事例に関する参考資料

参考資料3
事例に関する参考資料
掲載
ページ
p1
大学名
千葉大学
掲載している取組
①施設ユーザーが日本一のキャンパスを目指すことをサポート
②学生主体の「千葉大学方式」環境マネジメント
③学長トップの体制でエネルギーマネジメントを推進
p4
名古屋大学
①作って終わりにしないキャンパスマスタープラン
②学内にとどまらない人材育成
③修繕を効果的・効率的に
④施設に対する発注者の思いの実現
p7
大阪大学
①大学の未来戦略に掲げた「老朽化施設の解消」
②全学的体制での徹底した安全衛生管理
③「ハウジングオフィス」が描く大学の『住』の未来
④駐車場収入を活用したキャンパスの整備
p10
三重大学
世界一の環境先進大学の実現を目指して
p12
佐賀大学
「大学の顔」の整備から新たな事業展開へ
p14
東京工業大学
①新たな研究活動を支える学長裁量スペース
②電気料金の還元・負担制度による省エネルギー活動の推進
③計画的な空調設備の更新で省エネルギーも実現
④教員の専門的知見を生かしたキャンパスづくり
p17
京都工芸繊維大学
①私立大学等との連携で実現したキャッシュいらずの施設整備
②公平公正な面積配分でスペースを有効に使う
p19
九州工業大学
①先駆けとなった全学的なスペースチャージ
②教育研究等にもたらす効果の想定と事後の検証・評価
p21
一橋大学
①大学 OB とつむぐ緑の財産
②寄附金の活用で学生生活の充実を応援
③施設の2割が全学共同利用のスペース
p23
東京学芸大学
①監事報告により進んだスペースマネジメント
②全学的な連携により学芸の森を生かす
千葉大学の施設マネジメント
(数値精査中)
大学の
学生数
教職員数
敷地面積
施設面積
特性
合計
学部
大学院
合計
教員
職員
(㎡)
(㎡)
大規模大学
14,441
10,797
3,644
2,945
1,285
1,660
1,297,725
527,469
①施設ユーザーが日本一のキャンパスを目指すことをサポート
【目的】
・既存施設の有効活用による
①新組織設置に伴うスペース再配分の実現と②全学共同利用スペースの確保
【取組内容】
・施設の利用状況や設備の設置状況等をユーザーが入力する施設管理データベースシステム(NetFM)
を開発し,既存施設の状況を把握。
・NetFM のデータを活用して,未利用又は利用率が低い教育研究スペースを抽出し,各部局におい
て新規のプロジェクト研究を行う教員や若手研究者等に対してスペースの再配分を実施。
【体制】
担当役員:企画担当理事
事務組織:キャンパス整備企画室 ― キャンパス整備企画室,施設環境部
・キャンパス整備企画室は,他部と連携して施設・環境整備を総括する学長直轄組織。建築設計,
建築計画,都市計画,緑地計画,環境政策等の専門知識を持つ教員と施設環境部職員で構成。
【効果】
・既存施設の戦略的な活用
①平成 17~18 年度には,スペースの削減・集約化により,新組織である専門法務研究科の設置
に伴うスペースの再配分を実現(1,554 ㎡を確保)
②平成 21 年度より,新たなプロジェクト研究等にも利用可能な全学共同利用スペースを確保
(3,011 ㎡を確保)
・NetFM の活用により情報収集作業が効率化
・毎年実施される環境 ISO のユニットごとの環境影響調査にもこのシステムを活用
【実施プロセス等】
・キャンパス整備企画室と施設環境部が連携して,スペースの再配分案の作成や全学共同利用スペ
ース運用規定の整備を実施。
・キャンパス整備企画室会議で決定の上,役員会等で承認。
【苦労した点】
・法人化以降増加している競争的外部資金等の獲得により,まとまったプロジェクト用の教育研究
スペースが必要になってきていることから,新増改築や大規模改修を実施する建物について,各
建物の1~2フロア程度を全学共同利用スペースとして供出してもらえるよう,管理部局等とス
ペースの集約化等について理解が得られるよう協議すること。
1
②学生主体の「千葉大学方式」環境マネジメント
【目的】
・公的教育機関としての率先した環境保全活動の推進と環境教育の実践経験の提供
【取組内容】
・ISO14001(環境マネジメントシステムの国際規格)の構築や運用を学生主体で実施。
・予算を学長裁量経費から毎年確保(最初の平成 16 年度は 4,693 千円,
平成 26 年度は 9,900 千円)
。
【体制】
担当役員:学長,企画担当理事,総務担当理事
事務組織:環境 ISO 企画委員会 ―
環境 ISO 事務局(施設環境部)
,環境 ISO 学生委員会
・環境管理責任者及び環境 ISO 事務局の下に,運用業務を実習し,マネジメントシステムの確立・
実施・維持のための業務に対して,学生の立場から提案等をする「環境 ISO 学生委員会」を設置。
【効果】
・紙ごみの分別リサイクルの推進による一般廃棄物排出量の削減(H15
1,724t
→
H24
929t)
・環境に対する学生の意識向上(環境 ISO 学生委員会在籍学生数:H15 126 名 → H25 209 名)
【実施プロセス等】
・千葉大学では,早期から各学部において環境に関連する教育が行われてきており,環境問題や環
境政策に関わる教員や環境に関心の高い学生が集まっていた。法人化直前の平成 15 年 10 月に磯
野学長(当時)は,これらを素地としつつ,法人化をきっかけとして,以下の4点の認証取得の
意義を掲げ,環境マネジメントシステムを本格的に導入することとした。
①事業者としての社会的責任を果たすこと
②公的教育機関として率先して環境マネジメントを実行すること
③環境マネジメントシステムを導入し大学の先進性を社会的にアピールすること
④光熱水料,廃棄物処理費等の削減を通じて経費の有効利用を図ること
・
「環境 ISO 事務局」
(施設環境部)の指導の下,学生委員会で環境マネジメントシステムの構築や
運用の原案(環境目標項目の設定,研修システム,監査システムなど)を作成し,環境 ISO 企画
委員会で審議・決定。
・学生委員会の活動や環境マネジメントシステムの研修を教育カリキュラムの中に位置づけ,取組
参加へのインセンティブを与えている。
③学長トップの体制でエネルギーマネジメントを推進
【目的】
・省エネルギー活動の推進とそれによる光熱水料の節減
【取組内容】
・
「千葉大学環境・エネルギー方針」を策定。その運用マニュアルでは,最高経営層の責任として,
学長が統括し,最高経営層において方針を定め,確立・実施して,継続的に改善することを明記。
・エネルギーマネジメントに関する全学的な体制を整備して,様々な取組を実施。
【体制】
担当役員:学長,企画担当理事
事務組織:省エネリーダー会議 ―
エネルギー管理組織
【効果】
・光熱水料の削減(H16-18 年度の3か年累計で約1億4千万円削減)
・エネルギーマネジメントの体制整備により,平成 25 年 12 月に ISO50001 の認証を取得。
2
【実施プロセス等】
・2004 年 4 月に国立大学法人となって以来,国からの運営費交付金は毎年1%ずつ段階的に削減さ
れ,大学本来の機能である教育・研究のために割く予算の維持に対してどう行動を取るかが大き
な課題となっていた。一方で新しい施設や設備の導入は年々増え,従来の環境対策では増加する
エネルギー使用量を食い止められないかもしれないという懸念があり,光熱水費の節減に取り組
