Current[uA]
10
QE
(c)#4000で研磨し、緑色LD照射時
QE
100
3.5
3.0
Current[μ A]
200
Current[uA]
Current[uA]
200
Kディスペンサー
Quantum Efficiency
250
Sb
Box
1
τ=8.1[hour]
0
1
2
3
4
5
hour
Time[min]
6
7
8
9
(d)#8000で研磨し、緑色LD照射時
<寿命測定>
現段階では非常に短い。
・ハロゲンランプを照射した時
⇒指数関数的に減少しない
・緑色LDを照射した時
⇒指数関数的に減少する。
τ=3.7[hour]
1
0
10
20
30
hour
Time[min]
40
(e)#4000で研磨し、ハロゲンランプ照射時
<ハロゲンの照射位置>
ハロゲンは、
基板止めにも
照射していた。
⇒基板止めの
光電流値も測定
していた。
0.1
0
5
10
Time[hour]
15
20
(f)#4000で研磨し、緑色LD照射時
<ハロゲンを使う意味>
・ワイドバンドでいろいろな光で励起
することができる。
・広い範囲の測定ができる。
(LDは直径2mmのため、局所的な
測定しかできない。)
表面処理は施すべき。
面粗度を変える効果は現段
階では見られない。
波長依存性がある。
今後の展望
・SEM等で表面の状態を確認する。
・#8000で研磨したカソードの再現性を示す。
・面粗度を変え、再現性を示す。