Dの 世 界

Vol.3
博士課程後期
〒739-8524 広島県東広島市鏡山一丁目1 番 1 号
TEL 082-424-6213
広島大学若手研究人材養成センター
広 島 大 学 放 射 光 科 学 研 究センターを 経て、
若 手 研 究 人 材 養 成センター 研 究 員︵取 材 時 ︶
2014 年 3月発行
石
遠
広 島 大 学 大 学 院 理 学 研 究 科 数 学 専 攻 多 様 幾 何 講 座 位 相数学グループ
広島大学 大学院生物圏科学研究科環境循環系制御学専攻
広 島 大 学 大 学 院工学 研 究 科システムサイバネティクス専 攻 生体システム論研究室
広島大学 大学院国際協力研究科教育文化専攻
広 島 大 学 大 学 院 理 学 研 究 科 化 学 専 攻 有 機 典 型 元 素 化 学 研 究グループ
﹁ 知 ﹂の化 学 反 応を求めて
隅田 姿
世 界を変える、私たちの小さな一歩
平野 博大
生 体の不 思 議を解き明かす工学
万 代 小百合
自 然も、人も、植 物も、
﹁ 環 境 ﹂という名の集 合 体
風 呂川 幹 央
数 式の向こうに見える美しい世界
姜
健
世 界が交 差する、この場 所で
Dの世界
化石 /ウミユリの一種(Seirocrinus sp.)
棘皮動物
【時代】ジュラ紀前期
【産地】
ドイツ ホルツマーデン
【所蔵】日野化石コレクション
博士課程後期
Dの世界
4 世界が交差する、
この場所で
広島大学 放射光科学研究センターを経て、若手研究人材養成センター研究員︵取材時︶
姜
健
8 数式の向こうに見える美しい世界
広島大学 大学院理学研究科数学専攻 多様幾何講座位相数学グループ
風呂川 幹央
自然も、人も、植物も、
﹁環境﹂という名の集合体
広島大学 大学院生物圏科学研究科環境循環系制御学専攻
万代 小百合
生体の不思議を解き明かす工学
広島大学 大学院工学研究科システムサイバネティクス専攻 生体システム論研究室
平野 博大
世界を変える、私たちの小さな一歩
広島大学 大学院国際協力研究科教育文化専攻
隅田 姿
﹁知﹂の化学反応を求めて
広島大学 大学院理学研究科化学専攻 有機典型元素化学研究グループ
石 遠
Dについて知ろう
博士課程後期の就職状況
進路は広い視野で考える
特別研究員
生計を立てる
結婚、家事や育児との両立
コラム
研究者の道は険しいのか? 就職は厳しいのか?
し よ う 。
戦
挑
に
界
世
の
先
の
士
修
広島大学の学生サポート
若手研究人材養成センター
広島大学特別研究員
キャリアセンター
海外への留学やインターンシップ
TA・RA・PA
奨学金
授業料免除制度
学割
保険
表紙の写真
広島大学 放射光科学研究セ
ンターにある高周波加速空洞
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博士課程後期
人類が手に入れた、
﹁夢の光﹂
物 理の世 界には数 多 くの﹁ 予 言 ﹂
が 存 在 する。 例 えば 2 0 1 3 年の
ノーベル賞 受 賞 で 世 界 をにぎ わせた
ヒッグス粒 子もその一つだ。
1 9 6 4 年 、ピーター・ヒッグス
博 士が、 物 質に質 量 をもたらすヒッ
グス・ボゾンについて発 表した 時 、そ
なかった。だが、 時 を 経て大 型 加 速
の時 点ではそれは単なる予 言に過ぎ
器﹃ L H C ﹄が登 場し、
ついにヒッグス・
は世 紀の大 発 見となり、博 士らにノー
ボゾンの存 在が確 認されると、 予 言
ベル賞をもたらした。
同 様の予 言は、この日本にも存 在
学 賞 受 賞 者 ・ 朝 永 振一郎 博 士 は、
する。日 本 人 2 人 目のノーベル物 理
1 9 5 0 年の論 文で、﹁ 長さだけで
重さや厚さを持たない1 次 元の金 属
中では、 電 子が通 常の金 属 とはまっ
たく 違 う 振るまい
をする﹂と予 言し
ていた。その 後
年の時を経て、 朝
永 博 士の予 言 は、
放 射 光を利 用し
た光 電 子 分 光 実
験によって 検 証 さ
舞 台となったのが、
れるのだが、その
﹃ 広 島 大 学 放 射 光 科 学 研 究センター
強 力で、﹁ 夢の光 ﹂とも呼ばれている
︵ HiSOR
︶﹄なのだ。
人 類が手に入れた光の中で、 最も
放 射 光 。それは電 子が光の速さ︵ 地
球を1 秒 間に7 周 半する速さ︶で磁
場 を 通 過 する 際に発 する 光であり、
固 体 内 部の電 子がどのような振るま
いをしているかを探るのに大きな手 掛
質に迫る〝 光の道 標 〟なのだ。
みちしるべ
かりとなる。いわば、 物 性 発 現の本
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Dの世界
広島大学 放射光科学研究センターを経て、
若手研究人材養成センター研究員︵取材時 ︶ 姜
健
世 界が
交 差する、
この場 所で
姜 健(ジャン ジン)
2006 年に中国より来日。2011 年に広島大学大学院
理学研究科にて学位取得。2012 年 1月より放射光科
学研究センター研究員、2013 年 4月より若手研究人
材養成センター研究員を経て、2013 年 12月1日付で
株式会社 HGSTジャパンに就職が決まる。
見えない世界が見えた時、
予言はこの世の真理に変わる
現 在 、日 本 国 内には﹃ SPring-8
﹄
を筆 頭に、 8つの放 射 光 施 設が存 在
するが、そのうち 国 立 大 学 内におけ
る施 設は﹃
﹄のみである。
HiSOR
1 9 9 6 年に発 足した﹃ HiSOR
﹄
は 学 術 研 究の推 進 と 同 時に、 放 射
光 分 野の人 材 育 成 も 目 的 としてお
り、 世 界 各 国からたくさんの若 手 研
二 次 元 となる 固 体 表 面 と、三 次 元
伝 導 体になる 温 度 ︶が異 なります。
となる固 体 内 部では、転 移 温 度 ︵ 超
それを実 験で具 体 的な数 値にしよう
というのが私の研 究です﹂と 語る姜
さん。
てくれた。
異なるセンスが、
新しい風を起こす
究 者が集まってきている。
研 究 者の一人で、 7 年 前に中 国から
姜 健 ︵ジャン ジン︶さんもそんな
来日している。 2 0 1 1 年に博 士 号
を取 得し、その翌 年に﹃ HiSOR
﹄の
職 員となって、
アルミや金 、銀 、銅といっ
た金 属の表 面 状 態を探る研 究を進め
てきた。
﹁ 例えばアルミは、 冷 却 すると、あ
導 体 ︶になることが分かっていますが、
る一定の温 度で電 気 抵 抗がゼロ︵ 超 伝
姜さん。 実は彼 自 身 も〝 異 なるセン
ス〟を買 われて、このたびH D Dメー
カーである﹃ HGST Japan
︵旧 社 名
/日立グローバルストレージテクノロジー
初は3カ月の予 定でインターンシップ
ズ︶﹄への就 職が決 まったばかり。 当
理の世 界では周 知の理 論であるが、
ランスなど、世 界 各 国から、研 究チー
中 国 、アメリカ、ドイツ、スイス、フ
門 戸を開 放している﹃ HiSOR
﹄には、
国 内の大 学 ・ 研 究 機 関はもちろん、
従 事してきた姜さんは、 企 業の多 様
たそうだ。これまで基 礎 的な研 究に
非 常に高く、 急 遽 採 用の運びとなっ
国 内はもちろん、海 外に向けても、
実 験によって定 量 的に明らかにされた
に参 加したところ、 企 業 側の評 価が
ものであるかというと、 決してそうで
ムや 留 学 生が集 まってきている。ここ
を 得るまでの道のりは並 大 抵のもの
おそらく 世 界 初だろう。 定 量データ
あるかをうかがい知ることができるだ 入 社 後は材 料 分 析を 担 当 する予
センター内がいかにインターナショナルで