む必要があった。
・具体的な取組内容は以下のとおり。
(1)「光熱水料節減プロジェクト」
環境 ISO 活動と連動して,平成 17 年 5 月に立案。各建物での消費量データの解析による漏
水箇所の発見・改善,省エネ型設備の継続的導入等を実施。部局の対策により削減した経費
を部局に還元するなどのインセンティブも付与。
(2)電力管理システムの開発により電力使用を見える化
平成 16,17 年度に独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構の補助金事業を活用
して,各キャンパスの建物ごとにリアルタイムで消費電力を計測できる電力管理システム
(各棟に設置した電力監視モニターによる一元管理)を開発し,電力使用の見える化を実施。
(3)機器の省エネ化費用を本部が一部負担する「エコ・サポート制度」
省エネルギー化を図るため,老朽化してエネルギー効率の低い機器の更新費用を大学本部が
一部(受益者負担 5~10 割)補助する制度。平成 21 年度より,学長裁量経費から毎年 1,000
万円を財源として実施。
(4)エネルギーマネジメントに関する全学的な体制の整備
エネルギー使用に関する学長トップの体制「エネルギー管理組織」を平成 22 年度に整備。
担当理事がトップの「省エネリーダー会議」で,エネルギー管理方針や省エネ行動計画,省
エネ対策等について検討。
【苦労した点】
・光熱水使用量の抑制・削減が,大学の使命である教育研究等の質の低下につながらないよう部局
等に対して十分に配慮しながらソフト面・ハード面にわたりマネジメントを進めていく必要があ
る点。また,
「エネルギーの見える化」が省エネ効果になることからエネルギー分析データとな
る光熱水使用量の数値の正確性を確保することが非常に困難であった点。
3
名古屋大学の施設マネジメント
(数値精査中)
大学の
学生数
教職員数
敷地面積
施設面積
特性
合計
学部
大学院
合計
教員
職員
(㎡)
(㎡)
大規模大学
16,574
10,198
6,376
5,035
1,688
3,347
3,270,249
790,830
①作って終わりにしないキャンパスマスタープラン
【目的】
・キャンパスマスタープラン(以下 CMP)策定後の,施設整備の実施への活用
【取組内容】
・中期目標・中期計画の改定に合わせて CMP の点検評価を実施し,到達度を可視化して把握
・点検評価の結果と CMP 策定時に想定されていなかった課題を踏まえ,今後の施設整備の重点事項
について整理・明確化し,次年度以降の概算要求(耐震化,国際交流,緑地整備等)や次期 CMP
に反映
【体制】
担当役員:施設設備担当理事
事務組織:CMP2010 点検評価 WG,次期 CMP 策定 WG
―
施設管理部+施設・環境計画推進室(全
学の運営支援組織)+工学部施設整備推進室(工学部組織)+環境安全衛生管理室(全
学の運営支援組織)+本学の教員
【効果】
・効果的・効率的な施設整備の実施,着実な環境向上
・数値化による達成度評価により,重点的取り組み事項の明確化
【実施プロセス等】
・CMP2010 点検評価 WG において,CMP2010 の点検評価を実施(平成 25 年 9 月~26 年 3 月の 7 か月
間で計 12 回 WG 開催)
。目標の到達度について「◎達成済み,○概ね達成,△着手済み又は進捗
中,×未着手」の 4 段階で評価し,数値化による達成度評価を行った。現在,次期 CMP 策定 WG
にて,結果を踏まえた次期 CMP について議論中。
・なお,同点検評価 WG では,6 年間の CMP の他,30 年間の長期計画であるフレームワークプラン
の点検評価も行っている。
②学内にとどまらない人材育成
【目的】
・施設系職員の技術力の確保,近隣大学との情報共有,社会情勢に伴う大学等の変化への対応
【取組内容】
・施設系職員の技術力のボトムアップ,複雑化する技術知識の情報共有,大学の教育研究環境の変
化に対応できる人材育成を目的として,本学及び他大学と研修・勉強会を実施。
・全国の国立大学法人職員等を対象に,施設マネジメントに関する研究会等の研修を開催
・研修では,専門家の講演等を通じて,大学キャンパスの様々な課題解決に関する各大学の先進事
例などの情報提供を実施
4
【体制】
(1)他大学等との研修・勉強会
担当役員:施設管理部長
事務組織:施設管理部
(2)大学施設マネジメント研究会
担当役員:施設・環境計画推進室長
事務組織:施設・環境計画推進室(全学の運営支援組織),工学部施設整備推進室(工学部組
織)
(3)エネルギーマネジメント研究会
担当役員:施設・環境計画推進室長
事務組織:経済学研究科,理学研究科,医学研究科,工学研究科,生命農学研究科,環境学研
究科,エコトピア科学研究所,施設管理部,施設・環境計画推進室(全学の運営支
援組織),全学技術センター
【効果】
・施設マネジメントに関する人材の育成,施設系職員の技術力の向上
【実施プロセス等】
(1) 他大学等との研修・勉強会
・施設管理部として,技術の継承と中長期的な人材育成を目指したスキルアッププログラムの企
画・立案を行っている。施設を取り巻く課題等に対して,本学の施設系職員・事務職員・他大学
の施設系職員を対象として研修会や勉強会を実施。
(2)大学施設マネジメント研究会
・ファシリティマネジメント調査研究,ファシリティマネジャーの育成などを目的として設立され,
2007 年より研究会を開催している。
(3)エネルギーマネジメント研究会
・教員(経済・心理学を含めた文理工融合型)と事務・技術職員,生協,学生等が協働して学内の
省エネ・エネルギー管理のための共同調査や研究検証を行い,年に 1 回成果報告を行っている。
③修繕を効果的・効率的に
【目的】
・事後対応になりがちであった基幹設備等の修繕の効率化
【取組内容】
・平成 19 年度に基幹設備等に関する 15 年間の中長期保全計画を作成し,修繕の必要額を試算
・同計画に基づく修繕の実施に必要な財源を確保するため,平成 21 年度に「安定的な財源確保に
関する基本方針」を策定。平成 21 年度から部局に配分される「部局教育研究運営経費」の教員・
学生1人当たり基準額の 5%を「名大版施設利用チャージ料(約 2.2 億円)」としてあらかじめに
確保するとともに,大学全体として「全学共通経費」
(約 3 億円)を確保し,合計年間約 5.2 億
円の予算により外壁,屋上防水,空調,給排水設備等の計画的な修繕事業を実施。
【体制】
担当役員:施設設備担当理事
事務組織:施設計画・マネジメント委員会 ― 施設管理課
・委員会は,総長の指名により理事又は副総長をはじめ以下各学部の教授から 9 名,施設・計画推
進室長及び事務関係者 3 名と委員長が必要と認めた者 6 名をもって組織され,現在委員長含め 19
5
名で組織されている。
【効果】
・全学的に管理している老朽化した基幹設備等の計画的な修繕を実現
・各年度の整備事業量を平準化して業務量・コストも平準化
【実施プロセス等】
・「安定的な財源確保に関する基本方針」は,施設計画・マネジメント委員会での審議を経て部局
長会で了承されたが,学内審議に先立ち,施設担当理事が主要部局に出向いて新制度を丁寧に説
明し,短期間での学内合意形成を図った。
