国際シンポジウム 韓国・ドイツ・日本における日本研究の諸断面 日独共同による日本研究 -ふたつのプロジェクトを通じて- 2014年6月26日 東京大学大学院情報学環・学際情報学府 教授 馬場 章 The University of Tokyo 3・11東日本大震災(2011年) ドイツ、韓国両国からのご支援に感謝します Vielen Dank, 감사합니다 ボン大学日本韓国学専攻の皆さんの祈念植樹 babalab The University of Tokyo 日本における日本研究 • 近年、日本において「日本研究」「日本学」がさかんになってきた • 政治、経済、歴史・社会・文化の分野を問わず • 3・11東日本大震災/福島原発事故の影響 • • • • • • • 震災と事故により日本は確実に変化、復旧が進まない日本 Japan as No.1の時代が終焉 国際的リーダーシップを取れない日本 低落化する日本経済 多様化する世論 「保守化」する青年層 経済回復のために「保守化」を強める日本政治 • 新たな日本像、日本人像の追求 → 「日本研究」「日本学」 babalab The University of Tokyo 日本研究の教育研究組織 • 「日本学」に「国際」の文字を冠する 例)法政大学、明治大学 • 「国際日本学」→さらに「総合」の文字を冠する • 「国際」「総合」の意味は曖昧 • 「国際総合日本学ネットワーク」東京大学 2014年3月成立 • 学内の日本の政治・経済・歴史・社会・文化の研究者のネットワークとして成 立、今後、研究・教育活動を行う • 今後、海外の大学との連携を強化する • さらに、ネットワークから教育研究組織へ発展させる babalab The University of Tokyo トラウツ・プロジェクト ボン大学 トラウツ・アーカイブ • フリードリヒ・トラウツ (Friedrich Trautz、1877~1592) • 軍人を経て研究の道へ進み、 日本学博士第一号 • ベルリン日本研究所長、京都日独研究所長 • 遺品がドイツ国内に分散、学術研究資料の 大部分はボン大学へ寄贈(購入?) • 2012年6月 ボン大学にてトラウツ・アーカイブ設置 babalab The University of Tokyo トラウツ・アーカイブの特徴 • シーボルト研究関連資料 • アイゼンデッヒャー資料 トラウツ旧宅 • 博愛記念碑80周年記念資料 (Karsluhe) • 写真、ガラス乾板、絵葉書、8ミリフィルムなどの画像資料を多く含む babalab The University of Tokyo 富士山1 babalab The University of Tokyo 富士山2 babalab The University of Tokyo 絵葉書コレクション ドイツ皇帝博愛記念碑80周年記念行事 市販の絵葉書 (1936年沖縄/宮古島) 200通以上 babalab The University of Tokyo ドイツ国内の報道 • 日本国内でも写真が週刊誌に 紹介される。 babalab The University of Tokyo ボン大学・東京大学共同研究 • 2010年10月~12月 馬場がボン大学に滞在(Japan Foundation) • 滞在中にトラウツ・コレクションの調査を開始 • 2011年12月 トラウツ・コレクションのワークショップ • さらにグラウ・プロジェクトに発展 babalab The University of Tokyo グラウ・プロジェクト • レープレヒト・グラウ(Lebrecht Grau、 1906~1992) • 民間企業の社員として日本赴任 • 1928年 渡日 • 1957年・62年・68年 渡日、韓国も 旅行する ⇒2014年 日本で写真集の出版を 目指す(日独両国語) babalab The University of Tokyo グラウ・コレクションの特徴 • 写真とスライド(被写体は人物と風景) • 説明付き(被写体、撮影年月日・場所) babalab The University of Tokyo グラウ・コレクションの報道 • レープレヒト・グラウ氏 の写真が日本でも注目 • 『読売新聞』(国内版・ 国際版)で報道 babalab The University of Tokyo 韓国のスライド1(1957年) babalab The University of Tokyo 韓国のスライド2(1957年) babalab The University of Tokyo 韓国のスライド3(1957年) babalab The University of Tokyo 東京大学の大学院教育で活用(2014年6月) ■デジタルアーカイブの現在(担当 馬場) • • • • • 第1回 第2回 第3回 第4回 第5回 トラウツ・アーカイブについて グラウ・コレクションについて メタデータの設計と資料保存 デジタル化の方法と活用 まとめ babalab The University of Tokyo デジタルアーカイブのロードマップ 制 作 Production 調 査 Research デジタルアーカイブ 保 活 用 Utilization 存 Preservation 資料基盤 技術基盤 社会基盤 Material Basis Technological Basis Social Basis babalab The University of Tokyo ふたつのプロジェクトを通して • • • • ドイツ人から見た日本のイメージを明らかにする 日独両国間の民間交流/文化交流を明らかにする 近年の日独交流史(政治史)研究に対するアンチテーゼ 画像資料(写真・スライド・動画)を主たる対象として取り上げ、歴史資料と しての方法論を確立する • デジタルアーカイブの構築 • 調査方法/整理方法/デジタル化の方法/資料保存方法/利活用の方法 • 画像資料は歴史のイメージを豊かにするが、画像資料だけでは歴史を記 述することが困難 ⇒ 画像資料の解析・分析・解釈 • 将来的には学生間交流も進めたい(国費留学生制度の活用) • 韓国側研究者の参加も期待したい babalab The University of Tokyo ご清聴ありがとうございました Vielen Dank 감사합니다 ※本報告で紹介したプロジェクトは、科学研究費補助金「歴史写真に基づく1870~1830年代の日 独関係の再構築」に基づくプロジェクトの一部です。 [email protected] http://chi.iii.u-Tokyo.ac.jp babalab
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