福島第一原子力発電所事故後の森林土壌におけるCs 移動のモニタリング事例 A result of Cs redistribution in a forest soil after FNP-I accident 西村拓 東京大学大学院農学生命科学研究科 環境地水学研究室 西村 拓 NISHIMURA, Taku, Graduate School of Agricultural and Life Sciences, The Univ. of Tokyo. E-mail: [email protected] .from Google earth 土壌採取 上流部 斜面中腹 斜面下流 1.0E+03 #1,2 1.0E+01 y = 56.588e0.2074x R² = 0.9397 1.0E+00 y = 913.81e0.3459x R² = 0.9637 1.0E-01 1.0E+03 #7,10,11,12 exclude depositted deposited 1.0E+02 1.0E+01 1.0E+00 y = 33.915e0.3995x R² = 0.4431 1.0E-01 1.0E-02 1.0E-02 0.0 20.0 40.0 TC (%) 60.0 0.0 2.0 4.0 6.0 TC % 8.0 10.0 12.0 1.0E+03 #3-4-5-6 1.0E+02 Radioactive Cs (kBq kg-1) 1.0E+02 Radioactive Cs (kBq kg-1) Radioactive Cs (kBk kg-1) Radioactive Cs (kBq kg-1) 1.0E+03 1.0E+01 1.0E+00 1.0E-01 1.0E-02 0.0 10.0 20.0 30.0 #1,2 #8 #7,10,11,12 1.0E+02 1.0E+01 y = 0.0013e0.7199x R² = 0.6857 1.0E+00 1.0E-01 1.0E-02 0.0 10.0 TC (%) 20.0 30.0 C/N (%) Figures: TC(全炭素量) and C/N (炭素/窒素比)と放射性Csの関係(図中の番号は,上図の地点番号) 方法:各地点でライナー採土器で表層30㎝の土壌を不かく乱で採取し,炉乾燥後切り分けて(NaI-spectrometer( Wizard 2480, Perkin Elmer Inc.))で放射性Cs含量を測定した.また,Cs測定後,バイアル瓶から試料を分取して,全炭素量,C/N比を測定した (CN-60,Sumika Inc.). 結果:調査地は,南東斜面で,事故時に北西に向かった放射性物質のプルームが沈着したと考えられている.表層近傍の放射性Cs分 布は,地表に落ち葉層のある地点で深くまで移動していた.下流部では,上流から流亡した土砂の堆積によるものと思われる放射性Cs 濃度のピークも見られた.土壌の全炭素量,C/N比と放射性Cs濃度には高い相関があり,地表にある有機物が分解しながらCsを伴っ て下方に移動していることが示唆される.移動速度を見積もるためH26年度にも同様の調査を行う予定である. 本調査においては,東京大学農学生命科学研究科久保成隆教授,溝口勝教授,同放射性同位元素施設,環境地水学研究室院生諸氏, 宇都宮大学大澤和敏准教授ならびにふくしま再生の会,菅野宗夫氏にご助力いただいた.また,本調査は,科学研究費補助金No. 24380130 , 25517005および東京大学大学院農学生命科学研究科復興支援プロジェクトの支援によるものである.
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