Q&A集 - 日本証券アナリスト協会

プライベートバンキング(PB)教育プログラム
Q&A集
2014 年 10 月 1 日
【照会先】
公益社団法人 日本証券アナリスト協会
プライベートバンキング(PB)教育担当
電話:03-3666-7866 e-mail:[email protected] URL:http://www.saa.or.jp
プライベートバンキング(PB)教育プログラム Q&A 集
項目一覧
Ⅰ 個人向け・企業向け共通
【1】プログラムの目的について
1.
PB教育プログラム創設の背景は?
2.
PBは会員制か?資格取得後に入会金や年会費はかかるのか?
3.
個人のキャリア形成にとっての資格取得のメリットは?
【2】試験について
4.
「投資政策書」とは何か?
5.
投資政策書を説明するための、身近なたとえ話はあるか?
6.
現在までの受験者数について教えてほしい
7.
資格ランクは 3 つあるが、最終的にはどのランクを目指すべきか?
8.
資格ランク 3 つの違いがよくわからないが、役割の違いは?
9.
資格ランク 3 つの難易度の違いは?
10. CMAやFPの資格保有者は、どのランクから受けたらいいか?
11. 早い時期に受験した方がいいか?
12. 受験時に割引はあるか?
13. コンピュータ試験とはどういうものか?
また、合否判定はその場で判明するの
か?
14. コンピュータ試験は何回受けられるのか?
15. 試験免除について
16. 免除科目がある受験者が受験する時は、試験時間が短いのか?
17. シニアPBでの筆記試験は、何回程度受験できるか?
18. シニアPBで筆記試験に不合格となったらどうなるか?
【3】テキスト、学習方法について
19. テキストの種類は?
20. それぞれのテキストの役割の違いは?
21. 合格するためにはテキストをどう活用したらいいか?
22. テキストはどこで購入可能か?
23. 合格のための学習時間はどのくらい必要か?問題集はないのか?
24. 試験対策講座はあるか?
25. 「シニアPB」の筆記試験に合格するための勉強法は?
26. ウェルスマネジメントでは、CMAとPBでは重点分野の違いはあるか?
【4】継続教育について
27. 本プログラムにおける継続教育の意味・特徴は?
28. 公益社団法人である協会による運営であるため、相対的に安価ということだが、
継続教育には最低ではどれくらい費用がかかるか?
29. 地方居住者はセミナー等を受講しにくいが、何か優遇はあるか?
30. 海外勤務のため日本で継続教育が受けられないが、何か救済策はあるか?また受
験機会を失った場合には、受験期間等の救済措置はあるか?
【5】資格取得後について
31. ID カードの取得は任意か?呈示義務があるのか?
32. 資格を更新すれば旧 ID カードでも継続使用できるのか?
【6】ファイナンシャルプランナー(FP)との違い
33. FPとの教育内容の違いは?
34. FP資格者がPB資格を取得することのメリットは?
35. 学習科目はFPとどう違うのか?
36. 資格試験の出題はFPとどう違うのか?
37. FPの継続教育制度との違いはどこか?
38. FPとのコスト面での違いはどこか?
【7】その他
39. どんな人がプライベートバンカーに向いているか?
40. 「ファミリーオフィス」とは何か?
41. 各資格ランクでRMや職業行為基準に違いはあるか?
42. CMAとPBでは、職業倫理上で違いはあるか?
Ⅱ 企業
人事・研修・企画等担当者向け項目
43. 当行(当社、当庫)にとっての資格取得のメリットは?
44. 行員(社員)のPB資格取得は、具体的に業務・業績上にどのように影響してく
るのか?
45. 当プログラムに関心を持っているのは証券か銀行か?
46. 当行(当社、当庫)には富裕層の客がいないので、関係ないのでは?
47. 当行(当社、当庫)の営業現場は若手行員が大半を占め、富裕層との関わりは極
めて少ないが?
48. 富裕層顧客ニーズに応えられる商品が当行(当社、当庫)のラインナップにない
場合、あるいは人材が不足する場合にはどうしたらいいか?
49. 当行(当社・当庫)では比較的短期のローテーションが義務付けられており、P
B知識に精通した者が同じ顧客をずっと担当することはできない。この解決策は
あるか?
50. 当行(当社・当庫)には制約があり、不動産やコンサルタントフィーを顧客から
もらうことができない。富裕層ビジネスでキーとなるフィーを請求できる方法は
あるか?
51. 受験申込みは行員(社員)まとめて会社単位で可能か?その際、合否結果は所管
本部で一括して受け取れるか?
プライベートバンキング(PB)教育プログラムQ&A集
Ⅰ 個人向け・企業向け共通
【1】プログラムの目的について
1.
PB教育プログラム創設の背景は?
急進する高齢化・少子化の環境下、金融資産の高齢者への集中、グローバル化の影響、
証券市場の活性化、次世代への承継の必要性、不動産に偏りすぎた資産配分などの現状に
鑑み、公益社団法人の立場にある当協会がこのような問題に対処するため本資格を創設し
ました。
当協会は、業種横断的な公益社団法人として長年に亘り資産(金融資産、不動産)や事
業を評価するプロであるCMAを育成してきた実績があり、本資格を創設するに相応しい
と判断したものです。
(詳細はスタディ・ガイド P.1「はじめに」を参照)
2.
PBは会員制か?資格取得後に入会金や年会費はかかるのか?
PB資格は会員制ではありません。資格取得後の入会金、年会費は不要です。ただし、
資格更新制度を設けており、資格更新料は不要ですが、継続学習において受講料等が必要
となります。所要費用については、スタディ・ガイド P.45~53、この Q&A の『28』を参照
してください。
3.
