シリーズ難病② 応援!自立生活

2月8日O.:.
シリーズ難病②
スタジオ出演
応援!自立生活
大橋 グレース(おおはし) ・・・自立生活センタースタッフ (多発性硬化症ほか)
小林 貴代(こばやし・きよ)
・・・ 作業療法士
ナレーション
神戸 浩(かんべ・ひろし) ・・・俳優
はるな愛:ハーイ、バリアフリーバラエティ「バリバラ R」の時間です。パーソナリティのはるな愛です。
よろしくピース!
「バリバラ R」は E テレで放送している障害者情報バラエティ「バリバラ」のラジオバージョンです。
シリーズ「難病」
、2 回目の今日はですね、
「応援!自立生活」と題しましてお届けします。
先週に引き続き、大橋グレースちゃんにスタジオに来てもらっています。よろしくお願いします。
グレース:よろしくお願いします。
はるな愛:グレースちゃんの難病についてもう一度教えてもらっていいですか。
グレース:はい。私は多発性硬化症と重症筋無力症とシェーグレン症候群っていう 3 つの難病を持ってます。
はるな愛:なんかちょっと…シェーグレンっていうのも私も聞いたことないような難病ですよね。
グレースちゃんは大阪市内で自立生活しているよね。
グレース:はい。栃木から大阪に引っ越してきて一人暮らしを始めて丸 4 年。
はるな愛:4 年! グレースちゃん呼吸器とかつけたりしてるけども、そういう医療的なケアを受けながら一人
暮らしするのってなかなか大変なこともあるんじゃない?
グレース:個人的に大変かって言われたら、あんまり大変感はないんですけども、でも、会う医者会う医者、
「それはちょっと無謀だよ」とか。
「ちゃんとコネクション持たないと」とか「実家で親と暮らした
方がいいんじゃない」とか。こう、医療関係者に基本的に「難しい」って言われることが多いですね。
はるな愛:そうなんだ。医療関係者の方も難しいんじゃないかっていうのを、でも、一人暮らししてるんだもん
ね、今。
グレース:そうですね。
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はるな愛:今日は、難病の人が自立生活していくにはどうしていったらいいのか考えていきたいと思います。
まずはグレースちゃんの一人暮らしがどんなふうに支えられているのか、録音をお聞き下さい。
録音① 多くの人に支えられている、グレースの一人暮らし
ナレ)大阪市内のマンションで4年前から一人暮らしをしているグレース。
朝の歯磨きを始め、日常生活全般にわたって24時間、介助を受けている。
(ヘルパーがグレースの顔を拭く)
胸から下が動かないため、家にいる時の定位置は、このベッド。ここからヘルパーに指示を出している。
(ヘルパーが髪を結ぶ)
夜には、床ずれを防ぐため体の位置の調整が必要。手がかかる作業は、ヘルパーが2人がかりで介助する。
グレースの一人暮らしは、15人のヘルパーがローテーションを組んで支えているのだ。
現在、行政がグレースに認めているヘルパーの利用時間数は、月734時間。当初は、半分以下の300
時間しか認められていなかったが、何度も行政と交渉を重ね、ようやく現在の時間数を許可してもらった
のだ。
この日は、グレースの家にヘルパーが集まって研修会。発作が起き、呼吸が止まってしまった場合の応急
処置を学習する。
(ヘルパー同士で練習)
看護師:「けんこう骨の指の入るところをぐーっとおしてあげて、肩をあげるだけで胸が広がります。
」
講師は、グレースの訪問看護師。緊急時にすぐ駆けつけてくれる頼もしい存在だ。
このほか、グレースの自立生活を支えるために病気の状態を見守る主治医やリハビリを行う理学療法士、
呼吸器や車いすの技術者まで、様々な専門性を持つ人たちが連携しているのだ。
こうした強力なサポートを受けながら、グレースは、自立生活センターのスタッフとして働いている。
(パソコンに向かうグレース)
主な仕事は、学校や福祉施設などでの講演活動。
グレース:
「私たちが主体となって生活しています。それを私たちは自立生活って呼ぶんですけど・・・」
難病であっても、病院ではなく地域で自分らしく生活することができる。グレースは、自分をモデル
ケースとして、伝えている。
はるな愛:すごい。お仕事もいろいろしてる中で、おうちで、一歩おうちに入るとベッドが居場所で、そこには
もういろんなチーム一丸となっているようなヘルパーさんとかいろんな方が関わっているんですね。
グレース:そうですね。今はすごいいろんな人が、本当に沢山の人が関わるようになったんですけども。
はるな愛:どうやってできたの?こういうチームのような皆が関わるのは・・
グレース:そうですね。一人暮らししようとした時に、最初は不動産屋さんのあれを見てどこらへんだったら
住めるかなって考えてたんですけど・・
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はるな愛:賃貸?
