特別な支援が必要な子どもたちのために

特別 な支援 が必要 な子 どもたち の た めに
兵庫県教育委員会
は じめに
県 教 育 委 員 会 が 、 小 冊 子 「わ か つて ! ぼ くの こ と わ た しの こ と 一 学 習 障 害 等 学
習 困 難 児 の た め に 一 」 を作 成 し、配 布 した の は 平 成 8 年で す 。 当 時 、 L D ( 学 習 障 害 ) や
そ の 周 辺 の 児 童 生 徒 の こ とに つ い て は 、 ま だ 十 分 知 られ て い ませ ん で した 。
それ か ら1 0 年、状 況 は 大 き く変 化 して い ま す 。
国 に お い て は 、 障 害 の 種 類 や 程 度 に 応 じ特 別 の 場 で 指 導 を行 う 「特 殊 教 育 」 か ら L D
BADHD・
高 機 能 自開 症 等 を含 む 障 害 の あ る児 童 生 徒 一 人 一 人 の 教 育 的 ニ ー ズ に応 じて
適 切 な教 育 的 支 援 を行 う 「特 別 支 援 教 育 」 へ の 転 換 が 示 され 、 平 成 1 7 年 1 2 月 に 中央 教
育 審 議 会 か ら出 され た 「特 別 支 援 教 育 を推 進 す るた め の 制 度 の 在 り方 に つ い て ( 答申 ) 」
の 中 で 、文 部 科 学 省 は 、 「平 成 1 9 年 度 を 目標 と して 、 す べ て の 小 ・中 学 校 に お い て 総 合
的 な 支 援 体 制 を整 備 す る こ と を 目指 して い る」 と示 し、現 在 、法 改 正 な どの 手 続 き を進 め
て い る と こ ろで す 。
県 教 育 委 員 会 で は 、 この よ うな 状 況 を踏 ま え 、 国 の 委 嘱 事 業 で あ る 「特 別 支 援 教 育 体
制 推 進 事 業 」 の 指 定 地 域 に お い て 、校 内委 員会 の 設 置 、特 別 支 援 教 育 コ ー デ ィネ ー タ ー の
指 名 、巡 回相 談 の 実 施 な ど小 ・中学 校 等 に お け る支 援 体 制 の 整 備 や 関 係 機 関 に よ る特 別 支
援 連 携 協 議 会 の 開催 な ど 実 践 的 な取 組 を行 つて い ま す 。 ま た 、 L D 、 A D H D 等
の児童 生
へ
「
徒 の 対 応 の た め 、 ひ ょ う ご 学 習 障 害 相 談 室 」 を開 設 し、 巡 回 を含 む 教 育 相 談 、 「ひ ょ
う ご専 門 家 チ ー ム 」 を派 遣 す る学 校 支 援 や 理 解 啓 発 研 修 な どの 相 談 ・支 援 事 業 を展 開 す る
と と もに 、特 別 支 援 教 育 コ ー デ ィネ ー タ ー 研 修 を実 施 し、 よ り専 門 性 の 高 い人 材 の 養 成 に
努 め て い る と こ ろで す 。
高 機 能 自開 症 等 を含 め た 障 害 の あ る 児 童 生 徒 一 人 一 人 に 適 切 な教 育
的 支 援 を行 う特 別 支 援 教 育 は 、児 童 生 徒 の 二 十 ズ に よ って 、 担 当教 員 の 指 導 上 の配 慮 とエ
夫 で 対 応 で き る場 合 も あれ ば 、横 内 の 教 職 員 や校 外 の 専 門 家 との 連 携 ・協 力が 必 要 な場 合
LD・ ADHD中
が あ るな ど、状 況 に よ り支 援 の 在 り方 が 変 わ ります 。
本書 は、 L D ・ A D H D ・
高 機 能 自閉 症 等 の 児 童 生 徒 の 理 解 と そ の 支 援 の 在 り方 に つ
いて 、具 体 的 な事 例 を掲 載 した 指 導 手 引 きで す 。各 学 校 に お い て 、校 内研 修 等 で十 分 に 活
用 され 、特 別 な 支 援 が 必 要 な 児 童 生 徒 へ の 全 体 的 ・総 合 的 な校 内支 援 体 制 が 整 備 され る こ
と を期 待 して い ます 。
最 後 に な りま した が 、 本 書 は 、 「ひ ょ う ご 学 習 障 害 相 談 室 」 の 調 査 ・研 究 事 業 と して 、
学 識 経 験 者 をは じめ 、 L D B A D H D 日
高 機 能 自閉 症 等 の 児 童 生 徒 へ の 支 援 に つ い て 専 門
的 な 知 見 を有 す る委 員 の 方 々 に よ る 「学 習 障 害 児 等 支 援 教 育 研 究 専 門 委 員会 」 に お いて 作
成 して いた だ き ま した 。各 委 員 をは じめ 、作 成 に あた りご協 力 いた だ いた 関係 各 位 に 対 し、
心 か ら感 謝 を 申 し上 げ ま す 。
平成 1 8 年 3 月
兵 庫 県教 育 委 員 会 事 務 局 障 害 児 教 育 室
室 長
細
川 明 子
発 行 に あ た って
これ ま で 障害 の あ る児 童 生 徒 の 教 育 は 、 障 害 の 種 類 や 程 度 に応 じて 、盲 ・聾 口
養 護 学 校 の ほ か 、特 殊 学 級 や 通 級 に よ る指 導 で行 わ れ て き ま した 。 しか し、社 会
に お け る ノ ー マ ラ イ ゼ ー シ ヨンの 理 念 の 浸 透 、 医学 や 心 理 学 等 の 進 展 に よ り、 障
害 の 概 念 や 範 囲 も変 化 して き て お り、 さ らに文 部 科 学 省 が 平 成 1 3 年 1 0 月 に 設
置 した 「特 別 支 援 教 育 の 在 り方 に 関 す る調 査 研 究 協 力者 会 議 」 の 調 査 の結 果 、通
常 の 学 級 に在 籍 す る特 別 な教 育 的 支 援 を必 要 とす る児 童 生 徒 ( 学習 面 や 行 動 面 で
著 しい困難 を示 す 児 童 生 徒 ) が 約 6 % 程 度 の 割 合 で存 在 す る こ と も明 らか に な つ
て き ま した 。 そ こで 、 障 害 の 種 類 や程 度 に 応 じた 、 特 別 の 場 で 指 導 を行 う 「特 殊
教 育 」 か ら、児 童 生 徒 に 対 して 、 そ の 一 人 一 人 の ニ ー ズ を把 握 し、適 切 な教 育 的
支 援 を行 う 「特 別 支 援 教 育 」 へ の 転 換 を図 る必 要 性 が 提 音 され て い ます 。
我 が 国 で は 、 平 成 1 4 年 1 2 月 に 「障 害 者 基 本 計 画 」 が 閣 議 決 定 され 、 そ の 中
で教 育 に つ いて は 「障 害 の あ る子 ど も 一 人 一 人 の ニ ー ズ に 応 じて 、 きめ細 か い支
援 を行 うた め に 、乳 幼 児 期 か ら学 校 卒 業 後 ま で 、 一 貫 して 計 画 的 に教 育 や 療 育 を
行 う と と も に 、学 習 障 害 、注 意 欠 陥 多動 性 障 害 、 自開症 な どに つ いて 教 育 支 援 を
行 うな ど、教 育 ・療 育 に特 別 の ニ ー ズ の あ る子 ども に つ い て適 切 に 対 応 す る」 と
とい う基 本 方 針 が 示 され て い ま す 。
さ らに 、 平 成 1 6 年
1 2 月 に発 達 障 害 に 関 し、早 期 発 見 や 発 達 支 援 に 対 す る国
及 び地 方 公 共 団体 の 責 務 を明 らか に し、学 校 教 育 に お け る支 援 や 就 労 の 支 援 等 を
定 め た 「発 達 障 害 者 支 援 法 」 が 成 立 し、 平 成 1 7 年 4 月 に施 行 され 、発 達 障 害 者
に対 す る支 援 が 行 わ れ る こ と とな りま した 。 この 法 で発 達 障 害 の 定 義 が 「自開 症 、
ア ス ペ ル ガ ー 症 候 群 そ の 他 の 広 汎 性 発 達 障 害 、学 習 障 害 、 注 意 欠 陥 / 多 動 性 障 害
そ の 他 これ に 類 す る脳 機 能 の 障 害 で あ つて 、 そ の症 状 が 通 常 低 年 齢 に お い て発 現
す る もの と して政 令 で 定 め る もの 」 と明確 に 示 され ま した 。
そ して 、 平 成 1 7 年 1 2 月 に 中央 教 育 審 議 会 よ り 「特 別 支 援 教 育 を推 進 す るた
め の 制 度 の 在 り方 に つ い て ( 答申 ) 」 が 出 され 、特 別 支 援 教 育 の 今 後 の 指 針 も示
され る こ と とな りま した 。
こ う した 流 れ に沿 つて 、義 務 教 育 制 度 そ の もの の 改 革 が 進 め られ 、教 育 は変 わ
ろ う と して い ます 。 障 害 の あ る幼 児 児 童 生 徒 の 自立 や社 会 参 加 に 向 けた 主 体 的 な
取 組 を支 援 す る とい う視 点 に 立 ち 、幼 児 児 童 生 徒 一 人 一 人 の 教 育 的 ニ ー ズ を把 握
し、 その 持 て る 力 を高 め 、生 活 や 学 習 上 の 困難 を改 善 又 は 克 服 す るた め 、適 切 な
指 導 及 び必 要 な支 援 が 行 わ れ るた め に 、本 資 料 が 参 考 に なれ ば幸 甚 と考 え て い ま
す。
平成 1 8 年 3 月
学習障害児等支援教育研究専門委員会
委員長
花
田 雅 憲
目 次
は じめに
発行にあたって
活用にあた って
1
特 別 支 援 教 育 とは
LDEADHD日
2
高 機 能 自開症 等 とは
事 例 と支 援 の 手 だ て
15
学習面
読 む こ との 苦 手 な子 〈文 字 〉
17
文 章 の 内容 を理 解 す るが 苦 手 な子
書 く こ との 苦 手 な子
I 〈 文字〉
書 く こ との 苦 手 な子 工
聞 く こ との 苦 手 な子
25
話 す こ との 苦 手 な子
27
計 算 す る こ との 苦 手 な子
〈文 〉
19
21
23
29
位 置 や空 間 を理 解 す る こ との 苦 手 な子
I く粗 大 運 動 〉
33
不 器 用 な子 工 く微 細 運 動 〉
35
不 器 用 な子
31
6
行動面
授 業 中 に立 ち歩 いて しま う子
授 業 に 集 中 しに くい子
39
41
授 業 中 ち ょ っか い をか けて しま う子
授 業 中姿 勢 が 悪 く、落 ち 着 きの な い 子
行 動 の 切 り替 えが 上 手 で な い 子
43
45
4ウ
す ぐにか っ とな る子 / す ぐに パ ニ ック をお こす 子
忘 れ 物 の 多 い子
51
片付 けの 苦 手 な子
53
や りと りが うま くいか な い子
友 達 と上 手 く遊 べ な い子
57
ライ フス テー ジに応 じた症状 と
問題点 B 手 立ての変化
個 別 の教 育 支 援 計 画 の 重 要 性
個別の指導計画の実際
65
校 内 支 援 体 制 の あ り方
75
保護者へ の対応
83
関係 機 関 との 連 携
9o
参考 ・引用文献 等
96
おわ りに
55
59
63
49
活用にあた って
通 常 の学 級 の 中の支 援 が 必 要 な子 どもの 気 づ きの た め に
クラスの 中には 「なぜか授 業 に集 中で きない子 」 や 「話せ るけ ど、なぜか
書 くことが苦 手な子」 な ど特別 な支援が必 要 な子 どもが い ます 。その子 ども
た ちの存在 に気づ き的確 な実態把握 を行 い 、子 どもの理 解 のための参考 に し
て下 さい。
支 援 の ア イ デ ア ・ ヒ ン ト集 と し て
子 どもの困 り感 に気 づ き、実 態把握 がで きれ ば、具体 的 な支援 に取 り組み
ます。
ただ、子 どもの 実態が異 なれ ば、支援の方法 も様 々に あ ります 。 「事例 と
支援の手 だて 」 には 、 < 子 ども を理解す る視 点> と 、それ に応 じた < 支 援の
手だて > を 記 していま す。支援 のための アイデア ・ヒン トと して、参考 に し
て下 さい 。
支 援 の ネ ッ トワ ー ク づ く り に 向 け て
特別 な支援が必要 な子 どもた ちには、個別の対応 だ けでは限界が あ ります 。
校 内体制 を構 築 し、保 護者 との共 通理解 を図 り、関係機 関 とも連 携 して取 り
組 んで い く必要が あ ります 。その ノ ウハ ウを理解 す る とともに 、校 内での研
修 や地域 での 関係者 に よる研修 並 びに理 解啓発の ツー ル と して、活用 して下
さい。
-
1
-
特居J支援教育 とは
1 障 害 児 教 育 ( 特殊 教 育 ) か ら特 別 支 援 教 育 へ の 転 換
平 成 5 年 1 2 月 に 障 害 者 基 本 法 が 公 布 され ( 平成 1 6 年 6 月 に 一 部 改 正 ) 、
障害 の あ る人 も障害 の な い人 も社 会 の 一 員 と して共 に生 活 し、社 会 活 動 に 参 加
す る こ とを 目指 す とい う ノ ー マ ライ ゼ ー シ ヨン理 念 の 実 現 が 今 後 の 我 が 国 の 課
題 と して 明 示 され ま した 。 障 害 の あ る人 が学 校 を卒 業 した後 、地域 社 会 の 中 で
自立 し、生 活 して い くた め に は教 育 と福 祉 、 医療 、労 働 な どの連 携 の 下 に生 活
支援 、生涯 学 習 の 機 会 、就 労 支 援 等 を充 実 して い く必 要 が あ り、現 在 各 関係 機
関 に お いて そ の 実現 の た め に さま ざまな取 り組 み が 始 ま つて いま す 。
障害 児 教 育 に お いて は 、児 童 生 徒 の 障 害 の重 度 B 重 複 化 や 多様 化 、通 常 の 学
級 に在 籍 して い る L D ( 学
習障害) ・A D H D ( 注
意 欠 陥 / 多 動 性 障害 ) ・高 機
能 自開症 等 の児童 生徒 へ の 指導 や早 期 か らの教 育 的 対 応 に 関す る ニ ー ズ の 高 ま
り、 また養 護 学 校 高 等部 へ の進 学 率 の上 昇 な どが進 ん で い ます 。 そ の 中で 、平
成 13年
1 月 に 2 1 世 紀 の 特 殊 教 育 の 在 り方 に 関 す る調 査 研 究 協 力者 会 議 が
「2 1 世 紀 の特 殊 教 育 の 在 り方 に つ いて ∼ 一 人 一 人 の ニ ー ズ に応 じた特 別 な支
援 の あ り方 に つ い て ∼ ( 最終 報 告 ) 」 を ま とめ ま した 。 昭 和 2 3 年 の 盲 学 校 ・
妻 学校 義 務 制 以 来 、徐 々 に確 立 して きた特 殊 教 育 制 度 に 関 して 、 これ ま で の 成
果 を評 価 した上 で 「これ か らの特 殊 教 育 は障 害 の あ る児童 生徒 等 の 視 点 に立 っ
て 一 人 一 人 の 二 一 ズ を把握 し、必 要 な支 援 を行 う とい う考 え方 に基 づ いて 対 応
を図 る必 要 が あ る 。」 とい う今 後 の 基 本 的 な考 えが 示 され ま した 。 そ して 、過
去 4 0 年 もの 間 、見 直 され て い なか つた 就 学 基 準 が 平 成 1 4 年 4 月 に 改 正 され 、
同年文部 科 学 省 は 「通 常 の 学 級 に 在 籍 す る特 別 な教 育 的支 援 を必 要 とす る児 童
生 徒 に 関 す る全 国 実 態調 査 」 を実 施 しま した 。 この 調 査 は 、担 任教 師 に よ る回
答 に基 づ くもの で 医師 に よ る診 断 に よ る もの で は あ りませ ん が 、約 6 % 程 度 の
高 機 能 自開症 等 の 児 童 生 徒 が 通 常 の学 級 に 在 籍 して い
る可 能性 が あ る こ とを明 らか に しま した 。現 在 、小 ・中学 校 に お いて 通 常 の学
割合で LDBADHD日
級 に在 籍 す る これ らの児童 生 徒 に 対す る学 習 面 、 生 活 面 に お け る指導 及 び支 援
が大 きな課 題 とな つて い ます 。
この 経 過 の 中 で 、平成 1 3 年
1 0 月 に 特 別 支援 教 育 の 在 り方 に 関す る調 査 研
究 協 力者 会 議 が 設 置 され 、平 成 1 5 年 3 月 に 「最 終 報 告 」 が ま とめ られ ま した。
- 2 -
本 報告書 によると、特別支援教育 とは次の よ うに明記 され ています。
『従来の特殊教 育の対象の障害だ けでな く、 L D 、 A D H D 、
高機能 自閉症
を含めて障害 の ある児童生徒の 自立や社会 参加 に 向けて、その 一 人 一 人の
教育的 ニー ズ を把握 して、 そ の持 て る力 を高 め 、生活や学習上の困難 を改
善又は克服す るために、適切な教育や指導 を通 じて必 要な支援 を行 うもの
で ある。』
す なわ ち、今後の 障害児教育の在 り方 と して、従来の児童 生徒の 障害の種別や程
度 、発達の状況 に応 じ、障害児 学級や通級指 導教室 、盲 ・聾 ・養護学校等、特別の
場 で指 導 を行 う 「特殊教 育」か ら、障害の ある児童生徒個 々の教育的 ニー ズに応 じ
て適切 な教育的支 援 を行 う新 しい教 育 システム と しての 「特別支援教育 」 へ の転換
を図 るところに あ ります 。
2 -人
一人の
教 育 的 ニ ー ズ に 対 応 す る適 切 な 指 導 と必 要 な 支 援
「最 終 報 告 」 が 発 表 され て 以来 、全 国 の 都 道 府 県及 び政 令 指 定都 市 教 育 委 員
会 に お いて 、そ の 内容 が 検 討 され 、特 別 支 援教 育 の 体 制 作 りに 向 けての取組 が
な され て い ます 。平 成 15年
度 か ら全 国 47都
進 体 制 モ デル事 業 (平 成 17年
道 府 県 を対 象 に 特 別 支 援教 育 推
度 か らは特 別 支 援教 育 体 制 推 進 事 業 )が 実施 さ
れ 、兵 庫 県 で は 阪 神 北 教 育 事 務 所 管 内の 4市 1町 で モ デル事 業 が 行 われ ま した
(平成 17年
16年
度 か らは 阪 神 北 及 び阪 神 南 教 育 事 務 所 管 内 に 拡 大 )。 さ らに平 成
6月 か ら 「ひ ょ う ご学 習 障 害相 談 室 」 が 県立 障 害 児 教 育 セ ンター 内 に 設
置 され 、巡 回教 育相 談 とも併 せ て 幼 児 児童 生 徒 また そ の 保 護 者 に 対 す る相談 支
援事 業 が 展 開 され て い ます 。
そ して、今後の特別支援教育を実現するための取組 として 「
最終報告」には、次の 3
点が あげられています。
① 「値別の教育支援計画」:障害のある子 どもを生涯にわた って支援する観
点から、一人一人のニーズを把握 して、関係者 ・機関の連携による適切な教
育的支援を効果的に行 うために、教育上の指導や支援を内容とする 「
個別の
教育支援計画」の策定、実施、評価 (「
Plan―
Do一
See」のプロセス)が 重要。
② 特 別支援教育 コーディネーター :学 内、または、福祉 ・医療等の関係機関
との間の連絡調整役として、あるいは、保護者に対する学校の窓回の役割を
担 う者として学校に置 くことにより、教育的支援を行 う人、機関との連携協
力の強化が重要。
③ 広 域特別支援連携協議会等 :地域における総合的な教育的支援のために有
効な教育、福祉、医療等の関係機関の連携協力を確保するための仕組みで、
- 3 -
都道府県行政 レベルで部局横断型の組織を設け、各地域の連携協力体制 を支
援すること等が考えられる。
さらに、今後の学校の あ り方 と して以下の方向性 を示 しています。
① 盲 ・車 B養 護学校 か ら特別支援学校へ : 障害の重複化や多様化 を踏まえ、
障害種にとらわれない学校設置 を制度 上可能にす るとともに、地域におい
て小 ・中学校等に対す る教育上の支援 (教員、保護者に対す る相談支援など)
を これまで以上に重視 し、地域の特別支援教育のセ ンター 的役割 を担 う学校
と して 「
特別支援学校 (仮称)」の制度に改 めることについて 、法律改正 を
含めた具体的な検討が必要。
② 小 B中 学校における特殊学級か ら学校 としての全体的 ・総合的な対応へ :
LD、 ADHD等
を含めすべ ての障害の ある子 どもに ついて教育的支援の
目標や基本的な内容等 か らなる 「
個別の教育支援計画 」を策定する こと、す
べ ての学校 に特別支援教育 コー デ ィネー ター を置 くことの必要性 とともに、
特殊学級や通級による指導 の制度 を、通常の学級に在籍 した上での必要な時
間のみ 「
特別支援教室 (仮称)」の場で特別の指導 を受 けることを可能 とす
一
る制度に 本化するための具体的な検討 が必要。
「今後の特別支 援教育の在 り方 について (最終報告 )」 平 成 15年 3月
特別支援教育の在 り方に関す る調査研究協 力者会議
そ の 後 、調 査 研 究 協 力者 会 議 の 「最 終 報 告 」 で提 言 され た 課 題 を さ らに具 体
的 に 検 討 す るた め に 、平 成 1 6 年 2 月 に 中央教 育審 議 会 は特 別 支 援 教 育 特 別 委
員会 を設 置 しま した 。 同委 員 会 に お いて 盲 ・聾 ・養 護 学 校 制 度 の 見 直 し、小 日
中学 校 に お ける特 別 支 援教 育 体 制 の 確 立 と障害 児学 級 や通 級 に よ る指 導 体 制 の
見 直 し、 教 員等 の 専 門性 を強 化 す るた め の 免 許制 度 の 改 善 な どに つ いて 検 討 を
重 ね 、 同年 1 2 月 に は 「中間報 告 」 と して公 表 し、 そ して平 成 1 7 年 1 2 月 に
「特 別 支 援 教 育 を推 進 す るた め の 在 り方 に つ いて 」 ( 答申) が 取 りま とめ られ
ま した 。
3 障
害 の あ る子 ど も の 教 育 の 新 た な シ ス テ ム づ く りの 基 本
平 成 1 9 年 度 の 特 別 支 援 教 育 の 総 合 的 な 支 援 体 制 づ く りの 実 現 に 向 けて 、
小 ・中学 校 に お いて は 「特 別 支 援 教 育 コ ー デ ィネ ー タ ー 」 の 指 名 や 「校 内委 員
会 」 の 設 置 へ の 取 り組 み が 始 ま り、盲 B 聾 ・養 護 学校 に お いて は さ らに地域 の
- 4 -
特 別 支 援 教 育 の セ ン ター 的役 割 を担 う 「地 域 支 援 部 」 の設 置 や 「個 別 の 教 育 支
援 計 画 」 の 策 定 な どが進 め られ て い ます 。 それ ぞれ の学 校 に お いて 特 別 支援 教
育 へ の 新 た な シス テ ム づ く りを進 め るた め に 以下 の こ とが基 本 的 な こ と と して
あ げ られ ます 。
( 1 ) 教 育 的 ニ ー ズ の把握
障 害 の あ る幼 児 児童 生 徒 の 個 性 や 主体 性 の 尊 重 とい う理 念 を理 解 した うえ
で 、 一 人 一 人 の 教 育 的 ニ ー ズ を把 握 し、 それ に対応 した指 導 や支 援 を行 うと
い う こ とで す 。幼 稚 園 、小 ・中学 校 、 そ して高 等 学 校 の通 常 の学 級 に L D ・
ADHDB高
機 能 自開症 等 の幼 児 児童 生 徒 が在 籍 す る こ とが 明 らか に な りま
した 。 障 害 の あ る子 どもの教 育 は 障害 児 学 級 担 任 に任 せ て お けば よ い とい う
こ とで は な く、通 常 の学 級 担 任 は 障害 児 学 級 担 任 や 時 には 地域 の 盲 ・窒 ・養
護 学 校 の教 員 と連 携 し、支 援 を得 なが ら適 切 な教 育 の 内容 と方 法 を計 画 しな
くて は な りませ ん 。 また 、 これ ま で の 学 級 づ く り、学 級経 営 につ いての 考 え
方 も状 況 に よ って は修 正 す る必 要 が あ ります 。学 級 集 団 を 一 つ に ま とめ る と
い う観 点 と同 時 に 、 一 人 一 人 の 教 育 的 ニ ー ズ に対 して どの よ うに適 切 に 対 応
す るか が 課 題 とな ります 。
( 2 ) 学 校 全 体 で取 り組 む
従 来 の よ うな担 任 一 人が学 級 の幼 児 児 童 生 徒 の 指 導 に つ いて 責任 を も つ と
い う狭 い考 え方 で は な く、個 別 の 教 育 的 ニ ー ズ に 対 応 した適 切 な指 導 や支 援
が必 要 な子 どもに対 して 、学 校 と して どの よ う に対 応 す るか 「校 内委 員会 」
等 に お い て 検 討 し、学 年 全 体 、 時 には 学 校 全体 で取 り組 む こ とも求 め られ ま
す。
LD・ ADHD・
高機 能 自開症 等 の状 態 を示 す 幼 児 児 童 生徒 が 、担 任 教 員
の指 導 力不 足 も関連 して い じめ の 対 象 に な つた り、不登校 、 また学 級 崩壊 を
引 き起 こす 場 合 も あ ります が 、学 校 全体 で これ らの課 題 に 取 り組 む こ とは 、
結 果 的 に は学 校 が 抱 え る様 々 な課 題 の 解 決 へ の 糸 口 を与 え る もの とな り、通
常 の 教 育 の 改革 に も貢献 す る もの とな ります 。
特 別 支 援教 育 システ ム は 、 ノ ー マ ラ イゼ ー シ ョン理 念 に基 づ くイ ンクル ー
シ ブ教 育 の可 能 性 も含 み つ つ 、 同時 に 障 害 児学 級 や 通級 に よ る指 導 が 解 消 さ
れ 、特 別 支 援 教 室 へ 移 行 され る こ とも示 唆 され て い るた め 、個 々の 障 害 や発
達 に応 じた適 切 な きめ細 か い指 導 が 出 来 るの か とい つた 懸 念 もあ ります 。
従 つて 、今 後 の 特 別 支 援教 育 は これ ま で 蓄 積 され て きた 障 害 児教 育 の 水準 を
維 持 し、 さ らに発 展 す るよ うな方 向で推進 され る こ とが強 く望 まれ ます。
- 5 -
LD・ ADHD・
高機能自閉症等とは
LDBADHD日
高機 能 自開症 等 とは
1 通 常学級に在籍する特別な支援を必要 とする子ども
小 ・中学校の通常学級担任を対象として文部科学省が平成14年に実施 した調査による
と、知的な発達に遅れはないけれ ども学習や行動面で著 しい困難を示す児童生徒の割合
は6,3%に もなることがわか りました。 この数値は、クラスのなかで 2人 程度の子どもが
特別な教育的支援を必要としていることを示 しています。
これ らの子どもたちの多くを占めるのが、学習上でのつまずきが見 られる LD(学 習
意欠陥/多 動性障害)、高機能自開症等 (アスペルガー症候群を含
障害)、ADHD(注
む)で す。 これ らの障害は、それぞれ別個の診断カテゴ リですが、いくつかの障害を同
子どもが LDの 症状を持つことは少なくありませ
時に示す子 どもがいます。ADHDの
行動特徴を持つこともありま
ん し、アスペルガー障害 と診断された子どもが ADHD的
す。また、発達途上でその特徴の表出が変化することもあり、幼少期の診断名がADH
Dで あつても、小学校高学年になるとアスペルガー症候群 と診断名が変更されることも
あります。
2 共 通する特徴
これ らの障害に共通 して見 られる第一の特徴は、知的な障害を伴 つていないというこ
とです。 LDの 子 どもは認知的なアンバランスを持 つていますが、全体的な知的遅れは
伴わないと考えられています。 ADHDの
子 どもの知的水準も他の子 どもと比較 して差
がありません。また、高機能自開症とは自開性障害 と診断されたなかで知的な障害を伴
わない場合です。
第二の特徴は、外部の刺激 を受容する感覚器には基本的な異常がないことです。 この点
で、目や耳の機能に異常があつて生 じることが多い視覚障害や聴覚障害 とは異なってい
ます。
軽度の発達障害」 としばしば言われますが、障害定義 という観点
第二に、 LD等 は 「
- 6 -
で重度の障害 と本質的な相違はあ りません。例 えば、周囲の人たちとうま くコ ミュニケ
ー シ ョンができない ことに起
因 して、対人関係の トラブルを抱えて しまい、学校不適応
とな る こともあ ります。 この場合、 コ ミュニケー シ ョンに必要な認知機能や行動統制機
能が損なわれているために、社会生活上の障害が生 じていると見なす ことができます。
知的障害や感覚器の異常が な いことは、 これ らの子 どもに障害が あるとい う認識を妨
げているよ うです。そのために周囲の人たちが これ らの障害に気づきに くいとい うこと
も大きな問題です。
3 生 物学的背景
LDBADHD・
高機能 自開症等 では、末梢の神経よ りも中枢神経系に何 らかの機
能的な損傷が起 こっていると考 えられてお り、脳波などの異常 を伴 うこともまれではあ
りません。 これ らの障害が疑われた場合には、医学的検査や神経心理学的検査を受けて
お くことが望まれ ます。原因の 多 くには遺伝的な背景が考えられています。また 、妊娠
中の母胎における環境要因や出産時の状態も影響 していることが明 らかにされつつ あ り
ます。例 えば、妊娠中の母親の喫煙や出生時に低体重である ことが障害発生の リスクと
な つている ことが報告 され て います。自閉症の原因が親の養育 に帰属 された時代 もあ り
ま したが 、現在では、このよ うな生物学的な背景にあると考えられています。虐 待を受
けた子 どもは、落ち着 きがな くな り多動 となることが知 られていますが、 ADHDと
は
区別 されます。 この ように、生育庭ゃ家庭環境 を調べ る ことも診断にあたって必要な こ
ととされています。
4 基 本的な対応
生物学的な背景 が原因とな つていますが、その子 どもにとって教育 B社 会的な環境要
