米国MLPマーケット情報

米国MLPマーケット情報
情報提供資料
作成基準日:2015年1月16日
《 MLP(マスター・リミテッド・パートナーシップ)マーケット関連情報 》
各資産の騰落率
各資産の期間別騰落率
100%
過去1週間 過去1ヵ月 過去3ヵ月 過去6ヵ月
MLP
過去1年
過去3年
80%
1.8%
34.7%
60%
40%
-1.4%
1.8%
-10.5%
-13.4%
米国REIT
2.3%
10.4%
17.0%
16.0%
33.0%
66.7%
米国株式
-1.2%
2.5%
9.0%
2.9%
11.7%
67.1%
米国
ハイ・イールド債券
-0.3%
2.7%
-0.2%
-2.8%
1.4%
25.7%
MLP
米国REIT
過去1週間
過去1ヵ月
米国株式
米国ハイ・イールド債券
20%
0%
-20%
各資産の推移(過去3ヵ月間)
米国REIT
116
112
170
160
米国株式
108
※作成基準日の3年前の応当日
(応当日が休日の場合はその前営業日)
を100として数値化
過去3年
米国株式
米国REIT
140
米国ハイ・
イールド債券
100
MLP
130
96
米国ハイ・
イールド債券
120
92
MLP
88
110
100
※作成基準日の3ヵ月前の応当日
(応当日が休日の場合はその
前営業日)を100として数値化
76
'14/10
'14/11
90
'14/12
'15/1
80
'12/1
'15/2
'15/1/16
'15/1/9
'13/1
'14/1
'15/1
'16/1
原油・天然ガスと各資産の騰落率
各資産の利回り
前週比
過去1週間 過去1ヵ月 過去3ヵ月 過去6ヵ月
過去1年
過去3年
MLP
6.49%
6.41%
+0.08%
MLP
-1.4%
1.8%
-10.5%
-13.4%
1.8%
34.7%
米国REIT
3.45%
3.53%
-0.08%
エネルギー株
-1.5%
2.9%
-6.4%
-22.6%
-9.8%
14.6%
米国株式
2.10%
2.07%
+0.03%
原油
0.7%
-12.9%
-41.1%
-51.9%
-48.2%
-50.7%
米国
ハイ・イールド債券
6.98%
6.94%
+0.04%
天然ガス
6.1%
-13.6%
-17.6%
-24.1%
-28.6%
17.1%
米国国債10年
1.84%
1.94%
-0.11%
原油・天然ガスと各資産の推移(過去3年間)
利回り比較(2015年1月16日現在)
(%)
240
8
7
過去1年
150
104
80
過去6ヵ月
180
120
84
過去3ヵ月
各資産の推移(過去3年間)
220
6.98
6.49
200
6
※作成基準日の3年前の応当日
(応当日が休日の場合はその
前営業日)を100として数値化
180
5
160
4
140
3.45
MLP
天然ガス
エネルギー株
120
3
2.10
100
1.84
2
80
1
60
0
MLP
米国REIT
米国株式
米国ハイ・
イールド債券
40
'12/1
米国国債
10年
原油
'13/1
'14/1
'15/1
'16/1
※各資産の騰落率に関しては、トータル・リターン指数(配当込み)を用いており、課税前、米ドルベースです。※上表の騰落率は作成基準日の
それぞれ1週間前、1ヵ月前、3ヵ月前、6ヵ月前、1年前、3年前の応当日(応当日が休日の場合はその前日)と比較しています。※各資産の利回
りは、課税前の利回りとなります。※MLPと米国REIT、米国株式の利回りは予想配当利回りを使用しています。
出所)Bloomberg、BofA メリルリンチ
MLP:Alerian MLP Index、米国REIT:FTSE NAREIT All Equity REITs Index、米国株式:S&P500種指数、米国ハイ・イールド債券:The BofA
Merrill Lynch US High Yield Constrained Index、原油:WTI原油先物価格、天然ガス:ヘンリーハブ天然ガス先物価格、エネルギー株:S&P500
エネルギー株指数
上記はあくまで過去の実績であり、将来の成果をお約束するものではありません。
巻末の「本資料で使用している指数について」および
「本資料に関してご留意頂きたい事項」を必ずご覧ください。
1
KOKUSAI Asset Management Co., Ltd.
