談合疑惑シリーズ(第1回) 入札に関する「疑惑 」は、今も消えてはいない! (追分中学校入札問題) 価格(予定価格・最低制限価格)を知っている のは、町長、副町長、財務課長の3者だけ。 それが外部に知れたと言う事は、3者の誰かが、 外部(企業関係者)に漏らしたということには ならないか? 議会答弁(H23年3月議会)は、その証拠にならないか? 1,小笠原議員の「不正防止体制」についての質問に対する答弁 (町長擁護の為の質疑が、情報漏れルート(3役の誰かから)を浮き彫りにさせた。) ●「予定価格の決定につきましては、一般的に入札当日、町長・副町長・財政課長の 三者で決定致します。」 (H23年3月議会、財政課長答弁) ●「(追分中学校の主体工事を落札した共同企業体の構成事業者と付き合いのあった 職員 ○ 注 が)、途中経過で設計金額を類推したとしても、この入札(追分中学校 建設主体工事)は、最低制限価格を設けておりおりますので、先に説明したとお りおり、三者以外に最低制限価格を知りうる者はいないということになります。」 (H23年3月議会、財政課長答弁) 注 追分中学校建設業者の森本建設・その他の業者と女性二人を伴い九州に ○ ゴルフ旅行に出かけ「職員の倫理規定」違反で処分を受けた職員のこと。 ●「予定価格につきましても、一定金額以上の大規模工事につきましては、最低制限 価格を決めますから、それらを(予定価格と最低制限価格を)知りうるのは、先程 申し上げました三者以外にございません。」 (H23年3月議会、財政課長答弁) ※小笠原議員の質問は、谷村議員の「談合の確率が高い」という指摘に対する 反論を理事者にさせる為の質疑であったことは、小笠原議員が「新聞 報道・確率だけで談合と決めつけている」と質疑の中で谷村批判をした ことや、「おがさわら直治 議会報告」で「町の入札に職員が関与出来 -1- ないことが議会で明確にされる!」と、大きなタイトルをつけ、全町に 新聞折り込みがされたことからも十分、推測できます。 因みに、質問も答弁も読み上げることがほとんどで、答弁が詳細に及んでい たことなどから、「事前の打ち合わせ」があったことを伺わせました。 ただ、この詳細な答弁が、逆に「三役の誰かが外部に情報を漏らしたこと を「推認」させる「証言」となりました。 2,疑惑を生んだ「追分中学校本体工事」の「落札の実態」 (1)入札金額の順位 JV・会社名 入札金額 ①川田・納口 JV 3億8千万円 ②国策・矢部 JV 3億6千500万円 ③丸彦・渡辺・宮下JV 3億6千250万円 ④岩倉・上田 JV 3億5千900万円 ⑤盛興・長野 JV 3億4千400万円 ⑥森本・八木 JV 3億3千450万円 3億5千119万3千867円 ⑦菱中・サン技健JV 3億3千400万円 ⑧藤建設工業(株) 3億2千980万円 ⑨岩田・地崎建設(株) 3億2千400万円 落札 最低制限価格(税込み) 失格 失格 失格 失格・・・最低制限価格は、落札の下限に当たり、この金額 より低い入札金額での入札は無効となる。 なお、安平町の場合、公表資料では、入札金額には、消費税は 含めずに記入されているが、(これは正常な書き方)他方、最 低制限価格には消費税を含めて記載されている為、直接比較し にくい。従って、自治体によっては、両方、消費税を入れずに 揃えてある自治体もある。比較判断する場合は、入札価格にも あえて消費税を入れて比較するとわかりやすい。 因みに、「森本・八木JV」の場合は、入札金額に消費税を含めると、 3億5千122万5千円となり、最低制限価格との差は、わずかに 31,133円オーバーとなり見事にギリギリ、クリアーしている。 最初から知っていたかのようです。 -2- (2)新聞社に「落札する」と通報されたJVの 入札金額の順位は6位 。 森本・八木JV(9社中の6位)が落札すること を、 なぜ、「外部」に、入札前に、知っている人が、いたのか? ①北海道新聞・・・「北海道新聞社に寄せられた談合情報通りに業者が構成す る共同企業体が落札した。」