因が重要です。 その最 も身近な環境は、母親、父親や学校 の教師であ り、 これ らの人々
が障害の特性 を理解 した上で、指導 ・対応 してい くことが大切です。得意な面を伸ば し
てい くとともに、できない ことや苦手な ことへ支援をお こなっていくことが必要です。
両親の養育態度や教 師の指導内容は、社会性発達の経過に重大な影響 を及ぼす とされ
ています。 これ ら子 どもたちは、なかなか指示に従えないとい うことも度々ですが、小
さな ことについては大 目に見る ことも大事で しょう。叱 られ るなどネガテ ィブな経験が
続 いて しま うと、自分は何 をや つて もうま くできないと感 じる傾向が強 くなって しまい
がちです。 さらには、抑 うつ的になった り、あるいは反抗的傾向が強 くなった りと、い
わゆる二次的な障害が生 じて しま うことが あ ります。基本的 には、頻度は少ないかも し
れませんが、良い行動 を とった らそれ を具体的に褒めて あげる ことが大事です。 この よ
- 7 -
うな対応を続けることで、社会的に望ましい行動が増えていくと言われています。
学 習 障 害 (LD)
学習障害とは、その子 どものなかで全般的な知的発達に遅れはないが、学習上に重大
なつまずきがある状態です。ある特定の認知能力 (例えば、視覚や記憶)が 選択的に損
なわれているために、学校での学習 (例えば、読み書き)が できない、あるいは大幅に
遅れてしまうと考えることができます。
1 学 習障害の定義と特徴
学習障害の定義には、精神医学的な定義と学校教育現場で用 いられる定義の 2つ があ
ります。精神医学的はどちらかとい うと狭い定義、教育上のものは広い定義と考えられ
ます。
(1)精 神医学的定義
アメ リカの精神医学会が用いている診断基準 (DSM一
IV―
TR*)に よるものです。
この場合、学習障害を英語で表現するとLearning Disordersと
表記されるように、
「
disorders〓
疾患」というニュアンスがあります。また、最後が複数形になって
いることは LDが 単一の様態ではなく、複数の症状 コ状態を含む ことを表 してい
IV―
TRでは、学習障害として以下の3つ の示 し方があります。
ます。DSM一
ア 読 字障害
読字障害は英語圏で多く見 られる障害で、イギ リスでは10∼15%の 子どもに
発生するとされます。日本ではその割合は少ないと言われてきましたが、現在
では以前考えられていたよ りも多いのではないかとい う指摘があります。流暢
に言葉を自発できていても、本などに印刷 されている文字を読めない、つかえ
なが ら読む、行 をとば して読むといった状態です。 この原因には大きく分けて
二つあるとされ、一つは聴覚的な処理が苦手な ことにあります。 この場合、文
字の形と聴覚的な読みとを対応させることができません。二つめは、文字その
ものを視覚的に認識することに困難がある場合です。
*DSM―Ⅳ―TR:精 神 疾 患 の 分 類 と診 断 の 手 引 新 訂 版 (米国精神 医学会刊行 )
- 8 -
イ 算 数障害
計算など算数領域の学習に選択的 に困難を示す状態です 。計算ができない こ
とが代表的ですが、文章題あるいは図形の問題 でつまずきを示す子 どももいま
す。計算では、短期的な記憶 に問題が ある場合もあ ります し、視空間的な認知
が苦手な ことも原因 とな りえます。
ウ 書 字表出障害
文字を書 くことに選択的な困難 を持 つている状態です。 日本語の場合、かな
と漢字の二つの文字体系が あ ります。視覚的な認知 と運動間の協応に問題 を抱
える子 どもの場合、とくに空間的な位置関係が重要 となる漢字の書字に困難が
出現するようです。
(2)教 育的定義
文部科学省の調査研究協力者会議が提案 した定義では、「
学習障害 とは、基本的
には全般的な知的発達に遅れはないが 、聞 く、話す、読む、書 く、計算する又は
推論する能力の うち特定のものの習得 と使用 に著 しい困難 を示す様 々な状態を示
す ものである。学習障害は、その原因として、中枢神経系に何 らかの機能障害が
あると推定されるが、視覚障害、聴覚障害、知的障害、情緒障害などの障害や、
環境的な要因が直接的な原因となるものではない。
」と述べ られています。
この ように、教育的定義では、学習障害 を 「
読み、書 き、算数」 に限定 してい
ません。「
TRの別の箇所で定義 されていますの
聞 く、話す」については、DSM一IV―
で、精神医学的定義 と大きく異 なるのは 「
推論する」能力も LDに 含まれるとし
ている点にあ ります。教科の学習で言 えば、文章題の理解や作文において、推論
するといつた高次の認知能力が必要 とな ります。実際に、読み書 きは基本的に問
題ないけれ ども、文章読解 に進 むとつまず く子 どもがいます。
教育的定義の LDを 英語で表記すると、Learning Disabilitiesとな ります。 こ
こでは、学習障害 とは学習に必要な (認知的な)能 力が損なわれている状態 を意
味 しています。
2 対 応と指導の原則
ドリル的な繰 り返 し学習は、効果的ではありません。まず、WiSC―
皿や作ABCなど個別
式知能検査 を実施 して学習アセスメン トをすることが有効と思われます。 これ らの検査
では、知能指数だけでな く認知能力を反映 した下位検査の得点も知ることができます。
したがつて、対象児のなかで得意な面と苦手な面のそれぞれを把握することが可能です。
また、学習プリン トのなかにも多くの情報があります。どのような箇所で、どのような
間違 いをしているかT寧 に検討することが重要です。
- 9 -
(1)バ イパス法
つまずきのある課題を克服するためには、得意な認知能力を最大限に活用 して
へん」や 「
つ くり」を書 くことはできるけれども、
いくこと必要です。例えば、漢字の 「
漢字全体を正 しく書 くことができない場合には、漢字のパー ツーつ一つに意味を
持たせることで、書字が促進されると言われています。文章を言語的に理解する
ことに困難があるケースでも、視覚的な意味理解は保たれていることがあります
ので、このような場合は写真や絵など視覚的な教材の提示が有効でしょう。
(2)ス モールステップ
例えば、作文が書けないLDの 子 どもに、毎回 「さあ、 このテーマで書 いて見
ましょう」と指導をしても、なかなか作文 らしく書けるようにはな りません。ま
ず、作文を構成 している要素や必要な認知能力を考 えることが必要です。語彙 と
いつた面で問題がなければ、まず文法的に正 しく一文を書けるかどうか見ます。
次のステップは、文と文のつなが りですか ら、接続詞の用法が間違 つてないか確
いつ、どこで、だれが」 といった全体の展開へ指導を進めて
認 します。さらに、「
い くことになるで しょう。 このように、小さなステップを段階的に学習 していく
ことで子ども本人の達成感も得 られやす くなります。
注 意 欠 陥 /多 動 性 障 害 (ADHD)
注意欠陥/多 動性障害は、不注意 と多動 口衝動性をおもな行動特徴 としています。
1 注 意欠陥/多 動性障害の定義
DSM―
IV―
TRに記載 されている診断基準が広 く使われていますが 、 このなかで不注意 と多
動性 一衝動性 が それぞれ独立 した診断項 目となっていることが特徴的です。不注意 と多
動性 一衝動性 の両方の診断基準を満たす 「
混合型」、不注意の基準のみを満たす 「
不注意
優勢型」、および多動性 一衝動性の基準 のみ を満たす 「
多動性 一衝動性優勢型」の 3つ の
サ ブタイプに分類 されます。 これ らにあてはま らないが、ぼんや りとした不注意が著 し
い場合には 「
特定不能の」 ADHDと
して診断 されます。
(1)不 注意
ケア レス ミス をするといった不注意の他に、勉強など努力の必要 な ことに注意
を持続できないことがADHDの
不注意の特徴です。 しば しば、ADHDの
-10-
子ど
もはなまけていると見なされがちですが、これも特性の一つなのです。勉強に向
か つていて も、周囲で物音が した りすると、す ぐに注意がそちらへ それて しまい
がちです。その一方で、自分が興味を持 つている ことに対 しては、た ぐいまれな
集中力を発揮 した りします。 この ように、ADHDの
不注意 とは、注意それ 自体
ー
ができないのではな く、注意のコン トロ ルが うま くできないことに あ ります。
(2)多 動性 一衝動性
多動性は、授業中にもかかわ らず席 を離れて動き回るといった移動性多動 と、
立ち歩きは しないけれ ども手足 をそわそわ と動か した り、も じもじする非移動性
多動 に分ける ことがで きます。ADHDの
多動性 とは、社会的な場面 (授業中な
ど)で じっとしていることが要求 されて いるのだけれ ども、それができな いとい
うとい う状態です。衝動性には、列の順番 を守れず に割 り込んで しま うといった
ように、社会的ルール を遵守することが苦手であることが反映されています。
2 認 知 ・行動上の特性
不注意 と多動 ―衝動性 という観点か ら診断 されますが、多
動傾向は小学校の中学年頃 を ピー クにその後は しだいに減少 していきます 。 これに対 し
以上のように、ADHDは
て、成人期まで続 くと言われているのが、認知上の様 々な問題や自分の行動をコ ン トロ
ール してい くことの困難性 です。 ADHDの
子 どもは、目標 を設定する こと、その達成
のために計画を立てて実際に実行 して、それが うま くいっているか どうか評価すること
が大 変苦手です。目標 を決める ことやその実行 には、それ を成 し遂げようという動機 づ
けが不可欠ですが、ADHDの
子 どもはこの点で重大な問題 を抱えて いるようです。ま
た、自分 自身の行 つた ことをモ ニ ターする ことも苦手で、他 の人に手が出て しまった場
合でも、自分が した ことをあま り意識できないようです 。計算や読み書きは得意なのだ
けれ ど、総合学習の時間 に 「
調べ る ことを自分で考えよう」 といつた課題が出されると、
何をして いいか分か らずに途方に暮れ て しまいます。
3 対 応 と指導の原則
ADHDの
子 どもが持 つ認知 ・行動上の特性を考慮 した指導 と対応が求め られます。
子 どもには中枢神経刺激薬 コメチルフェエデー トなどの薬物適用が有効なケ
ADHDの
ースが あ ります。日
長薬 によって症状が低減 された時にお いて も、社会的ルール を指導 し
た り学習指導を行 つてい くことの大切 さは変わ りません。
-
1
1
-
動機 づけ
ADHDの
子 どもは、将来、大きな ご褒美がもらえるとしても、その ことを眼
中に入れて状況にあった行動をとる ことができません。 しか し、す ぐにもらえる
ご褒美は非常に良 く効 きます。そ こで、ADHDの
子 どもに してもらいたいこと
(例えば、家で母親の手伝 いをする、宿題 をする)が あれば、ポイン トシステム
の使用が効果的です。 ここでは、100ポイン ト貯ま った ら本人の したいことや欲 し
いものがもらえる (将来の ご褒美)と い う約束 を しておきます。家 で母親の手伝
いをした ら、そのす ぐ後 でポイン トを与えます (すぐの ご褒美)。このポイン トが、
将来の ご褒美 の代用 となる ことで動機 づ けが高ま ります。 この時、どれ くらいポ
イン トが貯ま っているのか本人が確認できるように、目に見える形で示 してあげ
る ことが重要です。
環境の調整
診断上では、複数の環境 で症状が出現する ことが求め られているのですが、症
状の現れ方がその環境に依存 している こともよ く知 られています。つま り、障害
それ 自体に変化はな くとも、環境 を工夫する ことでよ り安定 した行動が期待でき
ます し、二次的な障害を予防する ことにも効果的です。 この場合の環境は、大き
くは、大 きく二つに分けて考える ことができます。
ア 物 理的環境
勉強 に集中させた いので あれば、不必要な刺激はできるだけ除かなければな
りません。教室のなかの備品はなるべ く扉つ きの棚に収容するといいで しょう。
最前列 に席 を用意 した としても、その前の先生の机にいろいろなものがあつて
はいけません。個別指導 の場合です と、可動式のホワイ トボー ドを問仕切 りに
使 つてもいいで しょう。
不注意 とい うこともあって、日頭による一斉 の指示は容易に頭 のなかに入 り
ません。個別に確認するか、絵や写真を使 つて示す ことが効果的です。一 日の
スケジュールなどは、掲示物 として本人が確認 しやすい形に してお くことが必
要です。
イ 人 的環境
障害の特性にもとづいた指導が教師に求め られる ことはもちろんですが、最
も身近な環境である母親が子 どもへの接 し方を学んでい く必要 もあ ります。 こ
の際 には、専門機関によるカウンセ リングやペア レン トトレー ニ ングなどの支
援も行 つていきます。 この なかで、子 どもの望ま しい行動へ の褒め方や、望ま
しくない行動への無視 の仕方などを学んでもらいます。 この ように、子 どもの
行動 に対 して適切な対応を図つていくことが求め られます。
- 1 2 -
高 機 能 自開症 等
診断名は、広汎性発達障害 とな ります。自開症 (自開性障害)は 、相互的な対人間
係 口顔の表情や身振 りなど非言語的 コ ミュニケー ション手段の使用、言語によるコミュ
ニケー ションに問題が見 られることに加えて、 こだわ りが認め られます。高機能自開症
は、知的発達に遅れが見 られない自開症です。アスペルガー症候群には、自閉症と同様
に相互的な対人関係 ・非言語的なコ ミュニケー ションの問題 とこだわ りがありますが、
言葉の面での遅れはありません。高機能自開症も学齢期になると、言葉の面での遅れは
目立たなくな ります。近年、 これ ら自開症目の行動特徴が重度か ら軽度まで連続的に存
在すると考えて、自開症スペク トラムとも呼ばれます。
1 自 閉症の定義
以下の 3つ のカテ ゴ リー で質的な障害が認め られます。少な くとも、 これ らの うち一
つは 3歳 以前に現れます。
(1)社 会性 口対人関係の問題
幼児期には、日と目が合 いに くい、名前 を呼ばれ ても振 り向かな い、母親の後
追 いをしな いといった特徴 か ら気づかれます 。顔 の表情 を作 り出 した り、他人の
顔色 を伺 うことが大変苦手です。特に、嫌がって いる顔などネガテ ィブな表情の
理解 が難 しいと報告 されて います。抑揚やイン トネー シ ョンに不 自然 さが見 られ
た り、 これ らか ら相手の感情の状態 を推 し量る ことに困難があ ります。 この よう
に、他人 と感情 を共有するといったコミュニケー シ ョン能力に本質的な障害があ
るため、仲間関係が築けません。
言語的なコ ミュニケー シ ョンの問題
2歳 になって も意味のある発語が見 られないといつたように、言葉の遅れが認
め られます。高機能 自開症 の場合、学齢期になると表面的には言葉の問題は目立
たな くな ります。 しか し、会話が成立 しているように見えても、言葉 に表れない
相手 の意図や欲求 を推 し量 る ことが なかなかできないため、 コミュニケー ション
に問題が残 ります。冗談や皮肉の理解 にも困難があ り、そのまま言葉 どお りに受
け取 つて しまいます。話 し相手にかまわず、自分の興味のあることについて長々
としゃべ り続けた り、一方的に会話を中断 して しまうことが あります。
(3)
こだわ り
手をひ らひ らさせた りする常同的行動が見 られた り、数字や色な ど特定の狭 い
対象に非常 に強 い興味 B関 心を持ちます。学校 へ決ま つた道順で しか行けない、
- 1 3 -
一
ビデオの同 じ箇所を何回も見返すな ども こだわ りの つ と考え られます。興味 の
対象 に没頭 している時は指示 に従 えません し、突然に予定が変わ つた りする と、
どうして良いか分か らな くな つて しまいます。
2 対 応と指導の原則
こだわ りが強 いなどで行動を柔軟に変更できないとい うのが特性ですので、 これ らを
ふまえて周囲の環境を調整 します。また、知的には高い能力を持ち合わせていますので、
この点を活用することも有効です。
(1)視 覚情報による提示
・
聴覚的な言葉の理解には困難が大きいのですが、写真や絵な どで具体的 視覚
的に示す ことで、その意味が把握 しやす くなります。 したがつて、集団場面での
一斉指示は本人にとつて大変わか りに くい指示の仕方ですので、理解できている
かどうか個別に確認する必要があります。
(2)環 境の構造化
自分の行動に見通 しを持つことが苦手で、その状況で何をすべ きかの理解が困
難です。スケジュール表などを用いて流れを明示するとともに、なるべ く余分な
刺激は除 くようにします。
(3)こ だわ りの活用
こだわ りを困 つたものとだけ見なさずに、そのこだわ りや強 い興味を上手に生
かす手だてを考えていきま しょう。例えば、鉄道に対するこだわ りがある場合に
は、その路線図を活用 して地理の勉強 につなげていくなど、関連性を生か して
徐々に広が りを持たせるのがよいで しょう。
(4)ソ ー シヤルスキル
社会的なコミュニケー ションを円滑におこなっていくためのスキルです。 これ
『ありがとう』 という言葉を言おうね」 とい
は、手伝 つてもらった時などには、「
った指導 になります。 このように、人とつきあつていくために必要なコツを習得
させていくことが、対人関係の トラブルを予防することにつなが ります。
- 1 4 -
事例 と支援の手だて
以下の通 り、具 体 的 に 「学 習面 で 、 気になる子」 「
行動面で、気になる手 」 について、
い くつか の子 ども像 ( 子どもの様子 ) を取 り上 げています。
学
習
面
イ子
動
面
読 む ことの 普手 な子 く文字〉
授 業 中 に立 ち歩 いて しま う子
文章 の内容 を理解す るのが苦手 な子
授 業 に集 中 しに くい子
書 くこ との 苦手 な子 I 〈 文字〉
授 業中ち ょつか い をか けて しま う子
書 くこ との 苦手 な子 工 く文〉
授 業 中姿勢が悪 く、落 ち着 きのない子
聞 くこ との苦手 な子
行動 の切 り替 えが上手 でな い子
話す こ との 苦手 な子
すぐにかっとなる子/す ぐにパニックをおこす子
計算 す る ことの 苦手 な子
忘れ物の 多 い子
位置 や空間 を理解す る こ との 苦手 な子
片付 けの苦手 な子
不器 用 な子 I く 粗 大運 動〉
や りと りが うま くいか な い子
不器 用 な子 工 く微細運動〉
友達 と上手 く遊 べ な い子
事例 と支援 の手 だては、く子 どもの様 子〉 〈子 ども を理解す る視 点〉 と く支
援 の 手 だ て) の 順 にま とめ て い ます 。〈支援 の手 だ て 〉 では 、 一 人の 「学 習
面 で 、行動 面で、気 にな る子 ども」 だ けでな く、学級 の 他 の子 どもた ちに も
有効 で ある こと、誰 にで も活用 で きる こ とが 多 くある とい う視 点 か ら、特 に
全体の 場 に お ける支援 に つ いて を、ひ とま とま りに して★ で記 して い ます 。
実際 には 、 ここで 取 り上 げた子 ども像 は代表的な もので あ り、当然 、 目の
前 の子 どもに 1 0 0 % 当
てはまる ものでは あ りません 。同 じよ うな様子 を見
せ て いて も、取 り上 げた要 因 ( 子どもを理解す る視 点) 以 外 に よる こともあ
ります し、 い くつかの要 因が重 な って い る こ とも考 え られ ます。
その ため 、活用 に あた つては 、 「今 、 日の 前 で因 つて い る子 ども を ど う理
解 して具 体 的 な支援等 をすれ ば よ いのか 」、その手がか りと して参 考 に して
下 さい。
- 1 5 -
子 どもへ の 支援 に際 して
O 子 どもに とつて、安心できる居場所 をつ くりま しょう
O 小 さな変化 をとらえ、 自信 と意 欲 を育てま しょう
。 で きない ことよ り、できることに着 目して支援 しま しょう
・ 指示や課題は具体的に短 く提示 しま しょう
・ 視覚的支援を有効に活用 しま しょう
・ 常 にスモールステ ップを心がけ、対応 しま しょう
・ 「 叱る」よ り 「ほめる」 ことを大切 に しま しょう
O 他 者 との比 較ではな く、個人の成長 を評価 しま しょう
。 「 子 どもの実態」→ 「
考えられる要因」→ 「
具体的な支援」
→ 「
評価」 という流れで仮説を立てて、対応 しま しょう
☆ 特 別 な支 援 が 必 要 な子 どもた ち に 対 して は 、常 に 教
育 的 ニ ー ズ を把 握 し、 それ に 対応 した 指 導 及 び支 援 が
必 要 で す 。 これ らの 指 導 及 び支 援 は、障 害 の 有 無 にか
か わ らず 、 当該 学校 に お ける子 どもた ちの 確 か な学 力
の 向上 や豊 か な心 の 育成 に 資す る もの で す 。
-16上
学習面
視力には問題がないと思われる
。 文 字 を 一 つ 一 つ 読 む。 た どた ど ししヽ
読 み方 をす る
・ 文字 は読め て も、 「文末 を読み間違 え る」 「行 を飛 ば して
読んで しま う」「文字 を抜か した り、勝 手 に読 み替 えた りす る」
例 i と うもろ こし→ とうろもこし、 いつて きま した→ いってきた
あ」、 「目と日」、 「b」 と 「d」
例 :「お」 と 「
単 語 や 文 節 の 区切 りを誤 つて 読 ん で しま う
<子 どもを理解する視点 >
○ 並 ん で しヽ
る文 字 を順 に 目で 追 えて しヽる か
例 : 上か ら下へ 、左か ら右へ
* が
○ 『 図と地』の弁局」
うまくできてしヽ
るか
○ 文 字の形や細か しヽ
るか
部のが正しく捉えられて しヽ
てしヽ
○ 文 字と首が結びつしヽ
るか 例 : りんご → r i / n / g o
た首を文字に変換することができてしヽ
O 首 の間き分けや間 しヽ
るか
○ こ とばをまとまりとしてとらえられてしヽ
るか
○ 助 詞や接続詞の理解はどうか
○ 記 憶する力はどうか
ワンポイント
前 もって読んでお く等、予習の段階での支援が大切です
自信 を持 つて読む ことができるように、工夫 しま しょう
*『 図と地』の弁別 :背景の中から見たい ところを選んで見続けること
-17-
と繰 り返 し 注意 す る
B ってしヽ
矢
ることばや漢字があつても読むことができなしヽ
形のよく似た文字を読み間違う
。﹁
ど こ見 て読 ん で る の﹂﹁
な ん で間 違 え る の﹂
< 子 ども の 様 子 > ※
<支 援 の手だて>
○ 音 読の線習として、文節ごとに斜線を書き込むよ うにしたり、読めな
しヽ
漢字には必要に応 じて仮名を打たせるようにしましょう。
が多しヽ
○ 読 み間違 しヽ
所に印をつけて、意識して読めるようにしましょう。
○ 子 どもの話 したことばと実際の書字 (黒板 ・カ ー ド化)が 一致できる
ように支援 しましょう。
○ 定 規を当てた り指でなぞ つたりして、読んでいる所に注目するように
しましょう。
例 :行を飛ばしてしまう場合は、読んでいる行だけしか見えないように
他の場所を隠したり、1行 分のスリットを空けたカラーシー トを使
つたりする方法もあります
を調 べたり、また、拡大 コピー
○ 縦 書きと横書きでの読みやすさの違しヽ
ようにしましょう。
をしたり、行間を広げた りして文字が見やすしヽ
ー
ー
。
○ 文 字カ ドや絵カ ドを使 つて、絵 文字や音声と物事を表す ことば
をすぐに結びつけられるようにしましょう。
て、単語をま とまりとして素早く読みと
① フ ラ ッシュカ ー ドなどを用しヽ
れるようにしましょう。
○ 家 庭での練習などでは、模範 の首読 (CDな ど)を 活用 しましょう。
中から、今読む ところを他
○ 視 力に異常がなくても、多くの文字が並Sヽ
の文字と区別して読むことができなか つたり、文字が歪んで見えたり、
重な つて見えたりする こともあるようです。このような場合、人とぶつ
か りやすしヽ
、ボ ールを受け止めにくいなど、日常生活の他の場面でも不
ので専門機関での相談も考えてみましょう。
る場合が多しヽ
都合を感 じてしヽ
☆ 新 ししヽ
単元に入る時 には、教科書の読み間かせをして、意図的にゆ っ
くり読んだり、文節で区切 つて読んだりしましょう。
☆ 先 生の範読に合わせて読んだり、一文ごとに交代 して読むなど、首読
の線習 に変化を持たせながら、少しすつ長く読めるようにしましょう。
が区別で
る文字の違しヽ
☆ 「 書き取り」の練習などで、文字の形や似てしヽ
きるように工夫 しましょう。
☆ こ とば遊びを通 して、音を間き劣けたり、文字や形の弁別をしたり、
書き取りをする経験を増や しましょう。 ※ 清音 と濁音や特殊音節など
☆ 片 仮名のキャラクタ ーの名前やゲ ームの説明書など、子どもの興味関
心のある内容や遊びを教材に取り入れましょう。
-18-
文章の内容を
文字を読むことがで きても、文章 の 内容が理解
できなしヽ
5 WlHの
質問に答えられ なしヽ
段落 ごとに内容をまとめるのが難 ししヽ
計算はできるが、文章題の意味が読みとれない
文章を読んで、立式することが難 しい
・﹁
な ぜ 書 い てあ る こと が 分 か ら な い の﹂
﹁
ど こ 見 て読 ん で いる の﹂
と繰 り 返 し注意 す る
・﹁
も っと ︵一人 で︶ む 習 を し な さ い﹂
読
練
と 繰 り 返 し言 う
<子 どもの様子 >
<子 どもを理 解する視点 >
○ 文 字を順に正 し<読 めてしヽ
るか (参 照 :読 むことの苦手な子 く
文字〉)
○ こ とばをまとまりとして読むことができるか
O 文 章を読んですぐに具体的な物事と結びつけることがで きるか、 意味
が理解できてしヽ
るか
○ ( 読 んでから)少 しの間、記憶 してお<こ とができてしヽ
るか
○ 文 字を読みなが ら、意 味理解に注意が向けられてしヽ
るか
の
○ 文 構造が理解できてしヽ
るか
ワンポイント
「
音読できる」とい うことと 「内容 を理解できる」ということは、
別の力であると考える ことが大切です
- 1 9 -
<支 援 の手 だて>
○ 具 体物 を操 作 した り、 挿絵 や 図 を使 った り して、 イメ ー ジ化 を図 りま
し ょ う。
○ 区 切 りご とに 意 味 を確 か めた り、 キ ー ワ ー ドにア ンダ ー ラ イ ンをヨ│ し
ヽ
た り して 内容 を確 か め るよ うに しま しょう。
例 : 分かってい ること、求めること ( 合わせて、全部で、残 りは、違 いは) 、
単位など
○ ゲ ーム形式で短しヽ
文章の内容理解をする練習をしましょう。
例 : 子 どもがイ メー ジ しやす い 内容 ( キャラ クター の説 明や調理 の 方法 な ど)
を取 り入れ る
例 : 写 真や絵 を見 た り、動作化 した りす る こ とで内容 を理 解 しや す くす る
例 : 書 かれ てい る事 実 ( いつ 、だれ が 、 どこで 、 な にを 、 ど う した ) を 書 き
込 め るよ うな プ リン トを用 意 し、音読 してか ら書 き込む練 習 をす る
☆ 文 字や ことばが見やすしヽ
ように工夫 しまし ょう。
( 参照 : 読 むことの苦手な子 〈文字〉)
☆ 文 字やことばの使しヽ
力に親 しみが持てるようにしましょう。
例 │ 授業のはじめや朝の会や学級活動などで、ことば遊びをする
( しりとり、なぞなぞ、スリーヒン トゲームなど)
☆ 文 章 の 内容に合 った絵や写真を提示 して、視覚的な情報を補しヽ
、内容
理 解 を 助けるようにしま しょう。
☆ 提 示 の仕方を工夫 しま しょう。
例
漢 字 にふ り仮名 をつ けた り、難 しい こ とば を分 か りやす い こ とばに置
き換 えた りす る
例
授業 の前 に問題 文 を渡 し、落 ち着 い て ゆ っ く り読 む時 間 を作 る
例
問題 文 を指導者 が 読 んで理 解 しやす くす る
あ らか じめ 質 問事項 を知 らせ た り、 キ ー ワー ドにア ン ダ ー ライ ン を引
い た りして、それ を手 がか りに読み取 る よ うにす る
例
-20-
例 :「東」→ 「
束」
視 写 に時 間が か か り、 教 科 書 や 板 書 を正 し
く書 き写 す こ とが難 ししヽ
小 さ しヽ
字 が 書 き に くか つた り、 枠 の大 きさ
に合 わ せ て書 く ことが 難 ししヽ
、
・﹁
ち や ん と 聞 い て いな さ い﹂
﹁
忘 れ な い で﹂ と 何 度 も 注 意 す る
ひらがなやカタカすが鏡文字になつたり、
「シ」と 「ツ」等、似てしヽ
る形の文字を間違
える
きB 劣を書き間違える
日かしヽ
漢字の孫
。﹁
何 回 も 書 い て覚 え な さ い﹂
と 練 習 だ け で定 着 さ せ る
・﹁
は や く 書 き な さ い﹂ と 注 意 す る
<子 どもの様子 >
拗吉や促音などの特殊音節を間違 って書く
独特 の 筆順 で 書 く
<子 どもを理解する視点 >
○
○
○
○
○
○
○
文 字 の形や 点画 の位置 が正 しくとらえられているか
注 視する ことができてしヽ
るか
見 たものを記憶する力はどうか
*は
どうか
目 と手の協応動作
も のの動 きを追視する力どうか
日運動〉
肩 や腕、手の動きはどうか
(参
照 : 不器用な子 I 〈微孫
)
るかを聞き劣けることができるか
拗 首や促首がどこに入 つてしヽ
拗首や促首が文字と一致 しているか
ワンポイント
文字を正しく書けない子どもは形を正確に捉えることが苦手
な場 合 が あ ります
* 協 応 動 作 : 複 数 の 器 官 や機 能 が互 い に か み あ つて 働 き、 か らだ を動 か す こ と
- 2 1 -
<支 援の手だて>
○ 教 師の手本に注意を向けたり、記憶を助けたりするために座席を黒板
近< に しましょう。
○ 形 や位置の弁局」
などができるような遊びを多く経験させましょう。
