ISOだより 最新号 - 財団法人・日本建築センター

BCJ-SAR ISO だより 2015 年(平成 27 年)3 月 16 日発行 Vol.40
BCJ-SAR
システム審査部発行
〒101-8986 東京都千代田区神田錦町 1-9
TEL 03-5283-0476
FAX 03-5281-2827
ホームページ http://www.bcj.or.jp
E-メール [email protected]
Vol.40
ISOだよりの所有権はシステム審査部に帰属します
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我が社のISO(その 32)
このような社会のニーズの変化に対し
て、単なる設備設計にこだわらず、環境
系一級建築士事務所として、建築を含め
た意匠・構造・空調・衛生・電気のそれ
ぞれがその役割を最大限発揮しながら、
最もライフサイクルコストが安く最も
CO₂の発生量が少ない、建築と設備が融合
したコンセプトの建物を創造していくこ
とが、今社会に求められていると確信し
ています。
株式会社 二十一設計
代表取締役
桑田 哲司
弊社は 2002 年に一度、他の認証機関で
ISO 9001 を認証取得したものの、下請負
業務が多く元請負の顧客との間でISO
が成り立たない状況があり、認証を放棄
しました。その後、建築設備設計事務所
として元請負業務が約 80%を占めるよう
に受注業務の質が向上したため、改めて
ISO 9001 の認証取得に挑みました。これ
により社員全員が一丸となって品質に関
するマネジメントシステムを構築、運用、
改善していく組織体制を実現する、また
統一性のある仕事のやり方、効率的な仕
事のやり方を確立し、
「成果品の品質を高
める」という気運が盛り上げってきたよ
うに思います。これからの未来において、
社会のニーズの変化に応えられる組織と
なり、継続発展していくためには、ISO
9001 でのシステム運用がとても重要であ
ると感じています。
「未来を担う
環境系一級建築士事務所を目指して」
弊社は、平成元年に設立された設備(空
調・衛生・電気)の設計・監理を基本的に
専業とする設計事務所です。
しかし、近年、設備設計には従来の建
築の付帯設備にとどまらず、省エネルギ
ー、新エネルギー、防災、情報通信等、
様々なジャンルにおいて新しい技術が必
要とされ、その受持範囲が飛躍的に拡大
しています。他方、新しい建物を建築す
るよりは、建築躯体をそのまま再利用し、
耐震改修や設備改修、内装改修を行って、
建物自体の使用目的を高めるための機能
の拡充や安全性の向上を図ることが主流
の考え方となっています。
しかし、認証取得までの過程は決して
平坦なものではありませんでした。社員
26 名程でのシステム構築でしたので、一
人一人の負担は大きく、また、通常業務
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BCJ-SAR ISO だより 2015 年(平成 27 年)3 月 16 日発行 Vol.40
の繁忙期には、品質マネジメントシステ
ムの運用に関わる時間が少なっていたの
も事実です。ですが、ISO 9001 認証取得
は決して、一部の社員の力では成り立ち
ません。社員が少なく若い社員が多い弊
社がゆえに、新しいことが浸透しやすい
環境であったことは大きな利点であった
と捉えています。システム構築、運用し
ていく過程で、社員自ら問題解決をしよ
うとする意識、現状をより良くするため
の改善提案力などが身についてまいりま
した。そうした社員の意識改革に伴い、
細かな業務改善も少しずつ進めており、
生産性向上へとつながっているのも進歩
です。また、2013 年 ISO 9001 内部監査員
養成研修に社員6名が参加、2014 年も新
たに6名が同研修に参加し、社員自身が
ISO 9001 に関する知識を日々吸収してく
れています。
物の建築設備設計事務所」になるべく、
社員の知識技能の向上、強い品質マネジ
メントシステムの構築をし、
「省エネ、新
エネ、防災、子供達」のスローガンのも
と、広く社会に貢献できる企業を目指し、
努力を積み重ねてまいります。
株式会社 二十一設計
1989年 設立
主な事業内容:
建築及び建築設備(機械・電気)の設計・
監理業務
所在地:神奈川県
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また、一つ一つ違う物件を扱う弊社に
とって、今後業務の標準化による品質の
均質化が実現できれば、顧客の信頼の向
上へともつながります。そして、入札か
ら成果品納入までのプロセスを文書化す
ることで、個人のスキルに依存すること
なく業務が進められると同時に、若手社
員への技術伝承にも役立つ資料となりま
す。
審査員の目(その 36)
「継続すること」で効果が出るのが ISO
9001 の仕組みであります。常に現状の仕
事の進め方、管理の仕方で良いか自問し
ながら実行・分析し、また内部監査の質
を上げ、マネジメントシステムをブラッ
シュアップしていくこと、これが今後弊
社が根気よく取り組むべきであることだ
と意を強くしております。
安原 幹人
システム審査部 登録審査員
JRCA/CEAR登録主任審査員
「事業継続マネジメントシステムを
活用した購買プロセスの考え方」
建設業を始めとした多くの産業におい
て、各プロセスが分業化され、サプライ
チェーンなどを通じ、多くの利害関係者
によって共有されているネットワーク型
社会の脆弱性が顕在化されてきている昨
今、事業継続マネジメント(略称:BCM)
の重要性が増してきています。そこで、
事業継続マネジメントシステム規格であ
2020 年に東京オリンピックが終わって
からの建設業の未来は、大変厳しいもの
