Page 1 1 関西労健 VOL87 初 め て の 母 乳 育 児 に と ま ど っ て い る

今は逆に飽 食のため分 泌 過 多になるせい
の出が悪いという人がほとんどであったが、
だ、当 時は食べるものが少ないために母 乳
ようにするにはどうすればよいのか、
と。た
きな動 機となっていた。誰でも 母 乳が出る
方 法は、旧 満 州からの引 き 揚 げ 体 験が大
女の考案した『 手技 』と呼ばれるマッサージ
産 師の乳 房マッサージに飛びついたのだ。彼
たため、
かねてより 情 報を得ていた桶 谷 助
してまもなく、
おっぱいトラブルに見舞われ
たのは三十年以上も前のことだ。妻は出産
せがまれて、
桶谷そとみ助産師の下を訪ね
初めての母 乳 育 児にとまどっている妻に
イプだったようで、母 乳 育 児 を 遂 行 するに
『 乳 管 』は詰 ま りやすいタ
とにかく 妻の
んたがやるしかない」と。
んでのことであ り 、
「こうなったら先 生 、あ
家族で渡米することになっていた事情を汲
のに。その特 別 という 意 味は、数カ月 後に
のだ。弟 子でもなければ、専 門 医でもない
て、極々基 本 的な手 技 を 私はその時 習った
おられた。実は、「先生は特別や」と言われ
たちのために朝から晩まで精力的に動いて
多 くのお弟 子さんや赤ちゃんを抱 えたママ
してもよい年 齢であったにもかかわらず 、
私 た ちが 訪 れた 時 、彼 女はすでに引 退
ないようだった。
言うまでもないことだ。
工乳 、も らい乳 )も また命 綱であることは
ので、その点、誤 解なきように。代 用 乳( 人
育児でなくてはダメだ、
ということではない
ただし、絶対にコレがいいとか、完 全 母乳
育児をしていってもらいたいと思う。
も 選 択 肢の一つと捉 え 、無 理のないように
で、
こういう ものを 自 分なりに活 用 するの
ちゃんた ち も 色々なタイプがお られる 中
継 承しておられるようだが、
ママたち も 赤
日 本 全 国でお弟 子さんたちがこの手 技 を
実 践 することができた。どうやら現 在 も、
の誕 生日を迎 えるまで何とか母 乳 育 児を
サラサラの食事を心掛けて、子どもが一歳
がそれを 励 行し、妻 もできるだけおっぱい
白い血液
か、乳 腺 炎やしこりなどの様々な症 状で授
は定期的な搾乳手技が必要だったのだ。結
技 術 を 用いてそれを 大 量 生 産 している施
『 質の良い僅かな 量の母 乳 を 元に、何かの
ントは 地 球の将 来の姿 だったのか も し れ
ホ
こう してみると、彼 らの体 験 映 像は、
しゅぎ
おけたに
乳に支 障 を きたすという 現 象に様 変わり
局、
滞米中、
我流も加わった手技ではあった
さくにゅう
している。しかし、基 本 的な手 技は変わら
ところで先日、男 性の中には母 乳を飲ん
ない。
もと
でみたいとひそかに思っている人が結構いる
設 を 見た 』という 話が載っていた。そして、
わず
らしいという 話 題 を 目にした 。確かに、赤
思いついたきっかけは以下のことだ。今か
というアイデアを空想してみたい。
ことができるようになるかもしれない! 』
価の高い母乳を、
自動販売機で手に入れる
では、老 若 男 女 誰でも 手 軽に、良 質で栄 養
ではない。そこで唐 突ではあるが、『 近 未 来
や、
あるいはアレコレ思う人がいても不思議
しているのを見てもったいないなと感じる人
る様 子を羨んだり、
ママたちが残 乳を搾 乳
ルで泳いでいる人 たち を 見 学 したが、その
他にこういう体験話もあった。プー
また、
母乳(人乳)を買えるぞ、
という話なのだ。
た。だから先 程の、
いずれは自 動 販 売 機で
現実化できるのでは? と思えるようになっ
通に溢れるようになった昨 今、
ひょっとして
時は流れ流れて、
万能細胞という言葉が普
ではなくて、技術の方が。しかし、
それから
ても 無 理だと思った。無 料で配るという 点
現していた)。これを読んだ時、地 球ではと
むということから、母 乳ではなく 人 乳と表
は、
大人にも通用する普遍的なものになり
「 力 説 してお られた 白い血 液 という 喩
てみたい。
行った 時 、桶 谷 助 産 師に是 非 と も 報 告 し
景 を 目にするようになったなら、あの世に
ない。も し、私 が 生 きている間にそんな 情
ことはない、ということになるのか も しれ
にも 精 神 的にも 安 定し、
こんなありがたい
享 受できるようになるなら、案 外、肉 体 的
この環 境の恩 恵 を 成 長 してから も ずっと
境は、誕 生 前 後の時 期なのだろう 。だから
お そ ら く 人 間にとっての最 高の生 存 環
誰でも 欲しい人に譲っている、
と
( 誰でも 飲
ら十年くらい前、ある惑星を訪問したとい
水 はなんと 羊 水 と同 じ 成 分のもので あっ
ました」と。
う 人 た ちの体 験 話 を 読んだことが ある。
た、
と。もちろん健康に良いからというのが
理事長 冨田照見
たとえ
もちろん意識レベルでの旅なので、
夢や幻と
理由だったようだ。
うらや
ちゃんがゴクゴクと美 味しそ うに飲んでい
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一笑に付してもよいのであるが、その中に、
関西労健 VOL87
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巻頭言
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