*、
例 : 型はめパ ズルやペ グさし
点つなぎ
○ 手 本 を書 < 場 所 の 上 に置 しヽ
て形 を と らえや す く して み ま し ょう。
○ 腕 を伸 ば して 大 きな文 字 を空 書 きさ せ 形 を と らえさせて み ま し ょう。
① 板 書書きに時間がかかる場合は、あらか じめプリン トにして配布して
「どこに」 「
何を」「どれだけ」書けばよしヽ
か示したり、書き写す量を決
めたりしましょう。
○ や わらかしヽ
鉛筆を使つたり、持ちやすしヽ
ような補助具を使 つた りして
みましょう。
○ 書 き入れる枠の縁取りを太くしたり、枠の中に線ヨ│ きをしたりするな
どして、線や形が枠からはみ出さなしヽ
ように意識させましょう。
☆ 文 字 の 形 を へ ん や つ く りで 意 識 した り、 運 筆 の 動 き を 理 解 で き る よ う
な 説 明 を した り しな が ら練 習 を 進 め ま し ょ う。
例 : 漢 字 の成 り立ちの話を した り、絵 を使 って意味を理解 させた りしなが ら
へ ん」 と 「
つ くり」を組み合わせ る漢字パ ズルや クイ ズ)
練習す る ( 「
立って木を見る」
例 : 「親」→ 「
「
信」→ 「
人べ んを書 いて、言 うとい う字を書 く」
☆ 初 め て 学 習 す る 文 字 は 大 き な 枠 に 書 き 取 らせ た り、 見 本 の 文 字 の な ぞ
り書 き を した りす る な ど、形 を 正 し く理 解 して 書 け る よ う に しま し ょ う。
例 : マ スの 中心に線 を引 くな どして、書 く位置 を意識 しやす いよ うにす る
★ 文 字 の 間 違 しヽ
さ が しな ど、 正 誤 に 気 づ か せ る 活 動 を取 り入 れ て み ま し
ょ う。
☆ 今 書 い て しヽる と ころ が ど こか を意 識 で き る よ うな 板 書 の 工 夫 を して み
ま し ょう。
☆ 首 や こ とばの 間 き取 り学 習や 間 しヽ
た 首 と文字 を 一 致 させ る学 習 を しま
し ょう。 そ の 中で、 拗音 や 促 音 の 合 解 と合 成 を意識 させ 、 文字 の表 記 と
一 致 させ ま し ょう。
*ペ グさ し ;ボ ー ドに空 けた穴に棒 を さして数や形 の学習 に用 い る道具
-22-
・ 話 したしヽ
ことや伝えたいことを文章で書くこと
が苦手で ある
。 決まったパタ ー ンの文 章 しか書けなしヽ
・ 順序立てて、文章を書 <こ とができなしヽ
・ 作文や日記に苦手意識がある
。 作文や日記の宿題を忘れる
。 主語述語や 5WlHが
抜けた文章を書 しヽ
て しまう
<子 どもを理 解する視点 >
○ 語 彙 の 力 は ど うか
○ 文 で 表現 す る 力 ( 話す ) は ど うか
○ 順 序立 て て説 明 す る こ とが で きるか
○ 書 きた しヽ
よ うな 内容 や 体 験 が あ るか
○ 文 字 を書 くこ と 自体 へ の 苦 手 意 識 が な いか
( 参照 : 書 くことの苦手な子 I 〈文字〉
)
ー
○ イ メ ジした り、出来事を記憶 したりする力はどうか
-23-
﹁
ち や ん と 書 き な さ い﹂
と 文 章 の間 違 い を 注 意 す る
は じ め から 文章 で正 しく書 かせよう とす る
﹁
も っと た く さ ん 書 き な さ い﹂ と 指 導 す る
<子 どもの様子 >
<支 援 の手 だて>
○ 文 に書きたしヽ
ことを説明することから始めましょう。
○ は じめは子どもが話 した ことを教師が書き取 り、文で表現 して あげま
しょう。話 した ことを文で表現するための見本を示 しましょう。
○ しヽ
きな り全部を文で書かさすに、穴埋
め作文などで表現することに慣れるよう
にしてみま しょう。
○ 作 文 の課題に関する質問に答えること
で記憶を整理できるようにしてみましょ
う。
○ 写 真や ビデイを見せなが ら、経験を思
しヽ
出す手がか りにしてみま しょう。
質問用紙
穴埋め作文
題 :「
秋の遠足」
名前 iO山 □ 男
(いつ
(どこ
) に、ぼくは
)へいきました 。
ともだちと(何に
)にのってい
きました。
こうえんでは (
)
や(
題 :「
秋 の遠 足」
口 いつ 行 きましたか
)がありまし
た。ぼくは、O o く んといっしょに
(
)を
しました。おひる
。 どこへ 行 きましたか
・ 何 に乗 つて 行 きましたか
。 何 が あ りましたか (何を し ましたか)
・ おもしろかったです か 楽 しかったですか
口 疲れましたか
に (だれ
をたべました。
)とおべ んとう
えんそくはとてもおもしろかったで
す。またいきたいです。
。 また 行 きたいですか
☆ 楽 ししヽこ とや 具 体 的 な 内容 を取 り上 げ、
「しヽ
つ 、 ど こで 、 1司が あ った 」
「しヽ
つ 、 ど こで 、 だ れ が 、 ど う した 」 な どの 文 の形 式 にそ って 短 しヽ
文で
表 現 した り (話 した り)、 質 問 項 目 に対 して 答 えた りす る 線 習 を しま し
ょう。
☆ 子 どもが 表現 した こ と を教 師 が 黒板 に書 き上 げて 内容 を整 理 した り、
文 で 表 現 した り、 作 文 を書 く ときの キ ー ワ ー ドを提 示 した り して み ま し
ょう。
☆ 作 文 に慣 れ、 楽 しく書 け る よ うな 日常 的な 取 り組 み を工 夫 してみ ま し
ょう。
例 :一行作文、振 り返 り日記など
☆ 話 しや す い、 書 きや す い 課 題 を準備 しま し ょう。
例 :子 どもの好きな内容、今経験 したこと
-24-
くことの
きす、忘れて しまう
。 何回も間き返す
。 ことばを覚え間違 う
。 話を関しヽ
てしヽ
るけれど、その内容を理解できなしヽ
。 人の話を最後まで聞くことができない
<子 どもを理 解する視点 >
○ 注 意 の 集 中 はで き るか
○ 全 体 に対 す る指 示 を 自合 に置 き換 えて 受 け取 れ るか
○ 自 分 に話 しか け られ て しヽ
る としヽう意 識 や 自覚 が あ るか
○ 間 しヽ
た こ とを記 憶 す る 力 は ど うか
○ 聴 力 に問題 は な しヽ
か
○ 音 を間 き劣 け る 力 は ど うか
例 : 似た音 の聞き分けができるか
大切な声や音を選び出 して聞くことができるか
○ 文 脈 か ら意 味 をつ か む 力 は どうか
-25-
。﹁
ち や ん と 聞 い て いな さ い﹂
・ 間き間違いが多い
。 間きもらしがある
。 話 しかけても返事を しなしヽ
、反応がなしヽ
・ 授業中の教師の質問に答えられなしヽ
・ 教師が学級全体に話 したことを間しヽ
てしヽ
ことが
なしヽ
多 しヽ
・ 複数の指示を一度に言われると覚えてお< こ とがで
﹁
忘 れ な い で﹂ と 何 度 も 注 意 す る
。本 人 の努 力 不 足 を 指 摘 す る
<子 どもの様子 >
<支 援 の手 だて>
○ 音 の 間 き取 りや 間 き劣 け、 正 しく発 曽 す る練 習 を しま し ょう。
例 : こ とばの教室などの利用
○ 文 法を取り上げた│ □
別の学習をしましょう。
○ 文 字に対する視覚的なイメージを強める練習をしましょう。
例 : 拗音や促音等を文字カー ドを使 つて、どこに入るか確認す る
○ 全 体 へ の 指 示 の後 、 1 □
別 に指 示 す るよ うに しま し ょう。
○ 興 味 関心 の あ る事 柄 を話 の 中 に 取 り入れ るよ う に しま し ょう。
○ ス キンシップを図りながら、読み間かせを行しヽ
ましょう。
☆ 子 どもの 注意 を話 し手 に向 けて か ら話 しま し ょう。
例 : 話す前に名前を呼ぶ、目を合わせる、肩 に手をかけるなど
☆ 学 級 の ル ー ル と して 先 生 の 話が 聞 きや す しヽ
静 か な 学 習 環 境 を作 るよ う
に心 が けま し ょう。
☆ 視 覚 的情 報 ( 絵や 写 真 カ ー ドや 文字 カ ー ドな ど) を 示 しな が ら、 イ メ
ー ジを持 つて 間 け るよ うに して み ま し ょう。
☆ 質 問 や 指 示 の 出 し方 を 工 夫 しま し ょう。
・一 つ す つ 出 す 。 書 しヽ
て 示す
・具 体 的 に言 う ( 指示 代 名詞 はで き る だ け使 わ な しヽ
)
☆ メ モ を活用 して み ま し ょう。
・間 しヽ
た こ とを メモ に とる習慣 を つ け る
例 : 連絡帳を記入する工夫
。た くさん の 指 示 は箇 条 書 き にさせ る
。学 級 全体 で 楽 しん で メモ を とる活動 に取 り組 む
例 i メモを活用 した聞き取 リゲーム、伝言ゲーム、なぞなぞ
-26-
<子 どもの様子 >
-27-
﹁ち や ん と 話 し な さ い ﹂
首 や ことばを間き取る力はどうか
こ とばの理解はどうか
話 す内容をlllR序
等 に従 つてまとめ られるか
るか
質 問 の意味を正 しく理解 してしヽ
話 の内容や順序、話題等を記憶する力はどうか
な いか
、消極的にな つてしヽ
話 す ことに対 して自信を失しヽ
か
発 首器宮の動き に支障や誤りはな しヽ
るか
る相手に注意を向けて間 いてしヽ
話 してしヽ
相 手の表情や声の調子から相手の気持ちを察することが
できてしヽ
るか
○
○
○
○
○
○
○
○
○
﹁わ か る よ う に し な さ いL
話
と何度 も注意す る
<子 どもを理解する視点 >
﹁発 音 が 違 う よ ﹂
。 発音できなしヽ
音や誤 つた発音がある
。 全体の流れに合わせた会話が難 ししヽ
・ 思 しヽ
つ くままに話をするので話題がそれて しまう
。 会話が通 じにくか った り、授業中の質問に適切な
応答ができない
。 含みのあることば、嫌みや冗談を言われ て もわか
らす、 ことば通 り受け止めて しまうため、 ことばの
や りとりがうまくできな しヽ
と 間 違 いを 指 摘 す る
。 文で話す ことが苦手で、助詞や動詞の誤 り、主語、
述語、目的語の使用が難 ししヽ
・ 話が断片的で順序立てて話すことが難 ししヽ
・ 話 し始めるのに時間がかかる
。 話そうとすると過度に緊3 長して しまう
。 話の中で ことばにつま り、 「あの ・・・」、 「えつと
。・・」等 の ことばがよ く出てスム ーズに話せなしヽ
<支 援 の手だて >
ヽ
ヽ
○ 答 えやすし
ような問し
かけを心がけ、会話が続くようにしましょう。
○ 子 どもの話 した しヽ
内容 を推 察 して、 言 え な しヽとき には大 人 が ことば に
代 えた り、 欠 けた と ころ を付 け加 えて 話 し力 を学 習 させ ま し ょう。
○ 話 し力 の線 習 を工 夫 して 行 しヽ
ま し ょう。
・具 体 的 な絵 や 動 作 を こ とば と結 び つ ける
例 : 助詞を正 しく聞き取った り、使 つた りする練習
・写真 や絵 を見せ な が ら話 をさせ る
。事前 に話 す 内容 を書 しヽ
て そ れ を見 な が ら話 した り記 憶 した り して話 す
例 : 時間や順序に従 って話す内容をカー ドや ワー クシー トに書き、それを
見ながら話をするように しましょう
○ 首 や こ とば を正 しく間 き分 け る学 習 させ ま し ょう。
○ 話 題 が す れ て きた ら今 の 話 題 は何 か を意 識 で き る よ うな 声 か け を しま
し ょう。
○ し ゃれ や 冗 談 な ど こ とばの 遊 び を楽 しむ 中で 、 字 義 とは逆 の意 味 を学
習 す る機 会 を設 け ま し ょう。
○ 生 活 の様 短 な場 面 で 、 表 情 や 声 の トー ンか ら相 手 の 気持 ち を推 察 す る
こ とに慣 ら して い き ま し ょう。
☆ 静 か で 、 話 し手 の 声 が 間 きや す しヽ
学 習 環 境 を作 るため の 授業 のル ー ル
を決 め ま し ょう。
参考 : 先生が大声で話 さなくてもいい状態を目指 しましょう
☆ 朝 の会 な どを利 用 して 話 す機 会 を増 や しま し ょう。 興 味 の あ る こ とや
話 しや す しヽ
話題 を選 ん で 話 す ことか ら始 め 、 話 す こ とになれ ま し ょう。
☆ 自 信 を も って 話 せ る よ う に、 話 す ときの ル ー ル を作 りま し ょう。
例 : 笑わない、途中で 日をは さまない、質問は話 し終わ ってか らす る等
☆ 話 題 を意 識 して 話 せ る よ うな 工 夫 を した り、 学 級 の ル ー ル を 作 りま し
ょう。
例 : 話題 を書 い て提示 して、常に意識できるよ うに してお く
「
○○について話 します」 と言 つてか ら話 を始める 等
☆ 発 音 の 誤 りよ り も 話 題 に 注 目 して 会 話 を 楽 しめ る よ う に しま し ょ う。
-28-
計算することの 苦手な子
﹁
な ん で でき な い の﹂ と 何 度 も 注 意 す る
繰 り上が りや繰 り下が りの計算ができなしヽ
筆算 になると桁がすれて間違 って しまう
かけ算の九九が覚えられなしヽ
足 し算ヨ│ き算かけ算等を混同して しまう
量 を 増 や し て計 算 練 習 を す る
具体物や指を使 っても計算ができなしヽ
数の大小関係の理解が難 ししヽ
計算に時間がかかる
簡単な暗算ができなしヽ
か け 算 の 九 九 や 公 式 な ど の暗 記 ば か り
をす る
<子 どもの様子 >
<子 どもを理 解 する視点 >
○ 『 数の概念』(数曇関係等の理解)、『形の弁局」*』 (数字や記暑の形の
理解)、『目と手の協価』(筆記の様子)、『短期記憶』(計算時の記憶力)
等、調知的なガが発達に応 じてつしヽ
てしヽ
るか
0 10の
合成分解ができるか
○ 繰 り上が った数や繰 り下が つた数が覚えられているか
○ 加 減乗除の使しヽ
のけが理解できてしヽ
るか
○ 位 置や方向関係の提え方はどうか
○ 「 しヽ
ち」 「し」 「しち」など区別 して九九 を覚えることができるか
い ん 。しち 」 「さぶ ・ろ く」 な ど
例 : 「し 。しち 」 「
* 弁 別 : 物 事 の 違 い を は っ き りと見 分 け る こ と。 識 別
-29-
<支 援 の手 だて >
○ 筆 算では、繰 り上が った数は必す書き、記憶だけに頼 らなしヽ
方法を身
につけてい<よ うにしましょう。
① タ イルやおはじきなど具体物や半具体物の操作を通 して、 「たす」 「ひ
く」の意味が理解できるようにしましょう。
○ 計 算の手順を言葉で言 つた り、数字や言葉に意味 づけした りして、計
算方法が身につ くようにしま しょう。
例 :『14-8 こ れは引き算、4か ら8は 引けないので隣から10を もらう、
1を消す、 10か ら8を 引いて2・ ・・』
○ 位 取 りを意識できるように、マスロや縦の罫線な どがあるノー トやプ
リン トを活用 しましょう。
① 繰 り上が った数、繰 り下が つた数を書く場所をはっきり決めて、取 り
組めるようにしましょう。
○ 買 しヽ
物 ごっこやすごろく形式のゲ ーム等の体験的な学習を取 り入れま
しょう。
☆ 学 級内にゆ っく りでもきちんとできてしヽ
ることを認める雰囲気をつ く
ー
り、それぞれの子 どもの ペ スや過程を大切に しま しょう。
例 :①計算 ドジルのプ リン ト (問題数や内容を考慮)カミ
子どもたちで
選べ る
②計算の時間を計る場合には、他の子 どもと競い合いをさせ るので
はなく、本人自身の計算力の向上を評価するようにしましょう
☆ 計 算 問 題 の 練 習 で は、 ゆ っ< り で も 自力で す る場 面 と、補 助 手 段 を使
つて 多 < の 問題 を速 < す る場 面 に 分 けるの も 一 つ の力 法で す。 計算 で不
安 を感 じる 場 合 は、 か け算 の九 九表 を見 た り、 電 卓 を使 つた りす る こと
を認 め る ことも 者 え ま し ょう。
☆ 日 常生 活 の 中で 2 つ す つ 配 った り、 3 つ す つ の けた りす るな どの経 験
を意 図 的 に設 定 しま し ょう。 また、 お金 に置 き換 えて者 えさせ る と、 よ
< の かる子どももしヽ
ます。
-30-
位置や空間を
理解することの苦手な子
< 子 どもの様子 >
・ 上下 、左 右、 力 角 な ど間違 え る こ とが 多 しヽ
例 : 整列 した時や隊形移動で、自分の場所が分からない
特別教室等への移動がスムーズにできない
。 地 図 を見 るのが 苦手 で あ る
。 定規 や 分度器 を使 うの が苦 手で あ る
と何 度 も注 意 をす る
例 : 簡単な図形 の違 いを理解するのが難 しい、図形 の特徴や
概念がつかめていない
﹁
よ く 見 て しな さ い﹂
が難 ししヽ
(参
照 : 読 む こ との苦 手な 子 く文字 〉)
・ 図形 に関 す る問題 が苦 手 で あ る
﹁
な ぜ でき な い の﹂
・ グラフの目感りや表の欄を目で追つて読みとること
( 参照 : 不 器用 な子 工 く微細 運 動 〉)
・ 位 取 りが難 ししヽ ( 参 照 : 計 算 す る ことの苦 手 な 子 )
・ 積 み 木や ブ ロ ックで 手 本 に合 わ せ た ものが 作れ な しヽ
<子 どもを理解する視点 >
点 や線を目で追 つて、形や位置関係を正確に理解できてしヽ
るか
ー
頭 の中でイメ ジして、形を操作する ことができてしヽ
るか
位 置や空間を表すことばが理解できているか
*し
自 の自身の身体の真ん中、左右、上下を知覚
た り、身体の部分的
な動きを矢□
覚する ことがで きてしヽ
るか
○ 外 界での左右、上下、前後、遠近などを矢B 覚することができているか
○ 定 規や コンパス をしっか り持 つて、線を書くことができるか
○
○
○
○
ワンポイント
図工 や体育の時間は、どのように取 り組んで いるか (描き方 ・動き方)
を観察 しま しょう
*知 覚 :感 覚器 官 を通 して外 界 の事物や身体 内部 の状態 を知 る働 き
-31-
く支援の手だて〉
○ 注 目すべき図形と背景となる素地の見分けがつきやすいように色劣け
したり、線を太く書しヽ
たりしましょう。
O 空 間や位置の弁居」
を含む遊びを取り入れましょう。
例 :ペ グさし、点つ なぎな ど
(参 照 :不 器 用 な 子 工 く微 孫日運 動 〉、 書 く こ との 苦 手 な 子 Iく 文 字 〉)
○ 形 の 弁 剛 を含 む遊 び を 取 り入 れ ま し ょ う。
例 :型 はめパズル 、形 の仲間分 けな ど
例 :図 形に関 して、生活 の 中でよく目にす るもの と形 を比較 させなが ら、
(おにぎ り=△ =三 角 =正 三角形な ど)理 解 できるよ うに工夫す る
室 移 動 な どで 場 所 が 覚 え に く しヽ
場 合 は 、 反 達 と 一 緒 に 移 動 して 迷 子
に な らな しヽよ う に した り、 目 印 とな る も の (マ ー ク や 案 内 板 )を 見 て 移
O 教
動 した り、 深 した りす る よ う に しま し ょ う。
例 :校 内地図を使 って教室探 しやオ リエ ンテー リングをす るな ど
O 定
規 や コ ンパ ス や 劣 度 器 な ど は 、 長 さ や 大 き さ の 違 う も の を試 しな が
ら本 人 に あ った も の を 選 ぶ よ う に しま し ょ う。
例 :目 盛 りが大きく読みやすいか
すべ りやす さは どうかな ど
・すべ りに くい よ うに ビニールテー プを巻 くな どの使 い方 の工夫 も必要
☆ 授 業 の導入の段階な どで、具体的なものを用意 して実際に操作 して活
動 してしヽ
きながら、形や位置がイメー ジできるようにしましょう。
例 : 図形の型はめパズル、マッチ棒などで図形を作るなど
☆ 操 作の説明では、形や位置を 「トライアングルの形」「トンネルの形」
「
前から3 番 目」など、ことばや番号に置き換えることでイメージしや
ようにすることも取り入れましょう。
すしヽ
☆ 仲 間劣けや間違しヽ
さがしや形作りなどゲームを取り入れて楽しくでき
るように工夫しましょう。
★ 曽 段の生活の中で、ゲームの結果などを表やグラフに書き入れて、身
近に見るようにしましょう。
☆ 身 体を使 つた運動を取り入れてボディイメージ * を 形成してしヽ
きまし
よ つ。
例 : は しごを四 つ 這 いで渡 る、低 い 姿勢 にな っ て くぐるな ど
*ボ デ ィイ メー ジ :身 体像。身体 内部 の感 覚、身体外部 か らの感覚 を処理す る力
-32-
不器用な子 Iく 粗大運動〉
。 ボールを受けたり、投げたり、蹴 つた りする
ことが難ししヽ
・ 姿勢が悪<、 すぐに疲れを訴える
。 よくつますしヽ
つかったりする
たり、ものに応や
< 子 どもを理 解 する視 点 >
○
○
○
○
○
○
○
手 や足の動き方はどうか、協応性があるか
リ ズムに合わせて手足を動かせるか
るか
ボ ディイメージはできてしヽ
目 と手の協応の状態はどうか
視 覚面に問題はないか
す ぐ体が< に ゃくにゃするなど筋肉の緊張の状態はどうか
腹 筋、背筋の力はあるか
-33-
﹁姿 勢 を 正 し な さ い ﹂
﹁だ ら だ ら し な い で ﹂ と 叱 る
・ ケ ンパ ー 跳 び が で きな しヽ
・ リズ ミカ ル に動 く こ とが 苦 手 で あ る
本 人 の努 力 不 足 を 指 摘 す る
・ 走リカがぎこちなしヽ
・ スキップがうまくできなしヽ
﹁が ん ば れ ば で き る よ ﹂
﹁い つ か で き る よ う に な る ﹂
と あ い ま いな 励 ま し 方 を す る
<子 どもの 様 子 >
<支 援 の手だて>
○ 回 転、加速度、揺れ、上下の動きを感じた り、触覚を束」
激するよう
な遊びをたくさん取り入れてみましょう。
○ 平 均台や床におしヽ
た□―プの上を歩くなど平衡感覚を養う活動をし
てみましょう。
参考 : 体の使 い方 の指導や教具につい ては肢体不 自由の養護学校 に相談
してみるといいで しょ う
0 2点
間 の 線 ヨ│ きや 迷 路 な ど で 、 目 と手 の 協 調 性 を 高 め ま し ょ う。
☆ 体 を使う遊びやお手伝しヽ
の機会を増やし、筋力を高めましょう。
例 : 荷 物運 び 、そ う じの 時 間 の机 運 び
☆ 体 の動 きをことばで指示 した り、見本 を示 して動き力 を理解できる
ようにしま しょう。
☆ 楽 ししヽ
雰囲気の中で 目標 を持ちなが ら、毎 日で きる筋力を高める ト
レーニ ングを工夫 しましょう。
例 : 朝や業間のウォーキングやランエング
体育 の時間 のサー キ ッ トトレー エ ングな ど
☆ ボ デ ィイ メ ー ジ を 高 め る 遊 び を 取 り入 れ て み ま し ょ う。
ー ズの まね っこ遊び
例 : 風 船運 び, 風船 つ き、風船バ レー
ポ
っぱ とリゲー ム
リ トッミック
し
鉄
棒 くぐり
障害物遊び
な
ど
☆ 遊 具 に 合 わ せ た しヽろ しヽろ な 体 の 動 か し方 を 体 験 さ せ ま し ょ う 。 そ の
中 で 体 の 部 位 を どの よ う に 動 か した ら しヽしヽ
か を 説 明 しま し ょ う。
ー
ー
ム
:
サ
キ ッ ト運動、的あてゲ
例
、ボ ウ リング
-34-
不器用な子 工 く
微細運動〉
・ 線に沿 つてはさみで切ることが難 ししヽ
・ 消 しゴムや定規、 コ ンパスがうま< 使 えなしヽ
・ リコーダ ーを演案することが苦手である
。 文字の形が整わなしヽ
、枠からはみ出 して書しヽ
て しまう
。 絵を描 < の が苦手で ある
。 手先が不器用で、瓶のも、
たの開閉やひも結び
が うまくできなしヽ
。 何 をするにも時間がかかる、時間内に仕上が
らなしヽ
・﹁
が んば れ ば でき る よ﹂
﹁い つか で き る よ う に な る ﹂
﹁み ん な で き る の に 、 ん ば つて﹂
が
と いう 声 か け を す る
。本 人 の努 力 不 足 を 指 摘 す る
・﹁早 く し な さ い﹂ と か
せ
す
。﹁て いね い に し な さ い﹂ と や り 直 し を さ る
せ
<子 どもの様子 >
<子 どもを理 解する視点 >
○ 体 全 体 の 大 きな 動 き は ど うか ( 体幹 、 肩 や ひ じの 動か し方 )
( 参照 : 不 器 用 な 子 I く粗大 運 動 〉)
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
軽 いマ ヒが あ り、 必 要 以 上 に余分 な 力 が 入 つて しヽ
か
な しヽ
目 と手 の 協応 の 状 態 は ど うか
視 覚 面 に問題 はな いか
追 視 行 動 や 注 視 行 動 は で き るか
指 の 使 しヽ
力 ( 親指 の 動 きや物 の握 り方) はど うか
筋 力 に問 題 はな いか
道 具 の 使 し崎 が わ か って しヽ
るか
空 間 の 位 置 を正 し< と らえ られ て しヽ
るか
見 た物 を記憶 す る 力 は ど うか
作業 に見 通 しを 持 つて しヽ
るか
意 欲 や 自信 を失 つて しヽ
か
な しヽ
ワンポイント
その子にあった使いやすい用具を利用することも有効です
-35-
<支 援の手だて>
○
個 届」の 指 導 の 中 で 手 や 指 先 を 使 う内 容 を 多 < 取 り入 れ て み ま し ょう。
例 : 直線や曲線 のふ ちどり
起筆 と終筆 を意識 して線 を引 く練 習
枠 か らはみ出 さずに直線や曲線 を書 く練習 等
○
その子にあ った使しヽ
やすしヽ
文房具や道具、補助具をさがしてみましょ
う。
例 : 鉛 筆 の持 ち方 を助 け る補 助具
正 しい持 ち方 を誘 導す る箸
○ 目 と手 の 協 応 動 作 の 練 習 を しま し ょ う。
例 : 点つ なぎ
方眼上に描かれた線画を位置関係 に注意 しなが ら写す作業
参考 : 具 体的な指導 の方法や教具について養護学校 の教育相談が利用
で きます
○ は さみ で 切 る と ころ や コ ンパ スの 針 を束」
す と ころ に、 マ ー ク を付 ける
な ど して 道 具 を うま く使 え るよ うに しま し ょう。
○ や り方 は ことば や 見 本 で 示 して 具体 的 に 理 解 させ ま し ょう。
○ 作 業 の 流 れ を ことばの 指 示 だ けで な く、 絵 や 写 真 、 文 な どで 示 し、 見
通 しが 持 て る よ うに しま し ょう。
○ 始 め る時 間や仕 上 げ る時 間 を考 えて 作業 の量 を調 整 して ゆ と りを持 っ
て 作業 で き る よ うに しま し ょう。
○ そ の 子 にあ った 作業 や 学 習 の や リカ や 順 番 を工 夫 して 、 スム ー ズ に作
業 で き るよ うに しま し ょう。
例 : リ コー ダーの押 さえにくい穴は、始めはテープ等で補助的にふ さ
いでおき、徐 々にはず してい く
○ 描 < こ と以 外 の そ の 子 に あ った 表現 手 段 で 絵 を楽 しんだ り、 表現 を楽
しんだ りできるようにしましょう。
例 : ぬ りえ 、 パ ソ コ ンの お絵 か き ソフ ト な ど
-36-
☆ 体 育などで体全体を使 つた大きな動きがスム ーズにできるような活
動や トレーニ ングに取り組みましょう。
例 : 体育や業間時の ウォーキングやランニング
★ 鉛 筆 や 道 具 の 正 ししヽ
持 ち 方 や 使 しヽ
力 を意 識 さ せ 、 学 級 全 体 の ル ー ル
と して 取 り組 み ま し ょう。
★ 新 しい漢 字 の 学 習 で は、 形 を イ メ ー ジで き る よ うに こ とばで 形 を説
明 しな が ら書 く練 習 を しま し ょう。
例 : うかんむ り、にんべん、百で 「
宿」
☆ 一 人 一 人 の 表 現 を認 め る場 を作 り、 表 現 す る 楽 しさ を 味 わ え る よ う
に しま し ょう。
例 : ブ ロック、粘土、は り絵、パ ソコンの絵など
★ そ の 子 の 得 意 な と ころ や 良 い と ころ を学 級 全 体 で 認 め られ る環 境 を
よ うに支援 しま し ょう。
作 り、 苦 手 な こ とが あ つて も 自信 を失 わ な しヽ
★ 道 具 の 正 ししヽ
方 を、 見 本 を示 しな が ら こ とばで 説 明 して 、 理 解
使 しヽ
で き るよ うに しま し ょう。
★ す べ て の 作 業 を完 肇 に させ る の で は な く、 そ の 子 の 実 態 に応 じた 目
標 を個 局」に設 定 して 、 達 成 感 が 味 わ え る よ うに しま し ょう。
☆ 生 活 の 中で 手 や 指 先 を使 う活 動 ( お手 伝 しヽ
) を 多 く経 験 で き る よ う
に しま し ょう。
例 : 粘土、積み木、はさみ、荷物持ち
-37-
-38-
行動面
授業中に
歩 いて し
<子 どもを理 解する視点 >
○ 授 業 内 容 の 理 解 度 や 興 味 関 l b の偏 りは ど うか
○ 視 覚 的 、舶 覚 的 な束」
激 を受 けや す しヽ
か ど うか
○ 集 中で き る時 間 が どの < ら しヽ
か
○ 指 示 を理 解 で きて しヽ
るか
○ そ の 場 の 状 況 判 断 。理 解 が で きて しヽ
るか
○ 行 動 の 結 果 を予 想 した り、 見 通 した りす る
ことは ど うか
○ 長 時 間 姿 勢 を保 持 して いる こ とが で き るか
○ 筋 力 に 問 題 はな しヽ
か
ワ ンポ イ ン ト
子 どもが立ち歩 いて しま うのはどんな時か を観察 してみま しょう
「
行動には、それ を生起 させる要因が必ずあ りますので、きちん と
観察 して、その要因を理解 ・分析する ことが重要です」
-39-
を し て いま せ ん か ?