学 術 論 文であるという 事 実からも、
表されるが、その半 数が海 外の方の
ているという。
る姜さんの自 由な発 想に期 待を寄せ
むしろ先 方は企 業 側の視 点とは異な
と、 内 心 不 安を感じてはいたものの、
なニーズに応 えられるかど うか⋮ ⋮
はない。アルミの固 体 内 部と表 面の転
では毎 年
ではなかった。まず第一に、いかにきれ
ろう。
電 子を見ると、 思わず自 然に敬 意を
界が見えてくる⋮ ⋮ 。きれいに揃った
は理 想 的な研 究の場でした﹂と語る
大 切です。そういう 意 味でも、ここ
点や異なるセンスとの出 会いはとても
﹁ 放 射 光 を 用いれば、 見 えない世 ﹁ 研 究 をしていく 上で、 多 様 な 視
負を語ってくれた。
析 方 法や装 置を開 拓してみたいと抱
のスペシャリストとなって、 効 率 的な分
定だという姜さん。 将 来は材 料 分 析
のだという。
いな表 面を創り出 すかが至 難の業な
本 前 後の学 術 論 文が発
移 温 度を定 量 化したのは、 姜さんが
実は姜さんが手 掛ける研 究は、 物
2009 年 に 開 催 さ れ た「11th International Conference on Electronic Spectroscopy and Structure
(ICESS-11)」で研究を紹介する姜さん。この国際会議でBest Poster Awardを受賞した。
表します﹂と、 姜さんは笑 顔で教え
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Dの世界
広島大学 大学院理学研究科数学専攻
多様幾何講座位相数学グループ 風呂川 幹央
数 式の
向こうに見える
美しい世 界
賞 金を懸けられた
未解決問題
数 学の問 題を解いたら1 0 0 万ド
みたいな 話 がこの 世には 存 在 する。
ルの賞 金が手に入る⋮ ⋮ 。そんな 夢
2 0 0 0 年 、 米 国のクレイ数 学 研 究
所は、7つの数 学 上の未 解 決 問 題に、
それぞれ1 0 0 万ドルの懸 賞 金をか
けると 発 表 した。 俗にいうミレニアム
問 題 だ。そして、その先 陣 を 切って
証 明されたのが、 宇 宙の形を知る手
学 ︵トポロジー︶の未 解 決 問 題 、ポ
がかりになるといわれてきた位 相 幾 何
アンカレ予 想である。
リ・ポアンカレが、﹁ 単 連 結な3 次 元
約 1 0 0 年 前 、 仏の 数 学 者アン
閉 多 様 体は、 3 次 元 球 面に同 相で
ある﹂と提 唱した予 想は、 宇 宙の例
ある。
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を用いて言い換えると、つまりこうで
風呂川 幹央(ふろかわ みきお)
博士課程後期 1 年目在学中。2014 年 1月から
3月まで、株式会社日本製鋼所広島製作所 技
術開発センターでインターンシップ。
︱ ︱ 宇 宙の 中の 任 意の一点 から、
はないか︱︱というのだ。
収できるようであれば、 宇 宙の形は
プの両 端を引っ張ってロープをすべて回
がどんな軌 道を描いた場 合でも、ロー
を一周して戻って来たとする。ロケット
見 抜く作 業に、とてつもなく魅 力を
門 とする風 呂 川さんは、この本 質を
片 付けられてしまう。トポロジーを専
言われるのが、ドーナツとコーヒーカッ
能な図 形はすべて同一視される︵よく
れるトポロジーでは、 連 続 的に変 形 可
点を借りれば、こんな簡 単な説 明で 別 名 、〝やわらかい幾 何 学 〟と呼ば
形も、 本 質を追い求める数 学 者の視
プの形 状が同一とされる例 ︶。つまり、
遺 伝 子の解 析から
宇 宙の謎まで
概 ね球 体である︵ドーナツ型のよう
感じるのだという。
長いロープを 結んだロケットが、 宇 宙 どうだろう? 計り知れない宇 宙の
な穴のある形ではない︶と言えるので
図 形の扱いが抽 象 化されるトポロジー
られているのだ。そんな 中 、 風 呂 川
では、 距 離の概 念は無 視されて考え
さんは、ごく 簡 単な言 葉で表 現して
を 定めたらどうなるのか﹂を 研 究し
しまうと、﹁あえて位 相 空 間に距 離
ているのだという。 ⋮ ⋮とはいっても、
専 門 外の人 間には、その研 究がいった
付かない。
いどう着 地するのか、まったく想 像も
風 呂 川さん自 身も、﹁ 私たち数 学
者はただ 真 理を 追い求めて、ひたす
うに見 える真 理には、我々の予 想 を
たそうである。 学 問においても、一つ
何 学と物 理 学の手 法を用いて解かれ
ら研 究に没 頭します。 今の私には応
用ということで、 最 終 的な着 地 点を
超える可能性が詰まっているのだ。
ゆだねるしかありません﹂と語る。だ
脂 等の射 出 成 形 機 を 開 発 する日 本
今 後 、企 業へのインターンシップ︵ 樹
合 領 域を 共 有 することが、きっと 大
殻を破るには、 他の分 野と柔 軟に融
考えるのは、トポロジーの手 法を用い
きな刺 激となるのだろう。
て研 究を進める、 他 分 野の研 究 者に
融 合 領 域に
新たな可 能 性を求めて
がその一方で、﹁でも 実を 言 うと、ト
遺 伝 子の解 析から宇 宙の謎まで、 意 ﹁トポロジーという 分 野は、 幾 何 学
製 鋼 所へインターンシップ予 定 ︶がひ
ポロジーの応 用 領 域はとても幅 広い!
の中でも 新しい分 野です。 歴 史はせ
これまで積み重 ねてきた数 学の手 法
外なところでトポロジーは応 用されて
がどう 化 学 変 化を起こすのか、とて
異 なるものづくりの現 場で、 自 分が
解 析や代 数など、いろんな分 野を総
も 楽しみだという。工 学 系が主 流の
かえている 風 呂 川さんも、 大 学 とは
合したようなところがあります。いろ
ものづくりの現 場 だからこそ、 数 学
のせいか、 古 典 的な幾 何 学をはじめ、
に、宇 宙の形 状を探る物 理 学から始
んな手 法を用いて真 理を探 究できる
いぜい2 5 0 年くらいのものです。そ
まって、フラーレンなどの分 子 構 造 解
のは、トポロジーの面 白いところです
いるんですよ﹂とも語ってくれた。
析︵物 質 科 学︶、遺 伝 子の結び目 解
系のアプローチを 生かせるインターン
確かに前 述のポアンカレ予 想のよう
析︵生命科学︶、
ネットワークトポロジー
ね﹂と、 自 身が専 門とする領 域の魅
ポロジーにも 通 じる 点がある。いつも
︵情 報 科 学︶など、多 様な分 野にわ
の研 究 室ではできない経 験が、 風 呂
ろで形を数 値 化していく 作 業は、ト
るということは、 言い換えれば、〝 柔
川さん自 身の研 究にも新たな視 点を
シップといえるだろう。 見 えないとこ
軟 性に富んでいる〟ということでもあ
もたらすかもしれない。
力を語る風 呂川さん。
う。ただひたすらに真 理 を 追い求め
る。 実は前 述のポアンカレ予 想も、ト
も 応 用 領 域は広がり続けているとい さまざまな 手 法が取り込 まれてい
る風 呂 川さんの研 究も、その成 果が
ポロジーの問 題でありながら、 微 分 幾
たってその手 法が用いられており、今
て花 開 くとも 限らない。数 式の向こ
いつか思 わぬ分 野で、意 外な形となっ
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11
Dの
のの世界
広島大学 大学院生物圏科学研究科
環境循環系制御学専攻
万代 小百合
自 然も、人も、
植 物 も、
﹁ 環 境 ﹂という
名の集 合 体
年 ぐらい前に、 私が所 属 する
森林を衰退させた真犯人は?