④施設に対する発注者の思いの実現
【目的】
・施設に対する発注者の要求性能の確保
【取組内容】
・外部専門家の支援と建築学研究室,施設計画推進室,施設管理部の参画により「名大インハウス
コミッショニング体制」を整備。建物の要求性能について,検証計画を立案して達成状況を確認。
・研究棟(研究所共同館)の整備に当たり,設計(H23)
,施工(H24)
,運用(H25)の各段階でコ
ミッショニング※を実施。
※コミッショニングとは,建物の要求性能(環境性能,省エネ性能,建物の使い勝手等)の実現の
ための検証を,発注者,設計者,施工者,運転管理者以外の第三者の技術者が担当し,発注者の
要求性能の達成をサポートし,クオリティの向上を行うもの。
【体制】
担当役員:施設設備担当理事
事務組織:施設管理部,施設・環境計画推進室 ― 名大インハウスコミッショニング体制
・施設・環境計画推進室は,建築系教員及び設備系教員で構成。キャンパスマスタープラン,施設
等に係る「中・長期目標及び計画」及び施設マネジメントに係る分析・評価等の手法等,全学的
及び長期的な視点に立って,最適なキャンパス整備計画及びエネルギー計画の企画・立案等を行
う。
【効果】
・発注者の要求性能を実現させることによる建物のクオリティの確保
・環境性能に関する効果の確認及び分析により,ライフサイクルコストの削減
【実施プロセス等】
・民間シンクタンクのプレゼンテーションがコミッショニングに取り組むきっかけとなった。以前
よりコミッショニングに取り組んでいた大学の名誉教授の協力を得て試行した。
【今後の課題】
・元来コミッショニングは主として機械設備を対象とするものであったが,本取組では,恐らく日
本で初めて,建築及び電気設備までその対象を広げて実施している。しかし,特に建築で性能を
規定することが難しく,機械設備と同様のレベルの性能検証には及んでいない。また,性能のみ
を重視するとコストも増加傾向となるため,コストの検証も含め総合的な検証とすることを今後
の課題としている。
6
大阪大学の施設マネジメント
(数値精査中)
大学の
学生数
教職員数
敷地面積
施設面積
特性
合計
学部
大学院
合計
教員
職員
(㎡)
(㎡)
大規模大学
23,562
15,563
7,999
4,594
3,111
1,483
1,677,621
1,091,634
①大学の未来戦略に掲げた「老朽化施設の解消」
【目的】
・必要な財源確保による計画的・効率的な施設環境の維持
【取組内容】
・既存施設の老朽化状況を把握して今後 30 年間で必要な対策の需要予測を行い,安定的な財源を
確保する制度を創設。各部局が保有する全施設に年間 500 円/㎡(総額 5 億円/年)を課金し,施
設費交付金約 1.5 億円と合わせて年間約 6.5 億円を修繕事業の予算として確保することとした。
・新制度により,平成 25 年度から必要な財源を確保して計画的に修繕事業を実施。
【体制】
担当役員:施設担当理事
事務組織:施設マネジメント委員会
維持管理 WG
―
施設部
【効果】
・実現可能な具体的計画に基づく,老朽化した施設の修繕工事の実施
・老朽化対策の必要性に対する部局の理解
【実施プロセス等】
・修繕事業については,以前から各部局の要望に基づき,本部の予算措置が可能な範囲で優先順位
を定めて実施してきたが,毎年の積み残しの累積とともに,今後更なる需要増が見込まれ,教育
研究環境の維持が困難な状況であった。
・このため,平成 24 年策定の「大阪大学未来戦略(2012-2015)
」に「施設の維持管理を将来にわ
たって計画的かつ持続的に大学の責任で実行していく。このために必要となる財源確保の方策を
策定し実行する。
」と明記し,新たな施設老朽化対策の制度化を進めた。
・保有面積に一律課金する本制度は,各部局の財政状況の厳しさに加え,保有施設の規模や老朽度
合い,科研費獲得状況等による財政力などが部局によって異なるため,反対意見も見られたが,
総長,施設担当理事等の執行部が,部局長等に対し,部局長会議や個々の面談により,老朽化対
策の必要性とともに,施設は大学全体のものであることに理解を得て制度化を図った。
・実施する修繕事業は,毎年,各部局等からの要望をもとに,施設部で各部局のヒヤリング及び現
地調査を行い,評価基準に基づき優先順位を定めた案を作成。評価基準の作成・見直し,優先順
位の決定は,各部局及び各キャンパスの代表者(教授等)で構成される施設マネジメント委員会
の維持管理 WG で実施し,委員会の審議を経て施設担当理事の了承により決定。
・事業の評価では,老朽度合いや緊急性の他,各部局の要望順位,保有面積,自己負担度合いも考
慮するとともに,各部局の 5 年間の事業量の上限を定めている。
・各部局等からの要望事業の評価結果及び優先順位は全て学内に公表され,要望事業の概ねの実施
時期が予想できるようにしている。
7
②全学的体制での徹底した安全衛生管理
【目的】
・効率的で細やかな安全衛生管理
【取組内容】
・安全衛生管理部(本部における安全衛生担当組織)において,様々な事件・事故の未然防止策を
実施(部局への情報共有や注意喚起,学内パトロール,施設関係事案における施設部との連携等)
【体制】
担当役員:安全衛生担当理事
事務組織:安全衛生委員会 - 安全衛生管理部
【効果】
・学生・教職員に対して直接注意喚起を行う学内安全パトロールの実施により,事故を未然に防止
・各部局の学内安全衛生委員より,外壁の落下,道路の陥没,漏電等の事故の原因となる施設の破
損・故障等の報告が適時行われ,施設部での迅速な対応が可能
【実施プロセス等】
・具体的な取組内容は以下のとおり。
(1)安全衛生管理部を中心に,各部局の安全衛生委員等で構成する安全衛生委員会をキャンパ
スごとに毎月開催し,事件・事故等の発生状況を報告して注意喚起。施設部長が安全衛生部
副部長を兼任して委員会の委員となっており,委員会で施設面での問題が報告された場合は,
施設部と連携し迅速に対応できる体制を整えている。
(2)安全衛生管理部の巡視員 4 名が安全パトロールを毎日実施し,薬品の取扱い,避難路の確
保,地震対策(家具・実験機器等の固定)等を部局へ直接指導。
(3)実験室の整備事業の際には,設計段階で安全衛生面の助言を得るため,安全衛生管理部職
員の参画を試行的に実施。
③「ハウジングオフィス」が描く大学の『住』の未来
【目的】
・宿舎管理の効率化と宿舎に関する諸課題の解決
【取組内容】
・学生部(現教育推進部),国際交流オフィス(現総務企画部及び教育推進部)
,総務企画部,及び
施設部がそれぞれ個別に管理していた学生宿舎,留学生宿舎,研究者向け宿泊施設,及び教職員
宿舎の管理を一元化するとともに,これら宿舎全体の将来構想を検討するため,平成 24 年度に
ハウジングオフィス及びハウジング委員会を設置。
・現在同委員会では,学内の関係組織と連携し,今後の宿舎の必要戸数を推計してその諸課題を解
決する整備方策を検討している。具体的には,既存の学生宿舎を改修して留学生との混住化を図
るとともに,点在し老朽化が著しい職員宿舎の土地を整理統合し,学生・留学生・職員宿舎を複
合化する計画を検討中。
【体制】
担当役員:事務改革担当理事
事務組織:ハウジング委員会
― ハウジングオフィス
【効果】