ども の 様 子 >
突然、席を立 って歩き回る
突然、教室を飛び出 し、帰らなしヽ
目的とは違 う行動をする
しヽ
に掲示物を見に行く
6、
突然、窓際に行 き、外を眺める
・﹁
ち やんと座 って いなさ い﹂
と何度 も 注意 す る
<子
・
。
。
・
・
<支 援 の手だて>
○ 環 境の調整をしましょう。
ので、座席は窓のそばを避ける。
① 外 からの束」
激を受けやすしヽ
② 視 野に入る不要な物は片づけたり、カ ーテンをかけたりする。
③ 声 かけや身体に軽く触れる等、関わりやすしヽ
前の座席にする。
④ 影 響を受けやすしヽ
友だろ、逆に落ち着しヽ
て学習できる反だちの座席
の配置にも配慮する。
○ 挙 手する、先生を呼S、 「これから∼ します」 と言うようにするなど、
行動する前に者える習慣やル ールを守る力をつけるようにしましょう。
○ 個 居」
指導の中で、子どもの興味のある活動を取り上げ、集中力や束」
激
に対する耐性を育てましょう。
○ 短 時間でも、取り組んだり書席したことを評価 して意欲を育てましょ
日
う。はじめは5劣 程度の短しヽ
寺間を目標にしましょう。
○ 黒 板を消す、プリン トを配る、職員室へのお使 しヽ
など、授業中の始ま
りに指名したり、落ち着かなくなる頃合しヽ
を見計らつて仕事を頼んだり
してみましょう。
○ 休 み時間に体を動かし、授業に集中できるようにしましょう。
○ 時 間や作業曇などを手がかりにして 「しヽ
つまで、何をするか」の見通
しを持たせましょう。
○ 体 を支える筋力をつけるような活動を多くさせましょう。
(参照 :不器用な子 Iく
粗大運動〉
)
☆ 授 業 の 流 れ に 小 さ な 変 化 を付 けな が ら集 中 して 取 り組 め る よ う に工
夫 しま し ょう。
☆ 活 動 に見 通 しが 持 て る よ うに、授 業 の 流 れ に 一 定 の ル ー ル を作 りま
し ょう。
☆ 授 業 や 作業 の 流 れ を文 字 カ ー ドや 絵 カ ー ドで 提 示 し、 今 何 をすれ ば
かが 確 調 で き る よ うに しま し ょう。
よ しヽ
★ 指 示 は具体 的 な こ とばで 出 しま し ょう。
☆ 全 体 の 指 示 と個 居」の 指 示 を組 み合 わ せ て 、 全 体 指 示 の 後 に必 す 理 解
の 度合 しヽを確認 して あ げ ま し ょう。
☆ 子 どもが 教 室 を飛 び 出 して 帰 って こな い こ とが あ る場 合 、 全 教 職 員
の 共通 理 解 の も と、 協 力 体制 を作 って お き ま し ょう。
-40-
・ 見た物や間こえて くる首が気になる
・ すぐに飽きる
。 課題を順序立てて行うことが難 ししヽ
・ 興味のあることとなしヽ
ことで学習に対する取 り組みが
違う
。 計算のや り方は理解 してしヽ
るのに、 1時 間集中して、
テス トに取 り組めない
。 ぼ 一 っとしている (自分の世界に没頭する)
・ 面と向か つて話 しかけられてしヽ
るのに、間しヽ
てしヽ
な しヽ
ように見える
こ ん な 指 導 を し て いま せ ん
。﹁
ち や ん と し な さ い﹂
と 具 体 的 な 指 示 を せず 注意 す る
<子 どもの様子 >
<子 どもを理 解する視点 >
○ 周 囲 の物 や 首 ( 刺激 ) に 影 響 を受 けや す く
か
な しヽ
○ 興 味 関 ! いに偏 りはな いか
_
〇 注 意 集 中の 持続 時 間 は ど うか
○ 課 題 へ の意 識 が 少 な < な いか
○ 見 通 しの理 解 が むすか しいので はな しヽ
か
○ 間 こえの状 態 は ど うか
( 参照 : 間 くこ との苦 手 な 子)
○ 授 業 中、 先 生 の言 つて い る ことが理 解 で きて しヽ
るか
○ 教 科 によ って 理 解 す る 力 に極 端 な偏 りはな いか
ワンポイント
1 時 間 の 中で、 どの くらいの時間 集 中 できるのか 、 どんな課題 ( 聞く
B 書 く ・操作す る 。考 える 。話す) の 時 に集 中 で きないのか観察 して、
具体的 に支援 の方法 を考 えた り、気持 ちを切 り替 えて次 の 課題 に取 り組
め るよ うに しま しょう
-41-
<支 援 の手だて>
○ 環 境 の 調 整 を しま し ょう。 ( 参
て しま う子 )
照 : 授 業 中 に立 ち歩 しヽ
○ 見 通 しの理解 ( ど こまで で きた ら終 わ りかが わか らな い ) が 苦手 な
場 合 は、 始 め にそ の 時 間 の 課 題 内容 と量 を提 示 しま し ょう。
例 : テス トを見ると最初の問題はほぼ満点に近いのに、後半はほとんど
できていない場合
・ 1 枚 のプ リン トの計算問題 の量を少なくして、枚数 ごとに評価
できるよ うにする。
・ プ リン トを工夫する余裕 がない場合、計算問題を赤線で 4 分 割
し、机間巡視時に、最初の赤線までがんばるよ う見通 し提示をし、
次へ と進めるよ うに してみましょう。
○
「 関 しヽ
て 理解 す る 力」 が 弱 い場合 、言 葉 によ る指 示 と同 時 に 、 キ ー
ワ ー ドや 要 点 を板 書 した り、 必要 に価 じて 、絵 カ ー ド等 の 視 覚 的な 手
が か りを用 しヽ
た り してみ ま し ょう。
○ 言 われ た ことを 理 解 した か ど うか を話 し手 に伝 え る方 法 を知 らせ 、
繰 り返 し練 習 して み ま し ょう。
例 : 「わか りました」 「
わか りません」 「もう一度言 つて ください」など
○ 注 意 集 中が途切 れ た とき は無理 に作 業 に戻 らせ るの で はな く、 「5 劣 」
等 の 時間 を決 めて 自由 にさせ る こ とも必 要で す。
☆ 全 体 の指示の 後、もう一度個人的に指示を出 しま しょう。必要に応
じて指示を復唱させましょう。
☆ 授 業の流れを具体的にカ ー ドなどに書いて始めに知 らせるようにし
てみましょう。
☆ 授 業の流れに変化をつける、活動に見 通 しを持たせる、好きな活動
を授業の流れの中に組 み入れるなど、集中できるB き
間を長 くする工夫
をしましょう。
☆ 「 なぞなぞ」や 「かるた」、 「スリー ヒン トゲ ーム」、 「伝言ゲ ーム」
などのゲ ームで 「間しヽ
て理解する力」を伸ばすことができます。
-42-
授業 中ち ょ っかしヽ
を
<子 どもを理 解する視点 >
○ ○ ○ ○ ○
思しヽ
立てば我慢できないのではなしヽ
か
その場の雰囲気や相手の気持ちが分か りに< く なしヽ
か
( 参照 : や りとりの うま< しヽ
かなしヽ
子)
新 ししヽ
事象にすぐに注意が向きやす< な いか
周囲の反応に敏感で反応を好んでしヽ
か
なしヽ
物事 に 1 0 劣 か ら 1 5 の しか集中できなしヽ
のではなしヽ
か
( 参照 : 授業 に集中 しに< しヽ
子)
○ 授 業 内容 の 理 解 度 は ど うか
-43-
こ ん な 指 導 を し て いま
・ 絶えすしゃべ って しまう
。 授業中、突然、思しヽ
つしヽ
た ことを□にする
・ 後ろや隣の反だちの体や物に触れる、声をかける
。 反だちの物を持 つて 行く
・ 反 だちの してしヽ
ることをさえぎった り、邪魔 した りする
・﹁
ち やん と
何 し て いる のや め な さ い﹂ ﹁
しな さ い﹂ と 頻 繁 に注 意 す る
<子 どもの様子 >
<支 援 の手だて>
○ 座 席は前の力が対応 しやすしヽ
で しょう。周囲の反だちが気になるよう
な ら、気になる反だ ちは離 し、反応性の低しヽ
落ち着いた反だちを周辺に
しま しょう。
○ 頻 繁な注意は逆効果です。指示の仕方を考えてみましょう。学級の学
習全体 への影響がなければ、少 し見守 つてみましょう。
例 :① 「
前を向いて座 ります。
」と具体的に言います
②さらに見通しをもたせて 「
前を向いて座って、教科書を開けます」
と言つてみましょう
③ノー トの学習するところを指さして 「
あれ、これおもしろいね」「
よ
ここだけ書いてごらん」と興味を向けさせて、具
くできているね」「
体的に見通しを持った指示をしてみましょう
○ 「 ち ょっかしヽ
」の内容によ っては、放課後、本人とゆ っく り話をして
みましょう。本人の状況を受け入れ、具体的な提案をしましょう。
○ 授 業 のル ールにつしヽ
て本人と相 談 して、わか りやすしヽ
ものを決めまし
ょう。
・場の状況が理解 しに< い ため、急に発言 して しまう場合
ときは 「関 しヽ
発言 したしヽ
てもしヽ
しヽ
ですか ? 」 と間き、 「しヽ
しヽ
です
よ」 と言われてから発言する。
・授業 に無 関1 系
、不適当なことを言 つた場合
「だめ」だけではなく、 「授業が終わ ってか ら」 と間く場を設け
る。
☆ 学 級全体の授業中のル ール として 「授業中はお しゃべ りを しない」
「発表 をするときは手を挙げる」等の約束を決めま しょう。
また、そのことが 常に意識できるように、みんなの目につ くところ
に掲示 しま しょう。
★ 学 級の反だちの関わ リカも大切です。例えば、授業中突然 しゃべ り
出した り、奇異な行動に出ても、できる限り( 学級 のル ールに沿 つて) 、
反応 しなしヽ( 笑った り、大きな声で騒しヽ
だ りしなしヽ
) ようにしましょう。
☆ 首 段か ら話 し合える学級作 りをすることは、 とても大切で す。周囲
の子どもた ちは、担任の関わ り方をよく見ています。
☆ 「 望ま ししヽ
行動をとる」 ことで 「うま< 過 ごせた」 と子 ども自身が
実感できるように成功体験を多< 積 めるような環境調整を しましょう。
-44-
授業 中姿勢 が悪 く、
手足をそわそわさせた り、身体をもじもじさせた
りする
<子 どもを理解する視点 >
O O O O
教 室 内 の 日常 生 活 の 活 動 の 様 子 は ど うか
か
な しヽ
身 体 の筋 力 ・筋 緊 張 の 弱 さ か ら座 位 姿 勢 が悪 くな つて しヽ
か
手 足 の 屈伸 な どの 運 動 動 作 に問題 はな しヽ
片足 立 ちや 6 ヽら下 が りの 力 は どうか
○
注意 集 中 の時 間 は ど うか
( 参照 : 不 器 用 な 子 I 〈粗 大運 動 〉)
(参
照 : 授 業 に集 中で きな い子 )
-45-
こ ん な 指 導 を し て いま せ ん ふ
机、椅子等をたたき、首を出した リガタガタさせ
た りする
学習時の立ち歩きが多 く、椅子に座 ってしヽ
る時も
浅< 座 って足を長 < の ば し、背もたれにもたれかか
るような座 り方を してしヽ
るか、逆に深く座 って机に
覆 い被さるように して体を支えて座 っている
﹁
ち や ん と わ り な さ い﹂
す
と 何 度 も 注意 す る
<子 どもの様子 >
<支 援 の手 だて>
○ 上 下 肢 の 力 の 弱 さ だ けで な く、 上 体 を ま っ す ぐ に 保 持 して お くた め の
腰 の 力 が 弱 しヽ
場 合 は 、 休 み 時 間 や 体 育 の 時 間 を使 つて 、 筋 力 を 高 め る 運
動 、 平 衡 感 覚 や 固 有 感 覚 ( 筋 肉 や 骨 、 内臓 を 通 して 内 的 に 感 じる 感 覚 )
を高 め る 運 動 ( 感覚 運 動 ) を して み ま し ょ う。
く
休み時間〉
鬼 ごっこ、 ジ ャングルジム、滑 り台、運梯 な どの遊具を使 つた遊び
忍者 ごつこ」
教 室の教師用椅子を用 いて、順番 に綱 を伝 つてい く 「
〈体育 の時間〉
眺び箱、平均台、は しご、ト ンネルな どを利用 したサー キ ッ トトレー ニ ング
マ ッ ト運動や鉄棒、ス クー ター ボー ド、ト ランポ リン、床 に置 いた ロー プに
沿 つて歩 くな ど
○ 具 体 的 な 指 示 を 出 す と同 時 に 、 自分 で も 身 体 の 部 位 に意 識 を 持 て る よ
う、 触 れ る 、 鏡 を見 て ボ デ ィ ー イ メ ー ジ を つ く る 等 の 練 習 を しま し ょ う。
☆ 授 業中のル ールとして、よしヽ
てみんなで者え、決めてい
姿勢につしヽ
一
に」 「 番高い姿勢」など子どもがわか りやすい
きま しょう。 「手を8 委
表現を使しヽ
ま しょう。
☆ 平 素 か ら子 どもが活発に体を動かす機会をもてるように、は じめは
教師が遊びへの介入をしましょう。
※ 発 達 障害 の 子 どもた ち の 中には、身 体意識 が 十分 に発 達 していない こ とが 多 くあ り
ます 。低 緊 張 は、学 習時 に必要 な集 中力 に も大 き く影響 します。
そ の よ うな場合 、
① 各 身体部位 に触れ させ 、そ の後 に身体 を動 かせ る、 とい つ た身 体像
(Body lmage)に
力点 をお い た指導
② 筋 緊張 が 弱 く、 バ ラ ンスが 悪 いた めに 、 上 半身 ・下半身 をバ ラ ンス
よ く鍛 える ( 腕立て伏せ 、腹 筋 、背 筋 な ど) 指 導
③ 号 令や 手拍子 を正確 に聞 き取 り、歩調 を合 わせ る、 2 列 以上 で行進
す るな どの 練習
あ ります 。
が
苦手意識 の 強 い子 どもはす ぐにあ き らめが ちです が 、規 定 の 回数 は取 り組 ませ て 、
達成感 を味 わわせ る こ とも大切 です 。
③ では聴 党 の刺激 や対人 関係 の 向上 を図 る こ ともで きます。
-46-
行動の切 り替えが
<子 どもの様子 >
ワンポイント
絵や ことばで 「
何時までできるか」 「
予定変更 した こと」な どを
具体的 に提示 して、子 どもたちに きちん と伝 わ つているかを確認
した り、様子 を観察する ことが大切です
-47-
、
○ 好 きな遊びになると夢中になり、時間や次の課題を忘れて しま
つてしヽ
か
なしヽ
○ 行 動の結果を予想 した り、見通 した りすることができるか
○ 自 劣の感情や伝えたしヽ
ことを上手くことばなどで伝えることが
できるか
○ こ とばによる説明だけで十劣に状況が理解できてしヽ
るか
を し て いま
<子 どもを理 解 する視 点 >
○ 決 められたことへのこだわりがあるか
﹁い つま で 同 じ こ と し て る の﹂ と 注 意 し
遊 び 道 具 や パ ノ コンを 取 り 上 げ る
場面転換が難 しく、無理強しヽ
するとパ ニ ックを起こし
て大声を出 した り、攻撃的な行動に出ることが多しヽ
例 :時間割や 日課の急な変更に対応することが難しい
学習の終わ りの時亥」
が 気にな り、時計を何度も見た り
して集中できす、最後にはおこって しまう
活 動 の内 容 や 予 定 の変 更 な ど 日頭 で伝 え る
こと が 多 い
好きな遊びや パ ソ コンの学習に熱中すると、チャイム
の合図を守れなしヽ
<支 援 の 手 だて >
つ、どの程度ある
○ こ だわりがある場合は、どのようなこだわりが、しヽ
のか観察して対応しましょう。
○ 無 理に止めす、様子をみることも大切です。
① 変 更や中止がある場合は、事前に説明 ( □頭で、プリン トで) し 、連
たり、保護者からも説明してもらったりして意識でき
絡帳に自劣で書しヽ
るようにしましょう。
例 : 特 に、新 しい事 柄 ・状況や 予定 の変更 が受 け容れ に くい 子 に対 しては 、
変更 の理 由や現在 ど うす べ きか を ・・・
①具体的で簡単なことばや視覚的な絵図等により、説明します
②望ましい行動を具体的に示 します
③子どもと一緒に望ましい行動をします
○ パ ニ ックにな つて しま つた場合は、様子を見ながら静かな場所へ移動
し、パニ ックが落ち菩いてから話を聞しヽ
て受け止め、 しなければならな
しヽ
次の行動を具体的に示 しましょう。 (参
照 :す ぐにか っとなる子)
ようにし
○ パ ニ ックの結果により本人の思しヽ
通 りになることにならなしヽ
ましょう。
☆ 学 級 のル ー ル と して 、 チ ャイムが鳴 つた ら教 室 に戻 り、 席 に着 くこ と
を決め 、 休み 時 間 には しヽ
る前 に説 明 す るな ど学 級 全 体 で 取 り組 むよ うに
しま し ょう。
☆ 学 級 活動 な どで 終 わ りの合 図 を、 チ ャイムや 大 人 の言 葉 か けだ けで な
く、 タ イマ ー な どの周」の もの を使 しヽ
、 学 級 で 時 間 を意 識 で き るよ うに練
習 しま し ょう。
★ 授 業 の 初 め にそ の 時 間 の 課 題 内容 と量 を具 体 的 に提 示 しま しょう。
例 : プ リン ト○枚、漢字○個、パ ソコンの時間は○時まで
早 く終わつて も課題 の追加はしない ( 約束を守ること)
早 く終わった時は次の活動を具体的に提示 しま しょう
時計 ( デジタル) 、タイマーの見方や使 い方に慣れること
の変 更 な どは、 あ らか じめ 黒板 に書 しヽ
☆ 行 事 の予定 や 時 間書」
た り ( 前日
一
と当 日も ) 、 緒 に読 んだ り して何 回 も確 認 して しヽくよ うに しま しょう。
☆ 日 泉 の 日程 を説 明 す る時 は、 次 にす る ことや 準 備 をす る もの を絵 カ ー
ド等 で 具 体的 に示 して 、 一 緒 に見 た り読 んだ り しな が ら次 の 活動 が意識
で き るよ うに しま し ょう。
☆ 全 校 集 会 等 で は 、 事 前 に 「どん な 流 れ か 」、 「終 わ りは しヽつ か 」 を説
明 して見 通 しを持 たせ るよ うに しま し ょう。
-48-
すぐにかっとなる子
パエ ックをおこ
<子 どもを理解する視点 >
○
○
○
○
○
○
○
決
自
自
行
こ
望
周
められたことへのこだわ りがあるか
分 の感情を コン ト□―ル する力が弱くないか
分の感情を上手くことばで伝えることができるか
動の結果を予想 した り、見通 したりすることができ るか
とばによる説明だけで十分に状況が理解できてしヽ
るか
のではないか
まししヽ
行動 の しかたがわからなしヽ
か
囲の不適切な反応が、本人の行動を強化 してしヽ
な しヽ
-49-
こ ん な 指 導 を し て いま せ ん ホ
頭 ご な し に制 止 す る
喜んだ りする
。 気に入らなしヽ
ことや思い通 りにな らないとすぐに
感情的になりやすく、大声を出 した り、暴言を吐しヽ
た り、物を投げた りする
。 ち ょつとした ことでもすぐに腹を立てる
。 周 囲が制止 しようとしても、パニ ックはおさまら
なしヽ ( 参照 : 行動の切 り替えが上手にできなしヽ
子)
・ 皮肉や冗談が理解できす、字義通 りに受け止めて
トラブルを起 こす
・原 因 を 考 え ず 、
、
﹁
な ぜ そ ん な こと で お こ る の﹂
と す ぐ に注 意 を す る
。﹁いけ ま せ ん ﹂ ﹁
や め な さ い﹂ と
<子 どもの様子 >
。 ささし
ヽ
ヽ
なことにすぐに反応し、泣し
たり怒つたり、
<支 援 の手だて>
つ、 どの程度ある
① こ だわ りがある場合は、 どのようなこだわ りが、 しヽ
のかを観察 して対応 しましょう。無理に止めす、様子をみることも大切
です。
○ 活 動の内容や行事の予定や時間書」
の変更などは、あらか じめ黒板に書
いた り (前日と当日)、絵 カ ー ド等で示したり、一緒に読んだ りして何回
も確認 してしヽ
<よ うにしま しょう。
○ か つとな った時、気持ちを静める手段を教えましょう。
′
いの中で、『1, 2, 3』と数を数える」「
例 :「
深呼吸をする」「
先生に
その場を離れる」「
助けを求める」「
感情をことばに表す練習をする」
例 :心の状態を色やイライラ度とい う数字に表すなど視覚的なものを利用
し、心理状態を自分なりに表して自分の感情を知る手だてを考えてみ
ましょう
○ パ ニ ックになつて しまった場合は、様子を見ながら静かな場所 へ移動
し、パニ ックが落ち着しヽ
てから話を聞しヽ
て受け止め、 しなければな らな
い次の行動を具体的に示 しましょう。
教室など静かに落ち着ける場所に移動 します。
① 保 健室や特局」
てから話を聞きます。注意やllt責
② 落 ち着しヽ
傾聴 ・
は避 け、話を 「
受容 ・共感」 しなが ら、大騒ぎをした時の思しヽ
を間きます。
や願 しヽ
③ 興 喜が収まったら状況を説明 し、どうしたらよか ったか振 り返 り
ます。
例 : パ ニ ックにな った 時 の 状態や気持 ちを ことばで返 した り、 ノー トに図や
矢 印 で書 い て示 した りしなが ら、そ の 時 に ど うすれ ば よか つたのか を考
