mitsu49th (2,1 MB)

三津橋佳奈¹⁾ ,工藤慎太郎²⁾ ,前沢智美³⁾ ,川村和之⁴⁾
1)伊東整形外科 リハビリテーション科
2)森ノ宮医療大学保健医療学部理学療法学科
3)四軒家整形外科クリニック リハビリテーション科
4)国際医学技術専門学校 理学療法学科
重力環境において状況
に応じてダイナミック
に,また調節的に運動
させるためには,体幹
の動的安定性は非常に
重要である.
石井(2006)
運動学習におい
て,運動を転移さ
せるには,2つの運
動課題の類似性が
重要. Schmidt
歩行中の体幹筋
自らの
姿勢を保つ為の
Dynamicな調節
が求められる.
歩行中の体幹筋の収縮
をトレーニングするに
は,その体幹筋の収縮
に類似したトレーニン
グが必要となる.
歩行中,身体は二つの機能的単位である“パッセンジャー(上半身と
骨盤)”と“ロコモーター(骨盤と下肢)”に分けられる.
“パッセンジャー”唯一の機能は,自らの姿勢を保つことである.
Neumann
㎜
0.35
0.15
0
-0.05
内 ㎜
側 1
0.5
IC
EO
LR
MSt
TSt
PSw
ISw
MSw
TSw
IC
Fig.1-b:移動距離
0
外
側
-0.5
Fig.1-b:IC時の移動距離で標準化した際の歩行
周期の各筋の変化量
IO
・各筋ともに変化量は小さい.
TrA
・立脚相では内側へ,遊脚相では外側へ移動.
EO
IC
LR
MSt
TSt
PSw
ISw
MSw
TSw
IC
-1
Fig.2:EO
㎜
1.5
本研究結果から…
筋
厚:TStで最も筋厚が増加.
移動距離:立脚相にかけて内側へ移動,
遊脚相では外側へ移動する.
1
筋厚変化量
方法:
①超音波画像診断装置には,日立
メディコ社製MyLab25を用い
て,Bモード,12MHzのリニア
プローブを使用した.
左外・内腹斜筋・腹横筋(以下
EO,IO,TrA)の筋腹が超音波
画像として同時に得られる部位
を,体幹の長軸に対して短軸走
査となるよう自作し
た固定装置を用いて,
プローブを固定した.
(写真1)
写真1
②トレッドミル上での歩行
(4.7km/h)を300Hzのデジタルビ
デオカメラを用いて動画撮影
し,超音波画像と同期した.
③動画を静止画に分割し,左下肢
の歩行周期をランチョ・ロス・ア
ミーゴ方式を用いて細分化し
た.一人につき,5歩行周期計測
した.
④同期した歩行周期中の超音波の
画像から,初期接地(IC)と立脚
終期(TSt)の3筋の内側端の座標
と,各筋の筋厚の最大値を
Image-Jを用いて測定した.
ICから最大値までの内側端の
内・外方向への移動距離と筋厚
の変化量(筋厚変化量)をそれぞ
れ計測した.
IC
Fig.1-a:IC時の筋厚で標準化した際の歩行周期
の各筋の変化量
TrA
・各筋ともに変化量は小さい.
IO
・その中でも,
EO
EO,IOはLR~TStにかけて,TrAはIC~
LR,MSt~TStにかけて筋厚の増加がみら
れる.
0.5
0
0
-0.5
-1.5
米田ら(2003)
正常動作における歩行時立脚相では,両側腹斜筋群
および反対側腰背筋群の筋活動が増大することによ
り,歩行で生じる前方への慣性を抑制して体幹の安
定化を図り,その結果遊脚側下肢の前方振り出しが
容易となると述べている.
IO
TrA
しかし
※↕筋厚
↔移動距離
EO
IO
TrA
Fig.3:IO
㎜
1.5
1
0.5
0
-0.5
0
5
 各筋のICとTStの移動距離と筋厚
変化量の違い:Wilcoxsonの順位
和検定
 移動距離,筋厚変化量の3筋間の
比較:Friedman検定(P<0.05)
 各筋の筋厚変化量とIC時,TSt時
の筋厚の関係:spearmanの順位
相関係数
こちらのQRコードから
ポスターのPDFが
閲覧できます.
10
㎝
-1
-1.5
IC筋厚
Fig.4:TrA
㎜
1.5
1
y = -0.5121x + 1.4244
R² = 0.6552
0.5
0
-0.5
0
5
10
㎝
-1
-1.5
IC筋厚
先行研究で行われている体幹トレーニング
(有意水準5%未満)
㎝
Fig.2-4:IC時の筋厚と筋厚変化量
との相関
・EO,IOともに相関は認められな
かった.
・TrAは相関係数-0.9の負の相関が
認められた.
TSt
SPSS ver.18
10
IC筋厚
他の歩行時の体幹筋の活動の報告は…
三浦ら(2008)
筋電図を用いて,腹筋群,背筋群の歩行時の筋活動
パターンを報告している.
 健常者の内腹斜筋の筋活動パターンは,立脚期に
筋活動が増加し,遊脚期に筋活動が減少する.
 また,外腹斜筋は立脚期後半で筋活動が増加して
いる.
5
-1
筋厚変化量
対象は,本研究の目的を説明し,
同意の得られた健常成人男性9名
とした.
(平均年齢25±4.27歳,平均身長
170.2±8.11㎝,平均体重60.7±8..59㎏)
Fig.1-a:筋厚
筋厚変化量
超音波画像診断装置を用いて,
歩行中の体幹筋の動態を示す
こととした.



臥位,座位,四つ這い,立位による腰部安定化エクササイズ(伊藤ら,2008,2009)
両下肢拳上位,両上肢外転挙上位による端座位での側方移動(米田ら,2003)
スタビライザーを用いた圧変化を指標としたトレーニング(齋藤,2004)
前沢ら(2013)によると
片脚ブリッジ運動時の支持側でみ
られた側腹筋群の動態は乏しいと
報告している.
今後の介入効果の検討が必要.
類
似