2014年8月度 2014年8月度 商業動向報告書 1.経済動向指標 【国内景気指標】 全体概況 出典:内閣府「月例経済報告」(2014年8月) 景気は、緩やかな回復基調が続いており、消費税率引上げに伴う駆け込み需要の反動も和らぎつつある。先行きについて は、当面、消費税率引上げに伴う駆け込み需要の反動により一部に弱さが残るものの、次第にその影響が薄れ、各種政策 の効果が発現するなかで、緩やかに回復していくことが期待される。ただし、駆け込み需要の反動の長期化や海外景気の 下振れなど、我が国の景気を下押しするリスクに留意する必要がある。 7月小売販売額 出典:経済産業省「商業販売統計」(7月) 平成26年7月の商業販売額は39兆350億円、前年同月比0.1%の増加となった。これを卸売業、小売業別にみると、卸売業 は7兆2230億円、同-0.2%の減少となった。小売業は11兆8120億円、同0.5%の増加となった。なお、商業販売額の季節調整 済前月比は、1.0%の増加となった。卸売業は同1.0%の増加、小売業は同-0.5%の減少となった。 7月専門量販店販売額 出典:経済産業省「専門量販店販売統計調査」(7月) 平成26年7月の専門量販店販売は、家電大型専門店が3945億円、ドラッグストアが4162億円、ホームセンターが2777億円と なった。 7月全国消費者物価指数 出典:総務省「消費者物価指数」(7月) 総務省が発表した7月の全国消費者物価指数(CPI、2010年=100)は、総合指数が前年同月比3.4%上昇の103.4ポイントと 14ヶ月連続のプラス、前月比は同水準となった。生鮮食品を除く総合が103.5ポイントとなり、前月比0.1ポイントのプラス、前 年同月比は3.3%の上昇。食料及びエネルギーを除く総合では前年同月比2.3%上昇の100.6ポイントとなり、前月比では同 水準であった。 【商業関連指数】 7月SC売上高/4ヶ月連続前年を下回る 出典:日本SC協会「SC販売統計調査報告」7月 2014年7月の既存SC売上高は前年同月比-2.1%で、前月(-3.1%)より1.0ポイント改善したものの、4ヵ月連続で前年を下回っ た。今月は、月前半の台風による天候不順や、消費税増税の影響も残り、衣料品を中心に低調な結果となった。また、セー ルの長期化やテナント独自のプレセール実施などにより、消費者のセールへの期待感が薄れたことも、売上の伸び悩みに つながった。テナントは-1.8%、キーテナントは-2.9%であった。地域別でみると、北海道が-0.3%で、天候が安定しリニューア ル効果もあり他地域に比べてマイナス幅が小さかった。一方、中部は-4.4%で、マイナス要因としては、天候不順などがあげ られる。 7月百貨店売上高/減少幅改善で回復傾向続く 出典:日本百貨店協会「全国百貨店売上高概況」7月 天候不順の影響などから4ヶ月連続のマイナスとなったが、減少幅は前月から2.1ポイント改善しており、消費税率引上げに よる駆け込み需要反動の影響は、月を追う毎に和らいできている。また、前回引上げがあった’97年7月との比較で1.0ポイン ト上回っていることもあり、基調としては回復傾向が続いている。7月は夏のクリアランスをはじめ各種販促施策を積極展開 したものの、前年に比べ梅雨明けが遅れたことや月初の台風上陸など不安定な天候により、入店客数に影響を受けたこと で、中旬までは主力の夏物衣料を中心に低調な業績推移であった。下旬からは気温上昇で盛夏商材が活発に動いたほ か、賞与増額による客単価の上昇もあって増勢を強めたが、前半の不振を取り戻すまでには至らなかった。 チェーンストア売上高/6月度 出典:日本チェーンストア協会「チェーンストア販売統計」7月 平成26年7月度は、食料品では、相場の影響もあり畜産品は好調だったが農産品は不調に終わった。