えるよ うに しま し ょ う ( ロー ル プ レイ をす るの も効果 が あ ります)
例 : パ ニ ックの結果 に よ り本 人 の 思 い 通 りにな らな い よ うに しま しょ う
④ 担 任一人での対応が難しい場合は、校内で応援を頼むようにしま
しょう。緊急時の連絡方法等を共通理解しておきましょう。
☆ 反 だ ち へ の 暴 力や危 険 な 行 為 に対 して は、毅 然 と した 態 度 で対 応 しま
し ょう。
例 : 短 く分 か りやす い ことばで伝 える
感 情的 にな らない
行動 を叱 って も人格 を否定 しない
☆ ク ラ スでで きた こ と ・頑 張 つた ことを み ん なで 評 価 した り、表現 で き
る雰 囲 気 を作 りま し ょう。
☆ 周 囲の 子 ども につ しヽ
て は、 本 人 の発言 に対 して 笑 つた り、 何 か言 つた
り注 目 した りとい う反 応 を しな いで 、 で き るだ け 間 き流 せ る ( 無反 応 で
しヽ
る) ように理解 し合 いま し ょう。
-50-
忘れ 物 の 多 い子
<子 どもの様子 >
宿題があることを忘れる
宿題を学校に持 つてしヽって、提出することを忘れる
提出物を出すのを忘れる
学習に必要な物を揃えて持 つてしヽ
< こ とがむすか ししヽ
厳 しく注意 す る
忘 れ 物 を し た こと を
・
。
。
。
<子 どもを理 解する視点 >
○ 連 絡帳のチェック等、自ので確認する習慣が身に付しヽ
て
いるか
*に
○ 注 意力、短期記憶力
か
問題はなしヽ
○ 保 護者に連絡帳を見せる習慣がつしヽ
てしヽ
るか
O 整 理整頓が苦手ではなしヽ
か
(参照 :片 付けの苦手な子)
○ 宿 題の内容や曇が子どもにとって負担ではなしヽ
か
* 短 期記憶 : 例 えば 、電話帳で電話番 号 を調 べ て 、す ぐに電話 をか け るよ うな場合 、 一 定
時間、そ の番 号 を覚 えて い る力 ( 電話 をかけ終わ っ た らも う忘れて い る)
-51-
<支 援 の手 だて>
○ 連 絡帳を書くのに時間がかかる場合は、他の子どもたちより早めに取
りかからせましょう。連絡帳の文字を書<こ とが苦手であつたり、嫌が
つた りする場合には、シンボルマークなどで記号化してみましょう。
○ 間 くだけで覚えておくことが苦手な場合、視覚的な補助手段を用しヽ
て
改 善 を図 りま し ょ う。
例 : 教室移動時に何 が必要 か、絵カー ドで示す
黒板に 1 日 の予定を表示 し、そ こに 「
持 ち物」 も
見てわかるよ う示す
例 : 学習道具 のチ ェ ック リス トを机 の横 に置 いて 自分で
チ ェ ックできるよ うにす る
○ 間 くだ け で 覚 え る こ とが 苦 手 な 場 合 、
①
②
③
④
メ モを必すとる
iCレ コーダーに録首する
ノ ー トをつける練習をする
毎 日何劣間か時間を決めて、復唱する
つた方法の練習も者えられます。
⑤ そ の場で書く、録首する と しヽ
○ 興 味のあるゲ ームや遊びを中bに 、記憶力を高め、「
て覚える力」
間しヽ
を育てましょう。
○ チ ェックシー トの工夫をしましょう。
例 : 本 人 が 丸 をつ けて い くだ けです む ものや 、連 絡帳 に 丸 を入れ て い くな ど
連絡帳や チ ェ ック シー トに、丸 をつ けて も ら うな ど、 家庭 で行 っ て欲 し
い協力 内容 を伝 えま しょ う
○ ノ ー トを 1冊 にする、教科ごとに透明ケ ースに入れるなど持ち物を コ
ンパク トにし、自分で管理 しやすくしてみましょう。
☆ 習 慣になるよう初めのうちは、大人が一緒に声をかけてあげましょう。
★ 忘 れ物チ ェックや連絡帳チ ェックなどは、学級全体の課題として、終
わ りの会などを利用 して取 り組みましょう。
☆ 持 ち物は、 「学校 に来 るときはこの手提げ」 と決めて、 1 つ の手提げ
にまとめて持 つて くるように してみましょう。
☆ 宿 題の量は、子 どもの状態に応 じて調整 しましょう。
-52-
しヽ
のかわかりにくい
○ 何 をどこへ、どのようにしまえばしヽ
のではなしヽ
か
のではなしヽ
か
○ 元 あ つたところにきちんと整理できなしヽ
のではなしヽ
か
○ し まった場所や使つたことを覚えてしヽ
なしヽ
のでは
がつきにくしヽ
〇 何 が大事で何が大事でないかの区局」
ないか
-53-
こ ん な 指 導 を し て いま せ ん か
<子 どもを理解する視点 >
片 づ け ら れ る の﹂
と 注意 す る
に片付けられない
机、 ロ ッカ ー、道具箱の中にきれしヽ
物を置き忘れる、どこに片付けたか忘れてしまう
持ち物をよくなくして しまう
プ リン トや手紙が机の中に入 つたままにな つてしヽ
る
身近なものや学用品をよくな< し て しまう
、
。﹁
何度 言え ば
<子 どもの様子 >
<支 援の手 だて>
○ 学 習時の学周品の置き場所や机の中の物の置き場所を具 体的 に指示
しましょう。
例 :「
教科書は左にノー トは右に置きます」
○ 持 ち物は最低限必要な物だけにしましょう。
① 手 提げを一つにして持ち物を入れる等、工夫しましょう。
○ 目 E日
、仕切りや絵、写真表示をして置き場所をわかりやすくしまし
ょう。
例 :自 分 の持 ち物 にシー ル や リボ ン をつ け る
お道具箱 の 置 く場所 に絵 カ ー ドを貼 る
仕切 りを して わか りやす くす る
線 を引 いてい る ところに本 を のせ る
O 「 とりあえす置 く場所」を作 っておしヽ
て、時間のある時に一緒に分
居」
、整理 しましょう。
☆ 教 室 環 境 をわ か りや す くす っき りとさせ ま し ょう。
例 : 文字や絵で表示する、テープで仕切 りをする等、片付ける場所が
わかるよ うにする
★ 持 ち 物 には名前 を記 入 す る よ う徹底 しま し ょう。
★ 授 業 の 終 わ りに使 つた 道 具 を片付 け る時 間 を とるよ うに しま し ょう。
「片付 けタ イム」 を とるな ど して、 学 級全 体 で 片付 けや 学 習 準備 をす
る習慣 づ け を しま しょう。
☆ 運 動 場 や 特 別 教 室 の移 動 時 に、 持 ち 物 が揃 つて しヽ
るか を確 認 す る習慣
一
をつ け ま しょう。 初 め は教 師が 緒 に、 声 に出 した り、 絵 カ ー ド等 を使
つた り して 、 確 認 しま し ょう。
-54-
やりとりが
うまくし1かなしヽ
子
○ 相 手 の感 情 を理 解 した り共 有 した りす る こ とが 難 ししヽ
ので は
か
な しヽ
○ 相 手 の 状 況 を考 え られ な しヽ
、 そ の 場 の 雰 囲 気が わ か らな しヽ
の
で はな しヽ
か
○ 字 義 通 りの理 解 や解 釈 、 断 片的 な判 断 を して しヽ
か
な しヽ
→
「
:
「
い
例 絵を描 て」
え」 と文字を書いた
例 : 「お母 さんはいますか」
→ 「
はい、います」 と答えるだけで呼びに行かない
い る」 と正 直 に 答 えた だ け)
(「
○ 自 のの者えや興 味のあることを一カ的に話 してしヽ
か
なしヽ
○ 話 し手と間き手、特に関き手の役書」
を担うのが難 ししヽ
ので は
なしヽ
か
○ 遊 びやゲ ームの勝ち負けにこだわ った り、ル ールが理解でき
なか った りするのではなしヽ
か
-55-
んか ?
<子 どもを理解する視点 >
、
こん な 指 導 を し て ︲
夕
・ 相手の感情を考えすにすけすけもの
を言 うために、周 り
の子 どもたちから嫌われやすしヽ
・ 言葉の理解をせすに場の雰囲気だけで
話をして しまう
。 相手や場所を考えなしヽ
で しゃべる
。 ' 質問が終わらなしヽ
うちに答え始める
。 反だちに何 気な< ち ょっかしヽ
を出し、ト ラブルになるこ
とが 多い
。 ル ールが守れなしヽ
。﹁
自 分 勝 手 な こと 言 っては いけ ま せ ん ﹂
と 話 を遮 る
<子 どもの様子 >
<支 援 の手 だて>
○ 相 手の気持ちの理解に、具体的に 「自分が言われたらどんな 気持ちに
なるだろうね。 うれ ししヽ
かな ? 悲 ししヽ
かな ? 」 と、自分のこととして者
えさせ、他の人も同 じ気持ちになるとしヽ
うことを話 しましょう。
∼ してくれたの、 うれ ししヽ
また、 「
な。」など自分の気持ちを素直に伝
えればうまくしヽ
くことを説明しましょう。
○ 気 持ちの理解をするのに、 4 コ マ漫画の吹き出しなども活用 してみま
しょう。
○ 本 人が理解できるようであれば、ことばの裏 の意味やニ ュアンス、 こ
とばの表現につしヽ
て学習する場を設けて あげましょう。
○ 高 機能自閉症等の子どもには、あしヽ
まいなものの言しヽ
方では正確には
ので、簡 潔で明確なことばで表現 しましょう。
伝わらなしヽ
。 まざらわ しい表現は避ける 例 : 「目を通しなさい」
・ 「 裏の意味」がなしヽ
表現に 例 : 親しみを込めて 「
君もばかだなあ」
・ 遠□ しの表現は しなしヽ 例 : 「どうしてそんなことをするの」
・ 抽象的なことばは避ける
ちゃんとしなさい」→ 「
例 :「
椅子に座って手は膝に」と具体的に
☆ 会 話 ( や りと り) を 上 手 くすすめ る に は、 初 め は、 周 囲の 大 人 によ る
会 話の援 助 が 必 要 で す。意 味理解 ・意 図 理 解 が難 ししヽ
のか、 意 図や 内容
を上手 く伝 え られ な しヽ
の か等 、子 どもの 問題 点 や傾 向 を把握 しま し ょう。
☆ 「 間 く力」 の ス キル トレ ー ニ ング をグ ル ー プ学 習で 行 しヽ
ま し ょう。
話 し手 、 間 き手 にの かれ 、相 手が 話 して しヽ
る とき には沈黙 、 し つか り間
< こ とな どを約 束 事 に しま す 。 「間 く」 か ら 「聴 く」 こ とで 会 話 の 楽 し
さが感 じられ るよ うに しま し ょう。
☆ 社 会 的 な ル ー ル と して、 こ とばや 行 動 の 仕 力 を学 習 させ ま し ょう。
例 : 家では言 つて もいいが、外では言わない
バ スの中では大声でしゃべ らない
☆ ゲ ームのルールが理解できなしヽ
場合、誰かゲ ームのできる人とペアに
なつて参加したり、ペースの同じような子どものグループでゲ ームに慣
れさせたりして、ゲームの楽しさを味わわせましょう。遊び方の手順は、
絵や図を使 つて説明するとわかりやすいでしょう。
-56-
<子 どもを理解する視点 >
○ 反 達 に誘 わ れ た 時 の 様 子 は どうか
一 人 遊 び をや め て スム ー ズ に反達 と 一 緒 に遊 もヽ
ことが で きて
しヽ
るか
○ 反 達 と遊 び た い とい う気持 ち を上手 く伝 え る こ とが で きるか
○ 理 解 して 上 手 くか か わ る ことが で きて しヽ
るか
子)
( 参照 : や りと りが うま くいか な しヽ
○ 同 世代 の反 達 と遊 6 ヽこ とがで きて いるか
るか
○ 遊 び のル ー ル や 全 体 の 状 況が理 解 で きて しヽ
○ 勝 ち 負 け に こだ わ る こ とな く、 ル ー ル を守 って 楽 しく遊 ぶ こ
とがで き るか
か
ス トレスが あ る状 態 や イラ イラ して い る状 態 で はな しヽ
○ 強 しヽ
ワンポイント
休み時間は、子 どもたちは どんな過 ご し方 を しているのか、
よ く観察 してみ ま しょう
-57-
こ ん な 指 導 を し て いま せ ん ハ
。﹁い つま で 同 じ こと し て 曇 人 で遊 ん で︶る の﹂
﹁
休 み 時 間 は み ん な で遊 び な さ い﹂
と何度 も注意 す る
・﹁早 く 教 室 に 戻 り な さ い﹂ と 言 って、
す ぐ に 職 員 室 か ら 追 い返 す
・な ぜ 、 ト ラ ブ ル に な った り 、 ルー ルが 守 れ な い
、
す ぐ に叱 る
・ 特定の遊びを長時 間する (一人遊びを好む)
。 職員室や保健室に行くことが多 しヽ
・ 友達に何気なくち ょ つかいを出し、ト ラブル
になることが多い
。 休み時間は一人で過ごして しヽ
ることが多い
。 ル ールを無視 して行動 して しまう
。 順番が待てな しヽ
のか な ど 理 由 を 聞 かず
<子 どもの様子 >
<支 援 の手 だて>
○ 一 人でゆ つくりと好きな本を読んだり、教室で静かに過 ごしたりする
ことで安心感を得られる子どももしヽ
ます。場合によ つては、 一人遊びも
受け容れましょう。
の学習から
る場合は、興味の範囲での反達付き合しヽ
○ 興 味が限られてしヽ
始めましょう。
○ 問 題行動を繰 り返す場合は、ますは一つすつで きそ うな約束を決めて
守 っていくように支援するなど、事前の対応を者えなが ら、子どもの行
動を観察 し、評価するようにしましょう。
○ 順 番が待てなしヽ
時は、具体的 に待つ時間の見通 しが持てるようにしま
しょう。
★ ま す、大入との関係が持てるように配慮し、職員室 ・保健室での関わ
る中で、 一緒にいる反
りを大切 にしましょう。そ して、大人が周りにしヽ
達 とのお話や遊びに慣れていくようにして いきましょう。
☆ 「 あ りがとう」 「ごめんなさい」 「これ、借 りて いい ?」 「ぼくも入れ
て」な ど伝えたい気持ちを確認 して、一緒 に言 う練習をしましょう。
てもOK。 」 と
★ 子 どもの興味等により、休み時間は 「一人で遊んでしヽ
いう雰囲気をつくりましょう。 ※ 無理に誘わないように
る遊びを紹介 (ルールの説明)す る機会を作 つ
☆ 今 、学級ではや つてしヽ
た り、その遊びを意図的 に設定 して、みんなで (グル ープで)遊 ぶ時間
を作 つて楽 しみま しょう。(学級活動等で)
★ 反 達と一緒に遊ぶため の声かけスキルを学級で決めましょう。
いいよ、一緒に遊ぼ う」など
、「
例:「僕も中に入つて遊びたいんだけど」
(参照 :や りとりがうまくいかない子、話すことの苦手な子)
☆ 帰 りの会などで、昼休みの遊びで楽 しか つたことなど話 し合う場を持
ち、次 につながる行動ができるように支援 しましょう。
-58-
,
コ
ー
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応 点
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く
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藝
こ= = 妻
「同 じ内 容 (症状)で も年代 に よ って 、抱 える問題 と対応の仕方は違 つて きます」
( ● : 症 状 、O : 対 応例 )
I 就 学前 ( 行動 の 問題 が 中心 )
症状
L
D
ADHD よ
※
く泣 く、かん じゃ くを起 こす等の育てに くさが ある。
多動性が 目に つ き始め、こだわ りや ことばの遅れ等の問題が見 られ るよ
になる。
幼稚園等では、 「
集回行動が とれない」 「指示 に従 えない」等の問題行動
が 多 くなる。
社会性 ・対人関係の問題」「コ ミュニケー ションの間
高機能自開症朝 3 歳 くらいまでに 「
-59-
ヽ
題」 「
想像力の 問題 ( こだわ り) 」という3 つ の 自開症の特徴が見 られ る。
特 に集団行動や友だち関係の中での トラ ブルが 目につ くようになる。
2 問 題 点 口理解 と対応
● 問 題 が 把握 しに くい。
● 本 人か ら こ とばで訴 え られ な い 。
O 周 囲の気 づ きが重要である。
O 集 団の 中でまわ りに合わせて行動する ことを多 く経験 させ る。
O 保 育士 ・幼稚園教員 との連携 ・協力。
工 小 学校 低 学 年 ( 学習 の 問題 が 中心 )
1 症 状
L
D
※
動性 ・衝動性 が 顕者 に 目に つ く。
ADHD 多
反抗的態度 や暴 力的行為 またその場逃れ の嘘 な どが見 られ る。
症
開
高機能自
朝 集 団不適応やこだわり、それに伴うパニック等の問題行動が目立ち始め、
冗談が理解 で きず 、 こ とば を字句通 りに受 け取 る こ とが 多 く見 られ る。
2 問 題 点 口理解 と対応
● 集 回での行動や時間割 に応 じた行動 な どへ の対応が 困難 で ある。
● 教 科 による理 解 や行動 に 著 しい差異が 見 られ る。
○ 集 団内での個 に応 じた対応や個別の学 習課題 の 設 定 に配 慮す る。
献
的
m
と
田 小 学 校 高 学 年 ( 自 己 評 価 が 低 下 しや す い 。学 び 方 を子 ど も に 合 わ せ る と よ い 。)
※
多動性 は 目立 た な くな る。
人間関係 の構 築 が苦手 である。
相手 の感 情 を読 み取 る こ とが苦手で、冗談 や皮 肉が理解 で きない。
ファンタ ジー の世界 に没 頭す る こ とが あ り、現実 と非現実 の世 界 が混 在
す るよ うな行動 が 見 られ る ことが ある。
2 問 題 点 ・理解 と対応
● い じめの対象 とな り、劣等感 を抱 くよ うになる 。
● 他 者 との比較 を し、 自己顕示欲 か ら反発 ・反抗 が 目立 つ よ うにな る。
-60-
● や る気のなさを生 じ、学力低下 を招 くことが ある。
O 自 己評価 を下げな いよ うに配 慮 し、二次障害へ の移行 の予防に留意する。
O 対 人関係 における良好な技能 を身 につけられ るように トレー ニ ングす る。
献
的
囲
ス
Ⅳ 中 学校 B高 等学校 (対人関係の トラ ブルが 目立 つ)
※
基本 的 な症状 よ り二 次的な問題 が複 雑化 して くる。
「消極 的 で従順 な タイ プ」 と 「積極 的で社 交的な タイ プ」 に分 かれ る。
周囲 の 言動 に 対 して敏 感 に な り、思 い込み や被害者意識 を持 つ こと もあ
る。
問題 点 ・理解 と対応
● 学 習意欲 が 低 下 し、何事 に も無気 力にな る。
● 場 に そ ぐわ ない発言や他者の感 情 に配 慮 しな い言動 によ り孤立す る。
● 自 尊感情 の 低下 による不登 校 や引 き こ も り、対人関係 におけ る トラブル 等 が 問
題 とな る。
O 二 次障害 に 対す る対応 は、 時間 と労 力が必要 で ある。 自己肯定感 を高 め るかか
わ りを地道 に行 う こ とが重 要 で ある。
V 成
人 ( 社会 適 応 を考 え る)
本人の興味 ・関心 を利用 し、受け入れ られ る社会状況 を準備す る。
※ L
Dに
関 しては、以下の 6つ の 能 力 ごとに ま とめ る。
(● :症 状O:対
応例)
①
● ● ● ● ●
O O O
.
聞 く
聞 いた こと を覚 えるのが苦手
で ある。
質 問 の意 味 が 分 か らな い 。
注意 が 変 わ りや す い 。
比喩表現 や慣用旬 の意 味 が
分 か らな い 。
理解 語 実 が 少 な い 。
冗談が分 か らな い 。
-61-
注意 を促 してか ら話 しを聞かせ る。
絵や写真 を併用する。
一対 ― で話す。
O O
② 話す
● 言 いた い言葉 が うま く言 え
な い。
時間や順序 に従 つて話をさせる。
メモ を とらせ、それ をみて話す。
● 冗 談 が 言 えない。
● 内 容 が あち こち飛ん で、 ま と
ま りが な い 。
③
O O O
。 . .
読む
眼の動きに問題がある。
読んで いる場所が分か らな い。
同 じ行を読んだ り、 とば した り
する。
よ く似た文字 は、違 い を説明す る。
指 をそえ て読 む。
読む ところに線 を引 く。
④
.
書 く
ことば を一 つ 一 つ の音 に分 け ら
0 ● ● ●
O 漢 字の へ んやつ くりを説明す る。
O マ ス ロノー トを使 う。
れ な い。
音 の 聞 きわ けが 悪 い 。
鏡 文字 を書 く。
字 の意 味 が 覚 え られ な い 。
字 の バ ラ ンスが悪 い 。
⑤
...
計算す る
九九が覚え られな い。
O メ モ を とる。
O 絵 や図で表す。
O 繰 り上が りに メ リハ リをつ ける。
● ●
分数、小数が理解できな い。
繰 り上が り、繰 り下が りが理解
できない。
加減乗除が使 いこなせ な い。
数量概念が未熟である。
⑥
自分 の こと しか考 えな い 。
相 手の気持 ちや感情 が分 か ら
な い。
相手の表情 や身振 りが理解 で
きな い 。
冗談 や皮肉が通 じな い 。
O O O
. . .