・宿舎担当組織の一元化による宿舎管理業務の効率化
・宿舎に関する全学的な視点からの具体的な将来計画の策定
8
【実施プロセス等】
・現在,職員宿舎は老朽化の進行が著しく,一部では耐震性が低く空室も目立つ。また,グローバ
ル化を進めるために留学生宿舎の不足が喫緊の課題。
・宿舎の複合化整備計画は,ハウジングオフィスを中心に,平成 25 年度に設置されたファシリテ
ィマネジメント室(経営的視点から大学の土地・建物を総合的に企画,管理,活用する政策を立
案),施設部,財務部,及び教育推進部が連携して取り組んでいる。ハウジングオフィスに宿舎
関連業務を集約化したことにより,関連する他の事務部の要望を調整し,全学的な視点で将来構
想を検討することができるようになった。
④駐車場収入を活用したキャンパスの整備
【目的】
・キャンパス内道路・駐車場等の外部空間の環境の向上
【取組内容】
・車両入構の収入を活用して,駐車場ゲートの設置・運営,道路の補修,構内サインの整備,駐車
場・バス停・自転車置場の整備等を実施。
【体制】
担当役員:施設担当理事
事務組織:施設マネジメント委員会
交通 WG ― 施設部,キャンパスデザイン室(施設マネジ
メント委員長を室長とする教員で構成。キャンパスマスタープラン,キャンパス内緑
地のフレームワークプラン,構内交通計画,福利施設整備計画等を担当)
【効果】
・厳しい財政状況の中で必要な環境整備を実現
・キャンパス内の交通事故防止,サイン計画,駐車場・駐輪場整備等のきめ細かな対応
【実施プロセス等】
・車両入構の収入による整備事業は,キャンパスデザイン室による調査・分析及び企画立案を基に,
施設マネジメント委員会の交通 WG で審議し決定(なお,同 WG ではこの他,車両入構規制,渋滞
解消のための道路拡幅整備,自転車登録制度,交通安全アンケート等を実施)
。
9
三重大学の施設マネジメント
(数値精査中)
大学の
学生数
特性
教職員数
敷地面積
施設面積
合計
学部
大学院
合計
教員
職員
(㎡)
(㎡)
7,396
6,171
1,225
1,709
759
950
5,603,757
321,319
附属病院を
有する総合
大学
世界一の環境先進大学の実現を目指して
【目的】
・学長の理念「世界一の環境先進大学」の実現
・光熱水費の削減,学生・教職員の意識向上
【取組内容】
・平成 18 年に環境方針を定め,環境先進大学を目指す。(平成 18 年 2 月に学長による「環境方針」
宣言のキックオフ大会)
・平成 19 年に ISO14001(環境マネジメントシステムの国際規格)を取得。
・平成 21 年に学長交代に伴って,新たな環境方針を作成し,環境マネジメントシステムに関する
理念として「世界一の環境先進大学」を掲げる。
・環境マネジメントに関する全学的体制を整備し,様々な取組を実施。
【体制】
担当役員:学長
事務組織:国際環境教育研究センター ― 国際環境教育研究センター,施設部
【効果】
・創エネルギーによる CO2排出量の削減(大学全体で,平成 26 年 3 月までに H22 度比で CO2 原単位
として 27.3%削減)
→CO2 原単位として H22 年度比 27.3%削減
・総エネルギー量(原単位・原油換算)の削減
年度
平成 22 年度
平成 23 年度
平成 24 年度
平成 25 年度
総エネルギー量[kL/㎡]
0.0496
0.0464
0.0439
0.0407
前年比[%]
-
93.5
94.6
92.7
・光熱水費の削減
→ガスエンジン導入等により,H23 年度から H24 年度で約 30,000 千円削減できたが,H24 年度か
ら H25 年度では燃料費の高騰等により 32,000 千円増加した。
・学生・教職員の意識向上
(MIEU ポイント:平成 25 年度末までに登録者数 430 名,付与ポイント数 293,819 ポイント)
・第 22 回地球環境大賞 文部科学大臣賞(平成 25 年度)
・エコ大学ランキング総合1位(平成 22,25 年度)
10
【実施プロセス等】
・主な取組内容は以下のとおり。
(1)環境マネジメントに関する全学的体制の整備
平成 26 年に「国際環境教育研究センター」を設置(環境管理推進センターと環境保全セン
ターと統合)。担当理事がセンター長を務め,運営会議には施設部長も参加して,ISO14001
認証に伴う環境マネジメントシステムを構築,運用。
(2)「三重大学スマートキャンパス(MIESC)実証事業」
(経済産業省補助事業,H23 採択)
再生可能エネルギー設備(風力発電 300kw,太陽光発電 60kw,蓄電池 432kw,ガスコジェネ
レーション 2,000kw)を設置して,得られる電気を利用者の使い勝手に合わせて貯蓄・消費
し,キャンパス内のエネルギーを効率的に運用・制御するスマート化を実施。
(3)環境活動のポイントシステム「MIEU ポイント」
学生・教職員が学内で実施した環境活動の内容に応じてポイントを付与し,その獲得ポイン
トに応じて表彰や物品との交換を実施するシステム。学生・教職員の自主的な環境マネジメ
ント活動(未使用の教室の照明を消す等)を推進するために,活動を「見える化」してイン
センティブを与えるもので,平成 24 年 7 月から実施。
【今後の課題】
・環境マネジメントシステムに関して,全学的な体制は整備されたが,全構成員に対して意識の差
をなくすことが今後の課題である。
11
佐賀大学の施設マネジメント
(数値精査中)
大学の
学生数
教職員数
敷地面積
施設面積
特性
合計
学部
大学院
合計
教員
職員
(㎡)
(㎡)
大規模大学
7,108
6,184
924
1,996
752
1,244
819,535
256,637
「大学の顔」の整備から新たな事業展開へ
【目的】
・美術館及び正門の整備後に,その整備目的に対応する効果を最大化し,大学の付加価値を高め,
大学改革への対応(特色・強みの伸長)につなげる
<美術館と正門をセットにした戦略的な「大学の顔」の整備>
●整備目的
「地域とともに未来に向けて発展し続ける大学を
目指す」という大学の理念と「大学の付加価値を高
める」という学長の経営思想に基づき,大学の特
色・強みである美術・工芸教育を生かすとともに地
域に開かれた大学とするため,いわゆる「大学の顔」
となるスペースを創出する
●利用目的
・美術館=大学と地域の新しい交流・情報発信の場
・学生・教員及び卒業生等の美術・工芸作品を収集・保管し,地域の人々の観覧に供するとともに,関
連する教育及び研究に資することにより,芸術及び文化の振興を図る場
・すべての学部・研究科の成果・情報を発信する「大学全体の広報機能を備えた場」
・他学部と研究科との交流,大学と地域との交流を図る「交流の場」
・正門=大学の新たな顔として開放的で親しみやすい空間
・多くの人々が大学を訪問する機会が増え,地域に密着した大学をよりアピールし,身近な大学として
地域・社会貢献の推進と充実になお一層寄与することを目的に整備
【取組内容】
・美術館及び正門の整備(平成 24,25 年度工事)に関する PDCA サイクル※を確立し遂行。
※施設整備の計画時に,教育研究等にもたらす効果を想定して,その効果を定量的に把握するための評価指標を
設定。整備後に評価指標により効果を検証・評価し,新たな事業構想に展開。
