申請書1 - 和歌山大学

申
請
調
書
【H26 年度教育改革推進事業経費・一般公募型】
(教務委員会記入)
整理番号
(プロジェクトメンバー)
代表者
A7
所
属
観光学部
教育学部
システム工学部
産学連携・研究支援センター
共同者
申請事業名
事業の概要
事業のキーワード
中期計画との関連性
必要性
氏
名
出
口
竜
也
此
原
杉
松
昌
祐
幹
彦
二
夫
山
OSMとローカルwikiを活用した地域資源の発掘と情
申請額
885千円
報発信によるリーダー育成事業
ネット上で自由に利用でき、編集機能のある世界地図をつくることを目的とした共同研究プロジェクト
の成果物であるオープンストリートマップ(以下OSM)と、地域情報版ウィキペディアであるローカル
wiki(以下LW)を複合的に活用した実践プログラムが東日本で広がりつつある。
本申請事業は、このプログラムを利用して、和歌山県内の地域資源の発掘と情報発信を実践する教養教
育プログラムのプロトタイプを全国に先駆けて開発・運用し、持続可能な社会を担うリーダー人材の育成
を行うことを主たる目的とするものである。
具体的にはマッピングパーティーと呼ばれるフィールドにおいて作業を実施する手法を利用する。この
手法は、GPSを持ちながら複数名で現地を歩き、意見交換しながら下地図を作成する際に、当該地域の
方に案内をいただきながら、地域資源のポイントごとに取材を進め、その後は室内に場所を移し、パソコ
ン等でOSMに収集した情報をプロットするとともに、発信する情報の内容を整理して、掲載できるもの
からホームページ等に公開していくことで、オープンソースの地図としてのOSM上にリンクしたLWを
構築していく手法である。
概要として以下の作業を実施する。
1) 公募で集めた学生を含めて学内で講師を招き、OSMやLWについて学習会を実施する。
2) 同じく、フィールド候補地である田辺市においてOSMやLWについての学習会を開催することで
マッピングパーティーの開催に協力してくれる地域住民の公募を行う。
3) フィールド候補地である田辺市へ出向き、マッピングパーティーを実施する。
本申請事業の大きな特徴として、対象地域の事情に詳しい住民の参加を募り、本学学生との協働を行う
ことによって、学生だけでは得られない地域資源の詳細な情報を獲得とはかるとともに、外部者の視点を
持つ本学学生による地域資源の評価を地域住民に提供することで地元の価値のとらえ直しを行う機会を
提供することにある。と同時に、地域住民にも新たな地域情報の発信手法であるOSM・LWの操作方法
を習得してもらうための機会を提供していくことにある。なお、本申請事業を実施する際のフィールドと
して予定されている田辺市およびその周辺は、これまで複数のテーマ別(グルメ、麺類、スイーツなど)
の紙媒体の地図を複数の団体が連携した上で作成した実績を持っており、そのデジタル化と内容面でのよ
り一層の充実が本申請事業によって実現することから、その後の県内各地でのマッピングパーティーの実
施を試みる際に効果的な見本例として提示することも期待できる。
位置情報、LW(ローカルwiki)、OSM(オープンストリートマップ)、マッピングパーティー、地域
資源の発掘(宝探し)、宝みがき、地域情報の発信、発信者の自覚、担い手育成、リーダー教育
本申請事業によって実施されるマッピングパーティーは、本学が中期計画で明記している「双方向の授
業内容の充実」に資するとともに、地域調査を通じた地域への興味がもたらす「学習への動機付け」や地
域調査にあたって課される事前学習を通じた「学習習慣の形成」が期待される。また、マッピングパーテ
ィーへの参加は「専攻する学問分野」を越えた知識の習得をもたらすだけでなく、「コミュニケーション
の能力」、「問題解決能力」、「情報リテラシー」の習得を推進するとともに、地域住民との共同により
