KURENAI : Kyoto University Research Information Repository Title Author(s) Citation Issue Date URL A WW domain-containing Yes-associated protein(YAP) is a novel transcriptional co-activator.( Abstract_要旨 ) Yagi, Ryohei Kyoto University (京都大学) 1999-05-24 http://hdl.handle.net/2433/181228 Right Type Textversion Thesis or Dissertation none Kyoto University 名 八 束 一 点 一 E .r 判 氏 学位( 専攻分野) 博 士 ( 医 学 位 記 番 号 医 博 学位授与の 日付 1年 5 月 2 4日 平 成 1 学位授与の要件 学 位 規 則 第 4 条 第 1項 該 当 研 究 科 ・専 攻 医 学 研 究 科 分 子 医 学 系 専 攻 学位論文題 目 A WW domai n-cont ai ni ngYes -as s oci at edpr ot ei n( YAP)i sanovelt r ans ・ 1 4 5号 第 2 cr i pt i onalco-act i vat or . ( WW ドメイ ンを もつ Yes -as s oci at edpr ot ei n( YAP)の転 写 活 性 化 機 構 に関 す る研究) ( 主 査) 論文調査委員 教 授 西 川 伸 一 論 教 授 内 山 文 内 容 の 卓 要 教 授 伊 藤義 明 旨 急性骨髄性 白血病 ・鎖骨頭蓋骨形成不全症等の疾患に関係 し, 二次造血 ・骨形成等の細胞分化 に必須の転写因子, PEBP 2/CBFファミリーの aサブユニ ッ トにおいては,脊椎動物以上で PYモチー フ ( PPxY)と呼ばれる配列が完全に保存 され c Jun,Af L2,Egr -1,Egr -2,NFE2等)の, しか も転写活性 ているO申請者 はこの PY モチーフが多 くの転写因子 ( 化領域内に存在することに気付 き,その転写活性化 における役割 に興味を持 った。PY モチーフは WWドメイ ンと呼ばれ る 蛋白質モジュールにより特異的に認識 されることが知 られているo 申請者 は PEBP2の転写活性化における PY モチ-フの 役割について研究を行 ったO まず,PY モチ-フを含む PEBP2aBl/ AMLlの転写活性化領域を GAL4の DNA結合 ドメイ ンと融合 させた もの ( S- PY)を晴乳類細胞内で発現 して調べたところ,この融合蛋白質 は転写活性化能 を持っ ことが判明 した.またこの活性化 ( 以 WWドメイ ンと結合で きない PYモチーフ変異体では完全に阻害 されたことか ら,PY 下,PYモチーフ活性 と称す る)紘, モチーフその ものが転写活性化 ドメイ ンとして機能 していることが分か った。次 にこの PY モチ-フに結合する因子を PY モチーフ活性のある細胞か らスク リーニ ングしたところ, WWドメイ ンを持っ既知の蛋 白質である Yes-associated pro- t e i n( YAP)を得た。この蛋白質 は癌遺伝子産物 C -Ye sの SH3ドメイ ンと結合す る蛋白質 として同定 されていた。YAPは 他の癌遺伝子産物 C -Sr c ,Cr kと i nv i t 7 1 0で結合す ることも知 られているが, この蛋 白質がどの様 な機能を担 っているのか 不明であった。申請者 は YAPの機能解析を行い,以下 に示す結果により,YAPが PEBP2の PY モチーフ活性を担 う転写 の コアクチベーターであることを証明 した。 1)内在性の YAPの発現 と PY モチーフ活性 には相関があった。 2)YAPは 核 と細胞質 の両方 に存在 した。 3)YAPは晒乳類の全ての PEBP2αサブユニ ッ トと WWドメイ ンーPYモチーフを介 して 結合 した。 4)YAPには強い転写活性化 ドメイ ンが存在 した。 5)細胞内に導入 して発現 させた YAPは,GPYおよび全 ての嘱乳類 PEBP2αサブユニ ットによる転写を WWドメイ ンーPYモチーフ間の結合を介 して活性化 した。 6) 転写活性 化領域を除いた ドミナ ントネガティブ YAPは,PEBP2αA に依存 したオステオカル シンプロモーターの活性 を阻害 した。 すなわち,内在性の YAPが PEBP2αA による転写活性化の少な くとも一部を担 っていることが明 らか となったo YAPは 夕-ゲ ッ トとな る転写因子 を蛋 白質 モ ジュールである W Wドメイ ンによ り認識す る新 しい タイプの コアクチ ベーターであ り,PY モチーフを有す る複数の転写因子 に働 きかけていることが予想 される。 WWドメイ ンや PYモチーフ が種々のサイ トカイ ン受容体,転写因子,細胞周期制御因子,蛋白質分解 に関与す る因子等 に広 く存在す ることは, これ ら の分子間を連結する細胞内 シグナル伝達系の存在を示唆 し今後詳細 に解析 され るべ きものと思われる。 -4 8 1- 論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨 プロ トがん遺伝子産物 C Ye sや C S r cに結合する YAP( Ye sa s s o c i a t e dp r o t e i n)は WWドメイ ンと呼ばれる ドメイン を持つが, これは P Yモチーフと呼ばれる配列を認識 してたんぱ く質の相互作用を媒介す る 転写因子 PEBP2の aサ ブユ 。 ニ ッ トの転写活性化 ドメイ ン内に P Yもチーフが存在す るが, 申請者等 は YAPが この PYモチーフを特異的に認識するこ とを見出 した。 YAPの転写制御 における役割 を検討するため YAPの C端側を酵母の転写因子 GAL4の DNA結合 ドメイ ンに融合させたところ GAL4の DNA結合部位依存性 に強い転写活性化能が観察 された。従 って YAPは転写因子の活性化 ドメイ ンに結合 し,強 い転写活性化能 を賦与す る転写の コ ・アクチベーターであることが明 らかにな った。C J u nや NFE a等 も P Yモチーフを持っので一群の転写因子が YAPを介 して転写を活性化す ること,及び YAPが c I Ye sや C 2,C/ EBP S r cに結合す ることか ら YAPが細胞表面か ら転写因子へ シグナルを伝達す る可能性が示唆 された。 以上の研究 は転写制御機構の一端を明 らかに し, シグナル伝達機構や発がん機構等の解明に寄与するところが多い. したが って,本論文 は博士 ( 医学)の学位論文 として価値あるものと認める。 なお,本学位授与申請者 は,平成 1 1年 4月 2 6日実施の論文内容 とそれに関連 した試問を受 け,合格 と認め られたもので ある。 -4 8 2-
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