(1)Check・Action→Plan
基本計画等の検討に当たり,以下の情報を活用。
・整備前に学長自ら企業・自治体・高校等百数十箇所を訪問し,地域等の声を拾い上げ
・「佐賀大学 IR※」の仕組みを活用し,これまでの大学の美術・工芸教育の成果を検証
※佐賀大学 IR とは,大学経営戦略に必要な PDCA 遂行のための支援体制。
学長直轄の組織である IR(Institutional Research)室で,教育・研究・社会貢献・経営基盤の四つの視点から
各種データを分析し,大学運営のための計画策定,政策決定,意思決定を支援。
(2)Plan
美術館整備が教育研究等にもたらす効果を想定して,対応する評価指標(入館者数,美術工芸
課程受験倍率・学生展覧会受賞数,学芸員資格取得者数,美術工芸教員の公募展受賞数,外部団
体展覧会開催数,美術品寄贈数等)を設定。
(3)Action
短期的(3 年後)及び中期的(5 年後)に効果の検証・評価を実施予定。
12
【体制】
担当役員:学長
事務組織:美術館設置諮問委員会,美術館・正門整備委員会,経営協議会,教育研究評議会,役
員会 -(施設整備 PDCA サイクル検証)環境施設部
【効果】
・入館者数は,平成 25 年 10 月の開館から半年で 27,000 人を超えた。この実績等も踏まえ,大学
の特色・強みである美術・工芸教育の更なる発展,社会的な役割強化を目指し,文化教育学部改
組(平成 28 年 4 月芸術学部(仮称)の設置予定)への事業展開につながった。
・更に平成 25 年 11 月には,芸術学部(仮称)の活動拠点として佐賀県立有田窯業大学校(県立専修
学校)を佐賀大学に統合することで佐賀県と基本合意。
・今後は,美術館が芸術学部(仮称)の中核施設の一つとして大学改革を加速させるためのシンボル
となることや,大学のブランド力向上により優秀な学生が増加することが期待される。
【実施プロセス等】
・「施設整備は,大学の理念に基づき,教育研究上の効果を最大限に発揮させるよう展開していく
べきである」という学長の強い問題意識の下,美術館設置について,学長特命事業として平成 23
年 1 月から検討開始。
・平成 23 年 3 月に美術館設置諮問委員会を設置。佐賀大学 IR による現状分析※や評価指標の設定
の他,同窓会・地域等の声も踏まえながら美術館の基本計画や財源等を様々な形で議論。
※佐賀大学 IR からもたらされた主な情報は以下のとおり。
・安定した入学志願者数の維持
・九州美術・工芸教育界のリーダー(九州唯一の特別教科教員養成課程)
・理論と実践の両面に強い学校教員から大学教員や作家も多く輩出
・所属教員や在学生・卒業生の全国レベルの活躍
等々
・基本計画等を平成 23 年 6 月に役員会決定。全体事業費は 9 億円(施設整備費 6 億円,運営費 3
億円)程度と想定し,施設整備費の半分程度は寄附金で対応することとした。
・教育研究等にもたらす効果や評価指標については,美術館の運営部局である学務部と環境施設部
で協議して決定。
13
東京工業大学の施設マネジメント
(数値精査中)
大学の
学生数
教職員数(常勤のみ)
敷地面積
施設面積
特性
合計
学部
大学院
合計
教員
職員
(㎡)
(㎡)
理工系
9,802
4,761
5,041
1,718
1,135
583
539,756
461,536
①新たな研究活動を支える学長裁量スペース
【目的】
・既存施設の有効活用による戦略的運営のためのスペース創出
【取組内容】
・プロジェクト研究等に使用するための学長裁量スペースの仕組みを平成 16 年度から導入。平成
24 年度には同スペースの確保や使用のルールを一部見直し,改めて学内規則を整備。
・学長裁量スペースの使用料収入の一部を同スペース運営経費として使用(約 2,800 万円)
。
【体制】
担当役員:施設担当理事・副学長
事務組織:キャンパス整備計画室 施設マネジメント検討班 ― 施設運営部
・キャンパス整備計画室は,キャンパス整備の総合的な企画立案を行い学長へ直接提言する学内組
織。構成員の過半は教員だが,室長は施設担当理事・副学長で,大学全体の戦略を踏まえた検討
を行える体制となっている。
・施設マネジメント検討班は,キャンパス整備計画室の下に設置されており,構成員は教員 2 名と
財務部長,施設運営部長。スペースマネジメントの他,長期修繕計画等について検討中。
【効果】
・平成 25 年度末時点で,
学長裁量スペース 22,221 ㎡を確保
(教育研究の実効スペース全体の 8.8%)
平成 23 年度以降の建物新営や大規模改修に伴いスペースが大きく増加(H23:14,387 ㎡→H25:
22,221 ㎡)
・なお,平成 26 年度当初の利用率は 79.6%
【実施プロセス等】
・学長裁量スペースの使用料については,光熱水料等の実績等,維持管理費必要額の算出等を行い,
大学周辺の賃料相場も勘案した料金設定根拠を整理した。平成 16 年度の導入時に,財務部と施
設運営部での調整の上,使用料を決定。平成 24 年度の規定作成時も同様。
・該当室の入り口扉にステッカーを貼り,学長裁量スペースとして有効活用が図られていることを
学内へ分かりやすく示している。
・平成 16 年度の導入時は,平成 14 年度以降の事業にて整備した新営建物へ集約移転した空きスペ
ースを活用し,約 14,000 ㎡の学長裁量スペースを確保した。
・平成 24 年に整備した規則では,①空きスペース,②新営建物の2割,③新営建物等への移転に
より生じる移転元の空きスペースは学長裁量スペースとすることを原則としている(
「国立大学
法人東京工業大学における学長裁量スペースの確保に関する規則」による)
。
14
【苦労した点】
・既存スペースを学長裁量スペースとして確保・運用する場合,各室の老朽度合いや施設条件がま
ちまちであるため,ユーザー負担による改修や退去時の原状回復(実験機器等の撤去)について,
きちんとしたルールづくりと入居者の理解が必要不可欠である。そのため,学内規則において,
退去時の原状回復について明記するとともに,入居者による室の改修履歴を書面により残すよう
対応している。
【今後の課題】
・今後は,さらなる戦略的スペース活用を推し進めるため,全学的なスペースチャージ制度への拡
大を検討中。また,全学的なスペースチャージによって,使用料収入が大幅に増加すると見込ま
れるため,使用料の使途範囲の拡大について,キャンパス整備企画室にてルール化を検討中。
・スペースの点在が課題だが,内部改修等の機会を利用して集約化に努めている。
②電気料金の還元・負担制度による省エネルギー活動の推進
【目的】
・電気使用量の削減(電気料金値上げや東京都条例による特定温室効果ガス総量削減義務への対応)
・電気を使用する学内構成員に対する節電の意識・行動の醸成
【取組内容】
・学内電力使用状況・使用実績を見える化(団地別,建物別,フロア別に表示)し,学内 HP で公
表。
・建物単位の目標値(平成 24 年度電力使用量)を設定し,使用量が上回った分は負担額として部
局から徴収。使用量を削減した部局には,一定額を還元する一部還元・負担制度を実施。
・削減上位には,半期ごとにインセンティブを付与。
【体制】
担当役員:環境担当副学長
事務組織:省エネルギー推進室 ―
施設運営部