米国MLPマーケット情報
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作成基準日:2015年1月16日
《 MLPマーケット・コメント 》
Ⅰ) 先週(2015/1/12~2015/1/16)のMLP市場の動き
先週(2015/1/12~2015/1/16)のMLP市場は下落しました。週初には米系大手証券会社が原油価格の見通しを
大幅に引き下げたことなどを受け、原油価格が一段と下落、生産・探査を手掛ける上流MLPを中心に下落しました。
その後は、12月の米小売売上高が前月比-0.9%と2014年1月以来の低水準となった他、世界銀行による2015年の世
界経済成長率の下方修正、石油輸出国機構(OPEC)による加盟国の原油需要見通しの引き下げ、国際エネルギー
機関(IEA)による2015年の需要見通しの引き下げなど悪材料は続き、原油価格は値動きが激しい展開が続きました。
こうした中、MLPは米国債との相対的な利回り格差などを背景に、週末にかけて株式などが弱含む中でも反発基調
を強めたものの、週初の下げを埋めるまでには至りませんでした。セクター別では、引き続き生産・探査を手掛ける
銘柄群が続落し下げを主導する一方で、輸送などを手掛ける中流セクター、販売・流通などを手掛ける下流セク
ターなどは相対的に堅調となりました。
Ⅱ) 原油の需給バランスについて
① 原油価格の下落の一因に需給バランスの悪化
2014年の夏場以降、原油価格は下落傾向を辿って
いますが、これは、短期的に世界の原油供給量と需要
量の差である需給ギャップの拡大が指摘されているこ
とが一因としてあげられます。米国エネルギー省情報
局(EIA)の見通しによると、需給ギャップは2015年上期
に短期的なピークを迎え、その後徐々に落ち着き、そ
れに伴い原油価格も緩やかに回復していくことが予想
されています(図1)。 また、先週は複数の米系大手
証券会社が、原油価格の見通しを引き下げており、あ
る会社では2015年上期に一旦40ドル/バレルを割れる
水準を予想しました。下方修正の主な要因の一つとし
てこうした需給バランスを挙げており、この要因が一段
落する2015年下期にかけては、緩やかに原油価格が
回復していくとの予想が多い状況です。
図1:需給ギャップと原油価格の見通し [百万バレル/日]
[ドル/バレル]
130
120
110
100
90
80
70
60
50
40
30
20
10
0
'12/12
② 需給バランスの悪化は需要の弱含みが要因か
需給バランス悪化の要因は、世界経済の成長鈍化懸
念を背景とした需要の弱含み、米国におけるシェール革
命を背景とした供給量の増加、OPECによる生産調整の
見送りといったことが指摘されています。各調査機関が
どの程度の時間軸で考えるかにより要因はまちまちです
が、一例として、OPECはこうした状況は米国における生
産量の増加を主な要因としてあげています。しかしなが
ら、米国における生産量増加は従前から指摘されており、
これがここ数ヵ月で急増したとは考えにくいとの見方もあ
ります。
そこで、EIAが1年前に公表した2015年の需給ギャップ
予想と足元1月13日に発表された2015年の需給ギャップ
の予想を比較し(*1) 、(a)1年前と比較して需給ギャップが
拡大しているのか、(b)要因が生産量の増加によるもの
なのか需要量の減少によるものなのか、を分析すると
(a)2015年の第3四半期までは需給ギャップは拡大してい
る、(b)主な要因は需要の減少である、ということが見て
取れます(図2)。
5
世界原油の需給ギャップ [右軸]
原油価格実績値 [左軸]
原油価格EIA見通し [左軸]
↑ 供給超過
0
↓ 需要超過
見通し
'13/6
'13/12
'14/6
'14/12
'15/6
'15/12
'16/6
‐5
'16/12
出所)EIA
図2:2015年の需給ギャップ見通しの変化
[百万バレル/日]
1.5
需給ギャップ
1.0
↑ 需給ギャップ拡大
0.5
0.0
‐0.5
需要要因
‐1.0
生産要因
↓ 需給ギャップ縮小
‐1.5
15/1 15/2 15/3 15/4 15/5 15/6 15/7 15/8 15/9 15/10 15/11 15/12
*1・・・EIAから2014年1月に公表されたSHORT-TERM ENRGY OUT LOOKの2015年の予想と
2015年1月に公開された同レポートの2015年の予想を比較。需給ギャップは、Total World
SupplyからTotal World Consumptionを差し引いて算出。
出所)EIA
※上記はあくまで過去の実績であり、将来の成果をお約束するものではありません。
※上記は作成時点における市場見通し等について記載したものであり、将来変更される場合があります。
※上記は、MLP関連企業の動向をご紹介するものであり、個別銘柄の推奨を目的とするものではありません。
2
KOKUSAI Asset Management Co., Ltd.