﹁
研 究 室 の 教 授 がリ ーダーと なって、
松 枯れに代 表される森 林 衰 退の実 態
調 査を行ったんです。 他 大 学とも連
携 した 大 きなプロジェクトだったんで
す﹂と 語 るのは、 生 物 圏 科 学 研 究
科の環 境 分 析 化 学 研 究 室に所 属 す
る万 代さん。 自 身の研 究テーマを 深
めるため、 彼 女は他 大 学から広 島 大
学の大 学 院へと 進んだのだが、その
きっかけとなったのが、 前 述のプロジェ
クトに代 表 される 同 研 究 室 の 実 績
だ。
は、一向に収 まる 気 配がなく、 今 も
ここ数 十 年 で 活 発 化 した 松 枯 れ
拡 大の一途をたどっている。 松 枯れの
原 因は、一般にマツノザイセンチュウな
研 究 室が、 名 古 屋 大や 東 京 農 大 と
どの病 害 虫だと言 われてきたが、 同
万代 小百合(ばんだい さゆり)
博士課程後期 3 年目在学中。自身の研
究テーマを深めるため、他大学から広島
大学大学院生物圏科学研究科へ進学。
2013 年 2 月より、3カ月 間 の 長 期 イン
ターンシップに参加。環境分析および分
析装置メーカーであるラボテック株式会
社で環境分析業務を体験する。
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むしろ病 害 虫による被 害は二次 的な
枯れの因 果 関 係 調 査を行ったところ、
連 携 して、 大 規 模 な 大 気 汚 染 と 松
だ。
を 遂げるか、 毎 日 観 測 しているそう
響を受けた植 物が、どのような変 化
た 葉の中の物 質が減 少 しているんで
シウム、カリウム、マグネシウムといっ
孔が閉じてしまい、クロロフィルやカル
装 置から送り込まれるオゾンの風に揺
ハウスの中で枯れてしまった花たちが、
込んだ植 物と、そうでないクリーンな そう説 明する万 代さんの後ろでは、
す﹂。
環 境で育てた植 物の2 種 類のデータ
もので、ディーゼル車 などの排ガスが ﹁ 小さなハウスで、 汚 染 物 質を送り
松を弱らせ、 病 害 虫を活 発 化させる
をそれぞれ観 測しています。 汚 染 物
れている。 植 物はハウスに入れて、だ
要 因になるという 分 析 結 果が得られ
質は人 体にも悪 影 響を及ぼすことが
た。
これまでの研 究で、 大 気 汚 染と雨
より毎日変 化します。毎日変わるデー
いたい1カ月で枯れ始めるという。
タを 見ていると、一筋 縄ではいかない
分かっていま すが、 植 物の場 合 、 光
いれば、 畑に行 く 者 もいる。 情 報 を
の関 係から、 植 物への影 響が気になっ
汚 染 物 資に触れて育った植 物は、 気
共 有 することで、いろんな 環 境に対
合 成 機 能に異 変が生じることが、こ ﹁ 傾 向は同じでも、データは条 件に
語る万 代さん。 今 後 、どのようなス
する知 識が蓄 積されるので、 環 境 分
れまでの観 測で明らかになりました。
タイルで研 究を続けていくかはまだ模
析に求められる多 様な視 点が自 然と
究 室の取り組みに着 目 。これまでの
索 中 だが、まったく 知 らない世 界 を
培 えます﹂と 笑 顔で語る 万 代さん。
ていた万 代さんは、 環 境 分 析 化 学 研
研 究 経 緯や 研 究 室の施 設 ・ 設 備 を
体 験できたことは、 彼 女 自 身にとっ
与えるといわれている。
※オゾンや 多 環 芳 香 属 炭 化 水 素は人 体に影 響を
い発 見がデータの背 後にあるという。
せてくれる大 事 な 作 業 。 思いもしな
ルドワークは、その重 要 性を気 付づか
チが必 要だ。 万 代さんにとってフィー
にするには、常に多 方 面からのアプロー
いる。 互いに影 響し合 う 環 境を相 手
河 ・ 陸 地とあらゆる方 面につながって
私たちを取り巻く環 境は、 空 ・ 海 ・
る 万 代 さん。一口に環 境 といっても、
環 境 問 題の難しさを感じます﹂と語
属 炭 化 水 素 ︵ 車の排ガス︶などの影
る。 具 体 的には、オゾンや 多 環 芳 香
質が植 物に与える影 響を研 究してい
現 在 、 万 代 さんは、 大 気 汚 染 物
一 筋 縄ではいかない、 環 境
究 科への進 学を決 意したそうだ。
照らし合わせた上で、 生 物 圏 科 学 研
て、 大きな収 穫だったという。
がある。 研 究テーマは異 なるものの、
今 、 環 境 分 析 化 学 研 究 室 には、
2 0 1 3 年の2 月から3カ月 間 、 ﹁ 海 ・ 河 ・ 水 ﹂と﹁ 大 気 ﹂、そ し て
万 代さんは広 島 県 内の環 境 分 析 企
万 代さんの﹁ 植 物 ﹂を 扱 う 3チーム
きた知の財 産 。それを引き継ぐ後 進
析 化 学 研 究 室のメンバーが蓄 積 して
という。 彼 女をはじめとする環 境 分
発 見を求めてフィールドへ
業でのインターンシップに参 加した。
定 期 的に勉 強 会を行い、 成 果を互い
仲 間 が 増 えれば 心 強いだけでな く、
﹁ 自 分の携 わってきた分 析 作 業が、
たちが、一人でも多く登 場することに
期 待したい。
研 究の効 率 面でも大きな助けになる
実 社 会にどのように還 元できるのか、 に報 告し合っているそうだ。
実 際に確かめてみたかったんです﹂と ﹁ 同じ研 究 室でも、 海に行 く 者 も
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15
※
Dの世界
広島大学 大学院工学研究科システムサイバネティクス専攻
生体システム論研究室
平野 博大
究めるほどに深まる
生 体の神 秘
2 0 0 5 年 ﹃ 愛 ・ 地 球 博 ﹄で話
力に着 目し、そのメカニズムを工学 的
な 観 点から解 析し、そこから得 たヒ
ントで、 新 しい福 祉 機 器やロボット、
ヒューマン・マシン・システムの開 発を試
生 体システム論 研 究
み よ う という のが、
室の目 的 としている
題 と なった 未 来 型 車 イスロボット
体 反 応のみで操 作するこの画 期 的な
ところである。
﹃ C H R I S ︵クリス︶﹄。ヒトの 生
車イスは、 実は広 島 大 学 ・ 生 体シス
るが、 同 研 究 室には、この他にも 現
名 物デモンストレーションの一つになってい
現 在は広 大オープンキャンパスなどでの
プがあり、
﹁ 生 体 信 号 解 析 ﹂といった5つのグルー
工生 命 体 ﹂﹁ソフトコンピューティング﹂
ジニアリング﹂﹁ 生 体 運 動 解 析 ﹂﹁ 人
は﹁メディカル・エン
テム論 研 究 室が開 発したものである。 現 在 、 研 究 室 に
在 進 行 形の興 味 深いプロジェクトがた
人ほどのメンバーが、 生
くさん存 在しているという。
そもそも 生 体システム論 研 究 室 と
は、一体どういう研 究 室なのか?
