Title Author(s) SPIN WAVE DISPERSION RELATIONS IN THE DISORDERED FERROMAGNETIC FE-V ALLOYS Shibuya, Noboru Citation Issue Date Text Version ETD URL http://hdl.handle.net/11094/24464 DOI Rights Osaka University [3] 氏 名 ・(本籍) 揺 量 長 学位の種 類 E 里 学 学位記 番号 第 433 2 学位授与の臼 付 昭 和 53年 6 月 13日 学位授与の要件 理 学研 究 科 物理 学 専 攻 算 士 博 下目 手 学 位 規則 第 5条 第 1項該当 学位論文題目 無秩序強磁性 Fe -V合金のスピン波分散 関係 論文審査委員 教 ( 主 主 授 司 国富 信彦 教 侵 山田 教授金森順次郎 講師中井 愉 安定 助教授三輪 i 告 裕 文内 容 の 要旨 無秩序強磁性合金 Fe -Vのスピン波分散関係を中性子非弾性散乱の方法により測定 した。無秩序強 舷性合金のスピン波の研究は ,実験的理論的にほとんどなされていないのが現状である。合金に於て はスピン波の分散関係は純粋金属のそれと異なり,無秩序 Pt-Ni 合金系のフォノンの分散関係に観測 されたような , レゾナンスモ ドが無秩序強磁性合金のスピン波のスベク トル にも出現する事が期待 される 。又,スピノ波のステイフオ、ス定数の漫度依存性は,各原子聞の交換相互作用 の大きさあるい は,バンドの j 畠度依存性を大きく反映しており,スピン波の分散関係を実験的に測定する事は意義深 L、 ヰIである 。 測定は 3軸中性子分光器を用い, 7 . 6, 8. 7 ,1 3 . 5 ,1 6. 0,1 8 . 7a t%Vを含 む 5つの単結晶試料につ いて,常温で,励起エネルギ が 5meVから 6 0meVの広範囲にわた って行 われた 。 測定された分散関係を,波数ベクトル qの大きいところで, E, =Dq'(! βq' )式を 使って解析し, スピン波ステ ィフキス定数 D及 び βの値を各浪度の試料について決定した 。求め られた Dの値はパナ ジウムの濃度の I 骨加に従って ,鉄の1 直D ' e=280meVA'から噌加し, 18.7at%Vでは D=440meVA' となる 。 このような Dの増加はハイゼンベルグ ・モ デルでは鉄 ・パナ ジウム問の交換相互作用の大き さが濃度により増加する事に対応する 。 又 DのI 国加は,パノドモデルを mpても,定性的に説明でき た。βの値は鉄の{ 直βre=l .OA2から i 轟度によ ってほとんど変化しなか った。 ハイゼンベルグモデル で最近接の相互作用だけ考えた場合 s . " e=0. 3Aとなるので,金属合金では長距離相互作用 を考える必 要がある。 低い励起エネルギ =Dq'( !ーβp ')よりずれる 又は ,低い qの範囲ではスピン波の分散関係は E, -3 4 事が観測された。すなわち, Ei </ q 2をq 2でプロットすると, Eq/ q 2はqの低いところで発散的に増大 する O さらに (Eq/q)-qプロット,及び、 q=Oでのエネルギー・ギャップを考慮に入れたデータ整理を行 ったが,分散関係の異常はあきらかであり,特に低いパナジウム濃度の試料でより顕著で、あった。励 起エネルギーの 0次及び 1次の波数依存は,外部磁場によるもの,反強磁性的なもの等が考えられる が現在の場合は該当しない。また,マグノンーフォノン相互作用による異常でもない。 このようなスピン波の分散関係に於ける異常は V不純物の鉄のスピン波スペクトルへの磁気的相 互作用による効果と考えられる O この種のスピン波分散関係の異常は無秩序強磁性合金に於ては, Fe-V合金に於て,今回の観測が 最初の例である O 論文の審査結果の要旨 この研究は強磁性無秩序合金系のスピン波に共鳴または局在モードに対応する異常が出現するかど うかを実験によって調べたものである O この現象については,従来理論的な予想、と少数の実験的研究 が行なわれてはいたが,信頼するに足る実験的研究は存在していなかった。本研究では濃度の異なる 5個の Fe-V合金単結晶を用い,スピン波分散関係を系統的に調べることによって,この異常の存在 を調べたものである O 実験の結果,スピン波の固さ常数は V濃度の増加とともに増す傾向が見られたが,この結果はハイ ゼンベルグモデルでもバンドモデルでも少くとも定性的には説明しうるものであった。また,スピン 波分散関係は低い波数の部分でいわゆる波数の二乗則からのずれが確認された。この異常は V濃度に よって系統的に変化すること等の証拠から, Vの混入によるスピン波の異常に起因するものと考えら れる O この異常出現の機構は理論的に明らかにされてはいないが,この異常の発見は強磁性無干刻字合金に 一つの新しい知見を加えたものである O 従って,本研究は理学博士の学位論文として十分価値あるも のと認める O -35-
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