2014 年 7 月 11 日 報道関係各位 ラ ズ ベ リ ー パイ 「Raspberry Pi コンピュートモジュール開発キット」を販売 Raspberry Pi を使った業務用の製品開発を促進 アールエスコンポーネンツ株式会社 電子・電気部品、産業用部品の通信販売会社、アールエスコンポーネンツ株式会社(日本 法人本社:神奈川県横浜市、代表取締役:横田 親弘)は、Raspberry Pi 専用の「Raspberry Pi コンピュートモジュール開発キット」(税抜価格:21,500 円)の販売を 2014 年 7 月 11 日(金)より 開始します。 「Raspberry Pi コンピュートモジュール開発キット」は、英国の Raspberry Pi 財団が開発した マイコンボード「Raspberry Pi コンピュートモジュール」と拡張ボード「コンピュートモジュール IO Development Board(以下、IO ボード)」がセットになった開発キットです。本キットで Raspberry Pi を使用した業務用の製品開発をスムーズに進めることができます。 「Raspberry Pi コンピュートモジュール」は、既存の Raspberry Pi にも搭載されている Broadcom 社 BCM2835 プロセッサと 4GB フラッシュメモリを搭載した 67.6×30mm の小型の ボードです。ノート PC 用メモリと同じ基板形状を採用しているので、標準的な DDR2SODIMM ソケットに接続することが可能です。プロセッサの全ての信号を外部から制御できるため、柔軟 にシステム開発を行うことができます。 「コンピュートモジュール IO ボード」は、「Raspberry Pi コンピュートモジュール」専用の拡張 ボードです。既存の Raspberry Pi 同様、外部モジュールと接続可能なピンヘッダ、フレキシブ ルコネクタ、HDMI 端子を搭載しているほか、コンピュートモジュール上のフラッシュメモリ書換 えや OS ブートが可能な USB 端子を装備しています。本ボードはオープンソースとして設計情 報が公開されており、どなたでも自社製品の開発に流用することができます。 「Raspberry Pi コンピュートモジュール開発キット」は、当社オンラインサイト「RS オンライン」 (jp.rs-online.com)にてご注文を受け付けています。また、「Raspberry Pi コンピュートモジュー ル開発キット」の販売開始に伴い、『YouTube』内のアールエスコンポーネンツ・チャンネル (http://youtu.be/ccmeSPXjir0)にて、Raspberry Pi 財団代表エベン・アプトン氏のインタビュー (日本語字幕付き)を公開しております。 なお、2014 年秋には、「Raspberry Pi コンピュートモジュール」単体での発売を予定してい ます。 エレクトロコンポーネンツグループについて 本社所在地: 英国 グ ル ー プ : 現地法人 27 カ国、販売地域 160 カ所、従業員数 6,300 人 売 上 高 : 約 2,184 億円(£1=172 円換算) 事 業 内 容 : 2,500 におよぶサプライヤにより総計 50 万点の電気・電子部品から 制御部品、機構部品などの工業用部品を幅広く販売している。 アールエスコンポーネンツ株式会社(日本法人)について 本社所在地: 神奈川県横浜市保土ヶ谷区 代表取締役: 横田 親弘(よこた ちかひろ) 資 本 金: 268,788,000 円 (英国 Electrocomponents Plc100%出資) 従 業 員 数 : 127 名(2014 年 4 月 1 日 現在) 事 業 内 容 : 工業用部品の輸入、購入及び販売、カタログ通信販売による上記の製品、 器具及び部品のマーケティング、販売 H P: jp.rs-online.com 「アールエスコンポーネンツ」と「アライドエレクトロニクス」 (本社:米国)は、電子 部品及びメンテナンス分野における商品とサービスを提供し世界を牽引する英国 Electrocomponents Plc の 100%出資会社です。英国エレクトロコンポーネンツは 32 カ国で販 売展開し、17 ヶ所の物流拠点を通じて世界 100 万人のお客様に対し半導体、オプトエレク トロニクス、計測器、工具、FA オートメーションなど計 50 万点以上の商品を提供していま す。研究開発、試作、メンテナンス、修理など全ての製造工程をサポートする商品を豊富 に取り揃え、グループ全体で、1 日あたり 4 万 4 千件以上のご注文品を即日出荷にてお届け しております。 英国エレクトロコンポーネンツは、ロンドン証券取引所に上場。2013 年度の収益は、12.7 億ポンドにのぼります。 (2013 年 4 月 1 日~2014 年 3 月 31 日までの一年間の収益です。 ) 一般の方からのお問い合わせ先 コールセンター (平日 9:00-18:00) TEL:045-335-8888 <参考資料> Raspberry Pi 財団代表エベン・アプトン氏インタビュー抄録 Q1:「Raspberry Pi コンピュートモジュール」開発のきっかけと、システム構成を変更 した理由について教えてください。 A1:本当にめまぐるしい一年でした。「Raspberry Pi コンピュートモジュール」は、 ハード開発部長のジェイムズ・アダムスのアイデアをもとに開発しました。この数年間、 多くの Raspberry Pi アプリケーションを見てきた私たちは、Raspberry Pi を商業製品に組 み込む企業が少なくないことに驚きました。その多くは少・中量生産の産業機器や業務 用機器システムだったのですが、既存の Raspberry Pi にない I/O(入出力)を実現する ために独自の拡張ボードを開発し接続させていました。