体の不 思 議を解き明かす研 究をそれ
能 力を 備 えている。そこで自 然が創
ど、 巧みで 高 度 な 制 御 ・ 情 報 収 集
工 学 技 術ではまだ 実 現 が 困 難 なほ
よいだろう。
は、工学の中でも異 色の分 野といって
命の奥 深さに触れる同 研 究 室の試み
ば突き詰めるほど、 自 然が創り出す
追 求 する工 学において、 突 き 詰めれ
ぞれ進めている。メカニカルな 技 術を
り 出 した 生 体の運 動 能 力 ・ 学 習 能
ヒトに代 表される生 物は、 現 在の
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生体の
不思議を
解き明かす工学
平野 博大(ひらの ひろき)
博士課程後期 1 年目在学中。医用工学を専攻していた兄
触発され 同じ研究室に進学。2013 年の8月末から、
に触発され、
式会社日立製
株式会社日立製作所
中央研究所において、3カ月間のイ
ターンシップを体験した。
ンターンシッ
痛 みと 血 管の 硬 さの 関 係 性に注 目
われる困 難なテーマだが、 平 野さんは
わりました。これまでは血 管 ばかり
使える認 知 症の検 査 装 置の開 発に携
﹁ 痛みの評 価 ﹂は 永 遠の課 題 ともい ﹁インターンシップ中 は、 家 庭でも
研 究 者として、
より人に近い場 所へ
見ていたのが、 研 修 中は未 知の分 野
何一つ無 駄にできない企 業の研 究 姿
し、 目には見えない痛みの〝 数 値 化 〟
勢も、 現 場の空 気に触れて初めて実
生 体システム論 研 究 室のメンバーの
発の仕 事に携 わりたい﹂と 考える平
感できたことです﹂と、 研 修の成 果
である脳 科 学に取り組みました。お
の〝 痛み〟を 評 価 する 装 置の研 究に
野さんは、企 業の最 前 線を知るため、
を 語る平 野さん。 3カ月 という 短い
に挑 戦している。
携わっている。
3カ月 間のインターンシップに参 加 。
期 間ながらも、 研 修 生 活での内 容の
1 人 、 平 野さんは、﹁メディカル・エン
例えば言 語 機 能に障 害を抱える患
医 療 機 器の分 野で業 界をリードする
濃い毎日は、 平 野さんの意 識を大き
ま し た。ま た、 時 間 やコスト な ど、
者さんや、 手 術において充 分 麻 酔が
日 立 製 作 所の中 央 研 究 所において、
く変えたようだ。
かげで自 分の中の引き出しが一つ増え
効いているかどうかを 判 断 するにも、
普 段の研 究 とは異 なるテーマに取 り
やユーザー︶に近い場 所で、 研 究 開
痛みを客 観 的に評 価できる装 置があ
組み、 貴 重な体 験をしたという。
ジニアリング﹂グループに所 属し、ヒト また、﹁ 将 来はより 人 ︵ 患 者さん
和できる。 医 療工学の分 野において、
れば、 患 者の痛みをよりスムーズに緩
工学 研 究 棟に用 意された
医 学 部 生たちのデスク
工 学 研 究 科の中でも 1 、 2 を 争
体システム論 研 究 室だが、 研 究 室 全
うほど、 多くのメンバーが所 属する生
や 超 音 波 装 置、
料となっている。
生 体 測 定 装 置な
体 を 構 成 するメンバーは実にユニーク
遣されてきた学 生だという。 研 究 室
ど、 各 種 設 備 も
は、3 Dプリンター
の中でも 特にメディカル・エンジニアリ
さらに研 究 室に
ングの分 野では、工 学と医 学 、 双 方
揃っており、 思い付
だ。 例えば平 野さんの隣の席に座って
の 知 識 を 共 有 することが 大 切 と な
いたアイデアがすぐ
いるのは、 驚いたことに医 学 部から派
る。そこで広 島 大 学では学 内インター
実 行に移せる環 境も整っている。もち
それぞれ違うが、 同 研 究 室では、 各
ろんメンバーが取り組 む 研 究テーマは
並べて研 究に取り組めるようにしてい
グループのDが後 輩の研 究を 補 佐 す
部の 学 生 が、 同 じ 研 究 室 内で 机 を
るのだ。もちろんインターンシップだか
知の共 有 、ノウハウの継 承が着 実に行
るようになっており、グループ内での
ンシップにより、 医 学 部の学 生と工学
人もいる。 学 部の壁を取り払ったこの
ドクターも 在 籍 しており、そ うした
カーの研 究 室から派 遣された社 会 人
ろう。
研 究を生み出す舞 台となり続けるだ
ざまな刺 激を受けながら、 画 期 的な
る環 境は、この先 も多 方 面からさま
ながら、のびのびと 研 究に取り組め
ヨコへの開 放 、タテのつながりを感じ
われている。
ら、工 学 部から医 学 部へ派 遣された
大 胆な試みは、 若い研 究 者たちの躍
進に大きな力を与えている。
学 外からのフレッシュな 風 も、 若い研
ま た 研 究 室 内には、 自 動 車メー
究 者たちの視 野の拡 大や良い刺 激 材
18
19
Dの世界
広島大学 大学院国際協力研究科
教育文化専攻
隅田 姿
契 機となった
東ティモールへの派 遣
2 0 1 0 年の2 月 、 隅 田さんは、
※1
広 島 大 学が行 うグローバルインターン
シップ﹁ G-ecbo
﹂に応 募して、東ティ
モールの地に降り立った。インドネシア
群 島の東 部に位 置 する 東ティモール
は、 1 9 9 9 年に国 民 投 票のもと
独 立が決 定したものの、その後 も混
乱が続いたため、 2 0 0 2 年まで国
連が暫 定 的に統 治を行っていた国であ
隅 田さんに与 えられたミッションは、
る。 2カ月 間のインタンーンシップで、
同 国でユニセフが行う 青 少 年セクター
の新プロジェクトに関する事 前 調 査を
行い、 政 府に報 告 書を提 出 するとい
うものだった。
﹁その後 、このインターンシップに参
加 したことが 実 績 として 認 められ、
2 年 間の期 限 付ポジションで、 外 務
省の在モザンビーク日 本 国 大 使 館で
働 くことになりました。モザンビーク
※2
ではJ I C A ︵ 国 際 協 力 機 構 ︶プロ
ジェクトやドナー会 合に参 加し、 国 連
機 関 、 世 界 銀 行 、 欧 米 ドナーらと
情 報 交 換などを行いながら、 国 際 協
力の最 前 線を肌で感じることができ
ました﹂と、 2 度にわたる途 上 国 経
験の成 果を語る隅田さん。
現 在は、 再 び 国 際 協 力 研 究 科の
研 究 室に戻り、 教 育 分 野における国
際 援 助の効 果に関 する研 究を行って
国 際 協 力の援 助 効 果を 実 感 値 とし
いるが、現 地の人々と触れ合いながら、
てとらえられたことは、 研 究 を 続け
た。
ていく上で大 変 意 義 深いことでもあっ
⋮ 広 島 大 学が提 供している、 海 外を
G-ecbo
中 心としたインターンシップを核とする教 育プロ
※1
グラム。 博 士 課 程 前 後 期の学 生を 1∼6カ月
修テーマをもとにインターンシップを行う。︵ 詳 細
間 、 途 上 国に派 遣して、あらかじめ計 画した研
20
21
世界を変える、
私たちの
小さな一歩
隅田 姿(すみだ すがた)
博士課程後期 1 年目在学中。一度、アメリカで社会人を
経験した後、広島大学大学院国際協力研究科へ進学。
2010 年の2月に大学が提供するグローバルインターン
シップ・G-ecboに 参 加 する。その 後、2010 年 11 月∼
2013 年 3月まで、外務省の大使館員としてモザンビーク
へ駐在。2 年間の任期を終えて、再び研究室に復帰する。
は http://www.hiroshima-u.ac.jp/gecbo/
︶
※ 2ドナー⋮ここでは資 金 提 供 国のこと。
国 際 協 力 援 助は
本 当に役に立っているのか?