グレース:はい。でも「ヘルパーどうしよう?」とか、いろんなことを考えてよくわからない、ということにな
って、自立生活センター、大阪市内にある自立生活センターを紹介していただいて、そちらに行って
そこから一緒に、一人暮らしをどうしていくかっていうのを考えてやっていったっていう感じです。
はるな愛:自立生活センターって具体的にどういうことを応援してくれるの?
グレース:自立生活センターではヘルパーの派遣だったり、そのほかに不動産屋さんを自分で探すのが難しいと
きには一緒について行ってくれたり、区役所にヘルパーの支給の時間数を相談しに行ったりとか、
そのほかにどういうサービスがあるのかを一緒に見ながら考えていったりとかをしましたね。
はるな愛:なるほど。じゃあほんとに自立して一人暮らしを始める障害持った人たちの最初の段階を全部説明し
てもらえるんだ。
グレース:そうですね。どういう順番にどういう風にっていうのをその人に合わせて・・私だったら私に合わせ
て紹介してくれて一緒にやっていったって形ですね。
はるな愛:まあそれで実際に一人暮らし始めて・・・難病じゃないですか。それで困ってること、困りごとって
あります?
グレース:そうですね、それまでは財産管理って言ったら変な話ですけど、お金の管理っていうのをそれまでは
障害者になってからあんまりしたことがなかったっていうのがあって。
はるな愛:それまでは両親、ご両親がしてたんですか。
グレース:そうですね、親と一緒に住んでたんで。そのほかに、難病ならではなんですけど、私の場合、免疫力
が低いので、来るヘルパーさんがマスクをして消毒して全身スプレーして、手を洗って、手を洗う紙
も一回一回使い捨てみたいな状態なんですよ。それを全部合計すると 2 万から3万円くらいかかるっ
ているところが悩みというか。
はるな愛:消毒代とかマスク代とかで 2 万から 3 万っていうのは・・月に?
グレース:そうですね。月2-3万円かかるっていうのと、体温調節うまくできなかったり、医療機器がいっぱ
いあるので電気代ですよね。電気代が普通の人よりちょっと高かったり。そういうところが実際暮ら
してみたら意外とお金がかかるんだなっていうことに気づかされましたね。
はるな愛:なるほど。他にはなんかあります?
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グレース:他には、今こうやって元気に話してるのですごい話せる人、夜も元気な人って思われがちなんですけ
ども、夕方になるとだんだん体力が落ちてきたり、夕方じゃなくてもスイッチがオフになっちゃった
りすることがあって、そうすると「どうしたん?」みたいな・・すごい怠けてるみたいな感じになっ
たりとか、なんかよく理解されにくいというのが悩みですね。
はるな愛:実際にどんな状態になるのかっていうのを、そのときの様子を取材していますので、録音をお聞き下
さい。
録音② 意思を伝えられないもどかしさ
ナレ) 夜9時前。グレースは、夜になると筋力が落ちて、声が出なくなってしまう。
ヘルパー:
「もうちょい左」
喋れないため、ヘルパーとは、 音声装置付きの文字盤を使い、コミュニケーションを取っている。
でも、その後、更に筋力が低下すると・・・
(パタン)
(座った姿勢から体が傾く)
体を支えられず、倒れてしまった。この状態になると、ヘルパーは、グレースの顔の微妙な動きで
意思を確認していく。
(体の位置を調整するヘルパー)
ヘルパー:
「いけた?いけたって。
」
ヘルパー:
「頭とか考え方的には、意識がもうろうとしていない限りクリアで、だからうちらに、下手くそ!