「社会人としての基礎力」の育成にも寄与するものである。何よりも、マッピングパーティーへの参画は
「自主的・創造的活動」そのものであり、フィールドでの自主的・創造的な活動は「倫理観」、「自己管
理力」、「協調性」、「プロジェクトマネジメント力」の確実な涵養が期待できる。さらに、この仕組み
をコンソーシアム和歌山等の連携事業の枠組みに落とし込めば「大学間の協働による授業の提供をより充
実させる」ことも可能である。したがって、本申請事業の中期計画との関連性は非常に高いと言える。
人口減少、高齢化、地域経済力の低下が進行し、南海トラフ地震が近い将来において発生することが懸
念される和歌山県において、安全・安心に暮らしていくための経済、教育、医療、福祉、防災を提供する
ためには自主・自立による地域振興が不可欠である。本学においても、こうした地域振興に資する人材の
育成が求められており、本申請事業のプログラムは、こうした人材の育成を学生だけではなく、共同でマ
ッピングパーティーに参加する地域住民をも対象として実施することができる枠組みであり、高い効果が
期待できることから必要性も高いと考えられる。また、マッピングパーティーの運営ノウハウを保有する
キーパーソンの育成ができれば、高い効果に比して低いランニングコストで当該プログラムを多極的に実
施できるようになることからも本事業の実施は重要かつ必要性である。
新規性・発展性
新規性:本申請事業は、ここ数年で急速に展開している位置情報技術、Web2.0の技術、オープンソース
技術を活用したシステムの開発がもたらしたダウンサイズ化、低予算化の恩恵をフルに活用した画期的事
業である。特に、各々に極めて革新的なシステムであるにもかかわらず、現時点では個別に展開されてき
たOSMとLWを融合し、地質学、社会教育、学校教育、地方自治体振興、防災、観光、地域産業など、
ありとあらゆるジャンルの情報をすべて地図に解説情報付きで書き込み、地域の総合力を可視化する歴史
的取り組みである。申請者が知る限り、先進事例は東京大学大学院情報学環での取り組みのみであり、西
日本の大学ではまだ前例のないことからも新規性の高い事業である。ちなみに、共同者として名前がリス
トアップされている産学連携・研究支援センターの杉山幹夫客員教授は東京大学客員研究員時代に本申請
事業のフレームワークを構築した人物である。
発展性:対象地域を順次広げることが可能であるとともに、書き込む情報そのもののアップデートと書
き込み履歴の確認が可能であるため、当該地域における現時点での地図情報の蓄積だけでなく、時系列的
な発展の軌跡の蓄積が可能であることから、多面的な角度から地域研究を行う際のグローバルスタンダー
ドのデータベースとして活用すること大いに期待できる。
実現性:さしあたり、今年度の事業実施が認められれば、対象地域である田辺市とその周辺の生活資
源、地質、地形、地勢、観光資源、公共資源などがネット上の地図、記事としての記述が実現し、地域
住民の資源に対する自覚と内外への発信が展開されるだけでなく、観光案内、住民の社会教育、博物館
のアウトリーチに匹敵する学校教育素材を提供するとともに、多くの分野の担い手に地域活性のツール
と知恵、勇気を渡すことが期待できる。
実現性・
期待される効果
次年度以降の継続
特に予算措置
特筆すべき事項
期待される効果:地域資源の存在をデジタル地図上で解説情報とともに一覧展望できることから、今
まで以上にその価値を効果的に再発見・再評価できる仕組みの構築と周知が期待できる。正しく発信さ
れた地域の価値は。和歌山大学、和歌山県、そして紀伊半島の価値を地域住民はもとより、グローバル
スタンダードな仕組みに乗せて世界に知らしめることが可能となるため、その効果は絶大であると確信
する。また、学生が地域の方とのコミュニケーションをとる必要があるため、コミュニケーション力の
向上とともに、地域資源を見る目を養うことができる。