隅 田さんが取り組んでいる﹁ 国 際
協 力における援 助 効 果 ﹂というテーマ
は、 援 助の在り方について見 直しが進
む国 際 社 会において、 非 常にホットな
課 題でもある。
2 0 0 5 年、O E C D / D A C
︵ 開 発 援 助 委 員 会 ︶の調 整のもとで
開 催された﹃パリ援 助 効 果 向 上 閣 僚
級 会 議 ﹄で、 今 後の援 助 効 果 向 上
の具 体 策 を 取 りまとめた 国 際 公 約
﹃パリ宣 言 ﹄が合 意された。
﹃パリ宣 言 ﹄
で は、ミ レ ニ ア ム 開 発 目 標
︵ M D G s ︶の達 成に向けて、 援 助
国 と 被 援 助 国が一体 となって援 助 効
果 を 上 げていくことが求 められてお
の良い援 助が可 能となるのだ。
り、あまり良い結 果は得られていない。
しかし現 実は、 報 告 書が示すとお
今 後も努 力が必 要とされる状 況に対
える人たちのものです。 途 上 国の現
して、 隅 田さんは﹁ 援 助は困 難を抱
状を見てきた者として、 本 当に援 助
を必 要としている人のもとへ、 援 助が
届くようにしたいです﹂と語っていた。
それぞれの国の目 線で、
世 界を見つめ直す
所 属する学 生の7 割が留 学 生とい
う、 国 際 協 力 研 究 科 。 同 様の研 究
部 門を抱える大 学は、日本の中でも
そう 多 くない。ましてや、 留 学 生が
7 割を超える大 学 院は、おそらく広
島 大 学の国 際 協 力 研 究 科 だけだろ
人 中 、日本 人はわずか4 人だけだと
り、いくつかの進 捗 計 測 指 標 を 定め
では引き 続き﹃パリ 宣 言﹄を後 退さ
ほど 認められなかった。 結 局 、 釜 山
残 念なことに援 助の質 的 向 上はそれ
せることなく、 進 化 ・ 発 展 させてい
けて、 国 際 的なモニタリングも行 われ
ることになった。その後 、 2 0 1 1
く 方 向で、﹃ 釜 山 宣 言 ﹄が採 択され
て、 2 0 1 0 年の目 標 達 成 年に向
年の釜 山 会 議では、﹃パリ 宣 言モニタ
ている。
も必 然のように感じられる。
世 界の同 胞たちへ手を差し伸べること
自 分が見えてくれば、 貧 困に苦しむ
力だ。 世 界の中の日本 、 世 界の中の
見つめ直すことができるのは大きな魅
界 を 感 じ、 世 界の目で 国 際 社 会 を
はもちろん、キャンパスにいながら、 世
インターンシップで世 界とつながるの
研 究 室の様 子を教えてくれた。
場 所 で 築 けると 考 えていま す﹂と、
する際に役 立つネットワークが、この
でもあります。 将 来 国 際 舞 台で活 躍
う 学 生は、 母 国の未 来 を 担 う 人 材
収 穫です。それに、この研 究 室に集
るのは、 研 究を行っていく上で大きな
から国 際 協 力をとらえることができ
楽 しいですよ。なにより各 国の視 点
方の違いなど、いろいろ発 見があって
交 じっています ね。 生 活 習 慣や 考 え
﹁ 研 究 室 内は英 語と日本 語が入り
いう。
放されることで、これまでよりも効 率
また、ドナー各 国は援 助 管 理から解
分 野へ資 金 を 配 分 することができ、
途 上 国 目 線で開 発を一番 必 要とする
民へ移 譲されることになった。つまり、
理の責 任 ・ 権 限 も 途 上 国 政 府 ・ 市
のオーナーシップが尊 重され、 援 助 管
方 法が増えた。これにより被 援 助 国
の国 家 予 算に直 接 資 金 を 提 供 する
般 財 政 支 援 という、 被 援 助 国 政 府
られてきたが、﹃パリ 宣 言 ﹄以 降は一
クトごとに資 金を 提 供 する形で進め
実はそれまで国 際 協 力は、プロジェ
んな援 助の在り方だったのだろう?
では、﹃パリ 宣 言 ﹄以 前は、一体 ど
リング報 告 書 ﹄が発 行されたのだが、
研究室の仲間たちと
22
23
う。 隅田さんが所 属する研 究 室も
13
Dの世界
広島大学 大学院理学研究科化学専攻
有機典型元素化学研究グループ 石 遠
倍、
倍に
たな7 ︱ 6 ︱ 7 員 環 構 造を用いたピ
﹁知﹂の
化学反応を
求めて
1のチカラを
だが、 現 代の化 学に置 き 換 えると、
属に変 えられる﹂と 考 えていたそう
者の石〟を 用いれば、 卑 金 属 を 貴 金
﹁ 物 質をより完 全な存 在に変える〝 賢
2 種 類 がある。 同 研 究 室 では、 触
にフェニルタイプとアントラセンタイプの
の1つであるピンサー型 触 媒には、 主
媒 化 学において、 非 常に重 要な触 媒
を教えてくれた石さん。 有 機 金 属 触
んですよ﹂と、 研 究 室の最 新ニュース
ンサー型 分 子 骨 格の開 発に成 功した
触 媒は〝 現 代 版 ・ 賢 者の石〟と言え
媒 活 性の向 上のため、 分 子 骨 格の本
のタイプに続 く、 新 たな 触 媒の開 発
質 的な改 良に取り組み、 前 述の2つ
特 定の化 学 反 応を活 性 化させる存 在
に成 功した。まだまだ工 夫の余 地は
質を完 全な存 在に変えるのではなく、
である。 1のチカラがあったとしたら、
多 彩な機 能を発 揮すると期 待されて
あるものの、この触 媒は、 将 来 的に
倍、
応 性に関 する 研 究 を 行っており、石
成 方 法の開 発と、それらの構 造 ・ 反
研 究グループでは、 有 機 化 合 物の合
理 学 研 究 科の有 機 典 型 元 素 化 学
研 究だ。
点では、 大きな手 応えを実 感できる
る。 産 業 界にダイレクトに貢 献できる
化 合 物の 効 率 よい合 成 を 可 能にす
優れた 触 媒の出 現は、 高 付 加 価 値
いる。 化 学 工 業 等 の 分 野において、
遠さんはその研 究チームの一員だ。
大きな鍵をにぎっている。
触 媒だ。有 機 化 合 物の合 成において、
それを
倍に増 大させるのが
るかもしれない。もっとも触 媒は、 物
中 世ヨーロッパの錬 金 術 師 たちは、
100
﹁う ちの 研 究 室では、この 前 、 新
石 遠(せき えん)
博士課程後期 3 年目在学中。中国・北京出身。2009 年に母国の大学を
卒業後、広島大学大学院理学研究科へ進学。有機典型元素化学研究
グループに所属し、
「炭化水素の脱水素化触媒の開発」を行っている。
2013 年 11月∼2月まで、旭化成ケミカルズ株式会社化学・プロセス研
究所(倉敷)でインターンシップを体験する。
10
100
24
25
10
プロセスにこそ意 味がある
容 易ではない。そんな中 、ピンサー型
学 種であるアルカンの脱 水 素 化 反 応は
す﹂と語る。
以前のプロセスにこそあると考えていま
するプロセスを手に入れられれば、そ
イリジウム錯 体が触 媒 として高 活 性 触 媒が示 す 高 活 性 を 正 しく 説 明
を 示 すことから、 注 目 を 浴 びている
れは〝 知の筋 道 〟が、 自 分の中で確
現 在 、石さん自 身が取り組むテー
マは、﹁ 7 ︱ 6 ︱ 7 員 環 型ピンサー配
という。
可 能 だ。﹁ 私 たちの研 究に終 わりは
位 子 を 用いた、 遷 移 金 属 錯 体の合
ありません。 道のりは果てしなく 遠
道さえつかめれば、 応 用はいくらでも
ものだ。石 油をはじめとする天 然 資
性 を 得 られるかですから、 良い結 果