衣料品、住関品は、 梅雨明けの遅れや天候不順の影響を受けて夏物商品の動きが鈍かったことから、総販売額の前年同月比(店舗調整後) は、4カ月連続のマイナスとなった。 7月外食産業売上高/悪天候の影響、売上は2カ月連続前年割れ 出典:日本フードサービス協会「外食産業概況」7月 7月は、台風第8号の上陸や梅雨前線の停滞などにより、全国のあちこちで大雨の被害が大きく、外食の客数は96.1%に減 少した。客単価は101.4%と前年を上回ったものの、全体の売り上げを押し上げるには至らず、売上高は97.5%と2カ月連続 して前年を下回った。 7月コンビニ売上高/既存店売上高ほぼ前年並まで回復 出典:日本フランチャイズチェーン協会「コンビニ統計月報」7月 今月は、西日本を除き平均気温は高かったが、台風8号による局地的な大雨や梅雨明けの遅れがあり、客数に影響を及ぼ した。一方、既存店客単価については、コーヒー等カウンター商材の好調による買い上げ点数増加も影響し、前年を上回っ た。なお、既存店売上高は前年を下回っているものの、たばこの売上高減少分を勘案すると前年よりプラスとなる。既存店 ベースでは、来店客数13億158万人(前年同月比-1.4%)が5ヶ月連続のマイナス、平均客単価617円(前年同月比0. 7%)が4ヶ月ぶりのプラスになり、売上高8,030億円(前年同月比-0.7%)は4ヶ月連続のマイナスとなった。 1 2014年8月度 商業動向報告書 2.マーケティング情報 【経済・消費・市場動向】 10月1日から免税制度改、好機に 出典:繊研プラス(8月1日) 10月1日から、外国人旅行者向け消費税免税制度の改正が施行される。従来の家電製品やファッションだけでなく、これま で対象外だった食品や飲料、薬品、化粧品などの消耗品を含む全ての品目が免税対象になる。利便性の観点から免税手 続きも簡素化され、百貨店やショッピングセンターにとっては、インバウンドの受け入れ体制を強化する絶好の機会だ。都心 百貨店で訪日観光客の免税売り上げが急増している。新宿や銀座をはじめ、免税売り上げが13年度に2倍となった店舗が 少なくなかったが、14年度も勢いが続く。インバウンドは百貨店にとって新たな成長事業となった。免税売り上げの伸びで群 を抜くのが新宿と銀座だ。伊勢丹新宿本店は13年度の免税売り上げが約80億円で、14年4~7月は前年同期比50%増え た。高島屋新宿店や小田急百貨店新宿店は14年3~6月の免税額が2ケタ増となった。 交通系電子マネー/1か月の利用件数、1億1000万件突破 出典:流通ニュース(8月5日) Suica、PASMOなど交通系電子マネーを発行する鉄道会社、交通局、協議会の合計10社は8月5日、交通系電子マネーの1 か月あたりの交通系電子マネーの利用件数が7月に1億1000万件を初めて突破したと発表した。交通系ICカードKitaca(発 行・JR北海道)、PASMO(パスモ)、Suica(JR東日本)、manaca(名古屋交通開発機構・エムアイシー)、TOICA(JR東海)、 ICOCA(JR西日本)、はやかけん(福岡市交通局)、nimoca(ニモカ)、SUGOCA(JR九州旅客鉄道)。 東京の商業施設市場/賃料が前年比3.7%上昇 出典:流通ニュース(8月15日) 総合不動産サービス大手のJLLは8月13日、東京の商業施設市場における市況、需給や空室状況、賃料・価格動向、12か 月予測をまとめた調査レポート「ジャパン プロパティ ダイジェスト(JPPD)2014年第2四半期」を発表した。賃料は、月額坪当 たり68,336円(共益費込)で、前期比2.4%、前年比3.7%と上昇。旺盛な需要を反映して、7四半期連続の上昇としている。