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作成基準日:2015年1月16日
《 MLPマーケット・コメント 》
③ 需要の低迷は米国以外が要因
需要の減少を国・地域別で見ると(*2) 、米国で
は1年前から比較して増加しているのに対し、中
国、欧州、あるいはその他の国・地域においては、
下方修正されており、全体需要が下方修正され
た要因としては、米国以外の国・地域での下方修
正によるものと考えることが出来ます(図3)。
MLPは、主に米国地域におけるエネルギー輸送、
貯蔵を手掛ける銘柄群が多いことから、米国で需
要が堅調であるという見通しは、エネルギー輸送
量の維持・増加が期待されることなどから、下支
え要因となるとも考えられます。
*2・・・EIAから公表されたSHORT-TERM ENERGY OUTLOOK(2014年1月、
2015年1月)から作成。米国… U.S. (50 States)とU.S.Territoriesの和の変
化、欧州…OECD EuropeとNon-OECD Europeの和の変化、中国…China
の変化、その他…全消費量から米国、欧州、中国を差し引いたものの変化。
④ 世界需要の下方修正には一服感
EIAの見通しによると、米国以外での需要の下方
修正が2015年の需給ギャップの拡大要因となって
いると考えることも出来ますが、世界の原油需要の
低迷は原油価格上昇の重石となり、投資家心理の
悪化等を通じてMLP価格上昇の重石ともなると考え
られます。
そこで2015年の世界の原油需要の見通しの推移
を調査機関別(IEA、OPEC、EIA)に確認して見ると、
昨年の夏場以降は確かに下方修正が続いてきた
状況が見て取れます。一方で、足元では下方修正
の動きに下げ止まり感が見られ、ここから先、短期
的に急速に需要が低迷し需給ギャップが拡大する
可能性は低いとも考えられます(図4)。
図3:需要見通しの変化(国・地域別)
[百万バレル/日]
0.8
その他
中国
欧州
米国
0.6
0.4
↑ 需給上方修正
0.2
0.0
‐0.2
‐0.4
‐0.6
‐0.8
‐1.0
↓ 需給下方修正
‐1.2
15/1
15/2
15/3
15/4
15/5
15/6
15/7
15/8
15/9
15/10 15/11 15/12
出所)EIA
図4:2015年世界原油需要見通し予想の推移
94.5
[百万バレル/日]
EIA
OPEC
IEA
94.0
93.5
93.0
92.5
92.0
91.5
91.0
14/1
14/3
14/5
14/7
14/9
14/11
15/1
出所IEA,OPEC,EIA
図5:現在のMLP価格が予想する成長率と割引率の関係
⑤ MLPは悪材料を過度に懸念している可能性
米国における需要見通しが引き続き堅調であるこ
とや足元では世界の原油需要の下方修正に収束の
兆しが見られる一方で、MLPは需給懸念や先行き
不透明感が嫌気される形で軟調となっています。
しかしながら、MLPは需給懸念を将来の成長鈍化
懸念という形で価格の下落と共に織り込みつつある
と考えられます。例えば、一定の前提を置き(*3)、足
元の価格から今後5年間のMLPの年間分配成長率
を計算すると0%に近い水準となっており、不透明感
が払しょくされ外部環境が好転する際は、期待成長
率の上昇と共にMLP価格が持ち直すことも期待され
ます(図5) 。
今後5年間の年間成長率[%]
6.0%
5.0%
4.0%
3.0%
2.0%
1.0%
0.0%
‐1.0%
‐2.0%
‐3.0%
‐4.0%
‐5.0%
‐6.0%
永久成長率 1.0%
永久成長率 1.5%
永久成長率 2.0%
6.50%
6.75%
7.00%
7.25%
7.50%
割引率[%]
7.75%
8.00%
8.25%
出所)Bloombergより国際投信投資顧問作成
*3・・・2段階成長率モデルを使用しています。投資開始後、年に一度毎年分配されるものを想定しています。分配成長率は、1-5年目、6年目以降で設定し、6年目以降は永久成長率として
います。永久成長率は、米国の潜在成長率約2%を目処に設定し、おおよそ潜在成長率程度の成長見通しとなる2%と潜在成長率をやや下回るケースの1.5%と1.0%の3通りで計算しています。
