2001.11. NMI J力学計測科質量力標準研究室 力計測における不確かさ評価の見直し (Ver.4) 基本的な考え方 1)従来の”○○誤差”の考え方、すなわち最大値と最小値の2つの測定データしか使わない考え方、にとらわれず、全ての測定データからタイプAの不確か さとして計算する、すなわちすべての測定データを活用することとした。 ただし、再現性の影響を考慮する際には、特定の設置方向に重きを置くことはせず、すべての設置方向のデータを同じ重み付けで扱うよう配慮した。 2)”参照値からの偏差”や”内挿校正式からの偏差” など、基準となる値からの偏差については、偏差自体が標準偏差(いわゆる1σ)に相当すると見なし た。 3)力の増加時の値と減少時の値は、両者の平均をとるのではなくそれぞれ別個に扱われる。この点を考慮し、”零点の変動”や”ヒステレシス”の影響の評価 においては、増加時の値と減少時の値の差は測定値の分布の全幅ではなく半幅であると見なした。 4)力標準機と力基準機の比較測定において、力標準機によりトランスファ標準器を校正して参照値を出す際と、力基準機によりトランスファ標準器を測定す る際とで、不確かさの要因が対称になるように、不確かさ要因を付加した。 1)力標準機による力基準機の校正時の不確かさ 項 目 力標準機に由来する不確かさ要因の 合成標準不確かさ uc_fsm 従 来 分銅の質量、重力加速度等の不確かさを評価して積 み上げた値で、CCM WG-Forceで国際的に合意され 同 左 た水準の値 拡張不確かさ U_fsm (k=2)として: 実荷重式:20 ppm こうかん式:50 ppm 油圧式:50 ppm 改訂後 拡張不確かさ U_fsm (k=2)として: 実荷重式: 20 ppm こうかん式: 50 ppm 油圧式: 50 ppm 繰り返し性(設置変更なし)相対繰り返し性誤差(設置変更なし)の半分a_tsd_rptに の標準不確かさ 対して、矩形分布を仮定し、さらに設置変更回数(n u_tsd_rpt 回)で除す u_tsd_rpt2 =(a_tsd_rpt2/3)/n 2 (u_mean.val ) 再現性(設置変更あり)の 考慮せず 標準不確かさ u_tsd_rep - 各設置方向(m回の設置変更)で各n回繰り返したm× n個の負荷サイクルのデータXijの各負荷ステップにお けるばらつき(相対値)をタイプAの不確かさとして評 2 価 m n X ij − X 1 u_tsd_rep2 = mn ( mn − 1) i∑=1 j∑= 1 X 例えば∼20 ppm 分解能による標準不確か 考慮せず さ u_tsd_res - "初回の予備負荷前の無負荷時の零点変動のピーク ツーピーク"あるいは"指示装置の最小桁の1増分"の大 きい方を、各試験力で除した相対値fr_tsdの半分に対し て、矩形分布を仮定 u_tsd_res2=(fr_tsd/2)2/3 例えば数ppm 比較測定の前後での感度 約1ヶ月間の感度ドリフトの幅の半分a_tsd_drfに対して、 比較測定の前後での感度ドリフトの幅の半分a_tsd_drfに ドリフトの標準不確かさ 三角形分布を仮定 対して、矩形分布を仮定 u_tsd_drf2=a_tsd_drf2/6 u_tsd_drf2=a_tsd_drf2/3 (u_drft2) 従来の√2倍 例えば∼20 ppm uc_tsd = (u_tsd_rpt2+u_tsd_drf2)1/2 トランスファ標準器に由来する不確かさ要 (U_tsd/2) 因の合成標準不確かさ uc_tsd 拡張不確かさ (k=2)として:例えば∼60 ppm U_ref = 2 x (uc_fsm2+uc_tsd2)1/2 力標準機によるトランスファ標準器の校正で得られる (U_refv) 参照値の拡張不確かさ U_ref (k=2) 拡張不確かさ (k=2)として:例えば∼50 ppm uc_tsd = (u_tsd_rep2+u_tsd_res2+u_tsd_drf2)1/2 拡張不確かさ (k=2)として:例えば∼30 ppm U_ref = 2 x (uc_fsm2+uc_tsd2)1/2 