これを見たジェイムズは「I/O ボードは最終製品の開発者に任せ、Raspberry Pi のコアリソースだけを小型のパッケー ジとして提供できないか」と考えました。例えば、私たちは PoE(パワー・オーバー・ イーサネット:電力線を使った通信)対応の Raspberry Pi の開発依頼をたびたび受けま すが、需要が少ないため組み込みには至っていません。しかしジェイムズが思い付いた 「Raspberry Pi コンピュートモジュール」なら、開発者側のシステムで容易に実現でき ると思います。この「コンピュートモジュール」によって、Raspberry Pi の開発当初に は考えもしなかった方法で、業務向けの産業市場に対応できるようになるのです。 「Raspberry Pi コンピュートモジュール」は、標準的な DDR2 SODIMM ソケットに接続 できる 67.6×30mm の小型ボードで、既存の Raspberry Pi と同様 Broadcom 社の BCM2835 プロセッサや容量 512MB の RAM、4GB フラッシュメモリを搭載しています。 Q2:本製品を使った開発は、既存の Raspberry Pi でのそれとは異なると思いますが、こ れらの違いについてはどのようにお考えですか。 A2:変更点はいくつかありますが、ソフト側の開発手法は基本的にこれまでと同じで す。一方ハード側の開発を容易にするために、 「コンピュートモジュール IO Development Board」を提供することになりました。本ボードは既存の Raspberry Pi より高価でサイズ も大きくなってしまうので、そのままシステムに組み込むことは考えておらず、基本的 に試作用プラットフォームとしての利用を想定しています。HDMI 端子、USB コネクタ、 ピンヘッダなど既存の Raspberry Pi に搭載されているすべての I/O コネクタに加え、 「コ ンピュートモジュール」用の SODIMM ソケットが備えてあります。このようにコアシ ステムとコネクタ類を 2 つのボードに分けることで、効率良く Raspberry Pi 搭載製品の 開発が行えます。本ボードの設計情報はオープンソースとして公開されており、開発者 が流用することが可能です。私たちの想定では、開発者はまず、既存の Raspberry Pi で ソフトウェアを作成した後、IO 周りの動作を見るために「Raspberry Pi コンピュートモ ジュール」と「コンピュートモジュール IO Development Board」を使って動作検証をお こないます。そして、それらの有効性が確認されたのち、IO ボードの設計情報を参照 しながら独自拡張モジュールの開発に取り掛かることになるのです。今回の開発キット で開発作業を何度も中断する事態を避け、試作制作から量産出荷までをスムーズに進め られることを願っています。 Q3:Raspberry Pi の成功によって、サードパーティーによる拡張ボードやモジュール、 アクセサリなどの製品市場が生まれました。今回の「 Raspberry Pi コンピュート モジュール」の登場で、その流れは今後も続くと思いますか。 A3:絶好の機会になると捉えています。実は「Raspberry Pi コンピュートモジュール」 に様々な拡張性を持たせた拡張ボードの話を、周辺機器開発者向けセミナに参加した数 名から聞きました。向こう1年、このような周辺機器やモジュールが何点か出てくると 思います。それらと組み合わせることで、最終製品開発者の自由度がより増すと思いま す。また、PoE の例でお話ししたように、サードパーティーが「Raspberry Pi コン ピュートモジュール」用のインターフェースボードやホストボードなどの新しい製品を 作るきっかけになってくれれば良いと思います。開発ボードは初期設計の段階には役立 ちますが、それ自体が人気製品になること、最終的な設計に組み込まれることは考えて いません。したがって他社にも多くのチャンスがあるのです。繰り返しになりますが、 私たちはすでにボード設計に関する潜在的ニーズを把握しているのです。 Q4:販売パートナーの重要性について教えてください。また販売パートナーは将来的 な成功にどのように関わってくるとお考えですか。 A4:発売当初から、世界有数の電子部品の販売業者の協力を得ることは不可欠でした。 実際、アールエスコンポーネンツと仕事を始めた当初の議論で、私たちの考え方は一変 させられました。Raspberry Pi を市場に投入するために、マーケティングだけでなく、 製造責任もアールエスコンポーネンツが負うことを承諾したのです。結果的に、 Raspberry Pi の設計に関するライセンスをアールエスコンポーネンツに供与し、製造責 任含めて引き受けてもらうことにしました。これは私たちにとって大きな一歩であり、 大きな成功と言えます。発売当初、ボード出荷数を心配していた私たちにとって、発売 初日に 10 万台の注文が入ったときの驚きようは想像がつくと思います。私たちはアー ルエスコンポーネンツの物流ノウハウの恩恵を得ることができたのです。アールエスコ ンポーネンツが世界の GDP の 90%の地域をカバーしている企業であること、また、 アールエスコンポーネンツの販売パートナーでも販売されることを思えば、この協業が 私たちにとっていかに大きな恩恵であるのかが分かるはずです。このまま前進していく ことは、私たちとアールエスコンポーネンツとの関係にとってさらなる好機となるはず です。アールエスコンポーネンツは、産業市場を非常に重視するため、「Raspberry Pi コンピュートモジュール」の製造・販売には適任です。アールエスコンポーネンツから モジュールベースのシステムを購入することに誰も驚かなくなるはずです。私たちは アールエスコンポーネンツのエコシステムにも参加しており、今回の協業にとても満足 しています。
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