価 格も前期比5.3%、前年比9.1%上昇し、3四半期連続で上昇。賃料上昇や投資利回りの低下等を反映して上昇率が加速した としている。12か月見通しでは、消費税増税の影響が軽減するにしたがい、タイトな労働市場と賃金の上昇等に支えられ て、個人消費は堅調に推移。訪日外客数は、ビザ緩和や円安等を背景に引き続き堅調に増加する見通し。堅調なファンダメ ンタルズを背景に出店需要は引き続き旺盛となり、賃料の緩やかな上昇を下支え、投資市場では、賃料上昇と投資利回り の低下から、価格は引き続き上昇するもの予測している。 REITの物件取得4割減 1~7月、不動産活況で割高感 出典:日本経済新聞(9月1日) 投資家から小口の資金を集め、オフィスビルや商業施設などで運用する不動産投資信託(REIT)による物件取得にブレー キがかかっている。今年1~7月は前年同期比で4割減った。不動産市況自体は活況だが、REITは採算悪化につながる割 高な物件購入を手控えているためだ。SMBC日興証券によると1~7月のREITの物件取得額は約8400億円だった。REITは 昨年1年間の取得額が2兆円超と、有力な買い手だった。みずほ信託銀行系の都市未来総合研究所によれば、1~7月のR EITの不動産取得額のシェアは前年同期の48%から29%に低下した。REITの動きが鈍ったのは、主に東京都心部での不 動産の値上がりが原因だ。REITが分配する利益の源泉はテナントからの家賃収入のため、保有物件の増加は利益成長に 欠かせないが、高値での取得は運用の利回りの低下につながる。 3.商業施設関連情報 【開発関連】 渋谷再開発の概要公開。クリエーティブ・IT産業と共に緑あふれる高感度な街へ 出典:FASHION HEADLINE(8月2日) 東京急行電鉄と東急不動産は7月31日、渋谷駅街区東棟と渋谷駅周辺再開発全体の概要を発表した。2020年に完成する 渋谷駅街区東棟は地上46階、高さ約230メートル、延床面積17万4,000平方メートル。渋谷の新しいランドマークらしく、渋谷 ヒカリエより約50メートル高く、六本木ヒルズとほぼ同じ高さ。完成時には都内で最も高い駅ビルとなる。2018年に完成する 渋谷駅南街区は地上34階、高さ約180メートル、床面積11万3400平方メートル。渋谷ヒカリエとほぼ同じスケールになる。オ フィス、商業施設のほか、約200室のホテルが入る予定。また、ビルの開発にあわせて渋谷川の再生と広場の整備も行わ れ、約600メートルの緑の遊歩道も整備する。東急プラザの建て替えを中心にした道玄坂1丁目駅前地区は地上17階、地下 5階、高さ約120メートル、延床面積5万9000平方メートル。完成は2018年を予定している。渋谷の新しい玄関口として1階の 一部に空港リムジンバスの発着場を含むバスターミナルを導入する。渋谷駅桜丘口地区は延床面積24万1,400平方メート ル。A、B、Cの3エリアから構成され、オフィス、店舗の他住宅や生活支援施設などが入る。開業は2020年頃となる予定。渋 谷駅周辺に不足している住宅を整備することが特徴。外国人向けの医療施設や子育て支援施設なども整備することで国際 化にも対応する。 パルコ/名古屋ゼロゲート、10月10日開業 出典:流通ニュース(8月21日) パルコは10月10日、名古屋市・栄エリアに「名古屋ゼロゲート」を開業する。3階建て、延床面積7500㎡の商業施設で、名古 屋パルコなど、多くの大型商業施設や路面店舗が立ち並ぶ大津通に位置する。投資額は16億円。1・2階は高透過ガラス カーテンウォールを用いて透明感を演出、3階は 交差点へ張り出した光のフレームにより浮遊感を生み出し、3つのガラス ボックスを積み上げた透明感あるファサードが特徴。