とか、何言ってるんだ、とかも思ってるだろうし。
」
(グレースのまぶたがピクリと動く)
ナレ) しかし、ヘルパーとの意思疎通がいつもうまくいくとは限らない。
ヘルパー:
「もうちょっと、マナちゃんの方に寄せますか?違う。どうですか?いけそうですか?
違う。
」
(眼が左右に動く)
ヘルパー:
「もうちょっと詰める?」
「詰める。
」
ヘルパーは、グレースの眼の動きを見て、イエスかノーかを確認していくんだけど…。
(まぶたをあけて眼の動きを確かめる)
ヘルパー:
「もういけそうですか?ちがう? 体勢?クッション?」
グレースが何をしてほしいのか、ヘルパーには、なかなか分からない。
・・・と、その時!
(ピコンピコン)
ヘルパー:
「あ!泣いちゃった!」
グレースの目に涙!伝わらないストレスで、泣いちゃったみたい。
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はるな愛:ちょっと私といつも会ってるグレースちゃんと違う姿だったので、びっくりしました。大変だね。
夜になって、からだが動かなくなったら意思の疎通が難しそうですけどね。
最後グレースちゃん、ちょっと泣いていましたけど、伝えたいことあって伝わらなくて泣いてたと
思うんだけど、どういうことが伝えたかったの?
グレース:
「まぶたをこれ以上開けないでくれ」ってことを伝えたかったんですよね。
はるな愛:まぶたを、これ以上開けないでくれ?
グレース:流れ的に実は、これでいいですかって質問があったときに、私はイエスの目の動きをちょっとしたん
ですよ。でも目の動きがうまくコントロールできなくて介助者がうまく受け取られなかったんですよ。
はるな愛:イエスをね。
グレース:まだ何かあるんかな、と思って、延々とまぶたをあけて「あれですか」
「これですか」って聞き続け
られてたんで、私としてはこれでばっちりで眠れる状態だったんですけど、
「ノー」がなかなか
(伝わらない)。
「タオルですか?」
「タオルじゃない。」
「枕ですか?」「枕じゃない」・・って開け続
けられるんで、
「そっとそのままにして寝かして下さい」みたいな、そんな感じだったんです。
はるな愛:そこで自分の意思は完結してるのに、そのことが伝わらずに永遠にこう、ずっとこうまぶたあけて
質問されるっていうのがつらかったんだ?
グレース:つらかったです。
はるな愛:なるほどね。ということでグレースちゃんの自立生活を支える方にもスタジオに来てもらっています。
作業療法士の小林貴代さんです、よろしくお願いします。
小林
:よろしくお願いします。
はるな愛:小林さんは作業療法士さんですけども、実際にどんなお仕事をされてるんですか?
小林
:作業療法士っていうのはリハビリの一つの職種です。体の機能の回復を司るのはもちろんなんですけ
ど、特に日常生活の環境をよく整えていったりとかします。たとえばベッドの位置、ベッドをどの方
向に置けば起き上がりやすいとか、車いすをどう置けば移りやすいとか、どんな車いすを選ぶとか、
どんなベッドを選ぶとか。で、あとコミュニケーション、連絡動作をするときも、どういうふうな…
器具とかスイッチを使って、使いやすいものを使えるようにするかとか。
はるな愛:グレースちゃんの場合はどうですか?
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小林:グレースさんの場合は朝から夕方までの元気なときの支援と、夕方から夜にかけて手が動かなくなる、し
ゃべれなくなるっていう、いろんな症状が出てくるので、そういうときに具体的にヘルパーさんにいろん
な要望を伝えるのにどうしたらいいのかとか。あとそれもちょっと難しくなってきたときには、特殊な道
具とかスイッチを使ってイエス・ノーだけでも相手に伝えるとか、そういうのをいろいろ試行錯誤してい
ます。
小林:特にグレースさんの場合は、右手のほうが少し動きがあったりすると、右手の動きを弱い力でも感知する
ようなスイッチを作っていろんなことにトライしています。
はるな愛:今日ちょっとね、お持ちいただいたんですけども、これは実際に使ってるものですかね。これは何で
すか?