くても、 成 果に一喜一憂しながら、 歩
立できたということでもある。その筋
源の主な成 分はアルカンであるが、 多
が得 られればもちろん 興 奮 しま す。
みを進める研 究は魅 力 的です。どん
さんは﹁ 触 媒の課 題はいかにして高 活
くのポリマーの原 料となるのは、
α︱オ
そこに至 るまでの 理 由の 解 明 です。
しかし、 本 当に魅 力 を 感 じるのは、
成と新 規 触 媒 反 応への応 用 ﹂という こうした研 究を行っていく中で、石
めには、アルカンの改 質を行 わなけれ
レフィンである。
α︱オレフィンを得るた
な 場 所へ到 達できるのか、いつもワク
わる企 業の責 任を肌で感じられるの
研 究 者 として、 本 当の挑 戦 は 結 果
ワクしています﹂という石さん。 真 摯
将 来については、日 本の企 業へ行 き、
は、 彼にとって 大 変 貴 重 な 体 験 だ。
ばならないのだが、 反 応 不 活 性な化
者の情 熱が膨らみ続けている。 広 島
くれた。
ていきたいです﹂と胸の内を明かして
ろいろな出 会いを重ね、 研 究へ生かし
激 をもらいました。 今 後 も日 本でい
や研 究 仲 間などから、たくさんの刺
﹁ 中 国から日本にやって来て、 教 授
研 究を続けていきたいと考えている。
に研 究と向き合う彼の中では、 研 究
大 学で過ごした 5 年 間において、そ
れは彼にとって一番の成 果である。
研 究の情 熱は
新たなステージに
月 より 石 さんは、
有 機 典 型 元 素 化 学 研 究グループで
2013年
旭 化 成ケミカルズの化 学 ・プロセス研
は、﹁ 国 際 的 な 研 究 者 を 育 てたい﹂
ような留 学 生をはじめ、 国 際 経 験を
究 所 ︵ 倉 敷 ︶において、 3カ月 間の
研 究 室で行っているテーマとは全 然 違
持つD 人 材が数 多 く 在 籍 している。
という教 授の思いを受けて、石さんの
では大 学での研 究とは異なる、 高 分
いますが、 実 験 原 理や 操 作そのもの
インターンシップに参 加している。そこ
子 遮 熱 膜の開 発チームに配 属される。
の化 学 反 応をもたらしてくれる。石
国 境 を 越 えたさまざまな 出 会いは、
さんもまた、そうした化 学 反 応を求
化 学の世 界と同 様に、 貴 重な﹁ 知 ﹂
しくチェックする企 業の姿 勢は、 大 学
めて、 次のステージへと歩みを進めて
な小さなことでも、 毎 回 安 全 性を厳
最 適 化 して、 有 機 ・ 無 機ハイブリッ
の研 究 室にはない風 土だと驚いていま
いくのだろう。
に違いはありません。それよりもどん
ド 型のポリマーの合 成に応 用 し、 作
感 想 を 語る石さん。ものづくりに携
す﹂と、 初めてのインターンシップの
ず特 定のフリーポリマーの合 成 条 件を
製した 高 分 子 膜の遮 熱 性 能を 測 定
﹁ 開 発の流れを 簡 単に言 うと、ま
するというものです。 普 段 、 大 学の
26
27
11
就 職は、 根 拠もなく困 難と言われる
しての仕 事 、 高 度な知 識を持って研
を 生み出 す 企 画 ・立 案のブレインと
育や 研 究 分 野をはじめ、 新しいもの
DC2(大 学 院 博 士 課 程 在 学 者)
約 1,100 名
2 年間
月額 200,000円
PD (大学院博士課程修了者等)
約 350 名
3 年間
月額 362,000円※3
SPD(大 学 院 博 士 課程修了者)
約 18 名
3 年間
月額 446,000円
RPD(博 士 の 学 位 取 得 者※4)
約 50 名
3 年間
月額 362,000円
15,000
14,512
54.4
15,160
56.4
15,286
57.2
15,973
57.4
16,801
58.8
10,000
7,898
8,557
8,746
9,167
9,885
16,281
16,463
63.2
64.3
10,288
10,579
15,842
15,892
61.9
63.9
16,260
16,440
67.3
65.9
10,937
10,829
80
60
9,812
10,160
40
5,000
0
20
H15
H16
H17
H18
博士課程修了者数
H19
H20
H21
H22
就職者数
H23
H24
H25
就職率
0
※博士課程の「修了者」には、所定の修業年限以上在学し、所定の単位を修得した後、
学位を取得せずに満期退学した者を含む。
資料:文部科学省「平成 25 年度学校基本調査」
博 士 課 程 後 期の就 職 状 況
(%)
100
博 士 課 程 ︵ 後 期 ︶の就 職 率は年
(人)
20,000
月額 200,000円
(平成 27 年度の予定)
※1 採用予定数は予算状況で変更される。
※2 研究奨励金は、平成 27 年度の支給予定額で、変更になる場合がある。
※3 博士の学位を取得していない者は月額 200,000円。
※4 申請時には、見込みでもよい。人文学・社会科学の分野においては、わが国の大学院博士課程に標準修業年
限以上在学し、所定の単位を修得の上退学した者で、博士の学位を取得した者に相当する能力を有すると認
められる者も含む。
29
Dについて知ろう
によってばらつきがあるものの、 近 年
研究奨励金※2
博士課程後期
上 昇 傾 向にある。 博 士 課 程 後 期の
3 年間
れている。一度 就いた職が一生のものと
期間
いく仕 事など、 優 秀な人 材が求めら
約 700 名
は 限 らない。 積 極 的にチャレンジし、
採用予定数※1
キャリアを重ねてもらいたい。
特別研究員
DC1(大 学 院 博 士 課 程 在 学 者)
DC1/DC2/PD/
SPD/RPD
独立行 政 法 人日本 学 術 振 興 会が、
大 学 院 博 士 課 程 在 学 者および大 学
院 博 士 課 程 修 了 者 等で、 優れた 研
究 能 力 を 有 し、 大 学 その他の研 究
機 関で研 究に専 念することを希 望す
る 者 を 選 考の 上 ﹁ 特 別 研 究 員 ﹂に
採 用し、研 究 奨 励 金を支 給している。
若 手 研 究 者の研 究 生 活の初 期に、
採用区分
職 者 数も就 職 率も増 加 傾 向にあるの
その他
その他
ことが多いが、 統 計データからは、 就
研究支援職・URA
究を 支 援し、さらに社 会へ展 開して
企業の研究機関の研究員
が分かる。
公的研究機関の研究員
企画・立案
進 路は広い視 野で考える
博士課程後期
大学教員
研究
進 路には多 彩な選 択 肢がある。 教
中学・高校教員
教育
28
自 由 な 発 想のもと 主 体 的に研 究 課
題 等を選びながら研 究に専 念する機
生 計を立てる
会を与え、わが国の学 術 研 究の将 来 博 士 課 程 後 期は、いかに生 活 費を
究 員 D C 1 / D C 2についても、 挑
戦してもらいたい。
管 理 するかも 重 要 だ。一般 的には社
結 婚 、 家 事や育 児との両立
を 担 う 創 造 性に富 んだ 研 究 者の養
般 的に結 婚は珍しくない。 結 婚する
会 人の年 齢なので、 仕 送りが受けら
場 合は、 家 事をはじめ、 出 産や育 児
成 ・ 確 保に資 することを目 的として
のことも 考 えておく 必 要がある。 研