個人のキャリア形成にとっての資格取得のメリットは?
(1)
金融機関勤務者にとって
資格取得を通じて、金融機関の中核顧客である富裕層・マス富裕層の多様な要求に応え、
総合的なアドバイス力を身につけることは、業績への寄与は勿論、個人のキャリア上も大
きなアドバンテージとなります。また、資格取得後の継続学習でさらなる力量のアップが
期待され、また毎年更新される税法等各種法律制度についての知識も更新できることにな
ります。
1
(2)
PB業務を独立して営んでいる方にとって
既にPB業務ないしそれに準ずる業務を営んでいる方にとっても、改めて幅広く体系的
に学習し実践的な力を強化していくことは、新たな顧客、収益機会の獲得につながります。
環境変化の激しい状況の下、継続学習によってさらにレベルアップを図ることは必要不可
欠です。
【2】試験について
4.
「投資政策書」とは何か?
対象顧客の生涯、あるいはファミリー全体が目指す「ファミリーミッション」達成のた
めに、現状を分析した結果、どんな対策(最適な資産配分やストック資産運用および相続
や事業承継、さらに不動産の活用など)が可能なのか、金融資産といった部分最適ではな
く、生涯あるいは複数世代にわたる全体最適を目指してアドバイスをするための提案書で
す。今回のプログラムでは、
“顧客の立場に立った投資政策書を立案できる専門家を育成”
することが最終目標となっています。
当協会では「投資政策書」の例を WEB 上に掲載しています。掲載中の基本形のほか、今
後は不動産・事業承継・M&A・海外信託などを組み合わせ、かつ世代にわたる投資政策書の
サンプルを追加掲載する予定です。この他、
「PBスクール」等の継続教育プログラムでも、
投資政策書の作成方法について取り上げていきます。
5.
投資政策書を説明するために、身近なたとえ話はあるか?
人間の健康診断に例えれば、体の調子が悪い人が人間ドックを受診し身体の隅々まで隈
なく検診した結果、どの部位にどれくらいの異常があって、その改善のために何科を受診
しどんな治療をどのくらいの期間受けたらいいか、というような総合判断と処方箋を提示
するといった事柄が、投資政策書にあたります。
富裕層であるほど抱える問題は複雑になりがちです。顧客自身も気づいていない重要な
課題が存在する可能性もあります。顧客から現状を十分に聞き出し、問題点を整理し直し、
洗い出された問題点はどこで解決できるのか、解決手段先のスペシャリスト(不動産関係
なら不動産会社、資産運用なら証券会社、融資関係なら銀行、税制対策なら税理士事務所、
健康問題なら病院など)に橋渡しを行う、といった処方箋を描くようなイメージが投資政
策書です。投資政策書において現状・問題分析・解決策を提示することにより、最終的に
は顧客の思い描く理想の人生へ実現に導くための先導役となる、これがPBの目指す役割
2
です。
6.
現在までの受験者数について教えてほしい
2014 年 6 月公表時点で、PBコーディネーターは 67 名(2014 年 1 月 11 日より試験開始、
1 回の総合試験)
、プライマリーPBは 3 単位累計 1,090 名、シニアPBは 3 単位累計 578
名、3 資格の累計では 1,735 名の受験者数となっています。
詳しくは、当協会ホームページの試験結果から公表資料をご覧ください。
7.
資格ランクは 3 つあるが、最終的にはどのランクを目指すべきか?
「シニアPB」ランクが目標となります。
前述した「投資政策書」の立案ができることがプライベートバンカー(PB)としての
要件であり、その意味で一人前のPBとして認められるのが当資格です。
8.
資格ランク 3 つの違いがよくわからないが、役割の違いは?
(1)
「PBコーディネーター」はプライベートバンカーの入門コースで、PB分野の基
本的事項を理解できるレベルの知識を身につけることが目標です。例としてはセールス部
門担当となって間もない方、顧客との関係構築の方法を身につけたい方や、一般企業で業
務上、金融や税務、不動産や相続などの知識を身につける必要のある人、さらに個人で資
産運用や老後の生活設計を考えるために学習したい方が対象となります。
PBに関わる役割としては、リレーションシップ・マネジメントに基づき顧客の現状を
十分に聞き出し問題点を洗い出して、最適と思われる解決先へトスアップを行う(例えば
顧客の課題が遊休不動産処理であることを聞き出し不動産部門へつなぐなど)役割が担え
るイメージです。
(2)
「プライマリーPB」はPBとしての基本的対応力が問われます。金融機関でプラ
イベートバンキング部門の担当者、ある程度セールス経験がありそれなりの学習をしてい
る方が想定されます。金融機関以外でも専門性の高い金融知識や相続事業承継の知識を求
められる方、あるいは個人で自ら生涯設計を立てたい方が対象となります。
PBに関わる役割としては、顧客の現状を聞き出し問題点を洗い出すところまではPB
コーディネーターと同様です。身に付けたPBとしての基本的な知識を活用しある程度ま
での解決方針や参考情報を自ら呈示できるスキルがありますが、自分だけでは対応できな
3
い問題や具体的な解決策に関しては問題点の洗い出し・整理・解決方法を含めて上席者や
その分野のスペシャリストにつなぐイメージです。
(3)
「シニアPB」はプライベートバンカーの完成形です。上述『投資政策書とは何か』
で説明したように、投資政策書を自ら作成でき、この提案を基に顧客に深く食い込み生涯
のアドバイザーとして、その顧客の人生にとって掛替えのないパートナーの役割を果たし
ます。
金融機関にあっては、プライベートバンキングの実働部門で中心的役割を担います。こ
の部門の管理職やリーダーとして部下を指導しながら、適宜専門家と協力して、顧客の難
しい要望にも応えていける人材がイメージです。
(注)
「エグゼクティブPB」については、資格ではなく、特に優れたシニア PB に与え
る称号として、名称を「PBマイスター」と変えて 2016 年に創設予定です。
詳細は、決定次第「Q&A」
、「スタディガイド」等を通じてご案内します。
9.