小林:これは空気圧とひずみを利用してちょっとした力、弱い力でも反応するようなものでスイッチが入るって
いうようなセンサーです。
はるな愛:なんかちょっと食パンの大きいやつみたいな大きさのやつが空気が入って膨らんでるんですよ、袋状
のもので。タオルが巻いてあるんですけど、タオルの上からちょっと私、触ってみてもいいんですかね。
小林:どうぞ
はるな愛:触ってみますね。(ピー)ちょっと待って、空気の入った袋を触ってるんですけども、ちょっと触っ
ただけでも・・・聞こえますか?すごいピーピーいう。これが合図ってこと?
小林:そうです。これは感度調整ができて、弱い力でも、ある程度グッと入れる力でもどちらでもいけます。
はるな愛:どういうことをこれで会話するっていうかコミュニケーションとるんですか?
小林:この先にグレースさんが動かす携帯用の会話を補助してくれる機械があるんですね。それにつなぐとオー
トスキャンっていって画面がずーっと動いてくれてそこのところの文字をグレースさんが一つずつ選ん
でいく、その文字をつなぐと単語ができて、単語をつなぐと文章ができる。それを読み上げてくれるとい
うものに使います。
はるな愛:結構時間かかるんですね。じゃあここでピッてなるのを触ってから言葉にするまでもね。
小林:そうなんです。ひと文字選ぶのに2つ3つの動作がいるので、たくさん選ぼうとするといくつもの動作が
いります。
はるな愛:グレースちゃんどう?実際にこれ使ってみて。
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グレース:そうですね。あの、軽い力で押して1文字1文字選んでいけるこのスイッチが導入されたことは、
私にとって生活が大きく変わりましたね。たとえ一文字ずつであったとしても、まだ自分の意思を伝
えられるっていうのはけっこう大きいことなんですよ。
はるな愛:でも小林さん、録音にもあったようにね、手を動かすのも難しいような時にこのスイッチ、もう使え
ないじゃないですか。そんな時に意思を伝える方法って何かあるんですか?
小林:グレースさんの場合は実際に最終、夜の8時以降ぐらいですね、もう寝る準備に入った段階で、彼女が動
かせるのは、本当に眼の玉を左右に動かすくらいしかできなくなってまぶたの開け閉めもかなりしんどく
なってくるんですね。その時に、右から左へ眼球を動かすことでスイッチが入るっていう眼電センサーを
この前、試しました。
はるな愛:なんかこの写真にもありますけども、目と目の間に、おでこのところに、丸いセンサーを付けて・・
おでこに貼り付けて。
小林:そうですね。まぶたを閉じてても、眼球が動くと反応がとれるので、開けなくていいんです。このセンサ
ーは。
はるな愛:なるほどね。いやぁ、いろいろ道具があるんだなって今日初めて見ましたけどね。どうですか?グレ
ースちゃん。
グレース:あの、やっぱ作業療法士の小林さんが入ってこなければわからなかった情報が沢山あって、この眼電
センサーって呼ばれるものも、初めて使った時に、今までだったらまぶた閉じてて全然伝わらなかっ
たことが、ピッて音が鳴った瞬間「ああ、伝わった!」ってなって。その時に、こういうものがある
んだったら、これからも自立生活あきらめずにまだまだやっていけそうだなって思って。すごい希望
が持てた瞬間でしたね。
♪
インターミッション
♪
はるな愛:はるな愛の「バリバラ R」、今日は難病がある人たちの自立生活についてグレースちゃんと、グレー
スちゃんを支える作業療法士の小林貴代さんとともにおとどけしています。
ここまでグレースちゃんがどんなふうに日常を送っているのか聞いていただいたんですけども、
これからのことで一番気になってることってどんなことなんですか?グレースちゃん。
グレース:そうですね。今も呼吸が弱くなってきているので、呼吸器を使いながらラジオをさせていただいてい
るんですけども。これからもっと呼吸状態が悪くなっていったら、進行していったら、この喉に穴を
あけて直接呼吸器をここにつける気管切開って手術を受けないといけない可能性が高くなってきて、
それが今ちょっと不安ですね。
はるな愛:気管切開したらこれまでの生活も変わるってこと?