れない場 合 も 多いだろう。その場 合 博 士 課 程 後 期の年 齢になると、一
学 費の納 付まで考えると、 生 活を切
究との両 立には困 難なことも多いが、
は 奨 学 金 を 利 用 することになるが、
り 詰 めないと 難 しい。 奨 学 金 も、い
不 可 能 なことではない。だが両 立さ
学の全 分 野 を 対 象にした 競 争 的 研
究 助 成 制 度である。 研 究 者 を 目 指
ずれは返 済しなければならないので、
いる。 人 文 ・ 社 会 科 学および自 然 科
す 上で、キャリアパスの一つとなりえる
いくらでも 借りればいいというもので
せるには、 家 庭 内で協 力して家 事や
進み研 究に携 わる学 生としては、 難
もない。
ものでもあるので、 博 士 課 程 後 期に
関ではあるがチャレンジする価 値があ
育 児 を 分 担 し、 周 囲の理 解 を 得て
いが、 深 夜 勤 務など生 活を乱し研 究
あくまで研 究を優 先したい。 広 島 大
画が推 進されている。 家 事や育 児は、
支 援を仰ぐことが不 可 欠だ。
究 費 補 助 金︵特 別 研 究 員 奨 励 費︶
に支 障を来 すものはお勧めできない。 現 在は、 社 会 全 体で男 女 共 同 参
る。 特 別 研 究 員になると、 科 学 研 アルバイトが必 要になるかもしれな
への応 募 資 格も与えられる。
また過 去 5 年以内に、 出 産または
男 女にかかわらず 分 担 するのが当 た
わらない。第一線で活躍する研究者の多くも、相当な情熱や努力をささげ、不安定な
環境は、各種助成が整備されている現在の方が、むしろ充実しているという見方もで
ているだろうか。根拠のない自信とエリート意識だけが先走っていないだろうか。
必要がある。自分は何ができるのか、それは誰にどこで求められるのか、真剣に考え
後期といったキャリア自体が、就職において負のベクトルを生むことは通常ありえな
博士は民間企業への就職が難しいという風説も絶えないが、博士号や博士課程
い。多くの問題は、企業とのミスマッチに起因する。
ミスマッチは、研究と事業の整合、
会を広く見渡しておきたい。
力、論理的思考力を高く評価される反面、コミュニケーション能力、協調性、業務の
なお企業からは、博士課程後期修了者の専門的な知識や能力、研究の遂行能
遂行について懸念される場合もあることを意識しておいた方がいいだろう。
34
生活の中で覚悟を決めて歩んできている。博士課程後期の学生が研究に向き合う
きる。研究分野の発展を推し進め、時に国や世界を変える可能性をも秘めた研究者
は、誰でもなれるものではないが、そこに挑戦する敷居は下がっている。全力で自分
の可能性を試した後、早めに軌道修正・方向転換することも可能だ。
に、いつか何とかなるだろうと将来への思考を停止し、目先のモラトリアムのような
博士課程後期の学生が民間企業への就職で苦労するのは、忙しいことを理由
日々を漫然と過ごしているためであることが多い。何が何でも博士号を取るという強
り前である。 平 等に分かち合おう。
学には、 T A・R A ︵ ページ参 照 ︶
い意志はもちろんだが、客観的に自分を評価し社会を見渡す広い視野も備えておく
33
の他にP A といった制 度 もあるので、
しさからネガティブに言われることが多いが、研究者の道が険しいことは、今も昔も変
だろう。日 本 学 術 振 興 会の特 別 研
久的な研究職の枠が大幅に増えることは考えにくい。
30
31
子の養 育のため、おおむね3カ月 以
博士課程後期修了後、ポスドクになる人の数は近年増加しているが、少子化の
上やむを 得 ず 研 究 活 動 を 中 断 した
影響もあり、大学の教員といったアカデミックポストや公的研究機関のポストなど、恒
奨 学 金 ︵ ページ参 照 ︶と組み合 わ
研究者の道は険しいのか?
就職は厳しいのか?
者を対 象とした、 R P Dという制 度
コラム
せると、 最 低 限の生 活には困らない
最近、博士課程後期への進学は、ポスドクをめぐる環境や研究職への就職の難
も用 意されている。
自己の能力、タイミングなどさまざまだが、だからこそ客観的に自分を評価しながら、社
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
共同研究
若手研究人材養成センター
広島大学特別研究員
【アカデミック型】
アチーブメントカード
システム
広島大学特別研究員
【イノベーション型】
求 人
就 職
での求 人 票の公 開
・ 企 業で採 用を担 当してきた相 談 員
による進 路 ・ 就 職 相 談
実 務 能 力や 幅 広い研 究 展 開 能 力 を
身に付けます。 実 績は、﹁アチーブメ
の専 門に裏 打ちされた幅 広い知 識と
輩 出 しま す。 男 女 を 問 わず、 独 自
はアカデミックポストを 希 望 する 者 、
助 言 を 受けま す。﹁アカデミック型 ﹂
ントカードシステム﹂に登 録し、指 導・
興 味 を 持 ち、 新 分 野に挑 戦 する 活
することを 希 望 する 者 を 対 象 とし、
キャリアセンター
ンターンシップも行います。
進します。また、 企 業 等での長 期イ
いずれも、 希 望の研 究 室で研 究を推
﹁イノベーション型 ﹂は 産 業 界で活 躍
広島大学特別研究員
教 育 研 究 機 関や 産 業 界で活 躍 す
学の大 学 院 博 士 課 程 ︵ 博 士 課 程 前
る 人 材の育 成 を 目 的 とし、 広 島 大
ンターに所 属し、 独 自の研 究 、ある
採 用 者は、 若 手 研 究 人 材 養 成セ
します。雇 用 期 間は1 年 間です。
学 内 公 募 があり、 審 査の 上 、決 定
取 得した方が対 象です。 毎 年 度 末に
就 職 支 援プログラム
キャリアセンターの
学 的に行っています。
学 生のキャリア支 援 ・ 就 職 支 援を全
期︵ 修 士 課 程 ︶の学 生を対 象として、
期 を 除 く︶を 修 了 し 博 士の学 位 を 主 として、 学 部 生 と 博 士 課 程 前
いは企 業との共 同 研 究 等に従 事しま
た制 度があります。 就 労 体 験の機 会
の開 催
・ 就 職ガイダンスおよび各 種セミナー
的 と し、 夏 休 み・ 春 休 みに、 短 期
当も支 給されるので経 済 的 支 援とい
になり、 自 己の成 長へつなげられ、 手
す。﹁ 実 践プログラム﹂の受 講により、
間の留 学ができます。
う一面も備えています。
修 士 ダブルディグリープログラム
協 定 大 学 と共 同で実 施しており、
T A /ティーチング・アシスタント
R A /リサーチ・アシスタント
行います。
や 実 験 ・ 演 習 等の教 育 補 助 業 務 を
学 生 等に対するチュータリング︵ 助 言 ︶
広 島 大 学および海 外の大 学から2つ 博 士 課 程の学 生が対 象で、 学 部 ・
﹁ 地 球 市 民と平 和 ﹂に関する分 野で、
海 外 インターンシップ プロ
G.ecbo
グラム
主にアジア・アフリカ地 域で実 施さ
研 究 ︵リサーチ︶に特 化した補 助 業
れる大学院特別教育プログラム。国際 博 士 課 程 後 期 の 学 生 が 対 象 で、
社会で活躍する実践的研究者と高度
務に従 事します。
ツ語 、 中 国 語 、 韓 国 語 、ロシア語 ︶
務を行う、 T A 、 R A 、 P Aといっ