になるでしょう。自分の都合ではなく、
社会のニーズの変化に応えられる組織の
みが、継続発展していくことになると思
います。その時代を乗り越えていく組織
を「本物」と呼ぶのであれば、私達は「本
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BCJ-SAR ISO だより 2015 年(平成 27 年)3 月 16 日発行 Vol.40
る「ISO 22301」の要求事項を参考に、現
在運用されている「ISO 9001」規格の“購
買プロセス”を検証してみたいと思いま
す。
現在、認証登録後 20 年が経過している
長期登録組織も存在する中、供給者評価
としては、
“品質(Q)”、
“価格(C)”、
“納
期(D)”、“安全(S)”、“環境(E)”等の
各評価項目に対して、3 段階や 5 段階評価
を実施し、総合点数に応じたランク付け
を実施後、取引継続可否判定を行ってい
る事例を多く審査で目にします。
しかしながら、この「供給者評価表」
を今後の組織の事業継続の観点から評
価・分析されている事例はあまり多くあ
りません。踏み込んで言えば、評価の為
の評価になっており、年 1 回の評価時期
しか同評価結果を振り返ることが無い事
例も散見されます。
そこで、事業継続マネジメントシステ
ム規格である「ISO 22301」の規格要求事
項を参考にし、
『事業影響度分析』や『リ
スクアセスメント』の考え方を導入する
方法もあります。
『事業影響度分析』とは、製品・サー
ビスなどを提供する事業活動と、それら
が依存する資源(供給者を含む)に注目
し、万一、それらの資源が被災や廃業等
により事業活動が中断・阻害した場合の
影響を分析評価するプロセスです。次に
組織に影響を与えると特定されたリスク
を分析し、どのリスクに対してどのよう
な処置(対応策)を講じる必要があるの
か、選択し、特定することが『リスクア
セスメント』です。
これまでの取引継続可否判定を主目的
にする供給者評価方法から、供給者毎の
“強み”と“弱み”を把握、分析し、組
織の事業継続リスクに対して必要な対策
を講じる為の供給者評価方法も有効では
ないでしょうか。
労働安全衛生マネジメントシステム
認証業務のお知らせ
一般財団法人日本建築センター システ
ム審査部(BCJ-SAR)では、品質
マネジメントシステム認証業務及び環境
マネジメントシステム認証業務に加え、
昨年 10 月より労働安全衛生マネジメント
システム認証業務を開始しております。
なお、現在1件の組織様を審査中です。
◆認証取得にあたって
認証の手続き等については、既に品質
マネジメントシステム及び環境マネジ
メントシステム認証業務でご経験のあ
る認証取得と同様の手順で実施いたし
ます。
◆認証に係る料金について
既にBCJ-SARにて品質マネジメ
ントシステムや環境マネジメントシス
テム、またはその両方を認証取得され
ている組織様には、認証に係る料金に
ついては特別価格とさせていただいて
おります。
労働安全衛生マネジメントシステムの
認証取得をお考えの組織様におかれまし
ては、是非お気軽にお問い合わせくださ
い。
【お問合わせ先】
一般財団法人 日本建築センター
システム審査部
担当:梅澤、山貝
TEL:03-5283-0476
FAX:03-5281-2827
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BCJ-SAR ISO だより 2015 年(平成 27 年)3 月 16 日発行 Vol.40
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■2015年度認証判定会議の日
程は下記のとおりです■
編集後記
システム審査部では、ISO 規格の 2015
年改正(DIS 版)についての説明会を昨年
11 月~12 月かけて全国各地で開催致しま
した。
おかげさまで、いずれの会場におきま
してもほぼ定員に近い組織の方々の参加
があり、特に東京では、追加の説明会を 2
回ほど開催することとなりました。
ご案内のとおり、まだ DIS 版での規格
説明ですので、今後 IS に向けては規格の
変更があることも予想されます。また、
新規格への移行についても詳細な内容に
ついて明らかになっていない部分もあり、
これらの情報等については分かり次第、
組織の方々にご連絡をさせて頂くことと
致します。
また、ご意見やご不明な点などがあれ
ばお気軽にお問い合わせ頂ければ幸いで
す。
品質、環境、労働安全衛生とも同日開催
です。
当センター(東京都千代田区)にて開催致し
ます。
2015年(平成27年)
4月22日(水)
13:30~
5月27日(水)
13:30~
6月24日(水)
13:30~
7月22日(水)
13:30~
8月26日(水)
13:30~
9月30日(水)
13:30~
10月28日(水)
13:30~
11月25日(水)
13:30~
12月24日(木)
13:30~
2016年(平成28年)
1月27日(水)
13:30~
2月24日(水)
13:30~
3月23日(水)
13:30~
-無断転載を禁ず-
■再認証を迎える組織の皆様へ■
審査時期によっては、審査が混み合う
事が予想されますので、余裕をもってマ
ネジメントシステム認証申請書(品質/
環境/労働安全衛生)をご提出いただきま
すようお願いいたします。
(マネジメント
システム認証申請書の他に「マネジメン
トシステム認証申請者調査表」のご提出
が必要になります。)申請書及び調査表は、
一般財団法人 日本建築センターホーム
ページよりダウンロードできます。
(http://www.bcj.or.jp)
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