テナントは5店舗で、フォーエバー21、ストラディバリウス、アメリカン イーグル アウトフィッターズ、センスオブプレイス バイ アーバンリサーチ、スーパースポーツゼビオ。 2 2014年8月度 商業動向報告書 3.商業施設関連情報 【開発関連】 イオンモール岡山、西日本最大級 出典:繊研プラス(8月25日) イオンは、西日本最大級の旗艦店と位置づけるイオンモール岡山を12月5日に開業する。岡山の玄関口となるJR岡山駅前 の大型商業施設として、岡山県全域の約192万人、約80万世帯を対象商圏とし、「若い人からオフィスワーカーやGG(グラン ドジェネレーション)層」(岡崎双一イオンモール社長)までの幅広い世代を対象顧客とするフルターゲット型の施設となる。専 門店総数は356店で、うち岡山県初出店が全テナントの7割弱の238店を占める。岡崎社長は「岡山県民、市民が自慢できる 施設にしたい」と語った。売上高目標は未公表だが、来館者数は2000万人を見込む。地下2階・地上8階の建物のうち、商業 ゾーンは地下2階の一部店舗と1~7階で、総賃貸面積は約9万2000平方㍍。イオン岡山店(仮称)を核店舗に、サブ核店舗 としてタカシマヤフードメゾン(賃貸面積約1900平方㍍)、東急ハンズ(約2200平方㍍)、イオンシネマが入る。 三井不動産/日本橋本町二丁目の再開発計画を発表 出典:流通ニュース(8月26日) 三井不動産、武田薬品不動産、武田薬品工業は8月26日、三社が共同で東京都中央区日本橋本町二丁目、室町二丁目に おいて推進する「(仮称)日本橋本町二丁目特定街区開発計画」の概要を発表した。三井不動産が中心となって推進中の 「日本橋再生計画」の一部で、日本橋本町から日本橋室町にかけての敷地面積約3,975㎡が対象。計画地には、地上24階・ 地下4階の高層オフィスビル(高さ約125m)を建設し、2017年度(予定)の竣工後は、武田薬品がオフィスビルとして使用す る。敷地内には本町・室町地区の憩い・賑わいを呼び込むオープンスペースの整備も計画している。三井不動産などが再開 発を推し進め、伝統と革新が融合する街並みが注目を集めている「日本橋室町東地区」に隣接しており、店舗などについて の詳細は今後、発表するという。 東急不動産/大阪の日本生命球場跡地に商業施設、来春オープン 出典:流通ニュース(8月28日) 東急不動産は8月28日、日本生命球場跡地に商業施設「もりのみやキューズモールBASE(ベース)」を2015年春開業すると 発表した。3階建て、延床面積2.5万㎡の規模で、約50店舗が出店する。同社が展開するモール型ショッピングセンター 「キューズモール」の4番目の施設。隣接地に、ライフコーポレーションがスーパーマーケットを設ける予定。 【運営関連】 首都圏初の空港型免税店、三越銀座に2015年秋オープン 出典:FASHION HEADLINE(7月31日) 三越伊勢丹ホールディングス、日本空港ビルデング、成田国際空港及びNAAリテイリングは、観光立国推進の一環として国 内初となる首都圏での空港型免税店を展開する新合弁会社を共同出資で設立する。免税事業のノウハウと各経営資源を 結集し、訪日外国人の利便性向上と出国する国内外の旅行者の新たな消費需要を喚起することが目的。首都圏初となる空 港型免税店は、三越銀座店8階1フロア(約3,300平方米)を占め、2015年秋のオープンを予定。売り場にはラグジュアリーブ ランドの衣料品、宝飾時計、化粧品などを展開し、初年度100億円、次年度以降130億円の売上を目指すという。 三井不動産/4~6月の商業施設売上は404億円 出典:流通ニュース(8月6日) 三井不動産が8月6日に発表した2015年3月期第1四半期決算によると、商業施設売上高は404億円となり、前年同期よりも 26億6600万円増加した。