次年度以降の継続:今年度の事業実施が認められた場合、次年度以降も積極的に実施していく方向で検
討するとともに、将来的には「教養の森センター」で開講する正規の授業科目とすることでの継続実施を
めざす。その際、田辺市およびその周辺を継続的に対象地域とするとともに、県内の別の地域も順次対象
にしていく。また、コンソーシアム和歌山のフレームワークを活用し、高野山大学をはじめとする県内の
他大学との連携についても模索していく予定である。
予算措置:後述する「地(知)の拠点整備事業」が採択された場合は平成30年度までは当該事業により配
分される予算を活用する。「地(知)の拠点整備事業」採択されなかった場合は、今年度の事業によって関
係が構築された田辺市およびその周辺の事業者・各種団体の関係者からの助成による事業の継続を模索す
る。また、いずれの助成金の獲得の有無にもかかわらず、来年度の予算として高野山大学・藤吉圭二准教
授との連携によってコンソーシアム和歌山の助成事業等に申請するとともに、高野山を対象地域として事
業の継続を行う。なお、今回の申請事業が採択され、実施体制の整備と事業内容の周知をはかることがで
きれば、次年度以降は自由に利用できるOSMとLWの価値を認識し、その作成ノウハウの習得を希望す
る地域からの補助実現の可能性は高くなるであろうと考えられる。
本事業は、本学が本年4月に申請した「平成26年度・地(知)の拠点整備事業」(事業名称:南紀熊野
「KUMAGUSU」(熊楠)ジュニア育成プロジェクト)の一部を構成する事業であり、当該事業の採
否にかかわらず実施することを強く希望して申請するものである。
実
施
実施計画( 新規 ・ 継続 )
1. 東京大学大学院情報学環において本申請事業のプロ
トタイプを開発し、神奈川県藤沢市、伊豆大島、宮城県名
取市等で実施する際に中心的な役割を果たした本学産業
連携・研究支援センターの杉山幹夫客員教授を北海道・札
幌市より招き、学内およびは田辺市で講演会を開催すると
ともに、マッピングパーティー開催にあたっての講習会講
師と現地でのファシリテーターをお願いする。
計
画
経費区分
謝金
謝金
謝金
旅費
その他
表
積算内訳
講演料
60千円(和歌山大学、紀伊田辺
@30,000×2回)
マッピングパーティー事前講習会講師
60千円(和歌山大学、紀伊田辺
@30,000×2回)
マッピングパーティー講師謝金
105千円(@5,000×7時間×3日)
旅費
200千円(札幌~和歌山1泊2日×1名×3回)
会場費(Big.U 研修室)
13千円(@6,500×2回)
2. 日本に初めてOSMを持ち込み、各地でマッピングパ
ーティーを主催した実績を持つマップコンシェルジュ株
式会社代表取締役社長の古橋大地氏を東京都より招き、学
内で講演会を開催するとともに、マッピングパーティーへ
の誘いをお願いする。
謝金
旅費
講演料
旅費
3. 田辺市およびその周辺においてマッピングパーティ
ーを開催する。
旅費
事前打合せ旅費 16千円
(紀伊田辺 日帰り、述べ2回)
教員旅費
125千円(宿泊費・日当のみ)
(紀伊田辺 2泊3日、4人×1回)
貸切バスのチャーター
200千円
(和歌山大学~紀伊田辺 2泊3日)
会場費(Big.U 研修室)23千円
(@6,500×2回、@10,000×1回)
マッピングパーティー用事務用品
8千円
旅費
旅費
その他
その他
30千円(和歌山大学 )
45千円(東京~和歌山 1泊2日)
【記入要領】
1.実施計画欄は、実施内容を箇条書きでなるべく詳細に記入し、その項目毎に積算内訳等を記入すること。
2.経費区分:「人件費」「旅費」「謝金」「設備備品費(50 万円以上の物品費)」「消耗品費(50 万円以下の物品費)」「その他」
3.積算内訳:実施計画の項目別に、経費区分の積算根拠を詳細に記入すること。
4.設備備品費(50 万円以上の物品費)を要求する際は、見積書を提出すること。