資格ランク 3 つの難易度の違いは?
(1)
「PBコーディネーター」はプライベートバンカーの入門コースで、一般紙の経済
記事が理解できるレベルが求められます。具体的には、PBコーディネーター向けテキス
ト「あなたもなれる!PBコーディネーター~プライベートバンカー入門 52 の心得~」の
内容を理解でき、さらに、サブテキストである「金融商品なんでも百科」
「やさしい税金教
室」に書かれている基礎的金融商品や税金の知識が要求されます。
(2)
「プライマリーPB」はPBとしての基本的対応力が問われます。特にウェルスマ
ネジメントで求められる知識は高く、富裕層ビジネス関連の専門知識が要求されます。具
体的にはテキスト「プライベートバンキング」の内容全般と資産運用では「証券アナリス
ト基礎講座」レベルの知識が要求されます。
(3)
「シニアPB」はプライベートバンカーの完成形です。コンピュータ試験に加えて
筆記試験「投資政策書」の作成が加わります。範囲としては資産の運用・管理、資産・事
業承継をはじめ高度な富裕層向けあるいは事業オーナー向け知識が加わります。具体的に
は、テキスト「プライベートバンキング」の応用部分まで理解する必要があり、さらに資
産運用についていえば証券アナリスト 1 次レベル試験と同等のレベルが要求されます。こ
れらの知識が投資政策書の作成の形で問われることになります。
10. CMAやFPの資格保有者は、どのランクから受けたらいいか?
CMA資格保有者は、コンピュータ試験ではシニアPBからの受験でも十分対応できる
4
でしょう。ウェルスマネジメント科目の一部が免除となっています(免除の範囲は、この
Q&A の「15.試験免除について」を参照してください)。ただ、シニアPB筆記試験は難関と
なっています。これまで広範囲にわたる顧客向け提案書の作成経験がない方の場合、PB
資格の取得を第一義に考えるなら、プライマリーPBから受験してみるという方法もあり
ます。また、協会が実施している継続教育プログラム「PBスクール」を受講して、
「投資
政策書」の作成方法を学ぶのも非常に有用です。
一方、FP1 級やCFP保有者についてはプライマリーPB試験で税金の一部免除があり、
このクラスから受験するのが一般的と考えています。ただし、証券分析やデリバティブな
どにかなり専門的知識を持つFPであれば、シニアPBから受験するのもよいでしょう。
11. 早い時期に受験した方がいいか?
合否判定は当協会内のPB資格試験委員会で厳正に行いますので、受験時期が早いか遅
いかで有利・不利はありません。
ただし、一般的には、資格試験は回数を経るにつれ取り上げる事例も多く、かつ複雑に
なり回答内容もより精緻を問われる傾向があります。それにつれて、資格試験の難易度も
開始当初より上がってくるのが普通です。その意味では、早めに受験したほうが良いかも
しれません。
12. 受験時に割引はあるか?
当協会の個人会員は受験料が 10%割引の適用となります。また、法人会員・賛助会員の
役職員にも 10%の割引を用意しています。以上の双方に該当する場合には、20%割引とな
ります。
(詳細はスタディ・ガイド P.40「試験概要と受験方法」表の受験料割引を参照)
13. コンピュータ試験とはどういうものか?また、合否判定はその場で判明するの
か?
全都道府県 100 か所余りの試験会場に出向いてコンピュータによる試験を受けていただ
きます。概ね 9 時から 17 時までの間で、ほぼ毎日受験が可能です。ただし祝祭日、年末年
始は受験できないほか、会場によっては受験可能な日時に差がある場合もありますのでご
注意ください。
合否判定は、当初は、1か月ごとにまとめてPB資格試験委員会で合否を決定します。
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2015 年 1 月以降の試験からは、試験会場で即座に結果が判明する仕組みになります。
14. コンピュータ試験は何回受けられるのか?
受験料の支払い後、コンピュータ試験予約(受験希望日の 59 日前から 3 営業日前<土日
受験の場合は 4 営業日前>まで予約が可能です)を行えば、全都道府県 100 か所余りの試
験会場でほぼ毎日受験可能です(祝祭日・年末年始等を除く)。再受験の場合も同様です。
ただし、受験結果の即時判定移行前は、概ね受験日の翌月末頃の合否通知までは再受験で
きません。
15. 試験免除について
PB試験はその範囲が広く専門的資格の保有者にとっては重複する部分が出てくるため、
そのような知識を持っている受験者には免除制度を設けています。資格ランクにより差は
ありますが、公認会計士、税理士、1 級FP技能士、CFP、CMA、証券アナリスト第1
次レベル試験合格者、証券アナリスト基礎講座修了者などがこれに該当します。
(詳細はスタディ・ガイド P.20、23、40、41 を参照)
16. 免除科目がある受験者が受験する時は、試験時間が短いのか?
免除資格がある受験者の場合には、コンピュータ上で自動的に免除科目に該当する試験
問題が省かれて実施されますので、試験時間は短くなります。免除された科目については、
試験時間が短くなった受験者にかえって不利になることがないよう、得点の配点も含めP
B資格試験委員会が扱いを決定します。
(詳細はスタディ・ガイド P.40、41 を参照)
17. シニアPBでの筆記試験は、何回程度受験できるか?