商業施設の新規・通期稼働により増収となった。今期は、ららテラス武蔵小杉、御徒町吉池本店ビ ルを新規稼働した。通期稼働物件では、新潟のラブラ2のほか、COREDO室町2、COREDO室町3、池袋グローブがあった。 東北のスーパー4社/経営統合、売上規模768億円、66店舗 出典:流通ニュース(8月11日) 東北の食品スーパー4社(おーばんHD、キクチ、マイヤ、マエダ)は8月1日、経営統合すると発表した。7月31日に、共同仕入 れ会社マークスを株式交換完全親会社とし、おーばんHD、キクチ、マイヤ、マエダを株式交換完全子会社とする株式交換に より経営統合を行う株式交換契約を締結した。経営統合により、傘下企業の売上高規模は786億円、店舗数は66店舗とな る。地方の食品スーパーマーケットは、少子高齢化等により消費マーケットが縮小していく中、お客の取り込みのための業 種、業態を超えた企業間競争が、今後も激化していくものと考えられる。おーばんHD(傘下におーばん、うめや)、キクチ、マ イヤ、マエダの4社は、2010年に共同仕入れ会社マークスを設立し、自助努力と相互扶助の精神に基づく強固なパートナー シップを構築していた。4社がさらに経営基盤を強化し、企業としての成長を図っていくことが必要であるとの認識で統合に踏 み切った。株式交換は10月4日。 京都の商業施設を取得しリニューアル、住友商事 出典:日経不動産マーケット情報(8月18日) 住友商事は8月4日、京都市伏見区にある商業施設、MOMO(近鉄百貨店桃山店)の取得を発表した。10月に引渡をうけた 後、営業を継続しながら段階的にリニューアルを実施。2015年初夏にMOMOテラスとして全面開業する予定だ。売り主は東 急不動産キャピタル・マネジメントの特別目的会社(SPC)とみられる。JR奈良線・地下鉄六地蔵駅から徒歩8分、京都市南 端部に位置するMOMOは地上4階建てと地上3階建ての2棟から成っており、延べ床面積9万6100m2、店舗面積3万m2の規 模。施設を運営する近鉄百貨店直営の食料品売り場と、ユニクロ、ヤマダ電機、無印良品など約140の専門店で構成されて いる。3km商圏は約18万人。駅前にイトーヨーカドー、イズミヤといった大型商業施設が立つほかは主に住宅地が広がって いる。京都新聞の報道では1996年の開業以来、赤字経営が続いていたという。20億円を投資するリニューアル工事では設 備や動線を刷新。また、大型スーパー、家電専門店などを誘致する方針だ。運営は住友商事グループの住商アーバン開発 が受託する。 3 2014年8月度 商業動向報告書 3.商業施設関連情報 【開発関連】 イオン、商業施設に保育所 46都道府県で子育て支援 出典:日本経済新聞(8月21日) イオンは運営する全国の大型商業施設に保育所を設ける。2015年春までに首都圏の1カ所で開き、18年春をめどに46都道 府県でそれぞれ1カ所以上の商業施設に民間の認可保育所を導入する。自社の従業員の仕事と子育ての両立を支援する とともに地域の待機児童解消にもつなげる。買い物の場である商業施設の役割を消費者の生活を支えるインフラに高める。 入所を希望しても保育所に入れない待機児童は13年4月時点で全国で約2万2700人いる。減少傾向にあるものの、17年度 に待機児童ゼロという政府の目標の達成へのハードルは高い。保育所整備の担い手として、消費者の囲い込みなど本業と の相乗効果が見込める民間企業の保育参入は加速している。東日本旅客鉄道(JR東日本)は駅ビルや駅近くの土地を活 用し、沿線への保育所の誘致を積極化。少子化への危機感が強まっている保険業界では第一生命保険が16年ごろまでに 全国で約30カ所の保育所を開く計画だ。 