コンクリート構造物のひび割れを検知する センサ(KKクラックセンサ)のご

コンクリート構造物のひび割れを検知する
センサ(KKクラックセンサ)のご紹介
倉敷紡績(株)技術研究所
平石陽一
既存のひび割れ調査方法
近接目視
クラックスケール
画像処理
課題
・足場が必用(近接目視) ・調査結果に個人差
・調査時の開口幅を測定
・専門技術者が必要
・特別な機器、電源が必要 ・時間、労力が多大
KKクラックセンサの概要
名古屋大学(現岐阜大学国枝教授)、NEXCO中日本、
川崎重工業、倉敷紡績 4社の共同開発 ※特許取得済
ひび割れ発生
特徴
FRPセンサ
センサが変色
ひび割れを見える化!
・簡易に施工が可能
・数十m離れた場所からひび割れの拡大を目視で確認可
・専門技術者以外でも確認が可能
・特別な機器が不要
・ひび割れの最大開口幅の履歴を表示
・FRP(Fiber Reinforced Polymer)製で安価
KKクラックセンサの変色過程
0mm
0.15mm 0.30mm 0.40mm 0.60mm
ひび割れ拡大
KKクラックセンサの開発
構成材料の選定
○構成材料と検出性能の関係
○ひび割れ開口速度依存性
○耐久性
●0.2mmのひび割れを検出
●ひび割れの拡大を際立たせる材料
●車両通行時等にひび割れが高速
で開口する場合等を想定
●促進耐候性試験
(JSCE-K 511-2010)
●温冷繰返し試験
(NEXCO試験法425-2004参考)
はり供試体を用いた検証
○はり供試体の曲げひび割れ部への適用
●RC供試体
●PC供試体
実施内容の紹介(はり供試体を用いた検証)
センサ(ビニロン/UP低弾性)をはり供試体の曲げひび割れ
部に適用し、性能を確認した。
実験ケース
記号
供試体
ひび割れ
A
RC
無
B
C
PC
有
無
コンクリート
ひび割れ センサ
サイズ:100×200×1800mm
パイ型変位計により開口幅を測定
ひび割れの拡大に伴うセンサの変色状況を確認
実験結果
変色箇所
コンクリート
ひび割れ発生位置
センサ
a) 0.2mm拡大時
b) 0.5mm拡大時
変色過程の例(実験ケースA)
反応状況の例(実験ケースA)
①全てのケースでひび割れが0.2mm拡大した際に変色を開始し、0.5mm
拡大時に広い範囲ではっきりと変色する
②発生した全てのひび割れを検出する
③施工時のひび割れの有無は検出性能に影響を及ぼさない
④コンクリートの構造の違い(RC、PC)は検出性能に影響を及ぼさない
実験結果(PC供試体)
載荷中(0.5mm)
除荷後(0.03mm)
⑤ひび割れが閉塞しても最大の開口幅を履歴として残す
実構造物への適用例
RC床板
(地方自治体)
RC橋台
(地方自治体)
RC橋梁
(高速道路)
RC橋梁
(高速道路)
★★
★
ボックスカルバート
(地方自治体)
RC橋脚
(地方自治体)
★
★
★
★ ★
★
全国で約30箇所の実績!
RC床板
(高速道路)
PC箱桁
(高速道路)
RC桁
(地方自治体)
実構造物への適用
No.
適用部材
管理者
センサ適用の目的
1
PC箱桁
高速道路
構造ひび割れ
2
新設橋梁ストラット
高速道路
供用開始後の観察
3
RC桁
(PC外ケーブル補強)
高速道路
補強後の観察
4
RC橋台
地方自治体
構造ひび割れ観察
5
RC床板
地方自治体
ASRひび割れ観察
6
ボックスカルバート
地方自治体
構造ひび割れ観察
7
PC桁
地方自治体
構造ひび割れ観察
8
新設RC床板
高速道路
建設中のひび割れ観察
9
RC橋脚
地方自治体
ASRひび割れ観察
構造物によってセンサ適用の目的が異なる
PC箱桁橋(高速道路)
適用の目的:構造ひび割れ経過観察
PC箱桁橋(高速道路)
適用の目的:構造ひび割れ経過観察
センサ
鉛直リブ
ウェブ
定着部
新設橋梁(高速道路)
適用の目的:供用開始後の構造ひび割れの発生検知
新設橋梁(高速道路)
適用の目的:供用開始後の構造ひび割れの発生検知
ストラット接合部
補強されたRC橋梁(高速道路)
適用の目的:補修、補強後の経過観察
• 交通量の増加、過積載の通行等により劣化
• 凍結防止剤散布により鉄筋腐食
→断面修復、電気防食、外ケーブル補強
クラックセンサ
(W20×L800)
外ケーブル補強
断面修復 電気防食 塗装なし
RC床板(地方自治体)
適用の目的:ASRひび割れの経過観察
全景
道路面
・ASR特有の表層ゲルを除去後に施工
・複数の亀甲状ひび割れを跨ぐように施工
・ひび割れを管理し、ASRの進行を予測
センサ施工後
新設RC床板(高速道路)
適用の目的:建設中に発生するひび割れの検知
検知後→適切に補修
桁
桁
新幹線線路
・曲げモーメントが負になる位置に施工
⊕
・4箇所全長60m施工
⊖
センサ施工位置
⊕
新設RC床板(高速道路)
結果
●送り出し前後で、センサに目立った変状は確認されず
●センサを用いたことにより有害なひび割れの発生の有
無を瞬時に判定でき、工事を迅速に進めることができた
施工キット
■「KK クラックセンサⓇ」販売キット
〈内容物〉・ KK クラックセンサ®シート
(標準サイズ:幅20㎜×長さ800㎜)10枚
・専用プライマー
・専用接着剤 ・黒顔料
・専用クリア塗料(耐候性)
倉敷紡績株式会社