筆記試験の受付・出題は、年 2 回(春、秋)に集約しています。コンピュータ試験 3 単
位取得の有効期限は 3 年間で、従って、筆記試験の受験可能回数は 6 回となります。
なお、受験申込の受付期間は 3 月・9 月の1ヶ月間、試験問題の送付は 4 月・10 月(第 2
金曜日)となっています。協会から受験者あてに試験問題を郵送後、解答は 1 カ月以内に
6
協会あてに提出していただきます。
18. シニアPBで筆記試験に不合格となったらどうなるか?
コンピュータ試験に合格した後、コンピュータ試験 3 単位取得の有効期限は 3 年間で、
筆記試験の受験可能回数は 6 回となります。この間に、筆記試験に合格できない場合は、
コンピュータ試験 3 単位取得は無効となり、もう一度コンピュータ試験による 3 単位の取
得から始めることになります。
協会では、筆記試験「投資政策書」作成方法を学べる継続教育プログラムとして「PB
スクール」を開催していますので、受講ないし要旨録や動画による学習をお勧めします。
【3】テキスト、学習方法について
19. テキストの種類は?
(詳細はスタディ・ガイド P12~16 を参照)
(1)メインテキスト
PBコーディネーター向けテキストとして「あなたもなれる!PBコーディネーター~
プライベートバンカー入門
52 の心得~」
、プライマリーPBとシニアPBに共通するメイ
ンテキストとして「プライベートバンキング」上下巻があります。
(2)サブテキスト
PBコーディネーターには「金融商品なんでも百科」、「やさしい税金教室」を、プライ
マリーPBには「証券アナリスト基礎講座テキスト」を、シニアPBには「証券アナリス
ト通信教育講座テキスト」を用意しています。
(3)資格試験関連のウェブサイト、推奨図書
・
「租税法入門」川田剛著 <プライマリーPB、シニア PB 向け> 3,292 円(税込)
・
「年金のことを調べる」日本年金機構 <PB コーディネーター、プライマリーPB 向け>
http://www.nenkin.go.jp/n/www/service/detail.jsp?id=5172#kokumin
・国税庁ホームページ
「税について調べる」
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http://www.nta.go.jp/shiraberu/
税務大学校の中の「税大講本」
http://www.nta.go.jp/ntc/kouhon/index.htm
・財務省ホームページ
「税制改正」
https://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/index.html
20. それぞれのテキストの役割の違いは?
(詳細はスタディ・ガイド P12~16 を参照)
(1)PBコーディネーターは専用テキスト「あなたもなれる!PBコーディネーター~
プライベートバンカー入門
52 の心得~」を、プライマリーPBとシニアPBはメインテ
キスト「プライベートバンキング」を熟読することです。ただし、プライマリーPB受験
の観点からは、メインテキスト「プライベートバンキング」のシニアPB向けの節・項は、
語句の理解にとどめておいてよいでしょう。
(2)ウェルスマネジメント(WM)科目では、証券アナリストの視点からの出題もあり
ます。
①サブテキスト「証券アナリスト基礎講座テキスト」はプライマリーPB受験者用です。
アセットアロケーションの基礎を学んでください。
②「証券アナリスト通信教育講座テキスト」は証券アナリスト一次レベルのテキストを
シニアPB受験用に転用するものです。証券分析とポートフォリオ・マネジメントを中心
に学んでください。
③WEB サイト「金融商品なんでも百科」、
「やさしい税金教室」は、PBコーディネーター
受験者用の教材です。金融商品や税金に関する知識を習得してください。
(3)プライマリーPBとシニアPBを受験される方は、所得税、法人税、消費税、国際
税務の基礎知識が求められます。税金に関する基礎知識は、推奨図書「租税法入門」
(川田
剛著)等で確認してください。
さらに、年金に関する基本知識を確認する場合は、WEB 上から日本年金機構の「年金の
ことを調べる」を参照してください。
21. 合格するためにはテキストをどう活用したらいいか?
(1)
「PBコーディネーター」は、メインテキストを熟読するほか、WEB 上の「金融
8
商品なんでも百科」
、「やさしい税金教室」で、金融商品や税金に関する基礎知識を身につ
けておく必要があります。
(2)「プライマリーPB」を目指す方は、メインテキストの熟読に加えて、「証券アナ
リスト基礎講座テキスト」がサブテキストとなります。こちらを購入するよりも、むしろ
当協会で証券アナリスト基礎講座を受講することをお勧めします。当該講座を受講しコン
ピュータ試験を受けて合格すれば、プライマリーPBのウェルスマネジメント該当部分が
試験免除になります。税金については、所得税法、法人税法、消費税法、個人および法人
の国際税務の基礎知識が必要となります。推奨図書である「租税法入門」
(川田剛著)等で
基礎知識を確認してください。
(3)シニアPBではメインテキストのみならず、サブテキスト「証券アナリスト通信
教育講座テキスト(証券分析とポートフォリオ・マネジメント)
」を熟読してください。ま
た税金に関しては、各税法の基礎知識に加え、その応用力が必要となります。税金に関す
る知識については推奨図書である「租税法入門」
(川田剛著)のほか、国税庁ホームページ
等でご確認ください。
22. テキストはどこで購入可能か?