推論す る
-62-
具体 的 に説 明す る。
聴 覚や視 覚刺激 を組み 合わせ て
教 える。
す ぐ忘れ た り、間違 つて 覚 えた
りして い るため、繰 り返 し説 明
す る。
の教育支援計画
」
個局
の重要性
特別支援教 育 は、自立 や社会 参加 に 向 けた主 体的 な取組 を支援す る視 点 で 障害 を見通 し、
一 人 一 人の子 どもの ニ ー ズに
応 じ、適 切 な指導 や必要 な支援 を行 うものです 。 これ には 、
・
・
地域 保護者 関係機 関 との連 携 が とて も大切 にな ります。 ライ フステ ー ジ を見通 した支
援 を具体化す るため には 、学校現 場 は もち ろん 、関係者 ・機 関がネ ッ トヮー クを図 り、的
確 な支援 をす るための ツー ル ( 道具) と しての 「
個 別の教育支 援計画 」 の 策定が重要 であ
ると考 え られ て い ます 。
平成 1 4 年 1 2 月 閣議決定 され た r 障害者基本計 画」 の 中で も 「障害の ある子 どもの発
達段階 に応 じて 、関係機 関 が 適切 な役割分 担の下に、一 人 一 人の ニー ズ に対応 して適切 な
支援 を行 う計 画 ( 個別 の 支援計画) を 策定 して効 果 的な支援 を行 う。」 と方 向性が示 され
ています 。
1 個 別の教 育支援計画 とは
障害の ある児童生徒 の 一 人 一 人の ニ ー ズ を把握 し、 長期 的な視 点 で乳幼児期か ら学校
卒 業後 まで を通 じて、一 貫 して的 確 な支援 を行 う こ と を目的 と して 策定 され る計画 で す。
「新 障害者 プ ラ ン」 ( 障害者基 本計 画 の重 点施 策 5 か 年計画 ) の 中で、平成 1 7 年
度
口
・
一
一
までに、盲 肇 養護学校 に おいて、 人 人の児童 生 徒 に 「
個別 の 支援計画」 を策定
す る こ とが 明記 され て い ます。 この 「
個別 の 支援計画」 と 「
個別の教育支 援計画」 の 関
係 につ いて は、 「個 別 の 支援計画」 を関係機 関等 が連 携協 力 して策 定す る ときに 、学校
や教 育委 員会 な どの 教 育機 関が 中心 にな る場 合 に 、 「個 別の教 育支援 計画」 と呼 称 して
い るもので概 念 と しては同 じもので す 。
2 個 別 の教 育支援計画 の内容
あ くまで一般的に考 えられ る内容ですが、
① 一 人一人のニーズ内容 ②
③ 支 援の内容
④
・
・
⑤ 評 価 改訂 引継事項等 ⑥
支 援の目標
支 援を行う者 ・機関等
そ の他
とな ります。
各項 目について必ず記載す るとい うわ けではあ りません。必要 に応 じて改訂 し、書 き
直 した り、書 き加 えた りします。
-63-
3 個 別 の教育支援計画 の策定 ・活用 のポイ ン ト
個 別 の 教育支援計画 を策定 を踏 まえて、教 育的支援 を行 つて い く こ とが 、特別な支援
が必 要 な子 ども一 人 一 人の現在 と将 来の生活 の 充実 に つ なが つて い きます。
そ のためには、以下の視 点 を持 って 、策定 ・活用 して い くこ とが重要 です 。
・ 個 別の教 育支援計画 は、 一 人 一 人 を囲む関係者 口関係機 関 と連携協 力 し、
協議 して策 定 します 。計 画 内容 の 具現 化 に つ いて も支援会議 等 の 開催 を含 め
ネ ッ トワー クを図 りな が ら、進 めて い くことが 大切 で す 。
・ 幼稚 園 、保育 所等 か ら小 ・中学校 、 また高等学校 や 関係機 関等 へ の 移行支
援 において も十分 に活用 して い くことが 大切 です。
日 個 別 の教 育支援 計画 に記載 され た内容 に つ いては 、関係者 間 で十分 に共 通
Plan―
Do―
S e e 」の プ ロセス) を 通 して、
理解 を図 り、また策定 、実施 、評価 ( 「
教育的支援 をよ りよ い ものに改善 して い くことが 大切 です 。
・ 個 別 の 教 育支援計画 に記載 され た個 人 情報 は、計 画 に参 加 した関係 者 口機
関 が共有 します 。各機 関 の 担 当者 を明確 に した上 で 、個 人 情報 の 保護 に十分
な配慮が必要 で す。
個 別の支援計画
福祉 、医療 、労働 等 関係機 関
個別 の教育支援計画
特 別支援学校
特 別支援学校
福祉 、医療等 関係機 関
福祉 、医療 、労働 等 関係機 関
特別支援学校
-64-
の指導計画の実際
」
居
│□
平 成 1 6 年 に 文 部 科 学 省 か ら出 され た 、 「′
J ヽ・中学 校 に お け る L D ( 学
ADHD(注
習障害 ) ,
意 欠 陥 / 多 動 性 障 害 ) , 高 機 能 自開 症 の 児 童 生 徒 へ の 教 育 支 援 体 制 の 整
備 の た め の ガ イ ドラ イ ン ( 試案 ) 」で は 、必 要 に応 じて個 別 の 指 導 計 画 を作 成 す る と
述 べ られ て いま す 。
特 別 支 援 教 育 は 、子 ども 一 人 一 人 の ニ ー ズ に合 った 教 育 を行 い ます 。その た め に は 、
「子 どもの 実 態 を的確 に 把 握 して 、 目標 を明確 に 設 定 し、 指 導 ・支 援 内容 を具 体 的 に
考 え 、子 ど も と 問 わ り、 そ して 評 価 す る」 とい った 一 連 の 過 程 ( P l a n →
D o →S e e ) と
ー
その フ ィ ドバ ックが 必 要 で す 。 これ を具 体 化 した の が 、個 に応 じた 指導 計 画 で あ る
「個 別 の 指 導 計 画 」 で す 。
囲 命□ 玲
実 践 ( 指導 ・支 援 )
い〈>
1 個 別 の指 導 計 画 の ポ イ ン ト
( 1 ) 指 導 のね らいが 明確 で あ り、指 導 内容 が 具 体 的 で あ る こ と
これ か らの 教 育 は 、 一 人 一 人 の ニ ー ズ に応 じた 関 わ りが望 まれ ます
。
そ の た め に は 、 明確 な指 導 目標 や 具 体 的 な指 導 内容 が必 要 とな ります 。
( 2 ) 子 ど もの情 報 を関係 者 が 共 有 で き る こ と
学校 や 家 庭 で 関係 者 が 、① 子 ど も の 様 子 ( 特性 ) を科 学 的 に共 通理 解 し、
② 子 どもに応 じて 一 貫性 の あ る関 わ りを持 つ た め に 、情 報 を共 有 す る こ と
が必 要 で す。
( 3 ) 活 用 で き る計 画 で あ る こ と
個 別 の指 導 計 画 は 「
記 録 の た め の 記録 」 に な らな い よ うに しま しょ う。
活 用 で き る計 画 に しま し ょ う。
-65-
2 個 別 の指 導 計 画 の実 際
( 1 ) 「個別 の 指導 ・支援表」
通常 の学級 の担任が、簡便 に作成 で き、か つ活用 で きる個別 の 指導計画 です 。
ア 特 徴
( 7 ) 「 個別 の 指導 ・支援表」 は、通常の学級 の担任 に も負担 な くで き、今 まで
メモや ノー トに記録 していた内容 を少 し変 えるだ けで済み 、活用 しやす く、
個別の指導計画 の中の 「指導 ・支援 の 実際」の具体的な指導 の内容 に相 当 し、
指導計画作成 の第 1 歩 とな ります。
(イ
) 子 どもの行動面 や学習面での課題 を、状況 ごとに分 けて、で きるだ け具体
的に書 き込み 、それ に応 じた具体的な指導 ・支援 内容 ( 発間、板書 、机間巡視 、
周 りの大人や子 どもの関わ り方、教材 、 自動具等) を考 えて、実践 し、評価 じ
ます。
) 課 題 を状 況 ごとに分 けて、で きるだ け具体 的 に書 き込む ことは 、環境要 因
(ウ
と しての周辺の状況 を観察す る力を養 います。
一
(工
) 「 個別 の 指導 ・支援表」 には一 定 の フォー マ ッ トを決 め、様式 を統 す る
ことで 、保護者 を含 めた 関係者 にも見やす く、様 々の 話 し合 いの場面 ( 校内
委員会 、研修会 、職員会 、教育相談 な ど) で 活用 で きます。
個別 の指導 ・支援表」における記録や評価 を継続す る ことで 、「記
そ して、「
評価 のための評価 」にな つて しま う ことは な いで しょう。
録 のための記 録」、「
・
(オ
) 「 個別の指導 支援表」 の フォー マ ッ トは、
課題」 ( 実態把握 や 目標 に繋が る)
① 「
・
② 「指導 口支援 の 実際」 ( 課題 に応 じた指導 支援)
結 果 と評価 」
③ 「
か らな つて います ( 表 1 ) 。
イ 「 個別 の 指導 ・支援表」 の項 目内容
※指導 ・支援 が必要 な課題のみ記入 します。
(7)「 課題 」
① 「 どの よ うな子 どもで、 どの よ うな時 に、 どの よ うな様子 がみ られ る」 と
い うよ うに、子 どもの様子や周 りの状況 を把握 します。
② 様 々な環境要因 も含めた実態把握やア セス メン トに業 が ります。
書 きます。
③ できるだ け、 T P O ( 5 W l H ) で
O い つ 、 ど こで 、誰 と、何が、 どの よ うな ことが あ つたのか
O そ の前 に あった こと
O そ の 時 の対応 と結果
(イ
) 「 指導 ・支援 の実際 」 ( 具体的な 目標 や具体 的な関わ り)
① 周 りにいる大人が子 どもに対 して、場面 ごとの具体的な関わ りがで きるよ
うに、 目標 や内容は、で きるだ けわか りやす い ことばで 表現 します。
-66-
② できるだけ、具体的に書 きます。
③ 子 どもの特性に合わせ、いろいる考えられます。
(ウ
) 「 結果 と評価 」
① 指導 の効果はあつたのか。変化はみ られたのか。生 きた評価が必要です。
そのためには、目標や指導内容が具体的であれば、評価できます。
② できるだけ、具体的に書 きます。
表 1】 「
【
個別の指導 口支援表」の例
朝 礼 で 、急 に表 彰 式 が 始
ま っ た時 に 、声 を出 した
の で 、 「静 か に しな さ い
周 りに迷 惑 よ」と言 うと、
大声 にな る。
指 導 ・支援 の 実際
「
長 い 針 が ( 数字 、 印 ) ま
で 来 た ら終 わ ります 」 と
話 しか け る
子 どもの 両肩 に大 人 が 手
を 当て 「
イ ライ ラす るね
… 」 とそ の 時 の 子 どもの
気 持 ち を受 け入 れ 、 「ほ
ら深 呼吸 して み よ うか 」
と手 と体 を通 して 関わ つ
て い く。
長 い針 が 6 ま で待 っ て 」
と話 す と、最 後 まで 、腕
組 み を して待 ってい た。
②予定 ( 特に終わ りの時亥J )
がわか らない と不安 にな
り、イ ライ ラ した り、日
の前 のこ とに取 り組 め
ず、パニ ックになる。
1 日 の生 活 へ の 見通 しを
持 た せ る ( 前 日に連 絡 帳
に 内容 / 持ち 物 / 下校 時刻
等 を書 かせ 、 当 日の 朝 に
再 確 認 させ る。 ) で き る
限 り、変 更 は しない方 が
良 い が 、や む を得 な い と
きは速 や か に伝 え る。
1 日 の 流 れ が わか ってい
る の で 、おお むね落 ち着
い て対 応 で きて い る。集
会 で は時 間的 見通 しが つ
くよ うにな つ たせ い か 、
静 か に過 ごせ る よ うにな
っ た。
③ 人 の 前 で 鼻 をほ じくった
り、お な らをす る。 人 に
向 か つて 咳 をす る。 授 業
中 に急 に発 言す るな どの
行 動 が あ り、友 達 か ら理
角牢され に くか っ た り、 ト
ラブル が あ る。
集 団 の 中で受 け入 れ られ
に くい行 動 は、本 人 にわ
か りや す いル ー ル を提示
す る こ とで 改善 してい
く。
鼻 ほ じ りは 、 テ ィ ッシ ュ
を使 うよ うにな っ た。
人 に話 しか け る前 に 「あ
の 、 ち ょ つ と聞 い て もい
鼻をほじる 。・
テ ィ ッ シ ュ を使 う。
咳 を人 に向 か ってす る 。 ・
手 を 当 て る。 人 の い な い
方 向 にす る。
急 な発 言 ・ ・
「聞 い て も い い で す か ? 」
と確 か め て か ら。
-67-
い です か ?」 のル ー ル ヤ
よ
した
定着
。
( 2 ) 「個 別 の 指 導 計 画 」《簡 略 版 》 ( 7 3 ペ ー ジ参 照 )
障害 児 学 級 や 通 級 指導 教 室 の 担 任 が 、活 用 で き る個 別 の 指 導 計 画 です 。
ア 実 態把握
(ア
) で き るだ け、具 体 的 に書 きます 。
(イ
) 子 ど もの 実 態 を、 「得 意 な事 」 「苦 手 な事 」 に分 けて記 入 してみ ま しょ う。
(ウ
) そ れ ぞれ 「
教科面」 と 「行動面」に分 けて記入す る こと もあ ります。
教科面は、学習習熟度 を把握す る とよいで しょう。
行動面 に 、生活面 と運 動面 を記入す る場合が あ ります。
(工
) 気 になることは必ず記入 します 。
〈参 考 〉 気にな る こ との観 点 ( これ らを全て記入す る必要 は あ りません)
行 動 面 : 「対 人 関 係 」 「社 会 性 ( 集団参 加 ) 」 「興 味 ・関 心 」 「行 動 全 般 ( 注意 集 中等)
教 科 面 : 「聞 く」 「話 す 」 「読 む 」 「警 く」 「計 算 す る」 「推 論 す る」
生 活 面 : 「基 本 的 生 活 習 慣 」 「生 活 自立 ス キ ル 」
運 動 面 : 「粗 大 運 動 」 「巧 級 動 作 」
【
表 2】 「
実態把握」の例
パ ソ コ ン操作 ( ゲー ム にお ける操作 は速 い) 。
自動車や電車 の名称 を、 よ く憶 えてい る。
・国語 : 2 年 程度 の漢字 は 間違 えず に書 く。
文章が逐次読み にな り、内容 の理 解 が部分的である。
・算数 t 計 算 「3 桁 の繰 り上が りの足 し算 が難 しい」
文章題 が 苦手。計算用語や 関係性 の理解 が難 しい。
行
動
予 定 が わ か らな い と不 安 に な り、 イ ライ ラ した り、大声 をあげ るこ とが あ
る。
│
〈参 考 〉詳 細 な r 実態 把 握 」 は 、教 育 ア セ ス メ ン トに もな ります 。
基本項 目は、
①感覚 ・運動 ( 姿勢保持/ 移動/ 手指操作) ②
③情緒 ・行動 ④ 対人関係 ・社会性
⑤
⑥得意 な こと ( 好きな こと) ④
ーショ
ニケ
ュ
ニケーショ
ン( 理解/ 表現/ 構音/ コミ
ュ
ン)
言語 ・コミ
認知 ( ことば/ 文字/ 数) ・興味関心
健康 ( 服薬) ①
基本的生活習慣 等 。
( ホー ムペ ー ジ参照)
-68-
イ 長 期 目標
( 7 ) 期 間 と して は 、学 期 ご と、 また は 1 年 間 で す 。
(イ
) 指 導 ・支 援 が 必 要 な課 題 のみ か らは じめ ま しょ う。
ネ
) 実 際は、主 に教科面 と行動面 ( 対人 関係、社会性) を、ト ップダウン の考
(ウ
え方に基づいて 目標 を設定 します。
( 参考〉学習指導要領の各項 目を参考にするとよ いで しょう。
【表 3 】 「長期 目標」の例
政府
滑虻
将来 は就職 の 可能性 も探 る。 生活 に関す る学習能力 を高 める。
国 語
算 数
教 科 面 一
漢字 : 小 4 程 度 の漢字 につ いて読み書 きがで きる。
読解 : 小 学校 中学年程度 の文章 につい て 、円滑 に正 しく音読 できる。
計 算 :小 3程 度 の基本的な四則 演算 がで きる。
文章題 :基 本 的 な文章題 につ いて 、数 量 関係 が理 解 で きる。
文章 の 内容 の理 解 ができる。
社 会 性
行 動 面
い ろ い ろな場 面 で 1日 の生 活 に見通 しを持 って 、落 ち着 いて行動 で きる。
く参 考 〉 学 校 、学 年 に よ つて 長 期 目標 は変 わ ります 。
( 記入 例 )
実 態 と して 、 「3 年 生 程 度 の 計 算 が難 しい 」 子 ど も の 場 合 に は 、小 学 校 5 年 で あれ
ば 、 「3 年 生 程 度 の 計 算 が で き る」、 中学 校 2 年 で あれ ば 、 「
計 算 機 を使 い 、 3 年 生 程
度 の 計 算 が で き る」 等 。
く参 考 〉 よ り詳 し く計 画 を作 成 す る場 合 に は 、 「よ りよ く生 き る ( 自己 実 現 ) 」
とい う観 点 が 必 要 です 。子 どもの 将 来 の 地 域 社 会 での 姿 や現 在 の 生 活 を念
頭 に お いて 、記 入 しま しょ う。
観 点 と して は 、趣 味 ・余 暇 や 生 きが い 、就 労 、 生 活 自立 ( 基本 的 生 活 習慣 の 確 立 か
ら、 ノー シ ャル ス キル ま で ) 等 が 考 え られ ます 。
( 記入 例 )
「コ ン ビニ で 、ひ と りで 、買 い 物 が で き る。」「
集 団 の 行 事 に落 ち着 い て 参加 で き る。」
* ト ップ ダ ウ ン : 日 常 生 活 や 将 来 の 進 路 を踏 ま え 、 よ りよ く生 き る視 点 。 逆 は ボ トム
ア ップ で 、 自己 の 能 力 を可 能 な 限 り向上 させ る視 点。
-69-
ウ 短 期 目標
(ア
) 指 導 内容 の 明確 化 と達 成 度 評価 の観 点 か ら設 定 します 。
) 期 間 と して は 、基 本 的 に単 元 ご と、学 期 ご とです 。
(イ
(ウ
) 長 期 目標 と関連 させ 、 ス モ ー ル ス テ ッ プ化 し、到 達 可 能 な具 体 的 な 目標 を
立 て ます 。
(工
) 指 導 内容 の 明確 化 と生 きた 評価 の た め の 目標 です 。
) 具 体 的 か つ 測 定 可 能 な用 語 で記 載 します 。 これ を行 動 目標 と言 い ます 。
(オ
【
表 4】 「
短期目標」の例
漢字 :小 4ま でに学習す る漢字 につ いて読 め る。 そ の うち頻度 の 高 い ものに
つい ては 、書 ける。 (わか らな い ときは、辞書 で調 べ て正 しい漢字 が選
べ る。)
読解 :小 学校 中学年程度 の文章 につ いて 、物差 しを当てた り、指 さ しで正 し
く音読 できる。文章 の 内容 (ことば の意 味、要 旨)の理解 がほぼで きる。
(設間につい て選択肢 の 中か ら選ぶ/絵 を見なが ら/聞 いて予習す る
わか らない ときは、辞書 を使 つて意味 を調 べ 、適切 な ものが選 べ る)
ータ
ートを活用 して)
シ
計 算 :3桁 の繰 り上が りの足 し算 がで きる(ワ
文章題 :十 一 ×■の計算用語 の文章式を解 く。
ーク
基本的な文章題 を読み、助詞による関係性 を理解 し、図や絵 またワ
ート
シ
を用 いて数量関係 を表 し、解 く。
動
社 会 性
行
見通 しを、視覚的 に理 解 して 、確認 できる。
面
〈参 考 〉 「 個 別 の 指 導 ・支 援 表 」 ( 前述 ) をも とに作 成 す る場 合 は 、 そ の 「課 題 」
を達 成 す る行 動 目標 を記 載 します 。
(記入 例 )
「個 別 の 指 導 ・支 援 表 」 の 課 題 が 、 「朝 礼 の 時 、 大 声 を あ げ る」 の 場 合 、 行 動 目標
と して 、 「朝 礼 の 流 れ を ス ケ ジ ュ ー ル 表 で 予 告 す る と、 朝 礼 の 時 に 、腕 組 み を しな が
ら参 加 す る」。
-70-
工 指 導 ・支援内容
(ア
) 「 個別の指導 ・支援表」 ( 表1 ) が 基本です。
(イ
) 「 指導 ・支援内容」 の フォー マ ッ トは、
行動 目標」
① 「
② 「指導 口支援の実際」
結果 と評価」
③ 「
か らなっています ( 表5 ) 。
【
表 5】 「
指導 ,支 援内容」の例
行動 目標
見 通 し を 持 つ
集 会 時 、予 定 ( 特に
指導 ・支援 の 実際
結
果
と 評
価
1日 の 生活 へ の 見通 しを持 た → 1 日 の流れ がわか ってい る
終 わ りの 時刻 ) がわ
せ る (前 日に 連 絡 帳 に 内容/持
ので 、おおむね落 ち着 い て
か らな い 時 、 時 計
ち物/下校 時刻等 を書 かせ 、 当
対応 で きて い る。 集 会では
を 見 て 、 静 か に待
日の朝 に再確認 させ る。)
時間的な見通 しがつ くよ う
つ ことが できる。
で き る限 り変 更 は しな い 方 が
になったせ いか 、静 かに過
良 いが 、本人が落 ち着 き、話
ごせ るよ うにな つた。
が受 け入れや す い 時 に伝 える。
〈参考〉周 りの子 どもについて も、同様 な様式で作成 し、本人に対す る理解や 関わ り
を深 め るための配慮 を記入す る と効 果的です。
子 ど もの 様 子
周 囲 の子 へ の 手だて
( 周囲 の子 か らの支援 )
周 囲 の子ど も と の関 わ り
・授 業 中、急 に質 問 を し ・で きる限 り、見守 ってい
て もらう
た り、 しゃべ り出す 。
( 無反応 ) 。 ( 「うる さい ! 」 と大
また奇 異 な行動 に出 る
声 で反応 した り、笑 つた りす る こ
こ とが あ る。友達 が大
とでそ の行動 が強化 され るので)
声で 「うる さい !」 と ・注意す る場 合 は、本 人 が 安 心 で き
言 うと、そ の言葉 に反
る友達 が 「
授 業 中は静 か にす るよ」
応 して興 奮す るこ とが
等言 う。 ( 難しい場合 は教 師)
。ル ー ル を守 って 、 「聞 い て い い
多 い。
も
です か ? 」 と発 言 した時 は きちん
と最後 まで聞 く。
-71-
結
果
と 評
価
「
聞 い て もい い です か ? 」 の
ル ー ル が 定 着 して きて 、急 な
発 言等 はかな り減 つて きた。
オ 評 価
(ア
) 指 導 の効果 はあつたのか 。変化はみ られ たのか。具体的 な評価が必要 です 。
そのためには、 日標 や指導 内容が できるだ け具体的であれ ば評価 が 容易 に
にな ります。
(イ
) で きるだ け、具体的に書 きます。
【
表 フ】「
評価」の例
教科学習 (国語)
・漢 字 4 年 生の漢字 プ リン トをほぼ毎 日 1 ペ ー ジ
。漢字 5 個 を練習 し、そ の後 、
つ
に
正
練習問題 取 り組 む。 しく書 けるよ うにな た。
興味 ある漢字 (ゲー ム に出て くる等)は、難 しくて もよく覚 える。
教科学習 (算数)
・計 算 3桁 の繰 り上が りの足 し算は、正 しくできるよ うになった。
社会性
・1日 の流れ がわかってい るので 、 落ち着 いてい る。
集 会 では 、時間的 な見通 しが つ くよ うにな り、静かに過 ごせ るよ うになってきた。
〈参考〉 行 動 目標 の達成 度 で評 価 す る場合 もあ ります。 これ を 「行動 目標評価」 と
いい ます。段階 を設 けて ( リッカー ド評価) 、 コメ ン トを記入 します。
・3 段 階の場合、 O i 達
行 動
目
成 △ : ほ ぼ達成 ▲ : 達 成 困難
標
「
『長 い針 が 6 ま で待つて』 と話
しか け る と、腕 組 み を して 待 つ 」
朝 礼 が 終 わ る ま で 、 少 し周 り
を見 な が ら待 って い た
【そ の 他 】 「個 別 の 指 導 計 画 」《詳 細 版 》 に つ いて
「詳 細 版 」 の フォ ー マ ッ ト等 は 、 ホ ー ム ペ ー ジに 掲 載 して い ます の で 、参 考 に して
IIIの
くだ さ い 。 ま た 、 「個 別 の 教 育 支 援 計 画 」 や W I S C 一
検査結果等の見方 につ い
て も掲 載 して い ます 。
-72-
<faj>
学年 ( )年
布
氏
ョ 男 可σ D 手 旨 寒 事 言十 由
名 (
)
作
児
の
童
【 模算 附各用反 】
成者名 (
実
)
態
( 項 目)
教科 面
行動面
生活 面
運動 面
長 期
目 標
平成 年
平成 年
目
標
評
進 路
教 科 面
行 動 面
そ の他
-73-
価
月
∼
日
月
日
短 期
標
平成 年
平成 年
行
動
目
標
評
月
∼
日
月
日
価
教
科
学
習
行 動 面
そ の他
指導 日支援 内容
平成 年
平成 年
行 動
目
標
指導 。支援 の 実際
月
∼
日
月
日
結果 と評価
︵項 目 ︶
※ 「
指導 ・支援 内容 」 は項 目 ご とに作成 して も良 いで す。
-74-
校内支援体制のあり方
どの子 どもに も適切で必要な配慮 を してい くことは、担任にとって必要不可欠なこ
とです 。 しか し、よ リー層多 くの配慮 を必要 としている子 どもたちへ の支援策 を、担
任一人で考え提供 してい くことには限界があ ります。学校 として大切な ことは、教職
員全体の共通理解のもとに、個々に応 じた有効な支援策を検討 し、誰でもがいつで も
どこで も提供できるようにすることです。
そのためには、校長 ' 教頭 口特別支援教育 コー ディネー ター などを中心に した 「
校
内委員会」を組織 し、個々の具体的な支援策の検討 をは じめ、環境 の整備を図 つてい
くなどの校内支援体制 を整えてい くことが重要です。
1 特 別 支 援 教 育 コー デ ィネ ー タ ー の 担 う役 割
特別支援教 育 コー デ ィネー ター は、 L D B A D H D ・
高機能 自開症等の特別 な支援
い
を必要 と して る児童生徒 に対 し、各学校 で適切 な支援 を実施 してい くための中心的
な役割 を果た します。
小 中学校 等 にお ける特別支 援教育 コー デ ィネ ー ター の主 な役割 と しては 、 「
校 内委
B
t
t
B養
員会」の開催 や学校外の 関係機 関等 との連 携 な どが あげ られ ますが、盲
護学
ー
ー
校 の場合 には 、地域 の教育支援や関係機関 との コ デ ィネ トな ども付加 され て いま
す。
特別支援教 育 コー デ ィネ ー ター の養成 に あた っては 、県立障害児教育セ ンター 等で
各種 の研修会が開催 され ています。
「
校 内委 員会 」 とは
「
校 内委 員会」 とは、校長 B 教 頭 をは じめ特別 支援教育 コー デ ィネ ー ター が 中心 と
な って 、 L D B A D H D ・
高機能 自開症 な どをは じめ、特別 な配慮 を必要 と している
子 どもたちの 困難 さを理解 してい くための 実態把握 を行 うとともに 、本人 ・保護者の
願 い を基本 と したよ りよ い指導や支援 につ いて考 えるための校 内組織 です 。
「
校 内委員会」 を組織す るにあた っては 、そ の内容 によって 、以下の よ うな 『合 目
的的な校 内委員会』 と 『包括的な校 内委員会 』 の 二種類 が考 え られ ます 。
- 7 5 -
合目的的な校内委員会』
『
『包括的な校 内委 員会』
発達 障害の ある子 どもた ち をは じ
め、種 々の障害のある子 どもたちへ の
発達障害 や種 々の 障害の ある子 ども
たちへ の支 援 ばか りでな く、生 徒指導
支援だけを目的 と した校 内委員会の こ
とです
や教 育相談 な どとも リンク させて、様
々 な子 どもたちに対す る支援 を考 え実
施 してい く校 内委員会の こ とです。
「
校 内委員会 」 を既 に設置 して い る学校 では 、 「
校 内就学 指導委員会」がその 内容
「
「
していた
を兼務
り、 教 育相談委 員会」や 特別支援教 育推進委 員会」 な ど新 たな組
織 で対応 していた りして い ます。
校 内支援体制 と して、 どち らの場合が有効 であ り効果的で あるかは、地域 や学校 の
実情 に応 じて違 つて きます。例 えば、小 学校 では 「合 目的的な校 内委員会 」 で 対 応
している場合が 多 く、 中学校 では生 徒指導や教育相談 と リンク させた 「包括的な校 内
委員会」で対応 して い る場合が 多 い よ うです。
いずれの場合 を選択す るに して も一 長 一 短が あ ります 。 したが って 、それ ぞれの学
校 で、どの よ うな内容の 「
校 内委員会 」を組織 して い くのが よ り有効 なのかにつ いて 、
充分 に吟味 した うえで組織化 して い くこ とが重 要 です。
「
合 目的的な校 内委 員会」の代表例 と しては 、既存の 「
校 内就学 指導委員会」が 「
校
内委員会 」 を兼務す るよ うな場合が考 え られ ます。
この場合には、従 来の メンバ ー の 他 に、特別支援教育 コー デ ィネ ー ター ・生徒 指導
( 生活指導) 担 当 口教 育課程担 当 日養護教諭 口巡 回相談 員 ( 場合 に応 じて) な どを加
えて構成 して い く必要が あ ります 。 ( 障害児学 級担任が特別支援教育 コー デ ィネ ー タ
ー を兼務 している
場合 も多 く見 られ ます。)
校 内就学 指導委員会が 「
校 内委員会 」 を兼務 している場合
長 所
改善策
「
従来 の組織 に新 たなメ
ともす れ ば、特別 な子
の
従来
校 内就 学指導
ー
ンバ を加 えるこ とで 、 た ちに対す る措 置や 場 の 委員 会 」 とは 異 な った役
す ぐに対応 してい くこ と 振 り分 け とい う 「