割引率7.34%は、リスク・フリーレートを過去10年間の米国10年国債利回りの平均値を参考とし3.30%、リスク・プレミアムを長期の米国株式と同程度の4.34%とし、7.34%(=3.30%+4.34%)として考え
ています。分配利回り及びMLP価格は2015年1月16日基準で計算しています。
※上記はあくまで過去の実績であり、将来の成果をお約束するものではありません。
※上記は作成時点における市場見通し等について記載したものであり、将来変更される場合があります。
※上記は、MLP関連企業の動向をご紹介するものであり、個別銘柄の推奨を目的とするものではありません。
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《 MLPマーケット・コメント 》
本資料で使用している指数について
●「Alerian MLP Index」、「Alerian MLP Total Return Index」、「AMZ」および「AMZX」は、Alerianの登録商標であり、Alerianからの使用許諾に基づき使
用しています。
●Global Industry Classification Standard (“GICS”)は、MSCI Inc.(以下MSCI)とThe McGraw-Hill Companies, Inc.の事業部門であるStandard &
Poor’s(以下S&P)が開発し、両者が排他的知的財産および商標を有しています。国際投信投資顧問㈱は、許諾を得て利用しています。
GICSおよびGICSの基準および分類作業に関連したMSCIおよびS&Pとその関係会社あるいは第三者(以下、MSCIおよびS&Pとその関係会社)は、当
該基準および分類(あるいは、これらを利用した結果)に関して何らかの保証や表明を行うものではありません。
また、MSCIおよびS&Pとその関係会社は、GICSの独創性、正確性、完全性、販売可能性や特定の利用目的に対する適合性等を保証するものではあ
りません。
上記のいずれをも制限することなく、いかなる場合においても、MSCIおよびS&Pとその関係会社は、損害が発生する可能性を知悉していた場合であっ
ても、直接的な損害、間接的な損害、特別な損害、懲罰的損害賠償、結果としての損害、その他の損害(逸失利益を含む)について、その責を負いま
せん。
●FTSE NAREIT All Equity REITs Index: FTSE International Limited(“FTSE”)©FTSE 2014年。“FTSE®”はロンドン証券取引所グループ会社の登録
商標であり、FTSE International Limitedは許可を得て使用しています。FTSE指数、FTSE格付け、またはその両方におけるすべての権利は、FTSE、そ
のライセンサー、またはその両方に付与されます。FTSEおよびライセンサーは、FTSE指数、FTSE格付け、もしくはその両方、または内在するデータに
おける誤りや省略に対して責任を負わないものとします。FTSEの書面による同意がない限り、FTSEデータの再配布は禁止します。
●The BofA Merrill Lynch US High Yield Constrained Indexに関する知的所有権、その他一切の権利はBofA メリルリンチに帰属します。BofA メリルリ
ンチは当ファンドを保証するものではなく、当ファンドについて一切の責任を負いません。
本資料に関してご留意頂きたい事項
本資料は投資環境等に関する情報提供を目的として、国際投信投資顧問が作成したものです。本資料は投資勧誘を目的とするものではありません。
なお、以下の点にもご留意ください。
○本資料中のグラフ・数値等はあくまでも過去のデータであり、将来の経済、市況、その他の投資環境に係る動向等を保証するものではありません。
○本資料の内容は作成基準日のものであり、将来予告なく変更されることがあります。
○本資料は信頼できると判断した情報等をもとに作成しておりますが、その正確性、完全性等を保証するものではありません。
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