PBコーディネーター向けテキスト「あなたもなれる!PBコーディネーター~プライ
ベートバンカー入門 52 の心得~」
、プライマリーPB、シニアPB向けメインテキスト「プ
ライベートバンキング」
、プライマリーPB向けサブテキスト「証券アナリスト基礎講座テ
キスト」
(第一分冊・第二分冊セット)、シニアPB向けサブテキスト「証券アナリスト通
信教育講座テキスト(証券分析とポートフォリオ・マネジメント)」は、「ときわんブック
ストア」の WEB ページよりお申込み下さい。
https://www.tokiwa-ss.co.jp/bookstore/index.html
なお、
「あなたもなれる!PBコーディネーター~プライベートバンカー入門 52 の心得
~」
、
「プライベートバンキング」については全国書店での取り次ぎも可能です。
PBコーディネーター向けサブテキスト「金融商品なんでも百科」、
「やさしい税金教室」
はウェブサイトでご利用下さい。
23. 合格のための学習時間はどのくらい必要か?問題集はないのか?
学習時間は、受験する資格やこれまでの実務経験などによって異なります。プライマリ
ーPB,シニアPBでは単位ごとの受験も可能ですので、状況に応じて 1 単位ごとに受験
するのがよい場合も考えられます。
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サンプル問題を当協会ホームページに掲載しています。過去問については、公開するこ
とは考えていませんので、問題集も発行されません。
24. 試験対策講座はあるか?
自学習が前提であり、協会としては試験対策講座は考えておりません。2007 年以降、プ
ライベートバンキングの知識、実務習得のための年 1 回のPBセミナーに加え、各分野に
特化したPB補完セミナーをほぼ毎月実施してきており、動画や要旨録等も協会 WEB ペー
ジに掲載しています(ダウンロードは有料です)
。今後は継続教育として回数、内容ともに
充実させていく予定であり、これらへの参加・活用が受験対策にもなり得るでしょう。
25. 「シニアPB」の筆記試験に合格するための勉強法は?
シニアPBの筆記試験は、
「投資政策書」の作成です。PBに求められる知識・ノウハウ・
考え方等の基本をマスターし、顧客のニーズを的確に把握した上で初めて顧客にとって有
益な投資政策書が作成できます。現状、シニアPBコンピュータ試験合格者の 3 割程度し
か合格できない、難関の試験となっています。事業承継を検討するうえで必要な自社株評
価などの計算を間違えると、後の提案のシナリオを左右することにもなりかねないため、
計算方法を確認しておく必要があります。
投資政策書のポイントはどこか、どういう形式があるか等については、前述のとおりそ
のサンプルを当協会 WEB ページで公開していますので参考にしてください。また、当協会
では継続教育の一環として投資政策書立案方法に関するPBスクールを開催しています。
当スクールには、受験者も期間限定ですが割引料金で参加できますので、ぜひご活用くだ
さい。
26. ウェルスマネジメントでは、CMAとPBとでは重点分野の違いはあるか?
PBテキストの第2章ウェルスマネジメントは、①基本概念、②投資政策書、③商品概
要およびアセットアロケーション、④ファミリーミッションステートメント、⑤運用目標、
⑥事業承継、⑦相続・贈与等による財産移転、の7節から構成されています。このうち③
節についてはCMAの履修分野と完全に重複しますが、残りの6節はPB教育プログラム
独自の履修分野となります。従って、PBでは第③節のみならず第①~⑦節の全てが重点
分野となります。
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【4】継続教育について
27. 本プログラムにおける継続教育の意味・特徴は?
PB資格試験に合格しても、各々の資格に求められる最低限の基礎知識を取得したに過
ぎません。実際にPB業務に携わるためには、資格取得後の継続学習は必要不可欠です。
また、PBに関わる世界では、法制度を含め短時日のうちに変化し、求められる知識ノウ
ハウも変化します。
こうした状況に対応するため、当協会では継続学習プログラムを体系だって構築し、継
続学習による資格更新制度を設けています。継続学習を通じて、資格保有者が常に必要な
知識をブラッシュアップできる態勢を整備しています。
最大の特徴は、協会自らが今後のPBに必要と考えるテーマや事項を数多く取り上げ、
かつその媒体もセミナーやスクール、WEB サイトを活用したセミナー等の講演録や動画の閲
覧など幅広い方法でコンテンツを提供していくことです。これらにより、多忙な方や地方
在住の方のニーズにも対応できますし、次のランクへのステップにもなると考えています。
28. 公益社団法人である協会による運営であるため、相対的に安価ということだが、
継続教育にはどれくらい費用がかかるか?
当プログラムでは資格更新制度を設けており継続学習により 2 年間で一定のポイントを
取得する必要があります。継続学習の費用は、当協会主催の各種セミナーやスクールへの
出席、セミナー要旨講演録等自習教材の活用などその種類により金額が異なります。WEB コ
ンテンツをより活用することにより、費用を抑えることができるような設計としています。
例えばPBコーディネーターの場合では必要 9 ポイントのための最低費用は 1 万円程度
です。プライマリーPBとシニアPBでは必要 15 ポイントのための最低費用は 1 万 6 千円
程度です。今後、消費税率改定や物価の変動などにより、受験料や継続学習費用が変更と
なる場合があります。
(継続学習のポイント数と費用に関する詳細は「スタディ・ガイド」P.45-53 を参照)
29. 地方居住者はセミナー等を受講しにくいが、何か優遇はあるか?
首都圏(東京、神奈川、埼玉、千葉、
)以外の方には、PBセミナーなど首都圏で開催さ
れる継続学習メニューについて、交通費等を配慮して受講料を大幅に割引く制度を設けて
います。なお、WEB サイトの活用について割引制度はありませんが、相対的に安価なので、
11
ぜひこちらも活用ください。
(詳細は「スタディ・ガイド」P.45-53 を参照)
30. 海外勤務のため日本で継続教育が受けられないが、何か救済策はあるか?また受
験機会を失った場合には、受験期間等の救済措置はあるか?
