大阪湾内深日~洲本航路の復活のためのフィージビリティ・スタデイ

犠牲量モデルを用いた
深日〜洲本客船航路復活に向けての
フィージビリティスタディ
大阪府立大学 工学部 海洋システム工学科
池田研究室
佐々木弓恵, 井畑 里和
既存ルートと復活海上ルート
○ルートA
大阪府下⇒{電車}⇒大阪駅
⇒{高速バス}⇒洲本
○ルートB
大阪府下⇒{電車}⇒明石⇒{高速船}
⇒岩屋⇒{バス}⇒洲本
○ルートC
復活ルート
大阪府下⇒{電車}
⇒深日⇒{高速船}⇒洲本
岬町深日港
現在の需要
淡路島にある洲本市
観光客入込数 約196万人
How to go??
交通機関の内訳
JR,私鉄,バス利用者
貸切バス利用者
自家用車利用者
37.2万人
64.7万人
94.1万人
(H21年兵庫県観光客動態調査報告書より)
需要予測のターゲット
大阪府→洲本 推定14万人
(往復28万人)
復活ルートのシェア予測の方法~犠牲量モデル~
犠牲量モデルとは??
犠牲量=運賃+所要時間×時間価値
所要時間を費用化して
運賃と足し合わせた犠牲量が
もっとも小さい交通機関が選ばれる
交通機関選択モデル
時間価値が2500円以下⇒ルート1を選択
時間価値が2500円以上⇒ルート2を選択
復活ルートのシェア予測の方法~地域分割~
犠牲量=運賃+所要時間×時間価値
広い地域に人口が分布している大阪府では
地域ごとに洲本までの運賃と所要時間が異なる
大
阪
府
大阪府を9分割して地域ごとの需要を算出
シェア計算結果の例
運賃1000円,往復7便
運賃1500円,往復7便
獲得シェア
1~100%未満
獲得シェア
0%
獲得シェア
100%
運賃と時間 により
シェア獲得領域 が
変わる
採算計算
船員費
保険料(船+客)
資産税
メンテナンス費
事務費
燃料費
500万円×3人
300万円
30万円
300万円
5000万円
180(L/往復)
×90(円/L)×往復
港湾費
減価償却費
100(円/回)×入港回数
船価×100%/9年
明石~岩屋間6.2kmを13分で結ぶ淡路ジェノバラインの19総トン型高速船「ジェノバ
Ⅰ」をモデル船とし,深日~洲本24km,24knot,船価は2億円とした
損益分岐運賃の算出手順
STEP1 投入船舶の
STEP5 需要予測
大きさ・便数・速さ等仮定
STEP2
年間コストの算出
No
STEP6 必要需要=予測需要
Yes
STEP3 運賃の初期値の仮定
STEP7
損益分岐運賃が決定
STEP4 採算計算による
年間必要需要の算出
計算結果① 損益分岐運賃
利 利
益 益
15 0
% %
計算結果
利益15%を確保した上で
595円~660円の運賃で
採算がとれる
便数増に従い、運賃増
燃料費
燃料費向上の為
の影響
ただし、
利便性は向上
計算結果② 運賃と需要の関係
運賃が低すぎると
利益が減少
⇒コスト回収ができない
運賃が高すぎると
競争力が低下
⇒需要が得られない
運賃が需要と利益率に
大きく影響する
適切な運賃設定が重要
廃航路当時
運賃1980円
計算結果③ 船の設定と損益計算
設定とコスト
19総トン型24ノット高速船(旅客定員63名,船価2億円、7往復/日)
⇒年間運航コスト 1.3億円(ジェノバラインヒアリング調査より推定)
⇒運賃 1000円の時 損益分岐点での必要乗船客数 約13万人
可能性大
可能性大
運賃 500円
シェア 89%
予想需要 25万人
赤字
1000円
68%
19万人
黒字(利益率43%)
1300円
45%
13万人
黒字(利益率23%)
2300円
0%
0人
赤字
ご清聴ありがとうございました