校 内就 割 を併せ 持 ち、 新 た な役
がで きます。
学指 導委員会 」 が 従 来持 割 を担 っ て い る と うこ と
つ て きた性格 や 意 味合 い を充 分 に共 通 理 解 してお
が 強 く残 り、通 常学級 担 くこ とが重 要 です。
任 の 意識 改革 をは じめ 、
短 所
校 内組 織全 体 が 支援 に 向
け て 同 一 歩調 で 取 り組 ん
で い くとい う共通理解 が
難 し くな る こ とが 考 え ら
れ ます。
-76-
一方、 「
包括的な校内委員会」 の代 表例 としては、新 たな組織 を プ ロジ ェク トチー
ム として立ち上げてい くような場合が考えられます。
この場合 には、そのプ ロジ ェク トの内容 に必要な メンバー で構成 されます。
「
校 内委員会」 と して新 たな プ ロジ ェク トチー ム を立 ち上 げた場合
短 所
長 所
新 た に組 織 した 「
校内
発 達 障 害 をは じめ とす
る種 々 の 障害 の あ る子 ど 委員 会 」 が 従 来 の 学校組
もた ちばか りで な く、様 織 の上 に付加 され た もの
々 な配 慮や 支援 を必 要 と であれ ば 、 「
校 内委員会」
へ
して い る子 どもた ち の の 構 成 メ ンバ ー は 、重複
支援 に 関 して も協議 す る
こ とがで きます。
した 複 数 の 委 員会 へ 度 々
出席 しな けれ ば な らな い
よ うな状況 に陥 つて しま
改善策
新たな 「
校 内委員会 」
をプ ロ ジ ェ ク トチ ー ム と
して立 ち上 げて い く場合
に は、校 内組 織全 体 の 見
直 しも含 めた 新 た な組織
体 制 の 構 築 を図 つてい く
こ とが重要 です。
うことが考 え られ ます 。
3 「 校 内委 員会 」 の 構 成 員
ー
ー ー
「
検内委員会」 は、校長 ・教頭 を中心 に して、特別支援教育 コ デ ィネ タ をは
じめ とする各 メンバー が個 々の役割や専門性 を活 か して多面的な観点か ら知恵を出 し
合 い、協力 して子 どもたちの支援 を行 つていきます。
「
合 目的的な校 内委員会」 を組織するのか
校 内委員会」 を構成す る メンバー は、 「
「
包括的な検内委員会」を組織す るのかによつて変わ つてきます。
しか し、概ね、
校長 ・教頭 ・特別支援教育 コ ー デ ィネ ータ ー ・生徒指導 ( 生活指導) 担 当 ・
教育課程担当 ・董護教諭 ・学年代表 ・該当担任 , 巡 □相談員 く場合 に応 じて〉
な どで構成 されて い る場合が 多 いよ うです 。
校 内委員会」を兼務 した場合の校 内体制の例 です。
図 1 は 、校 内就学指導委 員会 が 「
ー
校 内委
また、図 2 は 、横 内組織の統 合 を図 つた うえで、 プ ロジ ェク トチ ム と して 「
員会」 を組織 した場合の、支援 のための情報 の流れ を図示 した ものです。
-77-
[図 1]校 内就学指導委員会が 「
校内委員会」を兼務 している場合の校内組織体制の例
(定例委 員会等)
教育課程担 当
研 究推進担 当
生 徒指導担 当
生活 指 導担 当
(随時委員会 ・各種部会等)
特別支援教育
・ ー
]―
予イ
ネ,―
障害児
教育課程委員会
研究推進委員会
人権
生徒指導委員会
就学指導委員会
生活指導委員会
校 長 ・教 頭 ・生
国際理解
校長 ・教頭 ・
各学年代表 ・
校長 ・教頭 ・
各学年代表 ・
校長 ・教頭 ・
各学年 代表 ・
徒 指 導 ( 生活 指
保健 体育
導 ) 担 当 ・教 育
危機 管理
専科代表
専科代表 ・新
学習 システ ム
専科代表 ・養
課 程 担 当 ・養 護
校務分掌
護 教諭
教 諭 ・学 年 代 表
教科部会
・該 当担 任 ・巡
他
回相談員
[ 図 2 ] 校 内全体の組織統 合 を図 り、 プロジ ェク トチ ー ム と して 「
校 内委 員会」 を組織
した場 合の例
〔各部会 の統 合〕
OO委 員会
人権 ・国際 ・障害児
特別支援教育
ー
コ デ ィネー ター
・男女共生 他
教 育相談委 員会
教 育課程委 員会
校長 ・教頭 ・教 育課
( 校内委 員会 )
`
校長 ・教頭 ・コーテ ィ
ネ
程 ・各学年代表 ・専
科代表
ーター・教 育 課 程 ・研
究推進 ・生活指 導 ・
(定例 委員会 )
教 育相 談 ・養護 教諭
新 学習 システム 他
研究推進委 員会
校 長 ・教頭 ・研 究
推 進 ・各 学 年 代 表
・新 学 習 システム・専
科代表
(定例委 員会)
〔生活指導 ・教育相談 を統合 した プロジェク トチー ム〕
そ の他 の部会 ・委員会 : 就 学指導委員会 ・校務 分掌委員会 ・危機 管理委員会 ( 防
災委員会) ・各教科部会 ・保健体 育部会 他
-78-
4 「 校 内委 員会 」 の 果 た す役割
「
校内委員会」は、具体的には以下に示 したよ うな 7 つ の役割を果た していきます。
① 保 護者や担任 らの気づきに基づいて、多面的な観点から情報交換を行うとと
もに、配慮 を必要としている子どもたち一人ひとりの 「
実態把握」を行い、子
どもたちが因つている点について共通理解を図ります。
② 本 人や保護者の願いに添つた 「
具体的な支援策」や 「
環境整備」などの提示
を行います。
③ 特 別支援教育コーディネーターを中心に、「
個別の教育支援計画の作成支援」
を行います。
④ 「校内研修会」を開催し、教職員全体の理解啓発に努めます。
⑤ 配 慮を必要としている子どもたちに対する 「
学級外での対応」や、「
学級担
任へのア ドバイス」などを行います。
⑥ 家 庭や P T A ・ 地域などを対象にした理解啓発活動を展開していくことを通
して、「
家庭や地域などとの連携」を図つていきます。
② 特 別支援教育 コー デ ィネー ターや養護教諭などを中心に、専 門的情報の収集
を行 うとともに、他の教育機関や相談機関をは じめ 医療 ・福祉などの 「
専門機
関 との連携」 を密 に図 つていきます 。
図 3は 、上 記の 「
校 内委 員会」の果たす主な役割 を図に表 した ものです。
-79-
[図 3]「 校 内委 員会」の果たす主 な役割 の例
①実態把握
②具体的支援策
の提示や環境整備
⑥家庭や地域との連携
②専門機関との連携
校内委員会
校長 ・教頭
ヾ
特別支援教 育 コーテ ィネーター
養護教諭
③個別の教育支援
計画の作成支援
他
⑤学級外での対応や
④校内研修会の開催
学級担任へのアドバイス
「
校内委員会」の開催頻度 と協議内容
「
校 内委 員会」はあ くまで随時委 員会 と して、必 要 な時にいつ でも臨機応変に開催
し対応で きるよ うに してお くこ とが重 要 です 。
しか し、学 校 の 実情 に応 じて、 「目的」 と 「内容」 をあ らか じめ決 めた うえで、月
1 回 程度 、定期的に開催 す る定例委員会 と して組 織 している場合 もあ ります。
表 1は 1年 間に 「
校 内委員会」で話 し合われ た内容の 実際 の例 です。図 4 は 「
校内
委員会」での話 し合 い を下 に 、現行の各種制度 を活用 して支 援体制 を組んで い る実際
を図で表 した ものです。 ( 利用制度等 については 、各地域 に よ って 多少の違 いが あ り
ます。)
また、図 5は 「
校 内委 員会記録用紙」の実際の例 です。
〈表 1〉 「
校 内委員会 」 で話 し合われ た内容の 実際例
一
学 期
4月
話 し合 われ た内容
教職員用気付 きチ ェ ック リス ト、個別 実態把握表 を配布す る
保護者 へ の啓発資料配付 ( 教育相 談 の お誘 い ) を 配布す る
5月
保 護 者 の 気 付 きや 担 任 の 気 付 き を基 に した 「ク ラ ス の 中 の 配 慮 を
実施 月
要 す る子 」研 修 資 料 を参 考 に 、 学 習 面 や 行 動 面や 生 活 面 な どで大 き
な配 慮 や 支援 を必 要 と して る子 どもた ち を精 査 す る
6月
ケー ス会議 : 精 査 され た子 た ちへ の配慮 や支援 の 種類 を、担 任 か
ら提供 され たチ ェ ック リス トや 実態把握 表 ・子 ども
-80-
の作品や ノー ト等 の資料 を基 に一 人ず つ 検討す る
同室複 数 指 導体制 お よび研 究体制 (算数 科 にお け る少 人数指導)
7月
二 学 期
9月
の試 行 実施決 定
ケ ー ス 会議 : 同 上
個別課題 学習支援 の実施決 定
ケ ー ス 会議 : 同上
学習 室 ( リノー スル ー ム) 設 置 とそ の利 用 に 関 しての検討
10月
担任 の負担軽減 を目的 とした全校的支援策 について協議
放課後等学習支援事業 の実施決定 とそ の内容 についての検討
11月
放課後等学習支援 事業 に関わ る支援者 の募集 に 関す る協議
P T A や 地域人材 の導入 を検討
12月
1月
学
2月
期
3月
保護者 との教 育相 談 ( 十巡 回相談員)
保護者 との教育相談 (十巡 回相談員)
年 間 の ま とめ資料作成
配慮 を要す る子 ども達 の変化 に関す る研 修会
来年度 へ の 引 き継 ぎ資料作成
[図 4]現 行制度 を活用 して校 内支援体制 を構築 している学校 の実際例
伴校内│
(連携 ・協 力)
コーデ ィネー ター
新学習 システ ム担 当
特別支援教育推進委員会
障害児学級担任
地教委指導補 助員
( 校内委 員会 )
大学生ボ ラ ンテ ィア
支援
養護 学校 の地域支援
〔学校全体 での連携 と支援〕
専門機 関→ ひ よ うご学習障害相 談室 ( ひょ うご専 門家 チ ー ム)
養護 学校
医
療機 関
障
巡
回相談員
害児 ( 者) 地域療 育等支援 事業
十 話 し合われた内容の うち、現在の環境を変化させるような支援を提供していくよ
つまずいてる課題を宿題でカバーす
うな場合 (例 :「
学習室などで個別指導する」「
る」他)は 、支援を提供する前に、必ず本人ならびに保護者の同意を得ることが必
要です。
-81-
[図 5]校 内委 員会記録用紙 の例
校 内委 員会実施 日 第
出席者 名 (
学年 ・
組
担任 名
年 月
回
年
日 (
)時
分 ∼ 時
分
児童生徒名前
組
(子どもが何で困つているのかについて記入を します。)
子どもの
ニーズ
具 体 的 事 例
(子どもの様子 を具体的 に記入 します。)
例 :「2行 程度 の短 い 文章 の音読 は 間違 わず に読 め るが、1ペ ー ジ
以 上の長 い 文章 の音読 にな る と読 み飛 ば しや 読み 間違 いが 多
くな る」
「
O① の よ うな時、 自分 を抑 えきれず大声 を出 した り周 りの子
を罵倒 した りす る こ とが あ る」
など
補
足
(担任 以外 の者 で気 がつ いた こ とがあれ ば記入 します。)
情
報
支援 の 柱
( 長期 目標 )
1(「 子 どもにつ けた い 力」 の うち、1年 間 で達成 で きそ うな内容
2 を 記入 します。)
3
例
:見 通 しを持 つて 一 日の生活 を送 る
4
落
ど
ち着 い て授業 を受 ける
な
(例 :週 2回 、月曜 日と木曜 日の 2時 間 目に、 (○OT)が
の教 室 に入 り濃密指導 を行 い ます 。)
校内
支援体制
支
支援 の
手だて
家庭 との
連携
他機 関
との連 携
援
方
針
1 ( 具 体的 な支援策 の 内容 と誰 が 実施す るのか を記
2 入 します。)
3 例 : 良 い 点 を見 つ けて誉 めるよ うに します
4
下
学年 の課題 を宿題 で 出 します
(家庭 での協力 を必要 とす る場合 、家庭 の役割 に
つ いて具体的 に記入 します。)
( 他の 専門機 関 に相談 を し、 ア ドバ イ ス な どを受
けた場合 に の み記入 します 。)
4-1
支援者
担 任
`
ー
コーテ ィネータ
評 価
と │(一
定期 間 の 支 援 に対 す る成 果 や 課 題 な どに つ い て 記 入 しま す 。)
引継事 項
-82-
保護者 へ の 対応
特別なニーズ をもつ子 どもへの支援を進めるには、保護者 との連携が欠かせません。家
庭 と協力 して子 どもへの支援 に取 り組む ことでよ り大きな効果が期待 できるか らです。
ところが、保護者には、子 どもの特別なニーズに気づいていなかった り、気づいていて
もなかなかそれ を受け入れる ことができないなどの様々な事情が あります。例えば、他の
子 どもとはち ょっと違 つている、変つた子だなと感 じつつ、育児 に手間がかか らなかつた
保護者は、学校での不適応な状態を知 らされるまで気づかない場合が あります。その多く
は家庭 と学校での様子が大きく異なってお り、保護者の気づ きが遅れる ことにな ります。
気づ きがあっても、子育てに関 してネガテ ィブな指摘をされた経験が ある保護者は、特
に養育上の責任を問われる ことには警戒感をもっています。ですか ら、保護者が学校での
問題について知 らされるときには、
子 どもの様子 に心配 を抱きつつ、
素直 には受け入れず、
否認 した り、逆に学校での指導不足 こそが問題だと主張する ことが あ ります。
しか し、乳児期 に育てに くかった り、乳幼児健診等で発達のつまずきに気づいている保
護者の多 くは、学習についていっているだろうか、他の子 どもの迷惑をかけていないだろ
うかなど、思い悩んでいます。こんな場合に、「こんなことを相談 してもよいものか。
」 「ど
んなふ うに話 した らよいか。
」 「きちんと理解 して くれるだろうか。誤解 されて しまうので
はないか。
」などなかなか学校に相談できない保護者が多いのが現状です。
そ こで、まずは保護者の心情や願 いを理解 してい くことが大切です。そ して、保護者 と
の信頼関係を築きなが ら、保護者 と協働 した支援の進め方について 2つ の事例を通 して考
えてみます 。
1 保
護者 の心情
︵ ︰︰
( 1 ) 保 護者のタイプ
D 早 期 に気づきあ り、よ < 勉 強 してしヽ
る。学
校 に対 して十劣な支援 を期待 してしヽ
る
A 子 育てに苦労 しているが、そ
れが当た り前 と考えている
B 気
F 子 育てに自信がなく、もつぱら他者からの
支援に頼ろうとする
E 過 敏で心酉
3しすぎる
づ き に くい
G 家
C 放
任 している
族の協力がな く、 一 人で抱え込む
H 指 摘されることに警戒感があり、
相談 した
くなしヽ
-83-
(2)保
護者 が子 どもの 障害 に気 づ き、受容 に至 るまでの心情 の 変化
保 護 者 の 心構 え
一般 に,保 護者 が子 どもの障害 に気付き,受
容 に至 るまでには,下 記に示すようなプロセス を経て
い く傾向が あるとされています。多 くの保護者か ら,も っと早 く対応 しておけばよか ったとい う声が
あが つています。障害を受容 してい くことは難 しいことですが,結 果 として子 どもにもよい影響を与
える ことにつなが ります。
【
疑 念 ・混 乱 】
LD,ADHD,高
機能 自開症の子 どもたちは,乳 幼児期には育てに くか った り,逆 に手間がかか
らなかつた りする場合もありますが,通 常の発達 とずれ を示す ことが あ ります。幼児期には,何 か気
になるとい う思 いを多 くの保護者が感 じるようです 。落ち着きがなか つた り,集 団行動が取れなかつ
た りする場合には,育 て方の問題 として責め られ る場合 もあります。原因が分か らないために,子 ど
もの様子に心配 を抱きつつ も否認 した り,混 乱に陥 つた りして しまいます。
【シ ョック と安 堵 】
こ うした葛藤の時期を経て診断を受け,LD,ADHD,高
機能 自閉症等 といつた診断名が付 いた
一
時には大きなシ ョック を受けます。 方で,育 て方の問題ではなかったことが明確になつた ことで,
多 くの保護者 が一瞬ほ つとした気持ちにな ります。
努 力 ・挑戦 】
【
そ して何 とか発達の遅れ を取 り返そ うとい う取組が始ま ります。親子 ともに目の前 にある課題や行
動等に対 して一所懸命取 り組みます。
【障害 の 受容 】
以上のよ うな段階を経て,子 どもの状態 を正面か ら受け入れ られ るようにな ります。目の前の課題
に背伸び して取 り組むのではな く,将 来を見通 して現実的な対処へ の取組 を始めます。
「
小 日中学校 にお ける L D ( 学
習障害) 、A D H D ( 注
意 欠陥/ 多 動性障害) 、高機 能 自開症の児童 生徒 へ の
教育支援体制の整備 のための ガイ ドライ ン ( 試案) 」平成 1 6 年 3 月 、文部科学 省
2 具 体 的事例
( 1 ) 子 育てに苦労 しているが、それが当たり前と考え、気づかなかつた事例
① A君 の概要と担任の気づき
A 君 、 1 年 男子。登校班で登校 しているときにいじめ られたと訴え、登校 をしぶる。
身の回 りが片付かない。学習の準備ができない。忘れ物が多い。授業中は、ボー ッとし
ていることが 多 く、自分の世界に入 り込んでいるように見受けられる。
登校 中の トラブルは、寄 り道 を して列 に並ばないA 君 を班長 が注意 したの を 「い じ
め られた」 と受け取 つていたのが原因で した。担任 の先生が A 君 と母 親 とにT 寧 に説
明す る こ とで一応納得 しま した。
この ことがあってか ら、担任の先生は A 君 の ことが 気になっていま した。 A 君 はそ
の場 の状況や他者の気持 ちを理解す るのが難 しいのではないか と思いま した 。学習 の
-84-
遅れや集団活動 へ の参加の困難が 目立 つ よ うにな り、先生は コー デ ィネー ター の先生
に相談 し、校内支援委員会でA君 の支援
について話 し合 うことにな りま した。
先生は、保護者へ どのように説明すれ
ば理解 と協力が得 られるか、ということ
について助言を求めていま した。説明の
ポイン トを作成 して、 コー ディネー ター
の先生 と二人で母親 と面談することにな
りま した。母親は、身の回 りの片付けが
できない ことや学習の遅れについては困
っていま したが、「
家庭 で言 つて聞かせま
す。でも、私 も小 さいときは、(A君 と)
同 じで した。」 と語 り、知能検査を含む心
理検査 を実施する ことには了解 して くれ
ワンポイント
保護者とは複数の先生で面談するようにします。
保護者の事情や心情をより的確に把握することが
できます。さらに、保護者の安心感や信頼感を得る
ことにつながります。
ワンポイント
知 能検 査 を含 む心理検 査 の実施 に保 護者 の 同
意 が得 られ ない時 は、説得 を繰 り返 す より、できる
配 慮や支援 に取 り掛 かるようにします。そして、子ど
もに変化が見られた時は、その効果を伝え、個別的
な支援 の意 義や子 どもの特性 に合つた支 援 の有効
性を示していくようにします。
ませんで した。説得 を繰 り返す ことはせ
ず、学校 と家庭が協力 して支援を進めてい くことを約束して面談を終わりました。
② 保護者 の気づ き
母親は A君 の ことが気にな り始めま した。参観 日に我が子が学習に集中できていな
い姿を見て、何 とか しなければと思 うようにな りま した。でも、母親の言 うことを受
け止めて くれないA君 にイライラするようにな り、
思わず、「
そんなにお母 さんの言 う
ことが聞けないんやったら、 Aは お母 さんの子 と違 う。出て行き !」 と言 つて しまい
ま した。A君 はお母 さんの激 しい口調に戸惑いを見せま したが、家の外に飛び出 して
いきま した。
母親はす ぐに近所を探 し回つた り、父親にも連絡を取 り、警察に捜索願 を出 しま し
ただいま。お腹すいた一。
たが 日が暮れ ても帰 つてきません。 9時 半頃、「
」 と、けろ
つとした顔を して A君 は帰つてきま した。近 くの大型スーパーや本屋でうろうろして
いたそ うです。
③ 保護者 と担任の共通理解
母親は A君 の行動が理解できず、先生 に相談 しま した。先生はスクールカウンセラ
ー に相談する ことを勧めま した。スクールカウンセラー に じつくり話を聞 いて もらう
心理検査を実施する ことにも了解 して くれま した。
中で、A君 の困 り感が明確にな り、
(2)保
護者 に気 づ きはあるが、指摘 され る こ とに警戒感 が あ つた事例
① H君 の概要と担任の気づき
H君 、2年 男子。授業 に集中できず、手遊び、席を離れて立ち歩き、他 の子どもにちょつかいを
かける。休み時間 には些 細なことで友だちと口論になり、激しい喧嘩になることもある。
先生は、 H 君 を担任 してか らず つとH 君 の ことで悩 んでいま した。 H 君 のほかにも
授業に集中できない子 どもが数人いますが、H 君 に影響 されてよけいに落ち着かない
-85-
ように思えま した。 H君 の学校 での様子 を保護者 に連絡帳 に書 いて知 らせ ようと何度
も思 いま したが、数 日後に予定 されて いる家庭訪間の ときに直接話す こ とに しま した。
② 保護者 の願 い を聴 き取る
家庭訪間の日がや つてきま した。 H君 の学校 での様子 を話 し始めると、 H君 のお母
さんは表情 を固 くして、身構えるような態度 にな りま した。そ して、「Hは 家では落ち
着 いていますよ。他にももっと授業中に先生の話を聞 いていないお子 さんが いるよ う
です し、先生がもっと子 どもに話を聞かせるように工夫なさってはいかがですか。
」と
一気に語 りま した。先生はびっくりして、それに答える ことができませんで した。 し
か し、お母 さんは気づいていたので、再度家庭訪問をして話 し合 う約束をとりつけま
した。
③ 保護者 と担任の共通理解
H君 のお母さんは昨日とは打 つて変わ つて笑顔で迎えて くれま した。そ して、 H君
を育てるのに苦労 した ことや、育て方や しつ けが悪 いと責め られてきた辛 い経験を話
して くれま した。そ して、相談機関で相談 した り、場合 によっては、病院に受診 した
いとい う希望をも つておられる ことを知 りま した。先生は、「お母 さん、H君 のことを
思 つてこれまで本当に苦労 されたんですね。私 も H君 のためにできるだけの ことをし
たいと思 つています。一緒 にがんば りま しょ
う。」 と優 しく語 りま した。それか ら、 H君 の , レ ポイント
生育歴や教育歴、家庭での様子など詳 しく話
保護者 の子育ての音労 に対 して労 いのことば
を聞 くことがで きま した。 H君 をより効果的 をか け、悩 みを受け止めましょう。そして、子育て
に支援するために、校内の支援委員会で話 し
合 い、心理検査 を実施する ことや個別の指導
のパ ー トナ ー として、協働 して子どもへ の支援に
取り組むことを提案します。
計画を立案する ことを了解 してもらいま した。
④ 他 の子 どもへ の 指導や配慮 が必 要
数 日後、 H君 がち よつかい をかける I君 のお母 さんか ら、 H君 の行動が学習の妨 げ
になつている こ と、他の親か らもク レー ムが 出て いる ことな どを知 らされま した。先
生は早速家庭訪間 を し、I君 のお母 さんか らよ り詳 しい話 を聞 きま した。す ぐに訪問
した ことで I君 のお母 さんは落ち着 いて話 を して くれ ま した。 H君 の ことで因 つてい
るけれ ど I君 にも注意の集中に弱 さがある ことや、多 くの保護者が学級経営に不安 を
抱 いているが、できれ ば学校 に協 力 したい考 えだ、 と話 して くれ ま した。
⑤ 学級懇談会
一学期末 に予 定 している学級懇談会で 「H君 や I君 のお母 さんに対 して学級の保護
者 か らの理解、支援 を得る」 ことを目標 に し、その手だてについて校 内の コー デ ィネ
ー ター の先生や支援チー ムの 先生方 と相談 しま した。
そ こで、次の よ うな会 を計画 しま した。
当日、先生はまず学校 における特別な教育的支援 を必要 とす る子 どもへ の対応方針等
を説明 しま した。
-86-
ア H君 のお母さんと親しい 」君のお母さんにH君のお母さんが受け入れられるようにするた
め、H君のお母さんをさりげなくサポートしてほしいと依頼しておく。
イ ど の保護者も子育てでうまくいかない経験をもつており、そのことを保護者同士でリラック
スして率直に話し合えるような雰囲気づくりをする。
次に、学級で子ども達を集中させるためのゲームや集団遊びをしました。雰囲気が
和んできたところで、ジャンケンゲームをして4人 グループを作りました。そして、
グループで (1)自 己紹介 (2)「我が子のここが自慢」(3)「我が子の気になること」
( 4 ) 「 我が子 へ の期待」のテー マ で話
し合 ってい きま した 。 H 君 のお母 さんに
も感想 を話 してもらいま した 。 「H の こと
で皆 さんに迷惑 をか けていると思 い ます。
で も、皆 さんに私の話 を聞 いていた だ き、
親 身 に な って一給 に考 えて くだ さったの
が とても嬉 しか ったです。」 と、涙 を浮か
べ なが ら話 しま した。
学撤懇議会転ログラム
1 自 己紹介
2 「 我が子のここが 自慢」
3 「 我が子の気になること」
4 「 我が子へ の期待」
後 日、 H 君 のお母 さんは学級懇談会で知 り合 いになつたお母 さんに勧め られて学校
図書のボランテ ィアサ ー クルに参加 しま した。サー クルで活動 しているH 君 のお母 さ
んは随分明る くなったよ うに思 えま した 。
⑤ まずできることか ら取 り組む
支援チームです ぐにできる効果的な方策 を検討 し、す ぐに取 り組み始めま した。
まず、H君 の座席の位置を一番前 に移動 し、個別に ことばかけが しやすいよ うに しま
した。クラス全体 に指示をした後に必ず H君 の様子を見て、何 をするのかわか らない時
は、もう一度説明するように しま した。説明はできるだけ具体物や絵などを提示 しなが
ら短 く区切 つて話すように心がけま した。
つ ぎに、学習用具の準備や片付けができないH君 のためにクラス全体の “
片付けタイ
"を
つ くり、みんなが片付けている間にH君 の片付けのサポー トをするように しま し
ム
た。忘れ物のチェックはお母 さんに協力を依頼 していま したので必要なものはカバ ンの
中に入 つています。ですか ら、忘れ物や宿題忘れは ぐん と少な くな りま した。
⑥ 個別の指導計画作成
H君 の支援チームの先生方で H君 の個別の指導計画案を検討 しま した。WISc一
田
の結果の分析か らH君 の言語理解の弱 さが推測 されま した。聴覚的な短期記憶の弱さが
その要因のすつではないかと推測 されま した。 H君 のお母 さんによると、H君 が 3才 の
時に疹出性中耳炎にな り、治療に長期間かか りま した。今でもテ レビの音量を大きくし
て聴 いているので気にはなっていたそ うです。
H君 のお母 さんに耳鼻科 に受診する ことを提案するとともに、個別の指導計画の作成
に参画 してもらいま した。短期 目標は検証 しやすい具体的な内容に し、効果が確認でき
-87-
た ら次の手だてを考 えてい くよ うに しま した。家庭で取 り組む こ とは保護者が達成感や
できた手 ごたえ を感 じ取 り、子 どもの よさを発見す るとともに、子育てに自信 をもてる
よ うな内容に していきま した。
② その後
H君 に対する苦情は徐 々に少な くなっていきま した。
H君 は注意 を集中 して話を聞 くことは難 しいものの、離席をする ことはな くな りま し
た。また、友だちにちょっかいをかけた リ トラブルを起 こす ことは激減 しま した。
H君 のお母 さんは、少 し余裕 を持 つて H君 とつ きあえるようになったこと、 H君 のこ
とがよりかわ いく思えてきた ことを話 して くれま した。学年が上が って担任が変わるこ
とに不安 を抱 いていま したが、学校の支援方針や支援体制をより詳 しく説明すると納得
して くれま した。
保護者同士がだんだんわか りあい、親 しくなることで同 じよ うな問題でも受け止め方
が変 つてきたよ うに思われます。学級 PTAの 役員の 」さんが次のように話 して くれま
した。「H君 へ の配慮 を工夫 して くださつたことが他の子 どもへの配慮や支援につなが
つていますね。 H君 がいることで他の子 どもがよ りよく育 つているように思えます。子
どもに対する多面的な見方ができるようにな りま した し、子 どものよさを発見すること
が 多 くな りま した。
」
先生は、子 ども達への支援を進 めることが保護者 との信頼関係を構築することにつな
が つてい くのではないかと考えています。
3 保 護者 と協 働 した支 援 の進 め方
一 人 一 人が認 められ
大切 にされ る学級 づ くり
特別な ニー ズの ある子 どもの特性 に応 じた指導が、他 の子 どもたちにもわか る授
ユニバ ー サルデザイン化」 が 求め られています。ま
業 につなが る、 いわば授業の 「
た 、一 人一 人が認め られ大切に され る学級 づ くりに取 り組み、学級全体での安定 し
た信頼関係 を作 つてい くことが 重要です。 さらに、保護者 との信 頼関係 づ くり、保
護者同士の信頼関係 づ くりに つ なげていきた い ものです。
気軽 に相 談 できる体制 づ くり
保護者 に 、学級だ けでな く、学校全 体 で 「いつで も 白だれで も ・なんで も」相談
できることを広報 しておきます 。 さらに、スクー ル カウンセラー と相談 できること
や市町内の相談機 関 について も情報提供 しておきます。
-88-
保護者に安心感をもたらす相談