地域的な制約や時間的制約を極力減らすように、受験や継続教育の機会を提供していく
のが当協会の基本的ポリシーです。
継続教育メニューには協会 WEB からダウンロードし使用できるコンテンツも含まれてお
りますので、ご活用ください。
海外勤務などやむを得ない事情等から受験期間や継続教育期などに支障が出る場合には、
個別に対応しますので、当協会にご相談ください。
【5】資格取得後について
31. IDカードの取得は任意か? 呈示義務があるのか?
各資格試験に合格し当協会が資格認定を行った方に対し、資格認定証とIDカードを交
付します。いずれも無料です。IDカードは資格を証するものとして必ず携行し、顧客の
求めに応じ呈示することを義務づけています。
資格認定者は「PB職業行為基準」を十分に理解し、IDカードの携行・提示を含め誠
実に職務を励行し、プライベートバンカーの社会的信用および地位の向上に努めなければ
なりません。これらに違反すると、
「PB職業行為基準」に抵触することにもなります。
32. 資格を更新すれば旧IDカードでも継続使用できるのか?
IDカードには資格取得日と有効期限が明示されており、有効期限は 2 年間です。所要
の継続教育ポイントを取得すると 2 年ごとに新しいIDカードが交付されます。それに伴
い、旧カードは明示されている有効期限内でも使用できなくなります。
12
【6】ファイナンシャルプランナー(FP)との違い
33. FPとの教育内容の違いは?
FPは主に一般の家計を対象にパーソナルな金融知識の習得を目的としているのに対し、
PBは富裕層・マス富裕層あるいはオーナー経営者に的を絞った教育プログラムです。履
修する科目同士が結びついて総合的な問題解決を目指す、全体最適を求めていますので、
よりビジネスに直結した内容であるところに大きな違いがあります。
業務内容もFPでは家計診断、住宅ローン相談、老後資金準備など顧客のフロー資金で
の生涯収支をみるライフプランに重点を置くのに対して、PBでは顧客個人の生涯収支の
みにとどまらず、ファミリーまで含めたストック資産や相続、事業承継など多世代にわた
ってのアドバイスを行います。このためPBでは、全体最適を求める投資政策書の作成が
最終目標となっています。
教育プログラムの面で以下のような差異があります。
①7 つの受験科目があり(うちFPと共通するのは「不動産」、「税金」の 2 科目のみ)
、内
容が多様かつ広範囲にわたること。
②従って、試験内容や制度も自ずと異なること。
③継続教育を重視し対応もかなり差があること。
④コスト面でのきめ細かい配慮がなされていること、等。
PB教育プログラムでは、豊富なケーススタディも活用し、よりビジネスに直結した実
践的内容となっており、金融機関における戦略的な人材育成に最適な内容となっています。
34. FP資格者がPB資格を取得することのメリットは?
FPとPBは似ているように思いますが、対象とする顧客の層が違うため教育内容も身
に付けるべき知識も異なります。FPが富裕層相手に業務を行う場合、PBの知識を身に
付けることは大きな力になります。実際にシニアPB資格を取得した方からは、
「顧客に対
しより多面的なアプローチが可能となり、自身の領域を拡げる有意義なビジネス資格と感
じた」とのコメントが寄せられています。
こと富裕層ビジネスに関する限り、PBのどのクラスにおいてもFPではカバーできな
い教育内容となっています。もし、富裕層やマス富裕層の顧客に対しアドバイスをしてい
くのであれば、この資格を取得することは必須と言えるでしょう。
富裕層に占める企業オーナーの割合が増えており、またオーナーの高齢化に伴い事業承
継対策が喫々の課題となってきています。このような顧客と同じ目線を持ってアドバイス
をするためには、経営者の目線が必要です。古くから経営者と同じ目線で企業や業界動向、
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マーケットを分析してきたアナリスト協会ならではのアドバンテージを活かしたプログラ
ムで、富裕層目線を養うことができるでしょう。
35. 学習科目はFPとどう違うのか?
PBの教育科目は、FPとは全く異なる観点から構築されており、履修する 7 科目のう
ち 5 科目は独自科目です。
共通するのは「不動産」
、
「税金」の 2 科目だけですが、PBでは富裕層を対象にするた
め日本国内の資産だけではなく海外の資産にも配分をすることでリスクを分散し、期待収
益率を高めることなども必要になります。こうした観点から、海外の税制や不動産事情を
学ぶことも求めています。
これら以外のPB独自の 5 科目の特徴は次のとおりです。
(1)RM(リレーションシップ・マネジメント)
」は富裕層顧客との間で、どのような情
報を得る必要があるか、どのように信頼関係を築くかを学ぶ重要科目です。PB資格がよ
り実務に即した実践的な内容であることを特徴づける科目の一つです。
(2)
「職業倫理」は個人顧客を対象として、個人情報に深く関与する立場にあるPBにと
って不可欠な科目で、法令の遵守は勿論ですがCMAの職業行為基準以上の厳しい職業倫
理を求めています。
(3)「WM(ウェルスマネジメント)」は、金融のプロであるアナリストを長年育ててき
た当協会のノウハウが詰まった科目です。具体的には、アナリストの視点に立った的確な
評価基準に基づくアドバイス能力を身につけられます。
(4)
「信託・エステートプランニング」の手法を相続や事業承継に使うのは、海外の富裕
層では常識になっており、今後日本でも富裕層ビジネスに欠かせない分野です。
(5)
「マス富裕層」は、地域金融機関を含めたすべての金融機関にとって成長性も収益性
も期待できる有望かつ極めて重要な市場です。マス富裕層には、ある程度定型的に、しか
も内外の信託・エステートプランニング等を駆使した独自のアプローチにより総合的な解
決を図るのがPBの特徴です。
36. 資格試験の出題はFPとどう違うのか?