拡張不確かさ (k=2)として:例えば∼60 ppm 項 目 従 来 繰り返し性(設置変更なし)相対繰り返し性誤差(設置変更なし)の半分a_fcm_rpt の標準不確かさ に対して、矩形分布を仮定 力基準機によるトラン u_fcm_rpt スファ標準器測定時の 拡張不確かさ 改訂後 u_fcm_rpt2 =(a_fcm_rpt2/3) 2 (u_rep.fcm ) 再現性(設置変更あり)の 考慮せず 標準不確かさ u_fcm_rep - 各設置方向(m回の設置変更)で各n回繰り返したm× n個の負荷サイクルのデータXijの各負荷ステップにお けるばらつき(相対値)をタイプAの不確かさとして評 2 価 m n X ij − X 1 u_fcm_rep2 = mn ( mn − 1) i∑=1 j∑= 1 X 例えば∼40 ppm 分解能による標準不確か 考慮せず さ u_fcm_res - "初回の予備負荷前の無負荷時の零点変動のピーク ツーピーク"あるいは"指示装置の最小桁の1増分"の大 きい方を、各試験力で除した相対値fr_fcmの半分に対し て、矩形分布を仮定 u_fcm_res2=(fr_fcm/2)2/3 例えば数ppm 零点の変動の標準不確か 考慮せず さ u_fcm_zer - ”各設置方向での初回の負荷前と負荷後の零点の指 示値の差の平均値”を”最大試験力”で除した相対値 b0について、力基準機での値b0_fcmと、力標準機での 値b0_fsmとの差(相対偏差)に対して矩形分布を仮定 u_fcm_zer2=(b0_fcm - b0_fsm)2/3 例えば∼20 ppm ヒステレシスによる標準不 力基準機で測定した相対往復誤差ν_fcmの、力標準機 力基準機で測定した相対往復誤差ν_fcmの、力標準機 確かさ u_fcm_hys で測定した相対往復誤差(参照値)ν_fsmからの相対偏 で測定した相対往復誤差(参照値)ν_fsmからの相対偏 差の半分に対して矩形分布を仮定 差に対して三角形分布を仮定 u_fcm_hys2=((ν_fcm - ν_fsm)/2)2/3 u_fcm_hys2=(ν_fcm - ν_fsm)2/6 (u_hys.fcm2) 従来の√2倍 例えば∼数十ppm 参照値からの偏差の標準 相対偏差の半分a_fcm_devに対して三角形分布を仮定 不確かさ u_fcm_dev 相対偏差b_fcm_dev (=2a_fcm_dev)自体が標準偏差に相当 する ( 注: こうかん式及び油圧式力基準機については、十分な裏付け データがあれば特性の補正を行い、補正後の値の参照値からの相 対偏差で評価する。) u_fcm_dev2=a_fcm_dev2/6 u_fcm_dev2=b_fcm_dev2 (u_rel.dev2) 従来の2√6倍 項 目 ビルドアップ 式のみ 従 来 基準力計の校正値の合成 従来の力計の校正値の不確かさ評価法による値 標準不確かさ uc_cal_rftr 改訂後 改訂後の力計の校正値の不確かさ評価法による値 (U_ref.tra/2) 例えば∼300 ppm ビルドアップ 式のみ 基準力計の長期安定性に 長期安定性のデータが蓄積されるまでは、200 ppm程 長期安定性のデータが蓄積されるまでは、200 ppm程 起因する標準不確かさ 度と評価 度と評価 u_rftr_stb 3巡目以降は、ncal回の校正値X cal.i の標準偏差で評 2 価 n X cal .i − X cal 1 ∑ u_rftr_stb2 = − 1 i =1 cal n cal X cal (U_ref.instb/2) 例えば∼200 ppm 力基準機によるトラン スファ標準器測定時の 拡張不確かさU_lab (k=2) U_lab = 2 x (u_fcm_rpt2+u_fcm_hys2+u_fcm_dev2)1/2 (U_fcm) U_lab = 2 x (u_fcm_rpt2+u_fcm_hys2+u_fcm_dev2 ビルドアップ式 +uc_cal_rftr2+u_rftr_stb2)1/2 (U_fcm) U_lab = 2 x (u_fcm_rep2+u_fcm_res2+u_fcm_zer2 +u_fcm_hys2+u_fcm_dev2)1/2 U_lab = 2 x (u_fcm_rep2+u_fcm_res2+u_fcm_zer2 +u_fcm_hys2+u_fcm_dev2 +uc_cal_rftr2+u_rftr_stb2)1/2 拡張不確かさ (k=2)として:(参照値からの相対偏差の2倍)+α U_cmp = 力標準機と力基準機の間の比較測定の拡張不確かさ U_cmp (k=2) (比較測定により検証できる力基準機の最高測定能力 U_fcm の限界値、すなわち U_fcm≦U_cmp) (U_ref2+U_lab2)1/2 U_cmp = (U_ref2+U_lab2)1/2 (U_bmc) 拡張不確かさ (k=2)として: (参照値からの相対偏差の2倍)+α+α’ 2)力基準機による力計の校正時の不確かさ 項 目 力基準機に由来する不確かさ要因の 合成標準不確かさ uc_fcm 従 来 改訂後 力標準機と力基準機の間の比較測定の拡張不確か 力標準機と力基準機の間の比較測定の拡張不確か さ U_cmpを、力基準機の最高測定能力U_fcmとみなす さ U_cmpを、比較測定により検証できる力基準機の最 高測定能力U_fcmの限界値と評価 uc_fcm=U_fcm/2 uc_fcm=U_fcm/2 (U_bmc/2) 繰り返し性(設置変更なし)(0°方向でのm回の負荷サイクルのデータの各負荷 考慮せず。 の標準不確かさ u_tra_rpt ステップにおける”指示値の最大値と最小値の差”を”測定データのばらつきをタイプAの不確かさとして考慮 平均値”で除した)相対繰り返し性誤差(設置変更な する場合、”設置変更なし”と”設置変更あり”の両方 の不確かさを合成すると二重にカウントしてしまうこ し)の半分a_tra_rptに対して、矩形分布を仮定 と、及び特定の設置方向のみに重きをおくことは均一 性に欠けること、の二つの理由で。 u_tra_rpt2 =a_tra_rpt2/3 2 (u_rep ) 再現性(設置変更あり)の (各設置方向(n回の設置変更)での初回の負荷サイ 各設置方向(n回の設置変更)での初回の負荷サイク 標準不確かさ u_tra_rep クルのデータの各負荷ステップにおける”指示値の最 ルのデータX i の各負荷ステップにおけるばらつき(相 大値と最小値の差”を”平均値”で除した)相対再現性 対値)をタイプAの不確かさとして評価 誤差(設置変更)の半分a_tra_repに対して、U字形分布を 仮定 2 m X i − X 1 u_tra_rep2 =a_tra_rep2/2 u_tra_rep2 = m ( m − 1 ) i ∑= 1 (u_rot2) X 分解能による標準不確か ("初回の予備負荷前の無負荷時の零点変動のピーク さ u_tra_res ツーピーク"あるいは"指示装置の最小桁の1増分"の大 同 左 きい方を、各試験力で除した)相対分解能誤差fr_traの 半分に対して、矩形分布を仮定 u_tra_res2=(fr_tra/2)2/3 u_tra_res2=(fr_tra/2)2/3 (u_res2) 零点の変動の標準不確か (”各負荷サイクルにおける負荷前と負荷後の零点の ”各設置方向での初回の負荷前と負荷後の零点の指 さ u_tra_zer 指示値の差の最大値”を”最大試験力”で除した)相対 示値の差の平均値”を”最大試験力”で除した相対値 b0_traに対して、矩形分布を仮定 零誤差f0_traの半分に対して、矩形分布を仮定 2 2 u_tra_zer =(f0_tra/2) /3 u_tra_zer2=(b0_tra)2/3 (u_zer2) 従来の2倍弱 ヒステレシスによる標準不 (力を増加・減少させて往復で測定を行った各負荷サ 確かさ u_tra_hys イクルの各負荷ステップにおいて、”増加時の指示値 と減少時の指示値の差”を”増加時の指示値”で除し た相対値を求め、その相対値を各負荷サイクルにわ たって平均した)相対往復誤差ν_traの半分に対して矩 形分布を仮定 u_tra_hys2=(ν_tra/2)2/3 (力を増加・減少させて往復で測定を行った各負荷サ イクルの各負荷ステップにおいて、”増加時の指示値 と減少時の指示値の差”を”増加時の指示値”で除し た相対値を求め、その相対値を各負荷サイクルにわ たって平均した)相対往復誤差ν_traに対して三角形分 布を仮定 u_tra_hys2=(ν_tra)2/6 (u_rev2) 従来の√2倍 項 目 従 来 内挿による標準不確かさ (各負荷ステップにおける”全ての負荷サイクルの指 u_tra_int 示値の平均値”と”内挿校正式による値”との差を”内 装校正式による値”で除した)相対内挿誤差fc_traの半 分に対して、三角形分布を仮定 u_tra_int2 =(fc_tra/2)2/6 改訂後 各負荷ステップにおける”各設置方向での初回の負 荷サイクルの指示値の平均値”の”内挿校正式による 値”からの偏差の相対値bc_tra自体が標準偏差に相当 する u_tra_int2 =bc_tra2 2 (u_int ) 従来の2√6倍 力計に由 来する不 確かさ要因 の 合成標準 不確かさ uc_tra uc_tra = (u_tra_rpt2+u_tra_rep2+u_tra_res2+u_tra_zer2 +u_tra_hys2+u_tra_int2)1/2 内挿校正式のある力計 uc_tra = (u_tra_rep2+u_tra_res2+u_tra_zer2 +u_tra_hys2+u_tra_int2)1/2 (U_tra/2) uc_tra = (u_tra_rpt2+u_tra_rep2+u_tra_res2+u_tra_zer2 内挿校正式のない力計 +u_tra_hys2)1/2 (U_tra/2) U_cal_tra = 2 x (uc_fcm2+uc_tra2)1/2 力計の校正値の拡張不確かさ U_cal_tra (k=2) uc_tra = (u_tra_rep2+u_tra_res2+u_tra_zer2 +u_tra_hys2)1/2 (U) U_cal_tra = 2 x (uc_fcm2+uc_tra2)1/2 3)力計による一軸試験機の力測定系の校正時の不確かさ 項 目 従 来 力計の校正値の合成標準 従来の力計の校正値の不確かさ評価法による値 不確かさ uc_cal_tra uc_cal_tra = U_cal_tra/2 改訂後 改訂後の力計の校正値の不確かさ評価法による値 uc_cal_tra = U_cal_tra/2 (u_tra) 温度変動による不確かさ 力計校正時と使用時(一軸試験機校正時)の温度差 力計校正時と使用時(一軸試験機校正時)の平均温 u_tra_tmp のうち温度補正以外の影響を必要に応じ見積もる 度の差についてまず温度補正を行う。力計の感度の 温度変動の影響ω_tmpに対し矩形分布を仮定 温度係数(∂S/∂T)に、一軸試験機校正時の温度変 動幅∆Tの半分を乗じ、この温度影響の評価値に対し て矩形分布を適用する u_tra_tmp2 = ω_tmp2/3 u_tra_tmp2 = {(∂S/∂T)・(∆T/2)}2 / 3 (u_tmp) 力計の不安定性に起因す 力計の校正を繰り返したときの感度の変動による影 る不確かさ u_tra_stb 響を必要に応じ見積もる (考慮しない例が散見される) (u_ins) uc_tra = (uc_cal_tra2+u_tra_tmp2+u_tra_stb2)1/2 力計に由来する不確かさ要因の 合成標準不確かさ uc_tra 長期安定性のデータが蓄積されるまでは、200 ppm程 度と評価 力計を3回以上校正した後は、ncal回の校正値X cal.i の 標準偏差で評価 u_tra_stb2 = 1 n cal n cal X cal .i − X cal ∑ − 1 i = 1 X cal 2 uc_tra = (uc_cal_tra2+u_tra_tmp2+u_tra_stb2)1/2 (uc_std) 繰り返し性の標準不確かさ 各負荷ステップにおける、力計の指示値(あるいは一 各負荷ステップにおける、n回(4回ないし3回)の負荷 u_utm_rep 