と記した上で議会議決の内容 を報じた。(H22・12・22) しかし、そのJVの「入札金額の順位」は、9社中、6位なのです。 それなのに、なぜ、9社中、6位の森本・八木JVが落札することを 知っていたのか。 9社中、「6位」の落札を知るための条件 ①予定価格を知っている必要がある。 ②最低制限価格を知る必要がある。 ③業者間で相談する必要がある。 ④相談の結果を知っている。 ※ なぜ、新聞社に、いわゆる「たれ込み」が生まれたのか? この理由について、町長は次のような「リアルな発言」をしています。 (業者間の談合の存在を認めた町長発言!) 「先程、超能力者か関係者だという話もありましたけれど、関係者の方と いうのは、やはり外された方だとかですね、そういうのがたくさん、外 されたというか、入るつもりが入れなかったとか、そういう方からの情 報というものですね。これは推測ですけれども」 (平成22年10月議会) ※ 上記の町長発言は、「安平橋の入札」に関して、追分中学校建設と同じよう に北海道新聞社に事前に落札情報があり、それが問題になったときの瀧町長 の答弁です。 この時の町長答弁は、「三役を含めた役場内から業者に情報が漏れているこ とを前提」になっています。なぜなら、情報は役場内にしかないのですから。 「外された方」とか「入るつもりが入れなかった」とは、「自分の所に落札 が廻るはずだったが、そうならなかった業者」の「恨み」を動機として見て いるからです。(なおその業者名が、「うわさ」として一部流れています。) 自分が町長をしているこの安平町での進行中の入札が、業者間の談合の中で -3- 行われていることを、当然の事のように、人ごとのように語っている事に 強い違和感を感じます。 業者が「談合」出来るということは、3役を含む役場内から、単数、複数の 業者に「予定価格」「最低制限価格」等が漏洩しているということです。 先の町長発言は、それを前提としているかのようです。 3,「新聞社からの談合情報」に対する役場の「調査と報告 」 追分中学校本体工事では、一切していない。 安平橋の時とは、大違いだ! 北海道新聞社からの「談合情報」に対しては、「追分中学校の本体工事が初めて ではありません。安平橋の工事の入札の際にも、事前に北海道新聞社に「談合情 報」が入りました。安平橋の場合、役場は、一応、調査をしその報告を議会で行 っておりますが、追分中学校本体工事の場合は、その報告を全くしていません。 そればかりか、入札方法の違いを理由に「談合は存在しない」という立場の説明 をし、新聞社からの「通報」を無視する態度を取りました。 (1)安平橋の場合の「調査」と「報告」とは・・・・。 ①10月8日・・・・通報者から北海道新聞社に「談合情報」が入る。 ② 同日 ・・・・・北海道新聞社から役場に「談合情報」が入る。 ③ 同日 ・・・・・談合情報調査委員会を設置 ④10月14日・・・事情聴取(8企業体・16社の代表者又は代理人) 同日 ・・・誓約書の提出 ⑤10月24日・・・役場に直接、FAXで「談合情報」が寄せられる。 ⑥10月25日・・・入札執行 ⑦ (改札前に、積算内訳書の確認○ 注) 同日 ・・・・・役場に直接、FAXで「談合情報」が寄せられる。 【以上、町長の行政報告より】 ⑧10月26日・・・「情報通りのJV落札」と新聞報道。 注 「積算内訳書に書かれている工事価格と ○ 入札金額の一致の確認の為と思われる。 「調査委員会を設置」し「調査」を行う要件。 談合情報に対しては、①工事名と②業者名が一致している場合は、 「調査委員会を設置」し「調査」を行う。 (財政課長答弁 平成22年10月議会) -4- (2)追分中学校本体工事の場合、「調査」も「報告」もやっていない。 10月段階で、すでに、追分中学校の「談合情報」が入っていた。 「工事名」も、「業者名」も役場には伝えられていた。 にもかかわらず、「調査の報告」は、一切なされていない。 