PBは単に知識を問うのではなく、科目同士を結び付けて複数科目にまたがった知識の
活用方法を問う問題も多く出題されます。つまり部分最適ではなく全体最適を求める視点
です。また、PBは実務家が書き下ろしたテキストを中心に著作者自身が出題するため、
FPより実践に即した問題が多い傾向にあります。
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従って、学習する際にも個々の細かいところより全体としての意義、対応をとらえるこ
とが重要です。メインテキストである「プライベートバンキング」ではそういった視点で
書かれています。
37. FPの継続教育制度との違いはどこか?
FPの継続教育制度とは異なる点が少なくありませんが、当協会のPB教育プログラム
における継続教育は、
①今後PBとして身につけなければならない多種多様な事項についての学習機会を、当協
会が主催するセミナーや動画、要旨録という形で提供すること、
②内容的にもすぐに仕事に活かすことができるよう実践的なものが中心になっていること、
③資格取得後のPBとしてのさらなる成長にも寄与できるように設計されていること、
④人脈形成のためにセミナーや講習会の活用を図ること、などが特徴です。
また、⑤セミナーに出席しにくい多忙な方や地方在住の方の利便性に配慮しサービス提
供ツールを多様化するとともに、特に地方在住の方が協会で行うセミナーや講習会に出席
される場合には割引制度を設けています。
PB資格者は、極めて安価でこうした協会の講習を受けることが可能なため、各金融機
関の行う研修の代替機能も果たすことになるでしょう。
38. FPとのコスト面での違いはどこか?
PBは公益社団法人である日本証券アナリスト協会が行う資格制度であり、全ての面で
割安に設定してあります。
(1) PB資格では、PBコーディネーター向けテキストの「あなたもなれる!PBコー
ディネーター~プライベートバンカー入門 52 の心得~」(税込 1,944 円)プライ
マリーPB、シニアPB向けメインテキスト「プライベートバンキング」上下巻(各
税込 3,240 円)のほか、CMAで使用する基礎教育講座や通信教育講座のサブテキ
ストを、PB受験者のために割安な価格で開放しています。
(2) 毎日受験することができるコンピュータ試験の実施はコストがかかりますが、受験
生の利便性を最優先に考え、受験料については通常の集合試験並みの水準となるよ
う設計してあります(PBコーディネーター7,000 円、プライマリーPB24,600 円、
シニアPB30,900 円)
。
(3) このほかの面でもPBは相対的に割安といえるでしょう。例えばPBは年会費が不
要ですし、2 年ごとの資格更新の要件も実践的で質が高く、かつ安価です。
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(4) プライマリーPB、シニアPBは、資格更新に必要な 15 単位を 2 年間で取得する
のに 1 万 6 千円程度、PBコーディネーターは、9 単位を 2 年間で取得するのに 1
万円程度です。
【7】その他
39. どんな人がプライベートバンカーに向いているか?
プライベートバンキングで最も重要なのは顧客との信頼関係の構築です。その上で各種
の知識、ノウハウ、資格が生きてくることになります。
この点、一概には言えませんが、案外人生経験豊富な方がPB業務に携わると意味があ
るのかもしれません。またアナリスト資格を持つ方や税理士、会計士の方は資格取得の上
でアドバンテージがあることはもちろんです。FP資格を持つ方も、PB資格を取得する
ことによりさらに幅広く奥行きの深いアドバイスが可能となるでしょう。
40. 「ファミリーオフィス」とは何か?
同族や一族の資産管理(資産運用および事業承継等)を行うため、財政的な権利計画を
立案し、実行するための総合的なサービスを提供する外部機関のことです。一般的には一
顧客(ファミリー)につき資産 200 億円以上がファミリーオフィスの対象と言われていま
す。
この資産規模に達しないファミリーについては、複数のファミリーをまとめてある程度
の規模で運営するマルチファミリーオフィスも存在します。アメリカではロックフェラー
やビル・ゲイツにとどまらずこうしたファミリーオフィスが 3,000 以上存在すると言われ
ています。
41. 各資格ランクでRMや職業行為基準に違いはあるか?
どのクラスにおいても全体を貫く考え方や精神は変わりません。RMにおいては、顧客
がどのレベルの富裕層クラスか、どんな業務に従事しているかにより、顧客に尋ねる内容
や対応の在り方は変わってきます。職業行為基準においてもクラスが上にいくほど、顧客
との関わりが深まり、提供するサービス内容も複雑化しますので士業との競合など難しい
場面がでてきますが、遵法精神や顧客本位の考え方など基本が変わるものではありません。
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42. CMAとPBでは、職業倫理上で違いはあるか?
CMAとPBは顧客の財産に関わるという点では共通ですが、CMAはいわばプロが相
手、PBは個人顧客が相手という点で大きな相違があります。また、個人顧客の情報を深
く把握しサービスを提供する立場にあります。従って、PBにおいてはCMAの職業行為
基準をベースにしつつも、より厳格な基準を定めています。
PBは、顧客である個人の利益のために、自らのもつ専門能力をフルに生かして最大限
に努力しなければならないのと同時に、その優位性に乗じて自己の利益を図ることは決し
て許されないとの観点から、基準には顧客への最善のアドバイス提供、専門家としての能
力の維持・向上、守秘義務、資格・認可を要する業務上の制約への対応等を具体的に盛り
込んでいます。
Ⅱ 企業
人事・研修・企画等担当者向け項目
43. 当行(当社、当庫)にとっての資格取得のメリットは?