軸試験機の力測定系の指示値)の最大値と最小値の サイクルのデータX i のばらつき(相対値)をタイプAの 差を平均値で除した相対繰り返し性誤差の半分 不確かさとして評価 a_utm_rep (b/2)に対して、矩形分布を仮定 u_utm_rep2 =a_tra_rep2/3 u_utm_rep2 = (u_rep2) n X − X 1 ∑ i n ( n − 1 ) i = 1 X 分解能による標準不確か 一軸試験機の力測定系の(”無負荷時の零点変動の さ u_utm_res ピークツーピーク"あるいは"指示装置の最小桁の1増分" 同 左 の大きい方を、”当該レンジの最大容量”で除した)相 対分解能fr_utm (a)の半分に対して、矩形分布を仮定 u_utm_res2=(fr_utm/2)2/3 (u_res2) u_utm_res2=(fr_utm/2)2/3 2 項 目 従 来 零点の変動による標準不 ”一軸試験機の力測定系の零点に関して、各負荷サ 確かさ u_utm_zer イクルにおける負荷前(零点調整あり)と負荷後での 指示値の差の最大値”を”当該レンジの最大容量”で 除した)相対零誤差f0_utmの半分に対して、矩形分布を 仮定 u_utm_zer2=(f0_utm/2)2/3 改訂後 ”一軸試験機の力測定系の零点に関して、各負荷サ イクルにおける負荷前(零点調整あり)と負荷後での 指示値の差の平均値"を”当該レンジの最大容量”で 除した相対値b0_utmに対して、矩形分布を仮定 u_utm_zer2=(b0_utm)2/3 2 (u_zer ) 従来の2倍弱 ヒステレシスによる標準不 (力を増加・減少させて往復で測定を行った負荷サイ (力を増加・減少させて往復で測定を行った負荷サイ 確かさ u_utm_hys クルの各負荷ステップにおいて、力計の(あるいは一 クルの各負荷ステップにおいて、力計の(あるいは一 軸試験機の力測定系の)”増加時の指示値と減少時 軸試験機の力測定系の)”増加時の指示値と減少時 の指示値の差”を”増加時の指示値”で除した)相対往 の指示値の差”を”増加時の指示値”で除した)相対往 復誤差ν_utmに対して三角形分布を仮定 復誤差ν_utmの半分に対して矩形分布を仮定 u_utm_hys2=(ν_utm/2)2/3 u_utm_hys2=(ν_utm)2/6 2 (u_rev ) 従来の√2倍 相対偏差(相対精度誤差) ”一定の指示力”の”真の力(力計の指示値)の全負 の標準不確かさ u_utm_dev 荷サイクルの平均値”からの偏差を”真の力”の平均 値で除した相対値、あるいは”一定の真の力(力計の 指示値)”からの”その時の一軸試験機の力測定系の 指示値の全負荷サイクルの平均値”の偏差を”一定 の真の力”で除した相対値、すなわち相対精度誤差q を、標準不確かさとみなす。 ただし下記のように、この要因についてのみ包含係数 としてk=1を適用する。 u_utm_dev2 =q2 ”一定の指示力”の”真の力(力計の指示値)の全負 荷サイクルの平均値”からの偏差を”真の力”の平均 値で除した相対値、あるいは”一定の真の力(力計の 指示値)”からの”その時の一軸試験機の力測定系の 指示値の全負荷サイクルの平均値”の偏差を”一定 の真の力”で除した相対値、すなわち相対精度誤差q を、標準不確かさとみなす。この要因についても統一 的に包含係数k=2を適用する。 ただし、この相対偏差を補正した上で一軸試験機を使 用する場合は、この要因は除外する。 u_utm_dev2 =q2 (u_acc2) (包含係数の統一により、補正をしなければ影響は従来の2倍に) 一軸試験 機に由来 する不確 かさ要因の 合成標準 不確かさ uc_utm uc'_utm = 2 (u_utm_rep +u_utm_res2+u_utm_zer2 +u_utm_hys2)1/2 uc_utm = (u_utm_rep2+u_utm_res2+u_utm_zer2 +u_utm_hys2+u_utm_dev2)1/2 (uc_tm) uc_utm = (u_utm_rep2+u_utm_res2+u_utm_zer2 +u_utm_hys2)1/2 相対偏差を補正した場合 相対精度誤算の拡張不確かさには包含係数k=1を用 全ての不確かさ要因を合わせて合成標準不確かさを い、その他の相対誤差の拡張不確かさには包含係数 計算し、合成標準不確かさに対して唯一の包含係数 k=2を用いる k=2を適用する 一軸試験機の力測定系の校正値の拡張不確かさ U_cal_utm (k=2) U_cal_utm = { 22 x (uc_tra2+uc'_utm2) + 1 x u_utm_dev2)}1/2 (U) U_cal_utm = 2 x (uc_tra2+uc_utm2)1/2 JIS B 7728に規定された00級の最大許容値を満たす力計を校正した場合の、校正値の相対拡張不確かさの計算例 従来 改訂後 改訂後 (校正式あり) (校正式なし) 力基準機の要因の合成標準不確かさ uc_tra 0.005% 繰り返し性の標準不確かさ u_tra_rpt 0.007% 再現性の標準不確かさ u _tra_rep 0.018% 0.017% 分解能による標準不確かさ u_tra_res 0.007% 零点の変動による標準不確かさ u_tra_zer 0.010% 0.010% 相対繰り返し性誤差b' 0.025% 0.025% 0.017% 例えば設置変更3回(m=3)として 相対繰り返し性(再現性)誤差b 0.050% 0.050% 0.007% 0.007% 相対分解能a (0.025%) 0.025% 0.003% 0.006% 0.006% 平均値は最大値の90%程度と見て 相対零誤差f0 0.012% 0.012% ヒステレシスによる標準不確かさ u_tra_hys 0.020% 0.029% 0.029% 相対往復誤差u 0.070% 0.070% 内挿の標準不確かさ u _tra_int 0.005% 0.025% 相対内挿誤差fc 0.025% 0.025% 力計の不確かさ要因の合成標準不確かさ uc_tra 0.029% 0.043% 0.034% 0.060% 0.086% 0.070% − 0.005% ガイドライン JTM-F103 の目安値 校正力(不確かさ) 力計の校正値の相対拡張不確かさ U_cal_tra (k=2) 0.005% JIS B 7728 の00級の最 大許容値 備考 − − 備考 0.060% JIS B 7728に規定された0.5級の最大許容値を満たす力計を校正した場合の、校正値の相対拡張不確かさの計算例 従来 改訂後 改訂後 (校正式あり) (校正式なし) 力基準機の要因の合成標準不確かさ uc_tra 0.010% 繰り返し性の標準不確かさ u_tra_rpt 0.014% 再現性の標準不確かさ u _tra_rep 0.035% 0.034% 分解能による標準不確かさ u_tra_res 0.014% 零点の変動による標準不確かさ u_tra_zer 0.020% 0.020% 相対繰り返し性誤差b' 0.050% 0.050% 0.034% 例えば設置変更3回(m=3)として 相対繰り返し性(再現性)誤差b 0.100% 0.100% 0.014% 0.014% 相対分解能a (0.050%) (0.050%) 0.007% 0.013% 0.013% 平均値は最大値の90%程度と見て 相対零誤差f0 0.025% 0.025% ヒステレシスによる標準不確かさ u_tra_hys 0.043% 0.061% 0.061% 相対往復誤差u 0.150% 0.150% 内挿の標準不確かさ u _tra_int 0.010% 0.050% 相対内挿誤差fc 0.050% 0.050% 力計の不確かさ要因の合成標準不確かさ uc_tra 0.061% 0.088% 0.072% 0.123% 0.177% 0.146% − 0.010% ガイドライン JTM-F103 の目安値 校正力(不確かさ) 力計の校正値の相対拡張不確かさ U_cal_tra (k=2) 0.010% JIS B 7728 の0.5級の最 大許容値 備考 − − 0.120% 備考 JIS B 