究の補 助 業 務 、 大 学 運 営の支 援 業
http://www.hiroshima-u.ac.jp/kyaria/
ムページで募集状況を確認できます。
PAについては、
キャリアセンターホー
に従 事します。
︵ 図 書 館 窓口や 資 料 整 理 業 務 など︶
広 島 大 学の大 学 運 営 支 援 業 務
P A /フェニックス・アシスタント
取 得 した 単 位は広 島 大 学の単 位 と
TA・RA・PA
外 国 語 学 習や 文 化 体 験を主 な 目
各 種 語 学 ・ 文 化 研 修 ︵ 英 語 、ドイ 広 島 大 学には、 学 生 が 実 験や 研
して認 定を受けることが可 能です。
する多 様なプログラムがあります。
専門職業人の育成を目指しています。
の大
HUSA・USAC交換留学プログラム その他 、 各 学 部 ・ 研 究 科が実 施
協 定を結んでいる カ国 約
70
学に半 年 もしくは1 年 間 留 学でき、
24
ムを積 極 的に利 用してください。
広 島 大 学にあるさまざまなプログラ
海 外への留 学や
インターンシップ
http://www.hiroshima-u.ac.jp/kyaria/ の学 位を取 得できます。
配布︵博士過程前期1年次︶など
・﹃進路・就職システム利用ガイド﹄の
力のある人 材を養 成します。
広島大学の学生サポート
若 手 研 究 人 材 養 成センター
若 手 研 究 人 材 養 成センターは、 広
島 大 学の博 士 課 程 後 期の学 生および
若 手 研 究 員を対 象としています。 企
業 等と連 携することにより若 手 研 究
実践プログラム
人 材として養 成し、 産 官 学の各 界に
受託研究
・ 学 生 向けポータルサイト﹁もみじ﹂
インターンシップ
32
33
企業等
PD
D
に相 談してください。
プ︵ 学 生プラザ3 階 ︶の奨 学 金 窓口
で、教 育・国 際 室 学 生 生 活 支 援グルー
※ 利 用する際は往 復 乗 車 券にするな
前に学 内で選 考 を 行っています︵ 留
奨 学 金は推 薦 枠が限られるため、 事
給 付の2 種 類があり、そのうち給 付
学生教育研究災害傷害保険︵学研災︶
保険
各種案内手続↓証明書類交付手続
もみじTop ↓ 学生生活のサポート↓
※ ﹁もみじ﹂での確 認 手 順
ださい。
ど、 計 画 的かつ有 効に使 用してく
もみじT o p ↓ 学 生 生 活のサポート
↓経済支援↓授業料免除
学割
帰省や就職活動などの目的で旅行
枚を
︵J R 片 道 1 0 1㎞以上の普 通 乗 車
券に適 用︶する 場 合、年 間
限度として学割証が発行されます。
次のような目 的が該 当します。
学 生を除く︶。
実 施 する 奨 学 金 制 度 なども、 大 学
その他 、 全 国の各 種 育 英 団 体が
を 通して募 集 するものは、ほとんど
が4 ∼ 6 月の募 集 となります。﹁も
注 意して見ておいてください。
みじ﹂の奨 学 金ページや 掲 示 などを
※ ﹁もみじ﹂での確 認 手 順
もみじTop ↓ 学 生 生 活のサポート
↓経済支援↓奨学金
授業料免除制度
経 済 的 理 由などにより授 業 料を納
入 することが困 難 な 人で、一定の学
力 基 準を満たしている場 合 、 所 定の
申 請を行うことで、 授 業 料の全 額ま
たは半 額の免 除を受けられる場 合が
あります。 詳 細は﹁もみじ﹂で確 認
※ ﹁もみじ﹂での確 認 手 順
してください。
インターンシップ・ 介 護 体 験 活 動 ・ 教
育 実 習 ・ 保 育 実 習 ・ボランティアク
ラブの活 動 中 などで、 他 人にケガを
させたり、 他 人の財 物を壊したりし
する保 険です。
た 場 合 、 法 律 上の損 害 賠 償を 補 償
※ ﹁もみじ﹂での確 認 手 順
もみじTop ↓ 学生生活のサポート↓
保険↓学生教育研究災害傷害保険
学研災付帯学生生活総合保険
︵学研災付帯学総︶
中 、 通 学 中 、 大 学 構 内にいる間にケ 加 入は任 意 。前 述の学 研 災に比べ、
授 業 中や学 校 行 事 中 、 課 外 活 動
・ 実 験 、 実 習などの正 課の教 育 活 動
療 費の補 償が受けられる場 合があり
ガをした 場 合 、﹁ 学 研 災 ﹂による 治
保険↓学生教育研究災害傷害保険
もみじTop ↓学生生活のサポート↓
※ ﹁もみじ﹂での確 認 手 順
除く︶。
なっています︵ 学 研 災の補 償 範 囲を
活をより広 くカバーした補 償 内 容 と
医 師による 電 話 相 談 など、 学 生 生
費の支 払い、 保 護 者の救 済 者 費 用 、
学 研 災 付 帯 学 総は病 気 等の治 療 実
体 育 ・ 文 化に関 する 正 課 外 の 教
※ ﹁もみじ﹂での確 認 手 順
ます。
もみじTop ↓ 学生生活のサポート↓
加 入は任 意。授 業・学 校 行 事・
︵学研賠・医学賠・法科賠︶
学研災付帯賠償責任保険
保険↓学生教育研究災害傷害保険
・ 就 職または進 学のための受 験 等
・ 保 護 者の旅 行への随 行
など
る問 題の処 理
・ 傷 病の治 療その他 修 学 上 支 障とな
たは行 事への参 加
・ 大 学が修 学 上 適 当と認めた見 学ま
育活動
・ 大 学が認めた特 別 教 育 活 動または
・ 休 暇 、 所 用による帰 省
※掲載している情報は、平成 26 年1月現在の予定であり、変更の可能性がある。
奨学金
広 島 大 学が取り扱っている奨 学 金
7月11日(予定)
には、日 本 学 生 支 援 機 構 ︵ 旧 日 本
初回振込予定日
育 英 会 ︶の 奨 学 金 と、 民 間および
4月
地 方 公 共 団 体の奨 学 金があります。
入学時のみ
4∼9月の 間 で 希
望する月
貸与始期
日本 学 生 支 援 機 構 奨 学 金
優れた学 生でありながらも、 経 済
的 理 由により修 学が困 難な人に対し
課程・月額等
企 業 系 財 団の奨 学 金
8 万 8 千・
5 万円から選択
専門職学位課程
(法務研究科)
与を行っています。 修 士 ・ 博 士 課 程
12 万 2 千・
8 万円から選択
博士医歯獣医課程
て、日 本 学 生 支 援 機 構が学 資の貸
に関 す る 奨 学 金 の 概 要 は 下 表 の 通
方 法なども充 分に考えた上で申し込
り。 奨 学 金 を 希 望 する 場 合 、 返 還
んでください。
なお、 会 社 倒 産や 解 雇 な ど、 家
博士課程後期
した場 合は、いつでも申 請できますの 企 業 系 財 団の奨 学 金には貸 与 と
計 支 持 者の諸 事 情により家 計が急 変
8 万 8 千・
5 万円から選択
5・8・10・13・15 万
円から選択(金額
により採用の有利
・不 利はありませ 10・20・30・40・50
万円(25 年度に入
ん。)
学した者のみが対
象 で、第 一 種また
上 記 の ほ か、15
は第二種の基本月
万 円を選 択した
額に増額して最初
場 合、4 万円また
の1 回のみ貸与)
は7 万円のいずれ
かを増額できる。
修士・
博士課程前期
入学時特別増額
貸与(有利子)
第二種
(有利子)
第一種
(無利子)
日本学生支援機構
奨学金
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