本プログラムは日本で初めて金融機関の中核顧客である富裕層・マス富裕層をターゲッ
トに開発されたもので、この層を生涯あるいは次世代まで上得意客として貴行に囲い込む
スキルを提供します。
PBでは従来の個人顧客関連の知識だけでなく、コーポレートファイナンスや M&A など
法人関連の知識、さらに相続、不動産、信託などの知識も要求されます。このプログラム
を学ぶことで知識と営業力が広がるものと確信します。
44. 行員(社員)のPB資格取得は、具体的に業務・業績上にどのように影響してく
るのか?
富裕層・マス富裕層への取組みは金融機関の今後の業績を左右します。この分野に特化
したPB教育プログラムを学び、基礎知識や競争力を強化することは、業績の向上に貢献
していくことにつながるでしょう。
また中小企業オーナーの場合、オーナー個人との取引にとどまらず、事業承継や相続と
いった複雑な問題にも一括して対応できることになります。
このようにPBならではのスキルで多様な顧客ニーズに対応し顧客離れを防ぐことは、
金融機関の新たな収益機会の獲得に直結します。
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45. 当プログラムに関心を持っているのは証券か銀行か?
証券会社も銀行も現状に危機感を持っていると感じています。例えば、相続発生をきっ
かけに資金が流出してしまうようなケースに対応するためには、世代を超えてファミリー
全体を顧客として囲い込む必要があります。なお、競争が厳しい中で事業基盤の拡充を目
指す公認会計士や税理士からの受験も増えています。
46. 当行(当社、当庫)には富裕層の客がいないので、関係ないのでは?
金融機関によってどこからが富裕層かは認識に差があると思いますが、例えば、①夫婦
で退職金を受け取ることになる共働き夫婦、独身貴族男性・シングルキャリア女性、②現
在は勤務医として働いている開業医の子息子女、資格を取得したばかりの弁護士・その婚
約者などの潜在的富裕層候補や、③さらに中小企業のオーナーの存在などが考えられます。
当プログラムでは、こうした層を「マス富裕層」として位置づけ、学習の対象としてい
ます。
47. 当行(当社、当庫)の営業現場は若手行員が大半を占め、富裕層との関わりは極
めて少ないが?
当プログラムでは、商品ありきのアプローチではなく、顧客の信頼を得ることから着手
する、「リレーションシップ・マネジメント(RM)」アプローチの体得を大きな柱として
います。一見富裕層顧客と直接関わりがないような若手行員(社員)にとっても、このR
Mアプローチは顧客のニーズを理解し、把握する力を身につける上で大いに役立つでしょ
う。
48. 富裕層顧客ニーズに応えられる商品が当行(当社、当庫)のラインナップにない
場合、あるいは人材が不足する場合にはどうしたらいいか?
顧客のニーズは極めて多様で広範であり、そうしたケースは十分あり得るかと思います。
そうした場合には、必要な解決策ないしは資格を持つ法人や個人を紹介するのもプライベ
ートバンカーとして大切な役割です。
顧客が目指すゴールの実現のための処方箋を書きあげ、解決策は何か、どこにその解決
策があるのかまでの橋渡し役でもありますので、自社で出来ることだけにとらわれずにサ
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ービスを提供することが重要であり、それが信頼を勝ちとり、その後のビジネスチャンス
を大きく拡げることにつながります。このためには、顧客目線・ニーズに立って所要の関
連業界との協力関係ないしネットワークを築いておくことが、プライベートバンカーとし
て、また金融機関として求められています。
こうしたサービスは顧客離れを防止する上でも必須となってくるでしょう。
49. 当行(当社・当庫)では比較的短期のローテーションが義務付けられており、P
B知識に精通した者が同じ顧客をずっと担当することはできない。この解決策はあるか?
重要なポイントです。頻繁な担当交代は顧客との信頼関係を損ないかねません。これを
防止するためには、本部の知識・経験豊富な責任者が折を見て担当者と同行訪問すること
も有効です。これにより、顧客は自分が支店と本部両方でカバーされている重要顧客であ
ると認識するでしょうし、支店、本部どちらかの担当者や責任者が代わっても、
「自分の事
情を知っている人が残っている」ということで顧客の不安は避けられるでしょう。
50. 当行(当社・当庫)には制約があり、不動産やコンサルタントフィーを顧客から
もらうことができない。富裕層ビジネスでキーとなるフィーを請求できる方法はあるか?
悩ましい問題であり、直接の解決策はありません。まず、顧客の多様かつ広範なニーズ
に対応するためには、各種規制をクリアする必要があります。必要資格を保有する人材を
各社であるいはグループとして確保するとともに、不動産関係子会社や制約の少ない子会
社を活用する方法、あるいは地元の会計士や税理士、不動産業者と協力して問題を解決し
ていくことも考えられます
こうした対応をすることにより重要顧客を獲得できる可能性もありますし、富裕層顧客
自体の信頼を勝ち得、顧客離れを防ぎ、本体業務に結び付くことにもなります。
51. 受験申込みは行員(社員)まとめて会社単位で可能か?その際、合否結果は所管
本部で一括して受け取れるか?
アナリスト試験と同様、一括申込みの場合、受験者ごとに ID コードを発行し、そのコード
を入力してもらう事により、まとめての申込み、入金を可能にしています。合否判定の通
知は、原則会員企業に限っていますが、担当部署からの要請により当該企業の受験状況や
合否結果を、受験者本人の同意を得て、提供しています。なお、会員企業以外の場合は、
状況に応じて個別に対応の可否を判断します。
以上
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