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グレース:してみないとわからない部分は多いんですけども、声を失う可能性がすごく高いっていう風に言われ
ていて。自分にしたら受け入れがたいことで、まあいろいろ悩んだり不安になったりしてますね。
はるな愛:声を失うってことはまたコミュニケーションとりづらくなりますよね、これね。
グレース:そうですね。そういうこともあって、実は去年の6月から小林さんにコミュニケーション…何か自分
の声を残して自分の声を使ったコミュニケーション方法はないかっていうことで、小林さんに相談を
して、一緒にあるプロジェクトを始めたんですよね。
はるな愛:実は去年の11月に放送されたグレースちゃんのドキュメンタリー番組でその様子をご紹介してるん
ですよね。ここでちょっとその一部をお聞きいただきましょう。語りは篠原ともえさんです。
録音③声が出せなくなっても、自分の声で会話できる!
(
「ドラマチック関西『グレースの幸せ難病日記』」2014 年 11 月放送 より」
ナレ) この日、気管切開をした難病患者の支援をしている、作業療法士がやってきました。
小林貴代さんです。気管切開しても、自分の声で会話できる方法があるというのです。
文章を入力すると、録音した人の声で読み上げてくれるプログラム「マイボイス」です。
(マイボイスの読み上げ)
「こんにちは。小林キヨ、です」
グレース:
「ちゃんときれいな。パソコンの音じゃないですね。」
小林:
「これ私の声なんです。
『こんにちは』も単語で入れたんです。『小林貴代』も…」
グレース:
「笑い声とか入れられますか?」
小林:
「いいんですいいんです。そういうのがいいんです。」
グレース:
「問題はそれを削除できるかですよね、後で。
」
小林:「それはできますよ。はっはっは。(笑)ちょっとごめん、思い当たるから…(笑)元彼とかになった
時にな。消したい過去は、過去ごと消せます。過去ごと消しましょ(笑)
」
グレース:
「アメリカ」
「スイッチ」
ナレ)私が、日常よく使う言葉を録音していきます。どんな風に録れているんでしょうか?確認します。
(マイボイスの読み上げ)
「アメリカ(マイボイスの読み上げ)」
グレース:
「あ、いいじゃないですか」
マイボイスの最大の特徴は、自分の声で登録した単語を、組み合わせて文章にできることです。
(マイボイスの読み上げ)
「チョコ、ベッド下げて、ありがとう(マイボイスの読み上げ)
」
グレース:
「いい感じ-!」
ナレ)これなら、たとえ声を失っても、自分の声で会話ができます。
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マイボイス3日目。主に彼氏向けのことばを録音します。うまく気持ちを込められるかな?
グレース:
「マジで?」
「大好きやで」「こっち来てよ」
小林:
「
「こっち来てよ」はね、もっと甘えた雰囲気で言わなあかんと思う。
「こっち来てよ」って言い方がさ、
いや、そんなんじゃ行かへんわって思ったの。(笑)」
グレース:
「こっち来てよ~」
一同
:
(笑)
小林:
「それでええ、それでええ。OK、OK。」
グレース:
「こーこ」
「そっち行ったら悲しいやん」
「タケヒロは?」「アキも愛してるよ」
「…はい。頑張った、今回。喜怒哀楽が一番こめられてるかもしれない。
」
小林:
「だから彼氏バージョンはええんよ。だからアキちゃんらしいのが一番録れてええんよ。別れないよう
に頑張っていただいて。
(笑)」
はるな愛:うーんすごい!いいですね、これね。グレースちゃん真っ赤になってる、顔(笑)
。どうですか?
ここにちょっとノートを、いろんな言葉を入れたノートを持ってきてもらってるんですけど、
いっぱいあるね。何かあの・・・
「知らんがな」とかもある、彼氏用のとこに。
グレース:
「知らんがな」
・・・よく言うんですよ。
(笑)
はるな愛:
「にゃに」っていうの?