・省エネルギー推進室は,室長は担当副学長,室長補佐は施設運営部長。
【効果】
・光熱費の削減(約 100 万円削減)
,契約額の低減(約 400 万円削減)
・学内構成員の節電意識が向上し,省エネルギーの取組への理解・協力が得られた。
【今後の課題】
・インセンティブ制度については,基準年に対する削減割合が大きい建物の使用者にインセンティ
ブを与える仕組みとしたため,大規模建物に比べ小規模建物が優位となる結果となり,各部局が
行う省エネ活動を公平に評価することが難しいため,制度を廃止して新たな方策の実施を検討予
定。
③計画的な空調設備の更新で省エネルギーも実現
【目的】
・一斉に老朽化した空調設備を年次計画により更新
・高効率型設備への更新により電力使用量及び温室効果ガス排出量を削減
【取組内容】
・施設運営部で空調設備更新の年次計画を策定し,順次更新。
・年次計画は,設備ごとの更新費用や想定する財源を,財務部と調整し提示。これにより学内の理
15
解が得られ,更新のための学内予算(毎年 2 億円程度)を確保できる見込み。
【体制】
担当役員:施設担当理事・副学長
事務組織:キャンパス整備計画室 施設マネジメント検討班
― 施設運営部
【効果】
・老朽化した空調設備の計画的な更新を実現
・設備の高効率化による消費電力削減金額は,平成 25~35 年度で約 4600 万円削減となる見込み
【今後の課題】
・多額の費用がかかる空調設備の更新も含め,今後増大する修繕費を補うため,スペースチャージ
の導入について施設マネジメント検討班で検討中。
④教員の専門的知見を生かしたキャンパスづくり
【目的】
・理工系大学の強みである専門的な知見を生かした教育研究環境の創出
【取組内容】
・キャンパス整備計画室の構成員として,事務局に加えて,建築系教員 4 名(うち学外 1 名)が参
画し,キャンパスマスタープランの策定や個別施設の整備計画の検討など,施設整備計画全般に
わたり具体的で有効な提言を行っている。
・個別施設の新営事業について,基本計画段階から建築系教員が積極的に参画している。
【体制】
担当役員:施設担当理事・副学長
事務組織:キャンパス整備計画室 ― 施設運営部
【効果】
・質の高い優れた教育研究環境の実現
・実際に整備された施設の例
①研究棟「環境エネルギーイノベーション棟」
・最先端の各種省エネルギー技術等を導入することにより,CO2 排出量 60%以上の削減を目
指し,建物自体が研究対象となる「ゼロ電力実証研究棟」。
・教員約 230 名からなる「環境エネルギー機構」の研究拠点として,建設プロジェクトを立
ち上げ,同機構の設立準備メンバーが中心となって,基本構想をとりまとめた。
②研究棟「緑が丘 6 号館」
・独創的・先端的な研究をプロジェクト化して集中的に行うことができるよう,研究実験ス
ペースを学長裁量スペースに位置づけオープンラボとして運用。
(部局専有スペースとの
交換も含め,稼働率 100%)ウェットな実験を伴う化学・材料・生命理工学系の研究実験
へも対応可能なフレキシブルな平面計画・設備計画を行った。
・建物利用教員(生命理工学系),建築系教員及び施設担当部署が,基本計画段階から施工
監理まで一貫して連係・協働することより,建物の機能・デザインだけでなく,周辺のパ
ブリックスペースにも配慮した計画の適正化が行われた。
16
京都工芸繊維大学の施設マネジメント
(数値精査中)
大学の
学生数
教職員数
敷地面積
施設面積
特性
合計
学部
大学院
合計
教員
職員
(㎡)
(㎡)
理工系
4,055
2,858
1,197
441
297
144
208,494
111,651
①私立大学等との連携で実現したキャッシュいらずの施設整備
【目的】
・厳しい財政状況の中で,外部資金を活用した効率的な施設整備の実施
【取組内容】
・外部資金の活用や施設の借用等,学外と連携し多様な財源を活用して以下の取組を実施
(1)他大学と連携した土地交換による用地取得と PPP 事業による学生寮の整備
松ヶ崎キャンパス遠隔に所有していた宿舎用地と,松ヶ崎キャンパス隣接地について,京都ノ
ートルダム女子大学及び立命館大学と連携して土地交換を実施。取得したキャンパス隣接地に,
PPP 事業により学生寮を整備。
(2)大学構内に他大学の資金により講義棟を整備
大学構内に,京都ノートルダム女子大学が自己資金で講義棟を整備。同女子大学の耐震対策工
事期間中のみ女子大学と共同利用し,工事後には施設の無償譲渡を受けた。
(3)教養課程講義棟の学外施設の活用
京都府立大学が同大学構内に所有する施設について,京都府立大学及び京都府立医科大学と共
同で教養課程の講義に無償利用。単位互換授業等,3 大学で連携した教養課程授業を実施。
【体制】
担当役員:施設担当理事
事務組織:学生寮建築計画策定プロジェクトチーム(理事,研究科長,財務課,施設マネジメン
ト課) ― 不動産交換(財務課),公募及びプロポーザル審査委員会(施設マネジメ
ント課),松ヶ崎学生館関係者協議会委員(理事+5関連課長)
【効果】
・少ない投資でより多くの施設整備の成果が得られた。具体的には以下のとおり。
(1)キャンパス隣接地を取得して学生寮を整備(キャッシュの動きなしで土地・建物を取得)
結果として所有資産の有効活用が実現
(2)構内に新しい講義棟を整備(建設費負担なしでストック増)
(3)他大学の建物を教養課程講義用に無償で共同利用(ストックを増やさずに施設需要を満たす)
施設の共同利用やカリキュラムの連携による学生・教職員・研究者の相互交流
【実施プロセス等】
(1)他大学と連携した土地交換による用地取得と PPP 事業による学生寮の整備
・平成 23 年に,松ヶ崎キャンパス遠隔に所有していた宿舎用地と松ヶ崎キャンパス隣接地(京
都ノートルダム女子大学所有)を土地交換。同日付で,京都ノートルダム女子大学は立命館大
学に宿舎跡地を売却した。この宿舎用地については,平成 19 年に立命館大学より売却の相談
を受けていたが,代替地の確保を打診していた。
・取得した松ヶ崎キャンパス隣接地には,PPP 事業(25 年契約の BOT 方式で,)で学生寮を整備。
施設は事業後に大学へ無償譲渡される。事業に当たっては,大学と事業者による関係者協議会
(大学側は担当理事等が参加)を月 1 回程度開催して業務の確実な遂行や要求水準の達成を確
認している。
17
土地交換による用地取得と学生寮の整備計画
②公平公正な面積配分でスペースを有効に使う
【目的】
・既存施設の有効活用による
①公平な施設利用と②教育研究組織や人員の変化への柔軟かつ安定的な対応
【取組内容】
・利用者・用途別の面積配分の明確な基準を示した施設使用指針を策定し,施設を運用。
【体制】
担当役員:施設担当理事
事務組織:環境・施設委員会 ― 施設マネジメント課
【効果】
・大学の施設の使用方針について学内外の認識共有(予算要求時の整備方針の基としても活用)
・部門間の面積の再配分に際し,以前より配分面積に不満のあった部門に対して,格差是正をはか
る配分処理を実施。また,配分基準を用いて,余剰スペースを確保し,共同利用スペースとして
活用することとした。
【実施プロセス等】
・環境・施設委員会(担当理事を長とし,学系長等で構成される学内組織)で,キャンパスマスタ
ープラン 2009 及び施設利用規則に基づき,平成 21 年 3 月に施設使用指針を策定。
