就業規則の重要性について

ひめぎん情報 ■ 2015.新春
就業規則の重要性について
愛媛銀行 金融コンサルティング部
社会保険労務士・一級FP技能士
神野 哲夫
1.就業規則の記載内容
③ 職業訓練等に関する事項
就業規則とは、賃金規程、育児休業規程、
慶弔見舞金規程、旅費規程等も含め、事業主
⑶ 任意的記載事項
が定める職場規律や労働条件に関する規則類
(記載するか否かが自由な事項)
のことです。つまり、就業規則は、労働契約
上記以外
のもとになる最も重要な規則であり、
「職場の
ルールブック」とか「職場の憲法」と言われ
2.就業規則の周知
ています。
就業規則を作成し、労働基準監督署に届け
就業規則の内容は、
「労働条件に関する部
出た後は、労働者全員に周知する必要があり
分」と「職務規律に関する部分」に分けられ
ます。説明会等を開催し「労働者がいつでも
ます。その目的は、職場で働く「労働者の労
見れる状態にしておくこと」が必要です。ま
働条件を明確にすること」と、労働者が遵守
た、変更、修正した場合も同様の手続きを行
しなければならない「職場の服務規律を定め
い、労働者へ周知しなければなりません。
ること」です。また、就業規則に記載すべき
事項は次のとおりです。
3.
「常に機能する就業規則」に
⑴ 絶対的記載事項
就業規則は、労働基準法、労働安全衛生法、
(必ず記載しなければならない事項)
男女雇用機会均等法、パートタイム労働法等
① 始業及び終業の時刻
の労働関連の法令や民法を根拠にして作成し
② 休憩時間
ますが、法令以外にも、職場の慣習や伝統、
③ 休日、休暇
社風、経営方針や経営者の考え方、労働組合
④ 賃金
や従業員の要望等様々な要素や要因をもとに
⑤ 退職に関する事項
して作成する必要があります。
関係する法令の改正も頻繁に行われますか
⑵ 相対的記載事項(定めをする場合に記
載しなければならない事項)
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ら、これに合わせて、就業規則の見直しをし
たり、新たな規定を追加するなどのメンテナ
① 退職手当
ンスを行い、
「常に機能する就業規則」にし
② 安全衛生
ておく必要があります。