7721に規定された0.5級の最大許容値を満たす一軸試験機の力測定系を校正した場合の、校正値の相対拡張不確かさの計算例 従来 力計の校正値の合成標準不確かさ uc_cal_tra JIS B 7721 の0.5級の最 大許容値 備考 0.073% 温度変動による不確かさ u_tra_tmp 0.002% 0.002% 係数0.003%/℃、変動2 Kとして 力計の不安定性に起因する不確かさ u_tra_stb 0.020% 0.020% 一例 0.062% 0.076% 0.076% 繰り返し性の標準不確かさ u_utm_rep 0.144% 0.102% 0.102% 例えば繰り返し3回(n=3)として 相対繰り返し性誤差b 0.500% 0.330% 分解能による標準不確かさ u_utm_res 0.072% 0.072% 0.072% 相対分解能a 0.250% 0.170% 零点の変動による標準不確かさ u_utm_zer 0.014% 0.026% 0.026% 平均値は最大値の90%程度と見て 相対零点誤差f0 0.050% 0.030% ヒステレシスによる標準不確かさ u_utm_hys 0.217% 0.306% 0.306% 相対往復誤差ν 0.750% 0.500% 相対偏差(相対精度誤差)の標準不確かさ u_utm_dev 0.500% 0.500% 相対精度誤差q 0.500% 0.330% 0.270% 0.600% 0.332% 0.747% 1.210% 0.681% 一軸試験機の不確かさ要因の合成標準不確かさ uc_utm 一軸試験機の力測定系の校正値の相対拡張不確かさ U_cal_utm (k=2) 0.5級の力計の校正値 − 0.5級 ガイドライン JTM-F203 の目安値 0.073% 力計の要因の合成標準不確かさ uc_tra 0.062% 改訂後 改訂後 (補正なし) (偏差を補正) 合成標準不確かさ 備考 (0.120%) 0.180% qを含まず 0.500% qのみk=1 JIS B 7721に規定された1級の最大許容値を満たす一軸試験機の力測定系を校正した場合の、校正値の相対拡張不確かさの計算例 従来 力計の校正値の合成標準不確かさ uc_cal_tra JIS B 7721 の1級の最 大許容値 備考 0.146% 0.146% 温度変動による不確かさ u_tra_tmp 0.002% 0.002% 係数0.003%/℃、変動2 Kとして 力計の不安定性に起因する不確かさ u_tra_stb 0.020% 0.020% 一例 0.123% 0.148% 0.148% 繰り返し性の標準不確かさ u_utm_rep 0.289% 0.204% 分解能による標準不確かさ u_utm_res 0.144% 零点の変動による標準不確かさ u_utm_zer ガイドライン JTM-F203 の目安値 1級の力計の校正値 1級 0.204% 例えば繰り返し3回(n=3)として 相対繰り返し性誤差b 1.000% 0.660% 0.144% 0.144% 相対分解能a 0.500% 0.330% 0.029% 0.052% 0.052% 平均値は最大値の90%程度と見て 相対零点誤差f0 0.100% 0.060% ヒステレシスによる標準不確かさ u_utm_hys 0.433% 0.612% 0.612% 相対往復誤差ν 1.500% 1.000% 相対偏差(相対精度誤差)の標準不確かさ u_utm_dev 1.000% 1.000% 相対精度誤差q 1.000% 0.660% 0.541% 1.200% 0.663% 1.494% 2.418% 1.359% 力計の要因の合成標準不確かさ uc_tra 一軸試験機の不確かさ要因の合成標準不確かさ uc_utm 一軸試験機の力測定系の校正値の相対拡張不確かさ U_cal_utm (k=2) 0.123% 改訂後 改訂後 (補正なし) (偏差を補正) − 合成標準不確かさ 備考 (0.240%) 0.360% qを含まず 1.000% qのみk=1
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