「調査委員会」は設置されず、「調査」がされていない! ! ●「追分中学校校舎建築工事」の「請負契約の締結」が議案となったのは、 平成22年の12月議会でした。 この時の町長の「行政報告」では、追分中学校の本体工事と機械設備工事、 電気設備工事についての「請負契約」を提案していますが、「談合情報」に 関しての「調査」報告が全くなされておりません。 ●談合の情報提供に関する発言 ①谷村議員 「10月の臨時議会の折に、安平橋と同様に追分中学校(の)談合情 報が入っていると申し上げました。(固有名詞については)、議会 終了後、幅田副町長と財政課長に業者名を告げています。」 「事前に(私以外からも)役場の方から談合情報が入っていたと思 います。」 ②財政課長 「まあ、新聞、報道機関を通じて、私どもにも入っておりました情報 ですけれども、経常のこの名称ではなく、代表者の方の会社名と言 うことでございます。」 ③谷村議員 「私が言ったのは(私の与えた情報は)、間違いないかどうか」 ④財政課長「間違いはございません。」 とんでもない言い逃れ!! 10月議会では、「調査委員会」を立ち上げる要件として ①工事名と②業者名が一致している場合を上げていました。 しかし、この度、「調査委員会」を立ち上げなかった理由を特に述 べてはいないが、 「経常のこの名称ではなく、代表者の方の会社名」 だったとの答弁を見ると、いかにも、言い逃れしているようにも見 えます。しかし、JV名「森本・八木JV」でなく「森本組」と「八 -5- 木建設」の「落札」情報が提供されたら、正確な情報ではないと決 めつけて、一瞥(べつ)もしないなどは、無責任です。 これを「不確かな情報」と判断したのは、「談合情報」を最初から 排除しようというものに他なりません。 しかも、契約相手の代表者名は、JVの代表者名も会社代表者名も 全く同じなのですから。それを調査しないのは、おかしいのです。 ●「談合防止を図っている」とする根拠 ①「(追分中学校の校舎については)、一般競争入札と言うことで、 業者をこちらから指名しているということではありませんので、 それで談合防止を図っているということでございます。 (財政課長) たまたま質問した谷村議員以外の別な議員を軽く見て答弁したのかも知 りませんが、こんな「間抜けな答弁」はありません。一般競争入札をし たら、談合が起こりえないなどとは、課長自身、全く思っていないはず です。 予定価格・最低制限価格を知っている人がいる限り、「談合の可 能性」は消えません。誰かが外部に漏らし、時には、その引き替えに、 金品に及び収賄になることもあります。一般競争入札だから「談合防止」 を図ったことにはなりません。多くの事例があります。 (これも、予定価格を教えるヒントの一つ。) 財政課長は、小笠原議員との問答の中で、予定価格は、当日決めるとし て、その決め方について「それは設計金額を基に取引の実例価格だとか、 需要の状況、履行の難易度、それに、契約数量の多寡、履行期間の長短 などを考慮して決定する」と条文の一部を述べて、あたかも、予定価格 と設計金額とは別なような答弁をしていますが、実際は、追分中学校の 場合も、安平橋の場合も、両者は全く同じ金額だったのです。従って、 設計金額がわかれば、予定価格がわかるようになっていたのです。設計 金額は、担当課で計算するはずです。 関係者に「予定価格」を教える手だては、いろいろあると言うことです。 4,問題は、役場が、なぜ、「森本・八木JV」の談合疑惑を、 最初から、調査しなかったのか!ということが重大です。 森本組が、町長の縁戚にあるから、職員が「遠慮」したのか。 それとも、町長からの特別の指示があったのか。 「調査をして、議会に報告しなかった」事実は、様々な憶測を呼ぶ重大な「疑惑問 題」となっているのです。 -6-
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