・指針では,教員及び学生等の利用者一人あたりの面積配分の基準,及び施設の用途別(各学部の
教育研究施設,共用の研究スペース,講義室等,事務関連の 4 種類)の面積配分の基準を規定。
【苦労した点】
・面積配分基準の根拠となる学生・院生定員を持たない部門があるため,実態把握に時間を要し,
調整に苦慮した。
・改修計画を立案する際,従来の配分基準では移行スペースが確保できないため,配分基準を暫定
的に切り下げ,スペースを捻出することによって,大規模改修を実施。
【今後の課題】
・平成 25 年度に部門・専攻等のゾーニング整備を実施し現状の使用面積が変動したため,キャン
パスマスタープラン 2014 の検討と合わせて,使用面積と面積配分基準の見直しを行う予定。
18
九州工業大学の施設マネジメント
(数値精査中)
大学の
学生数
教職員数
敷地面積
施設面積
特性
合計
学部
大学院
合計
教員
職員
(㎡)
(㎡)
理工系大学
5,872
4,245
1,627
571
369
202
578,894
183,873
①先駆けとなった全学的なスペースチャージ
【目的】
・維持管理費の確保
・施設の有効利用(施設の共有化,流動化の促進)
・プロジェクト研究スペースの確保
【取組内容】
・全国に先駆け,平成 17 年度から全学的なスペースチャージ制を導入。
・全施設を1年間のレンタル制とし,チャージは,プロジェクト研究スペースは原則 4,000 円/㎡・
年,教育・研究スペースは原則 2,000 円/㎡・年,全学共通・サービス・管理スペースは無料。
・チャージは全て本部収入となり,全学的な施設の維持管理に使用。使途は施設委員会で決定。
修繕に加えて,防水改修・駐輪場整備・トイレ改修・自学自習スペース整備など,きめ細かな
対応を行っている。
・課金対象面積は,全施設の 35%(内訳は,プロジェクト研究スペース,戦略的学習スペース,学
科専有スペース,教員専有の教育・研究スペース)
【体制】
担当役員:研究・産学連携担当理事
事務組織:施設委員会 ―
施設課
・施設委員会の構成員は,関係理事 3 名,各学部長ら及び施設課長。最小限の人数で集中的に議論
しており,全学的な体制のため委員会での決定事項は各部局へ浸透しやすくなっている。
【効果】
・維持管理予算を年間 1.8 億円確保(うちチャージ収入は 6,000 万円)し,①計画的な維持管理に
よる効率的な環境改善及び②学生のアメニティ向上を実現
・プロジェクト研究スペース 7,895 ㎡(流動化面積 1,900 ㎡)を確保(全施設の 4%)
・教職員の施設,インフラ,屋外環境に対する意識の変化
【実施プロセス等】
・学長が以下の考えに基づき導入
スペースチャージ制の導入は,本学が生き残る知恵の一つであり,在り方を社会に対して実現す
るための手段の一つである。社会的責任という観点からは,受益者たる学生に対して快適な環境
を提供するとともに,すぐれた研究を実施するために,本学の教育・研究の成果を社会に発信し
ている構成員が,必要な施設及び設備を必要なだけ利用する状況を準備することが大学の責務と
考えた。
・スペースチャージ制は,WEB によるスペース管理システムと併せて導入。スペースのレンタルの
申請手続等は同システムで行う。
・チャージ料金は,60 年間の長期修繕計画による必要な修繕費の試算を基に決定。
19
【苦労した点】
・これまでの施設・設備は教員の占有意識が強く,スペースチャージ制導入の際は,教員からの強
い反発があったが,学長の強いリーダーシップのもと,学内の環境整備が目に見える形で進むこ
とにより,教職員や学生の理解が得られるようになってきた。
【今後の課題】
・今後も修繕需要の増加が見込まれることから,プロジェクト研究スペースのチャージ値上げも検
討中。
・現在,既存建物の改修や基幹整備の計画についても,施設委員会やその下の WG 等で検討中。ま
た,学生や教職員へのアンケートやワークショップを行い,全学的な施設整備を目指している。
②教育研究等にもたらす効果の想定と事後の検証・評価
【目的】
・施設整備に関する PDCA サイクル※の確立による施設整備の質の向上
※施設整備の計画時に,教育研究等にもたらす効果を想定して,効果を定量的に把握するための
評価指標を設定。整備後に,評価指標により効果を検証・評価し,次回の同様の整備に反映。
【取組内容】
・未来型講義棟(インタラクティブ学習棟)の新営(22 年度工事)の計画時に,施設整備が教育研
究等にもたらす効果を想定して,対応する評価指標(教室稼働率,自主的活動を行う学生数,学
生の海外派遣数等)を設定。
・短期的(平成 27 年度まで)及び中期的(平成 33 年度まで)に効果の検証・評価を実施予定。
【体制】
担当役員:大学改革・教育・情報担当理事
事務組織:施設使用部局と施設課で協議 ― 施設課
【効果】
・整備事業の課題を把握し次回整備へ生かすことにより,より良い施設整備を実現
・同講義棟は飯塚キャンパスに整備されたが,供用開始後,稼働率が高く好評を博したため,メイ
ンキャンパスである戸畑キャンパスにも同様の未来型講義棟を整備。
【実施プロセス等】
・教育研究等にもたらす効果や評価指標は,施設使用部局と施設課で協議して決定。
・供用開始後,同講義棟の管理者である学習教育センターで,稼働率,利用者数,利用実態等につ
いて詳細なデータを取り,教育的な側面からの検証・評価を実施中。
20
一橋大学の施設マネジメント
(数値精査中)
大学の
学生数
教職員数
敷地面積
施設面積
特性
合計
学部
大学院
合計
教員
職員
(㎡)
(㎡)
文科系
6,392
4,448
1,944
573
398
175
436,646
183,687
①大学 OB とつむぐ緑の財産
【目的】
・大学の財産である緑地環境の改善と維持継承
【取組内容】
・施設課を中心に,学外有識者の協力を得て,平成 16 年 11 月に「緑地基本計画」を作成。同計画
には,キャンパス内の緑地のゾーニング,ゾーンごとの緑地の種類と管理方法を記載。
・同計画に基づく緑地整備として,施設課で外注する整備のほか,大学 OB を中心とする学外団体
「一橋大学植樹会」の協力を得ながら月1回の手入れ(草取り等)を実施。
【体制】
担当役員:学長
事務組織:施設課
― 施設課,一橋大学植樹会(協力)
・一橋大学植樹会の会員数は約 1450 名(うち約 1200 名が OB・OG,残りは教職員や学生)
。
【効果】
・緑地基本計画による,全学的な管理方針や具体的な管理方法の明確化
・学外からの協力を得て毎年必要な最低限の緑地整備の実施
【実施プロセス等】
・緑地管理予算の減少等により緑地全体の調和が崩れてきたことを受け,良好なキャンパス環境の
復活・維持に全学的に取り組むこととした。
・施設課で外注する緑地整備では行き届かない部分について,施設課及び一橋大学植樹会のボラン
ティアで日常的な手入れを実施。毎回の手入れの作業内容は,施設課と一橋大学植樹会で事前に
打合せの上決めている。また,学生等に国立キャンパスの緑の豊かさを認識してもらうため,
『一
橋大学国立キャンパス緑の 30 景』を作成。一橋大学紹介の一部として全国の高等学校にも配布
している。
②寄附金の活用で学生生活の充実を応援
【目的】
・施設整備関係予算の減少により整備が行き届きにくい施設の環境向上