御殿場アウトレット/訪日個人旅行者対象にレンタカープラン 出典:流通ニュース(8月28日) 御殿場プレミアム・アウトレットとトヨタレンタリース静岡は9月1日~2015年4月30日、訪日個人旅行者を対象にレンタカープ ランを提供する。訪日個人旅行者の増加を背景に多様化する移動ニーズに対応するため、従来の公共交通機関に加え、よ り自由度の高いレンタカーをお得に利用できる。トヨタレンタリース静岡御殿場駅前店、三島新幹線口店、裾野駅前店、富士 新幹線口店が対象店舗。プレミアム・アウトレット公式ウェブサイトの割引チラシを印刷、または、スマートフォンサイトの画面 を店頭で提示すると、利用料が、基本料金から10%引きとなる。 東急リバブル、商業施設を再生 魅力高め投資促す 出典:日本経済新聞(8月30日) 東急リバブルは商業施設の再生事業を9月から始める。業態転換やテナントの入れ替えなど施設の魅力を高めて投資家に 紹介する。地方を中心に集客力が低下している商業施設は多く、再生の枠組みを提示することで投資家の需要が増えると 判断した。初年度に取扱高で1000億円程度を目指す。ショッピングセンターや駅ビルなどの商業施設を対象とする。コンサ ル会社のビーエーシー・アーバンプロジェクト(東京・渋谷)と共同で事業を進める。リバブルが候補となる物件の情報を集め る。ビーエーシーが周辺人口や立地条件、競合状況や賃料の水準を調査して集客力を高めるために必要なテナントなど、 再生戦略を立案する。リバブルは物件の適法性の確認や価格を査定する。収益力が高まると判断した物件を国内外の不動 産投資家や企業に紹介する。仲介する物件の規模は1件当たり20億円程度を想定している。売却が決まった後にテナントの 入れ替えや改装をする。 4.東京建物グループトピックス 東京建物、高齢者向け住宅11棟に 出典:日本経済新聞(8月12日) 東京建物 2016年めどに首都圏で運営するサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)を現在の3棟から11棟に増やす。高齢 者の居住スペースで介護サービスを求める需要が高まっていることに対応する。サ高住1棟につき50~150戸を備える。東 京都や神奈川県、埼玉県で開設する。自社建設が中心だが一部のサ高住については運営を受託する。15年4月に神奈川 県藤沢市(167戸)、同11月には横浜市(74戸)の計2棟を新築する計画だ。同社が最初に手掛けたサ高住は09年完成の「グ レイプス浅草」(東京・台東、98戸)。同社は介護事業者のやさしい手(東京・目黒)やツクイなどと提携している。介護が必要 な入居者には有料の介護サービスを提供する。 目黒駅前の大型再開発が始動 マンションやオフィス建設 出典:日本経済新聞(8月25日) 東京建物などはJR目黒駅前の大型再開発に着手した。品川区上大崎の都バス営業所跡地、約2万3000平方メートルに超 高層マンション2棟とオフィス棟1棟を建設する。低層部には商業スペースを設ける。敷地内には約5300平方メートルにおよ ぶ緑化空間も整備する。2017年11月に完成する。東京建物や第一生命保険などでつくる市街地再開発組合が事業を進め る。目黒駅にはJR山手線のほか、東京メトロ南北線、都営三田線、東急目黒線の計4線が乗り入れており、再開発用地は 駅から徒歩1分の場所にある。計画では、敷地の北寄りに地上40階建て、528戸のマンションと27階建てのオフィス棟のツイ ンタワーを建設する。低層部には商業スペースや認可保育所が入る。南寄りには地上38階建て、417戸のマンションを建て る。マンション2棟のうち権利者分を除いた661戸の分譲を15年春から始める。総事業費は約800億円。 4
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