グレース:
「にゃに」って。
はるな愛「にゃに」
、書いてある。「がんばってねーん」って言う?
グレース:
「がんばってねーん」って。いろいろ暴露されてる(笑)
。
はるな愛:えーでもすごい。これは本当グレースちゃんが言ってたように、パソコンの声と違うって。やっぱり
本人の声というのは大きいものですか?
グレース:そうですね。やっぱりマイボイスですごい私がこだわっていたことは、結構いっぱいとったんですけ
ど、自分らしい、一番しっくりくる、これが私の声だみたいなのを残していきましたね。
はるな愛:小林さん、このシステムってなかなか画期的ですよね。
小林:そうですね。このマイボイスはフリーソフトで障害をお持ちの当事者の方が開発されたソフトってい
うとこで、いろいろアップグレード、皆さんの声に対応して作ってくださってるものなんです。
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はるな愛:フリーソフトってことは無料ですよね。
小林:そうなんです。
はるな愛:じゃあこれは誰でも作れるってことですか?
小林:はい。声を録音する時間とかそれを編集する時間とかちょっと時間がかかりますけど。とくにグレース
さんの場合なんかは、関西弁バージョンとか彼氏バージョンとか今はやりの「ダメよ~ダメダメ」も
入れましたし。やっぱり若い子だからこそノリで、みたいな単語とかも入れましたね。
はるな愛:作ってるときも楽しそうでしたもんね。みんなで笑いながらね。
グレース:そうなんですよ。
はるな愛:でもこれで、もし切開したらこの声で「バリバラ」とかでも発言していったり MC していったりね。
グレース:そうですね、究極はそれをやりたいんですけど…、そしたら世界で初めてになれるとおもうんですけ
ど、それを NHK さんがさせてくれるかどうか(笑)
。
はるな愛:いややりましょうよ。ぜひ!みんなにつっ込まれながら(笑)
。
今日はグレースちゃんのおいろんな面病で自立生活するってどういう感じなのか見てきましたけ
ど、「これから自立生活したい、したいけどまだ踏み出せない」と思ってる人に最後にメッセージを
もらえますか?グレースちゃん、何か言葉をかけて下さい。
グレース:私の体験のことなんですけど、私の場合はコミュニケーションにすごい不安があったり「これからや
ってけるんだろうか」ってすごい不安があって、何度も「自立生活ってもう難しいんじゃないかなと
かな」とか自分自身で思って投げだそうと思ったこともあったんですけど、人と人がつながっていけ
ば何とかやっていけるってことを体験していったっていうところで、踏み出せなくても、まずはつな
がっていくっていう。たとえば応援してくれる自立生活センターだったり、あの、難病だったら難病
支援センターとか、とにかく人とつながっていったら何とか前に進み出ていけるっていう。
自分一人で何とかしようとしたら怖いかも知れないけども、誰かと一緒にだったら…何らかの方法で
つながっていく、っていうのをまずは最初にやっていって、そこから自立生活は絶対できると私は思
っているので。そこからつながって自立生活、一人暮らし、つながっていってほしいなって思います。
はるな愛:はい。支援者の立場から小林さんも一言お願いします。
小林:私もグレースさんと一緒で、人と人とのつながりが人を支えるんだなっていうのを本当、学ばせていた
だいていて。出会いの数だけ笑顔が増えますし、その笑顔が重なっていくと幸せになっていくんだな
っていうのが…グレースさんの「幸せです」っていう一言が生きがいにつながっていきますんで。
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みなさん、みんなとつながりましょう!
はるな愛:うーんありがとうございました。なんかあったかい言葉。グレースちゃん、小林さん、どうもありが
とうございました。
グレース・小林:ありがとうございました。
はるな愛: さて、はるな愛の「バリバラR」
、いかがでしたか?感想やメッセージをお待ちしています。
宛先は郵便番号540-8501。NHK大阪放送局、
「バリバラの係」です。
メールは、番組ホームページから送って頂けます。
ホームページのアドレスは、
nhk.jp/baribara。
来週の「バリバラR」も、どうぞお楽しみに。はるな愛でした。バイバイ!
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