【取組内容】
・学長を委員長とする「基金運営委員会」で寄附に関する方針の策定や OB へのキャンペーン活動
等を実施。
【体制】
担当役員:学長
事務組織:基金運営委員会 ― 一橋大学基金事務局,施設課
21
【効果】
・多額の寄附金収入(H23 決算では,運営費交付金 57 億円に対して寄附金収入 8.8 億円)
・寄附金収入により,空手道場の改築,ラグビー場の人工芝化,陸上競技場の改修等を実施
【実施プロセス等】
・寄附希望者が担当事務局(一橋大学基金事務局)を通じて申し込み,使途は基金運営委員会によ
り学内外の幅広い意見を取り入れて決定される。
・寄附の際に使途を選択できるシステムとなっている。使途が限定されない寄附金は,施設の改修
費としても使用。
③施設の2割が全学共同利用のスペース
【目的】
・既存施設の有効活用による,教育研究ニーズに対応するための全学共同利用スペースの創出
【取組内容】
・全学共同利用スペースの確保に関する規則(「一橋大学における施設の有効活用に関する規則」)
を整備し,全教育研究施設のうち原則 20%を全学共同利用スペースとして確保することを明記。
【体制】
担当役員:学長
事務組織:施設マネジメント委員会
― 施設課
【効果】
・全学共同利用スペース 30,576 ㎡を確保(全施設の 23.1%に相当)
。
なお,このうち 13,561 ㎡は,各学部が占有していた面積を用途の見直し及び集約化により確保
した。
(平成 23 年度に共同利用スペースの定義を見直し,講義室や研究室を共同利用スペースに
含めることにした。講義室,研究室以外は本部管理。
)
【実施プロセス等】
・施設課の発案により,平成 16,18 年に施設の実態調査を行い,利用状況を確認。その結果を踏
まえ,共同利用スペースの確保に関する規則を制定した。
・老朽施設の機能改善を行う際に,各研究科の研究室を集約することにより,共同利用スペースを
確保している。
・平成 19 年度に整備した同規則では,①新営・増築建物の2割,②大型改修を行う場合の改修面
積の1割,③新営建物等への移転により生じる移転元の空きスペースの2割,は全学共同利用ス
ペースとすることを原則としている。
【苦労した点】
・共同利用スペースを確保するに当たり,各部局へ全学的な共同利用スペースの必要性を説明し,
スペースの確保に理解を求めた。
22
東京学芸大学の施設マネジメント
(数値精査中)
大学の
学生数
教職員数
敷地面積
施設面積
特性
合計
学部
大学院
合計
教員
職員
(㎡)
(㎡)
教育系
5,764
4,950
814
540
321
219
324,191
226,239
①監事報告により進んだスペースマネジメント
【目的】
・既存施設の有効活用による
①全学的な狭あい状況(学系による偏りも発生)の解消と②教育研究スペースの公平な配分
【取組内容】
・施設の有効活用に関する学内規定を見直し,全学共通利用スペースの確保のための規定を整備。
・平成 25 年 3 月に施設の有効活用に関する問題点や改善策を示した監事報告を学内へ周知。
・これを受けて,平成 25 年度に設置された施設整備委員会構成員の視察により,各施設の利用状
況等の現状を把握。
【体制】
担当役員:学長
事務組織:施設整備委員会 ― 施設課
・施設整備委員会の構成員は,理事(総務・国際担当),理事(財務・労務担当)
・事務局長,各学
系長,附属学校運営参事,財務施設部長。
【効果】
・全学共通利用スペースとして 2,700 ㎡を確保(全施設の約3%)
・監事報告という客観的な形で問題点や改善策を示したことで,スペースの有効活用の取組促進や
学内への普及啓発につながった。
・老朽狭あい状況の現状並びに学系ごとの相違について,各構成員が共通認識を持ち,意見交換が
行われた。
【実施プロセス等】
・平成 24 年 10 月に「東京学芸大学施設の有効活用に関する規程」を見直し,①新営建物の2割,
②新営建物等への移転元スペース,③定年退職者のポストを削減する場合の当該退職者の使用ス
ペース,は全学共通利用スペースとすることを原則とした。
・平成 24 年,学長から監事に対して,大学施設の有効利用に関する改善策について意見提出を要
請。これを受けて監事は,各部局の主要な建物の視察等を行った上で,狭あい状況の格差是正に
向けた調査の実施や学内組織の設立等を提言する意見を平成 25 年 3 月に学長へ報告。同内容は
「監事報告」として大学のアニュアルレポ-トに掲載した。
【苦労した点】
・従来の使用者の既得権が絡んで,正確な利用実態の把握が難しかったため,監事及び施設課が直
接利用状況を確認し,実態を把握した。
・全学的な施設の狭あいにより,スペースマネジメントを行うための面積が少ない。
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【今後の課題】
・施設整備委員会において,平成 25 年度に把握した各施設の利用状況を基に,施設の有効活用を
図るため,平成 26 年度に施設利用計画(案)を策定する予定。なお,既存施設の利用計画の見
直しにより,新たに「全学共通利用スペース」を創出するための学内アンケート調査を実施中で
あり,問題点等を今後整理することとしている。
②全学的な連携により学芸の森を生かす
【目的】
・大学の財産である緑地環境(学芸の森)の維持継承とその財産を生かした屋外環境づくり
【取組内容】
・施設課で樹木せん定や草刈りの年間スケジュールを作成して必要経費を示すことにより,キャン
パス内の広大な緑地を管理するために最低限必要な予算を確保
・平成 25 年度,キャンパス内のケヤキの木を生かしたウッドデッキの広場(けやき広場)を正門
前に整備。学生が集まる憩いの場となっており,入学式でも活用
・学内組織「学芸の森環境機構」と連携して緑地の管理や整備を実施。けやき広場の計画・設計段
階では,同機構も参加してケヤキの木の保護の観点からの助言を行った。
【体制】
責任者:学長
事務組織:学芸の森環境機構,施設課 ― 施設課
・学芸の森環境機構は,大学の特色である自然環境に関する業務を実施する学内組織として平成 17
年に設置。教員を中心に担当理事や事務局も参画。
【効果】
・毎年必要な最低限の緑地整備の実施
・キャンパスの新たな顔となる屋外広場の創出
・今年度,学生及び学外利用者を中心に屋外環境を含めた「キャンパスアンケート」を実施する予
定。
【実施プロセス等】
・けやき広場は,職員宿舎跡地の売却益を主たる財源として整備した。
・学芸の森環境機構は,学内外の諸団体と連携して,大学の自然環境の保護や充実,環境負荷の低
減,環境に関する教育研究活動の推進や人材の育成等についての総合的な環境マネジメントを実
施。具体的には,キャンパス内の緑や環境の保全・広報普及活動,環境報告書・学芸の森ニュー
スの編集発行等を行っている。また,保護者,地域住民,関係自治体等とのパートナーシップの
形成についても,業務の一つとして位置づけている。
・施設課は学芸の森環境機構の庶務を担当するほか,樹木調査やせん定業務の実施,省エネ・節電
対策普及ポスターの作成と各施設の光熱使用量の公表等の実務的な作業を行っている。
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