Study on Acoustic Analysis of Middle Frequency for an Automobile 自動車の中周波音響解析に関する研究 Dept. of Mathematical Information Engineering, College of Industrial Technology, Nihon Univ. Takahashi Ayumi 日本大学 生産工学部 数理情報工学科 髙橋 亜佑美 Abstract / アブストラクト 自動車走行時の振動騒音の低減は,自動車の商品性能を向上させる上で重要な項目 である.これに加えて,車両軽量化,開発コストの削減,開発期間の短縮化も実現させる 必要があり,効率的な防音仕様を検討する方法を構築しなければならない. 自動車走行時の振動騒音は,低周波領域では固体伝播音が支配的であり,その解析 手法として有限要素法(FEM)が用いられている.高周波領域は,空気伝播音が支配的で あり,近年,統計的エネルギ-解析手法(SEA 法)が用いられるようになってきた.しかし,中 周波領域では,固体と空気伝播音が混在するため,それぞれの手法のみでは,精度の高 いシミュレーションを行うことは困難である. そこで我々は,中周波領域の固体伝播音を解析するための技術として,次のようなアプ ローチを行った.一つは,実車の Roof 部と Dash-Floor 部の振動を解析するために,それ ぞれの FEM・SEA ハイブリッドモデルを構築した. FE モデルによる解析値や実測値との 比較から,構築したハイブリッドモデルの妥当性を検証し,そして,FEM・SEA ハイブリッド 法を適用する上での有用性を明確にする. もう一つは多孔質材料中の空気と固体伝播音を考慮しモデル化した Biot モデルの歪依 存性に関する研究である.実車に取り付けられている防音材は多層の積層構造であるた め,上層部の重さで下層部の防音材(ウレタンなど)に歪が生じてしまう.そこで,歪の影響 が大きいと考えられる構造系 Biot パラメータのヤング率に着目し,歪によるヤング率の変 化が,防音材の音響特性にどのような影響を与えるのか,SEA モデル解析により明確に する.
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