速報!新技術・新製品 4K 120Hz 6Pピュアレーザー光源DLPプロジェクタ 「Christie Mirage 4K LH」 クリスティ・デジタル・システムズ日本支社 (取材・文責:フリーライター 川田宏之) クリスティ・デジタル・システムズ日本支社(以下、クリスティ)は、クリスティ日本支社ショー ルーム (東京・有明)にて、さる6月25日に記者会見を開き、レーザー光源を使用した4K (4,096×2,160ピクセル)120Hz 6Pピュアレ ーザ ー光源DLPプ ロジェクタ「Christie Mirage 4K LH」を2014年10月を目標に発売すると発表した。価格はシステム構成やレー ザー光源の明るさによって異なるが、約2,000万円から構築可能という。最大輝度の約 70,000ルーメンの構成では約7,000万円程度になる。会見には米国およびカナダからクリス ティ幹部が来日したほか、クリスティ親会社ウシオ電機の菅田史朗社長も出席し、期待の 新製品であることが伺われた。 1 世界初の技術を駆使した 業務用プロジェクタ どに投射するタイプのレーザー光源プロジェクタ とはまったく別の製品になります。3D 映画の投影 やアミューズメントパークへの設置をはじめ、自動 発表された製品はレーザー光源を活用した立体 車産業など製造業における製造工程の仮想設計で 視対応 4K解像度、光出力最大約 70,000 ルーメンの の活用、プロジェクションマッピングなどイベント 業務用プロジェクタ。この明るさのプロジェクタを 用途などを想定したプロユースの RGB ピュアレー 本格的に市場展開するのはクリスティが世界初と ザー投射のプロジェクタです。このような本格的 なる。会見したクリスティ日本支社長の半澤衛氏は なレーザー光源プロジェクタをクリスティが商品 「この製品は、他社が発売している会議用、教育 化しました」と語った。 用、ホール用などの『青色レーザー』を蛍光版な 2 「ピュアレーザー」の可能性 光源は RBG それぞれの色を独立して再現する 「ピュアレーザー」を採用し、従来のキセノンラン プ光源のプロジェクタと比較して表現できる色領 域が広がっている。製品名称にある「6P」は「Six Primary color」を意味し、3D 投影の際には 1 台 のプロジェクタによる投影で、3D用メガネの左右 のレンズそれぞれに 3 原色(Primary color)の波長 4K 120Hz 6P ピュアレーザー光源 DLP プロジェクタ 「Christie Mirage 4K LH」 4 ︱September 2014 eizojoho industrial クリスティ・デジタル・システムズ日本支社 「Christie Mirage 4K LH」投影画面 左から、ゾラン・ヴァセリック氏(米クリスティ本社・ バイスプレジデント)、菅田史朗氏(ウシオ電機社長)、 半澤衛氏(クリスティ日本支社長)、池田俊治氏(クリ スティカナダ・ディレクター)、マイケル・アッシュ 氏 (クリスティカナダ・バイスプレジデント) の RGB 光をホワイトモジュール内で白色化し、光 ファイバでプロジェクタヘッドに導いている。な お、半導体レーザー光源はウシオ電機子会社の米 Necsel 社製である。すでに米国の一部の映画館で を通すことができる。記者発表会では「記者や関 は同社製のレーザー光源プロジェクタが常設で使 係者の皆様により明るく高い色彩の映像を見ても 用されており、好評を博しているという。 らうため、2 台のプロジェクタによる投影を実施 クリスティ日本支社長の半澤氏は「現時点では しています」と、半澤氏。 まだ価格が高いことや、レーザー光源を使用してい さらに、従来のプロジェクタとは異なりプロジェク るため、現状では安全管理を厳重に施すなど運用 タヘッドと光源を分割し、双方を光ファイバケーブ 面での課題を残すが、価格やレーザーの安全面は ルで接続することでポートレート設置や、上向き下 次第に解消されていくと思う。現在のキセノンラン 向きなど設置角度の自由度が向上する。そのため、 プや超高圧水銀ランプがすぐにレーザー光源に代 投影条件の厳しい環境での製造工程におけるシミュ わるわけではなく、当面はすみ分けが進む。将来 レーション、プロジェクタを使用したイベント演出や 的にはレーザー光源がスタンダードになっていくだ アミューズメントパークでの活用に期待されている。 ろう」と語った。さらに同氏は「VR (バーチャルリ 設置の自由度だけでなく、レーザーユニットの アリティ) システムに限れば、日本が最も潜在顧客 構成(数)を変更することで、光出力を 5,000〜 の多い市場として米国のクリスティ本社も期待し 70,000 ルーメンまで変更できる。この結果、従来 ています。 その点では日本支社を率いる私自身もこ のプロジェクタでは実現できなかった光出力の調 のシステムに関しては、全力で事業展開を行ってい 整範囲が拡大する。また、レーザー光源を使用す く所存です。レーザー光源が実用化されれば、色 ることで定期的なランプ交換が不要となり、メン 再現範囲が広がりランプ寿命も大幅に伸びますし、 テナンスが簡易化するほか、最大 30,000 時間の投 コントラストでも黒の表現力が向上し階調もアップ 影が可能となり長寿命化も実現している。 するでしょう。今年の秋からの発売に向けて営業 活動を開始し、十分にレーザー光源の利点を理解 3 レーザー光源プロジェクタの展望 していただけるよう、導入へ向けて啓蒙活動も 行っていきたいです」と意欲を示した。 クリスティのレーザー光源プロジェクタの開発 は、2006 年頃から始まった。現行モデルは 2008 年 ☆クリスティ・デジタル・システムズ日本支社 頃から開発を始めており、光源が半導体レーザー http://www.christiedigital.jp/ eizojoho industrial September 2014︱5
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