家庭での状況や生育歴等 について丁寧 に聴き取 つていきます。保護者の子育ての苦
労 に対 して労いのことばをかけ、悩み を受け止めます。
心配しすぎる保護 こは、保 護者 が納 得が い くまで話 に耳 を傾 けます。聴 き
取つてもらうだけで不安感が軽減されることがあります。
協力がな く、一 人で抱 え込む保護
多 くは、子 育 てに苦労 し疲れ切 つてい
ます。その こ とに労 いの こ とば をか け、学校 と協力 して子 どもの支援 を してい くこ と
を提案 します 。
学校 での状況について伝 える内容は 、保護者の誤解 を招 くことが ないよ うに前 も っ
て校 内支援委 員会 で検討 しておきます。そ して、子 どもの抱 える困 り感 について共通
理 解す るよ うに します。
大切な こ とは、子育てのパ ー トナ ー として信頼関係 を作 ってい くことです 。つ ま り、
協働 して子 どもへ の支 援 に取 り組む関係 を作 り上 げる出発点に します。
保護者の事情や心情を理解する
気 づ きに くい、 放放任
しているタイプの保護者は、その背景 となる事情や心情 を
任 している
理解することが重要です。ひとり親家庭で あ った り、経済的に困難な事情が あ り、
子 どもの養育 に気持ちを向ける余裕がないのかも しれません。また、保護者 自身が
放任 されてきた生育歴 をも っている こともあ ります。なかには、子育てが上手 くい
かず、子 どもとの愛着関係が結べ ないため、心理的虐待やネグ レク トなどの子 ども
虐待に陥 つている場合もあ ります。 こどもへの虐待が疑われる時は、福祉事務所な
どの関係機関と連携 して支援を進 める必要があ ります。
できる配慮や支援から取り組む
気づきのない保護者に気づいてもらうための大事
な手立てです
保護者 に子 どもの教育 について
関心 を持 つて も らうために、あ ら
ゆる機会 をとらえて学校での子 どもの様子 を伝えて いきます。特に支援の効果が
見 られた ことを伝えます。また、家庭でできる支援 も提案 し、保護者が実践する
ことで子 どもが変化 してい く手応えを感 じ取 つてもらうように します。
専 門機 関 へ の 紹介
学校 でできる支援 に限界が あるときは、他機関 と連 携 して、よ り専門的な意見
や診断 を求 めた り、家族全体の支援 を検討 した りす る必要が あ ります。 しか し、
医療機 関や相談機 関 との連 携 は、保 護者 が 受診や相談の必要性 を感 じた 時 に紹介
す るよ うに します 。保護者 か ら紹介の依 頼 が あれ ば、時機 を逃 さず受診や相談 ヘ
行 きやす いよ うに条件整備 を してあf ず
るよ うに します。
-89-
関係機関 との連携
困 つている子 どもたちの状況把握や具体的な支援策の検討などは、特別支援教育 ヨ
ー ディネー タが中心にな って 「
校内委員会」で協議する ことになるとはいえ、学校だ
けで うま く進める ことがで きる場合 もあ ります し、関係機関の力を借 りなければ うま
く進め られな いよ うな場合 もあ ります。
そ うした場合 に力になつて くれ る所 として、教 育や心理 ・医療な どの相談 に関する
兵庫県立障害児教育 セ ンター」 と 「ひ ょうご学習障害相談
専門家が配置 されて いる 「
大学の研究室」、福祉関係機
室」の他、県内にある 「
教育セ ンター」、 「
専門病院」、「
ー
「
ご
ブラ ンテ」や 「
いる
セ
ンタ
に
ひ
ょう
障害児 ( 者)
されて
発達障害者支援
各
関 委託
・
・
地域療育等支援事業実施施設」、「
盲 肇 養護学校」な どがあ ります。
診断機関」 「
相談機関」 「
療育機関」の三 つに分ける ことがで
関係機関は、大 き く 「
きます。
は
診断機関│で
子 どもたちの発達障害はもとよ り、種 々の障害 に関する診断を受ける ことがで
きます。また、学校生活や 日常生活 における配慮事項等 についての具体的なア ド
バ イスを受ける こともできます。
は
胸談機関│や
旗育機関│で
子 どもたちの行動観察 をは じめ保護者 ・担任 か らの情報 や持参 した資料 な どを
も とに、学校 生活 や 日常生活 における具体 的な支援方法 に ついてア ドバ イ ス を受
ける こ とがで きます。また、具体的なア ドバ イスや適切 な療育等 を行 つてい くた
めの各 種発達検査 も実施 しています。 こ うした検査 は、具体的な支援方策 を検討
してい く際 に有効 な資料 とな ります。
特 に、地域 のセ ンター 的役割 を担 う盲 コ聾 ・養護学校 は、身近な相談機関 として今
後その活用が大いに期待 されて います。
以下は、それぞれ 「
関係機関 を利用す る際の相談の流れ」
関係機関 との連携例 」 「
について説明 したものです。
【
関係機関 との連携例】
1ヽ
学校 と 中学 校 」 な どで の連 携
そ の 1 ) 「 幼 稚 園 と小 学 校 」 「′
相互 に 学校 訪 問や参観 をす るな ど して、子 どもの様子 や支援 の様子 の 把握
に努めて い る学校 が あ ります。
コ聾 口養 護 学校 との連 携
2
)
盲
の
そ
盲 ・窒 ・養護学校 はそのセ ンター 的役 割 を駆使 して、今 日まで蓄積 して き
た障害児教 育 に 関す る ノ ウハ ウをは じめ 、教材 や施設 な どを提供 ・開放 して
くれ ます 。学校 によ つて違 いは あ ります が 、ほ とん どの学校 が 「来検型教 育
-90-
相談」 と 「
巡 回型教 育相談 」 の いずれか を実施 して います 。
その 3 ) 相 談機関 ( 教育セ ンター ・大学) と の連 携
地域の教育セ ンター や大学などで実施 している発達相談に一緒 に同伴 した
り、療育 を受けてい る子 どもたちの様子 を見学 した りしなが ら、そこでのア
ドバ イス を日々の指導 に活かそうと努力 している学校が あ ります。
そ の 4 ) 医 療機関 との連 携
大学病院や総合病院などの小児神経科や児童精神科 をは じめ、個人ク リニ
ックなどでも診断や判定を した うえで、適切な支援へのア ドバ イス を提示 し
て くれるところが増え始めています。
そ の 5 ) 福 祉機関 との連 携
地域にある知的障害者更生施設や授産施設あるいは児童福祉施設などの地
域療育等支援事業を活用 して、療育相談はもとよ り放課後や休みの 日などに
おける地域療育 の連携 を図 つてい くことができます。
関係機関を利用する際の相談の流れ】(特別支援教育コーディネーターが行います)
【
日HHH凹国ロロロロー
校 内委員会 で情報 の 整理 を しま しょう
O 情 報 を整理 します
口子 どもの実態 ( 特徴)
・ノー ト、提 出作 品 ( 絵な ど)
・学校、幼稚園等での様子
・諸検査等の結 果
・
・家庭での様子
・現在取 り組ん で い る具体 的手だて
O 何 を尋ね た いのか を整理 します。
O関 係機関 に相談 をす る旨、保 護者 の 同意 を必ず得 ます。
同日観母▼
連絡 を と りま しょう
O 相 談、診察 な どの 日時 を調整 します 。
O あ らか じめ相談等 の概要 を説明 しておきます 。
O 誰 が行 くのか ( 誰と誰が行 くのか) を 伝 えておきます 。
TH H
▲旗 T
災 警▼
相 談 に 行 きま しょ う
O 校 内委員会 でま とめた 資料 を持参 します 。
O 必 ず保護者 と一緒 に行 きます。
O 学 校 関係者 は、担任 ・特別支援教育 コー デ ィネー ター ・養護教諭 な ど、
できるだ け複 数 の 者が行 くよ うに します 。
ア ドバ イス をもとに実際 に支援 を してみ ま しょう
O 実 際 に取 り組 んでみ て効 果 の あ った こ とを記 録 しておきます
O う ま くいか な い場合には、再度相談 を繰 り返 します
O 関 係機関 とは継続 して連絡 を取 るよ うに します
・ 幼 児児童生徒に関わ る個人情報や資料等を、関係機関 との相談の際に利用する
ような場合は、事前に必ず保護者の了解 を とつておかなければな りません。
・ また、 こ うした個人情報や資料等は、いかなる場合 において も決 して流出する
ことのないよ う慎重 に取 り扱わなければな りません。
-91-
( 参考)
兵庫県には連携 してい くことの できる機関 ・施設等がた くさんあ ります。以下に、
県内 に ある主な関係機関を掲載 しておきますのでご活用下 さい。
1 【 診断機関】 ※ 相談も受け付けて います
TEL0 7 8-994-2525
県立の じぎく療育センター
6
5
1
2
2
1
5
神
2
T
目
5
6
6-361
〒
戸市西区北山台
※ 診 断に関 しては、基本的に医療機関 とな りますので、必要に応 じてお問い合わせ
下 さい
2【 相談 ・療育機関】 ● は相談 ・療育ともに行 つている機関です
TEL0 7 8-222-3604
県 立障害児教 育セ ンター
〒6 5 1 - 0 0 6 2 神戸市 中央 区坂 口通 2 - 1 - 1 8
ひ ょうご学習障害相談室
TEL0 7 8-222-3604
〒6 5 1 - 0 0 6 2 神戸市 中央 区坂 口通 2 - 1 - 1 8
西宮市立スクー リングサポー トセ ンター ( 総合教育センター ) T E L 0 7 9 8 - 6 7 - 6 8 6 0
〒6 6 2 - 0 8 4 3 西
宮市神祇官町 2 - 6
TEL0 7 2-780-2480
伊丹市総合教 育セ ンター
6
6
4
0
8
9
8
伊
l
T
目
1
〒
丹市千僧
TEL0 7 9 4-21-5484
加古川市青少 年育成課教 育相談セ ンター
〒6 7 5 - 0 0 3 1 加古川市加古川町北在 家 2 7 1 8 青
少年女性 セ ンター 内
TEL0792-54-3601
●ひ ょう ご発達障害者支援セ ンター ク ロ ー バ ー
7
1
0
1
2
2
高
5
1
9
〒6
知的障害者更生施設 あか りの家 (隣接)
砂市北浜町北脇
●ひ ょうご発達障害者支援セ ンター ク ロー バ ー 加西 ブランチ T E L 0 7 9 0 - 4 8 - 4 5 6 1
〒6 7 5 - 2 2 0 2 加西市野条町 8 6 - 9 3 知
的障害者更生施設希 望の郷 内
ー
ー
●ひ ょうご発達障害者支援セ ンタ ク ロ バ ー 芦屋 ブランチ T E L 0 7 9 7 - 2 2 - 5 0 2 5
〒6 5 9 - 0 0 1 5 芦屋市楠 町 1 6 - 5 知
的障害児施設 三田谷 学園 ( 隣接)
中央 こ ど も家庭 セ ンタ ー
〒6 7 3 - 0 0 2 1 明石市 北 王子 町 1 3 - 5
TEL0 7 8-923-9966
中央 こど も家庭セ ンター 洲本分室
〒6 5 6 - 0 0 2 1 洲本市塩屋 2 T 目 4 - 5 ( 洲
西 宮 こど も家庭セ ンター
〒6 6 2 - 0 8 6 2 西宮市青木町 3 - 2 3
TEL0 7 9 9-26-2075
本総合庁舎内)
西 宮 こ ど も家庭 セ ンタ ー 柏 原 分室
〒6 6 9 - 3 3 0 9 丹波市 柏 原 町柏 原 6 8 8 ( 柏
TEと
TEと0798-71-4670
0795-フ
3-3866
原 総 合 庁 舎 内)
TEL0 6-6423-0801
西 宮 こ ども家庭セ ンター 尼崎駐在
6
6
1
0
0
2
4
尼
l
T
目
1
三
田町
〒
( 尼崎市教育 ・障害福祉 セ ンター 内)
崎市 反
ー
TEL0 7 9 2-97-1261
姫路 こど も家庭セ ンタ
〒6 7 0 - 0 0 9 2 姫
路市新在 家本 町 1 丁 目 1 - 5 8
豊 岡 こ ど も家 庭 セ ンタ ー
〒6 6 8 - 0 0 2 5 豊 岡市幸 町 1 - 8
TEL0 7 9 6-22-4314
-92-
3【 その他】 障 害児(者)地域療育等支援事業 実 施施設
すみれ園
TEL0 7 9 7-86-7122
〒6 6 5 - 0 8 2 2 宝塚市安倉中 3 - 2 - 2
ゆうゆう
TEL0 7 2-777-7486
〒6 6 4 - 0 0 0 6 伊
丹市鴻池字南畑 1 - 2
川西市 障害児 ( 者) 地域 生活支援セ ン ター ( さくら園) T E L 0 7 2 - 7 5 8 - 6 2 2 8 他
城生活支援セン周
TEL072-755-1772(さ
〒6 6 6 - 0 0 1 4 川西市小 戸 3 - 1 2 - 1 0
くら
園)
かるが も園
TEL0 7 9-568-1955
〒6 6 9 - 1 3 5 6 三
田市井ノ草 8 0 8
TEL0 7 9 8-47-9959
砂子療育園
〒6 6 3 - 3 1 3 1 西宮市武庫 川町 2 - 9
一 羊会地域 生活支 援 セ ンター
TEL0 7 9 8-23-6865
〒6 6 3 - 3 2 4 1 西宮市津 門大塚町 1 - 3 8 す
ずか け作業所 3 F
TEL0 7 9 8-39-2500
わかば園
〒663-8233 西宮市津門川町 2-28
た じかの園
TEL0 6-6423-0210
三
1
1
1
〒6 6 1 - 0 0 2 4 尼
田町
崎市 反
TEL0 7 9 8-56-1700
なな くさ精 光園
〒6 6 卜8 0 0 1 西 宮市 田近 野町 8 - 1
三 日谷学園
TEL0 7 9 7-22-5025
6
5
9
0
0
1
5
芦
1
6
5
〒
屋市楠 町
大地の家
TEL0 7 8-934-1212
〒6 7 4 - 0 0 5 1 明石市大 久保町大窪 2 7 5 2 - 1
TEL0 7 9 2-54-3292
あか りの家
6
7
1
0
1
2
2
高
〒
砂市北浜町北脇 5 0 4 - 1
姫路市総合福祉通園セ ンター ル ネス花北 T E L 0 7 9 2 - 8 8 - 7 1 2 2
〒6 7 0 - 0 8 0 6 姫路市増位新町 2 - 3 7
TEL0 7 9 0-48-2521
希 望の郷
〒6 7 5 - 2 2 0 2 加
西市野条 町 8 6 - 9 3
TEL0 7 9 2-32-6151
香翠寮
〒6 7 9 - 2 1 6 3 姫路市香寺 町土師 3 6 5 - 1
愛心園
TEL0 7 9 1-52-3959
〒6 7 8 - 1 2 4 1 赤穂郡 上 郡 町山野里 2 7 4 9 - 3 5
出石精和園 成 人寮 地域 支援室
TEL0 7 9 6-52-5288
〒6 6 8 - 0 2 6 1 豊岡市 出石町荒木 1 3 0 0
み つみ 学 苑
TEL0 7 9 5-77-0094
〒6 6 9 - 3 1 4 1 丹 波 市 山南 町 岩屋 4
ー軟マイ
児童デイサー ビスセンター 「
ルささ
やま
わかば」( 株
晰障害
者総合支援セン
タ
)TEL079-554-1566
1内
〒6 6 9 - 2 3 1 4 篠
山市東沢田 2 4 0 - 1
五 色精光園 地域支援室
TEL0 7 9 9-35-0231
6
5
6
1
3
3
2
洲
五
8
4
7
〒
本市 色 町広石北
-93-
4【 盲 ・聾 ・養護学校】
学 校
県立盲学校
名
県立淡路盲学校
〒番号
住
所
碓L番号
T655-0884 神戸市垂水区城 が山 4丁 目2-1
078-751-3291
T656-0053 洲本市上物部 2丁 目1-17
T650-0044 神戸市中央区東川崎町 lT目 4-2
T655-0013 神戸市垂水 区福 田 lT目 3-1
〒670r0012 姫路市本町68
T668-0047 豊岡市三坂町2-9
T656-0053 洲本市 上 物部 2T目 1-17
0799-22-1766
神戸市立盲学校
県立神戸聾学校
県立姫路聾学校
県立豊岡聾学校
県立淡路聾学校
T663-8001 西宮市 田近野町8-3
県立 こばと聾学校
神戸大学発達科学部附属養護学校 T674-0051 明石市大久保町大窪 2752-4
44 神戸市北区大脇台 10-1
〒651-‖
県立 神戸養護学校
T663-8001 西宮市 田近野町11-7
県立阪神養護学校
T664,0017 伊丹市瑞ケ丘2-3-2
県立 こやの 里養護学校
〒669-1515三田市大原梅 の 木 1546-6
県立高等養護学校
078-360-1133
県立氷上養護学校
県立 いなみ野養護学校
T669-4274 丹波市春 日町棚原3098-1
0795-75-1737
〒675-1114加 古郡稲美町国安 1284-1
〒679-1112多可郡 多可町中区問子字向 田602-1
0794-92-6161
T671-0247 姫路市 四郷町東阿保字下戸明476-1
0792-85-3765
県立北は りま養護学校
県立姫路養護学校
T678-0252赤穂市大津 1305
T679-5165 た つの市新宮町光都 1-3-1
T668-0204 豊岡市出石町宮内2-8
県立出石養護学校
T656-1337 洲本市 五色町下堺 1062-2
県立淡路養護学校
T657-0846 神戸市灘 区岩屋北町 6丁 目 1-1
神戸市立青陽東養護学校
T655-0049 神戸市垂水 区狩 回台 3丁 目 可-3
神戸市立青陽西養護学校
神戸市 立 青陽高等養護学校 T654-0155 神戸市須磨区西落合 lT目 1-4
三木市立 三 木養護学校
T673-0521 三木市志染町青山 7T目 1-8
T675-1359 小野市 昭和 町 458-打
小野市立小野養護学校
T675-2213 加西市西笠原町 172-50
加西市立加西養護学校
〒651-2215 神戸市西 区北山台 2丁 目566-134
県立の じぎく養護学校
T679-4002 た つの 市 揖西 町 中垣 内 乙 135
県立 播磨養護学校
T669-5252 朝来市和 国山町竹田1987-1
県立和 田山養 護学校
T658-0052 神戸市東灘区住吉東町4-1-58
神戸市立友生養護学校
T655-0033 神戸市垂水区旭 が丘 2-1-15
神戸市立垂水養護学校
県立 赤穂養護学校
県立西 は りま養護学校
078-709-9301
0792-84-0331
0796-22-2114
0799-22-1766
0798-53-5061
073-936-5683
078-592-6767
0798-52-6868
072-777-6300
079-563-0689
0795-32-3672
0791-43-9266
0791-59-8277
0796-52-3565
0799-35-0204
078-871-1800
078-781-1543
078-793-1006
0794-84-0830
0794-66-2571
0790-48-2304
078-994-0196
0791-66-0091
079-674-0214
078-851-0630
078-709-7555
尼崎市立尼崎養護学校
西宮市立西宮養護学校
伊丹市 立伊丹養護学校
T663-8001 西宮市 田近野 町 10-45
0798-52-0182
〒663-8161 西宮市 甲子 園春風 町 2-29
0798-34-6551
T664-0006 伊丹市鴻池字車場 8
072-783-5436
宝塚市立養護学校
T665-0822 宝塚市安倉中 6T目 1-3
T666-0143 川西市清和 合西 2T目 3-81
0797-84-0953
〒674-0051明石市 大 久保町大窪 2752-1
078-918-5935
川西市立川西養護学校
明石市立明石養護学校
加古川市立加古川養護学校 〒675-1214加 古 川市 上荘町 見 上 呂 34-1
姫路市立書写養護学校
篠 山市立篠 山養護学校
県立上野ケ原養護学校
072-799-1456
0794-28-2645
T671-2203 姫路市害写 台 3-148-1
0792-66-0028
T669-2300 篠山市沢 田 120-1
〒669-1515 三田市大原梅の木 1546-6
079-552-5237
-94-
079-563-3434
5【 LD等 巡回教育相談】
平成 1 6 年 度よ り実施 されている 「L D 、 A D H D 等 に関する相談 ・支援事業」の
一 つ として、県立障害児教育センター
巡回教育相談 と並行 して 「L D 等 巡回教育相談」
を県下 1 5 ヶ 所で実施 しています。医学、心理、教育等 の専門家による相談を行 つて
います。
平成 1 7 年 度は、 7 月 1 2 日 ∼ 1 0 月 7 日 に実施 し、 L D B A D H D ・
高機能 自開
症等に関する相談件数は、 1 8 0 件 ありま した。
L D 等 巡回教育相談 に関す る問 い合わせ : 下 記 「ひ ょう ご学習障害相談室 」まで 。
ひ ょう ご学 習 障害相 談室
( 県立障害児教育センター )
65剛
6 2 神戸市中央区坂 回通 2 丁 目 1 - 1 8
〒
( 兵庫県福祉センター 5 階 )
URL http://www.hyogo―c.ed.jp/∼shogaiji―bo/
E―mail shogai」i―
boOhyogo―c.ed.jp
※ 担 当する幼児児童生徒 に関 して、心配なこと悩 んでいることが
あ りま した ら、お気軽 にご連絡下 さい。
TEL/FAX 078-222-3604
相 談 予約 : 月 ∼金 9 : 0 0 ∼1 7 : 0 0 ±
-95-
9 : 0 0 ∼1 2 i 0 0
参者 ・ヨ1用文 献 等
口「小 中 学 校 に お け る L D ( 学 習 障 害 ) 、 A D H D ( 注
意 欠 陥 / 多動 性 障 害 ) 、高 機 能 自閉
症 の 児 童 生 徒 へ の 教 育 支 援 体 制 の 整 備 の た め の ガ イ ドラ イ ン ( 試案 ) 」
文部科学省 ( H 1 6 )
・「高 機 能 自 閉 症 、 A D H D 、
L D の 支 援 と指 導 計 画 」 付 録 ( 通
「
常の学級担任のための指導ヒント
集1 )
東 京 コー デ ィ ネ ー ター 研 究 会 編 ( H 1 6 )
口「L D ・ A D H D ・
高 機 能 自 閉 症 の 子 ど も の 指 導 ガ イ ド」
独 立行政法 人国立特 殊教 育総 合研 究 所 ( H 1 7 )
・「気 に な る 子 へ の 支 援 完 全 Q & A 」
石塚 謙 二 等 編 : 小 学館 ( H 1 7 )
。「L D 児 の 言 語 ロコ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 障 害 の 理
解 と指 導 」
竹 田 契 一 日里 見 恵 子 ・西 岡 有 香 著 : 日 本 文 化 科 学 社 ( H 9 )
・「L D 児 サ ポ ー トプ ロ グ ラ ム 」
竹 田 契 一 監 修 太 田 信 子 ・西 岡 有 香 白田 畑 友 子 著 : 日 本 文 化 科 学 社 ( H 1 2 )
口「実 践 イ ン リア ル ・ア プ ロ ー チ 事 例 集 」
竹 田 契 一 監 修 里 見 恵 子 ・河 内 清 美 ・石 井 喜 代 香 著 : 日 本 文 化 科 学 社 ( H 1 7 )
・「学 習 障 害 ( L D ) 及 び そ の 周 辺 の 子 ど も た ち
」
尾 崎 洋 一 郎 8 草 野 和 子 口中 村 敦 コ池 田 英 俊 著 : 同 成 社 ( H 1 2 )
・「A D H D 及
び その周 辺 の子 どもた ち」
尾 崎 洋 一 郎 ・草 野 和 子 口池 田 英 俊 ・錦 戸 恵 子 著 : 同 成 社 ( H 1 3 )
・「高 機 能 自閉 症 ・ア ス ペ ル ガ ー 症 候 群 及 び そ の 辺 の 子 ど も た
周
ち」
尾 崎 洋 一 郎 ・草 野 和 子 著 : 同 成 社 ( H 1 7 )
口「軽 度 発 達 障 害 の 心 理 ア セ ス メ ン ト ∼ W i S C ―
IIIの
上 手 な 利 用 と事 例 ∼ 」
上 野 一 彦 ・服 部 美 佳 子 ・海 津 亜 希 子 編 : 日 本 文 化 科 学 社 ( H 1 7 )
・「w l s c ―
IIIア
セ ス メ ン ト事 例 集 ∼ 理 論 と 実 際 ∼ 」
藤 田 和 弘 ・前 川 久 男 ・大 六 十 志 口上 野 一 彦 ・石 隈 利 紀 著 : 日 本 文 化 科 学 社 ( H 1 7 )
。「発 達 障 害 の あ る 子 の 困 り感 に 寄 り添 う支 援
」
佐 藤 暁 著 : 学習 研 究 社 ( H 1 6 )
口「地 域 口家 庭 ・学 校 の た め の よ くわ か る個 別 の
教育支援計画 Q & A 」
全 国特殊 学校 長会 編 著 : ジ アー ス教 育新社 ( H 1 7 )
コ「L D 、 A D H D 、
高 機 能 自閉 症 支 援 ガ イ ド」
京都 府教 育委 員会 ( H 1 6 )
口「す べ て の 教 員 の た め の 『特 別 支 援 教 育 入 ガ イ ドブ
門
ッ ク 』」
群 馬 県総 合教 育 セ ンター 特 別 支 援教 育 指 導 資料 第 1 7 集 ( H 1 7 )
・「高 機 能 自 閉 症 ・ア ス ペ ル ガ ー 症 候 群 」
長 崎 県 教 育 セ ン タ 千 W e b 情報 第 8 4 号 ( 気
になる子どもたちシリーズ2 ) ( H 1 5 )
。「子 ど も の 特 性 を考 え た か か わ り方 の 基 本 」
長 崎 県 教 育 セ ン タ ー W e b 情報 第 9 0 号 ( 気
になる子どもたちシリーズ1 ) ( H 1 6 )
口「A D H D ( 注
意 欠 陥 / 多動 性 障 害 ) の理 解 に 向 け て 」
長 崎 県 教 育 セ ン タ ー W e b 情報 第 1 4 8 号( 気
になる子どもたちシリーズ3 ) ( H 1 7 )
・「学 習 及 び 行 動 に お い て 指 導 上 特 別 な 配 慮 を要 す る 児 童 生 の
徒 実態把握表」
長 崎 県教 育 セ ンター H P
口「小 日中 学 校 に お け る通 常 学 級 担 任 の た め の 指 の ア イ デ ア
導
」
北 九 州 市教 育 委 員会 ( H 1 7 )
・「気 が か りな 子 ど も の 理 解 と支 援 マ ニ ュ ア ル
」
練 馬 区教 育 委 員会 ( H 1 7 )
・「特 別 な 教 育 的 支 援 を必 要 とす る 児 童 生 徒 の 気 に な る 状 態 像 と 対 応 Q & A 」
鹿 児 島 県総 合 教 育 セ ン ター H P
口「は じめ よ う A D H D の
へ
子 ど も達 の 支 援 」
福 岡 県 教 育 セ ン ター ( H 1 5 )
。「特 別 支 援 教 育 に お け る相 談 支 援 の た め の 手 引 き 」
北 海 道 教 育 庁 生 涯 学 習 部 小 中 ・特 殊 教 育 課 ( H 1 6 )
-96-
平成 16・ 17年 度 LD、
に関す る相談 口
支援事業
ADHD等
学 習 障害 児 等 支 援教 育 研 究 専 門委 員会
委員長
花 田 雅 憲 (近畿大学 名 誉教授、ひ ょうご学習障害相談室長)
委 員
中 林 稔 発 (神戸大学 教 授)
宇 野 宏 幸 (兵庫教育大学 助 教授)
奥 田 健 次 (桜花学園大学 助 教授)
山 本 有 二 (加古川市教育委員会青少年育成課教育相談センター所長)
長谷川 琴美 (県立豊岡聾学校 教 諭)
西 面 信 秋 (県立 こやの里養護学校 教 諭)
橋 本 正 巳 (川西市立川西養護学校 教 諭)
秋 元 雅 仁 (伊丹市立伊丹養護学校 教 諭)
仁 田 洋 子 (伊丹市立桜台小学校 教 諭)
中 矢
事務局
芳
(明石市立山手小学校 教 諭)
前 澤 明 美 (県立西は りま養護学校 養 護教諭)
高 島 清 子 (県立障害児教育セ ンター所長)
島 村
泰
(斬16暇 県 立障害児教 育 セ ンター所長)
橋 詰 禾回也 (県教育委員会障害児教育室主任指導主事)
大 西 繁 樹 (県教育委員会障害児教育室指導主事)
半 田 滋 人 (県立障害児教育センター指導主事)
松 本 茂 樹 (県立障害児教育センター指導主事)
栗 木 典 子 (瑚16犠 県 立障害児教育センター指導主事)
専 門 委 員 会 開 催 日程 ( 於 県 立 障 害 児 教 育 セ ン タ ー )
第 1回
平 成 17年
1月
7日
第
2回
平 成 17年
1月
20日
第 3回
平 成 17年
3月
10日
第
4回
平 成 17年
4月
28日
第 5回
平 成 17年
7月
7日
、 14日
第 6回
平 成 17年
9月
1日
第 8回
平 成 18年
1月
5日
第
( ワー キ ン グ グ ル ー プ別 に 協 議 )
7回
平 成 17年 11月
そ の 他 、 必 要 に 応 じて 、 ワ ー キ ング グ ル ー プ ご とに 小 委 員 会 を随 時 開 催
-97-
11日
おわ りに
兵 庫 県 「L D 、 A D H D 等
に 関 す る相 談 ・支 援 事 業 」 ( 平成 1 6 、 1 7 年 度 ) の
研 究 , 研 修 部 門 の 一 環 と して 、学 習 障 害 児 等 の 支 援 の た め の 指 導 手 引 き を作 成 す
るた め に 学 習 障 害 児 等 支 援教 育 研 究 専 門 委 員会 が 設 立 され 、兵 庫 県立 障 害 児 教 育
セ ン タ ー に置 か れ ま した 。作 成 に あた って 、 L D B A D H D 日
高 機 能 自開 症 等 の
子 ど もた ち に 関 す る現 状 調 査 ・分 析 を行 い 、協 議 を重 ね て きま した 。 この 間 、 多
くの 方 々の ご協 力 と ご助 言 を いた だ き、 こ こに 指 導 手 引 き 「特 別 な支 援 が 必 要 な
子 ど もた ち の た め に 」 をま とめ 、 発 行 す る こ と とな りま した 。
障 害 児 教 育 か ら特 別 支 援 教 育 へ の 転 換 が 図 られ よ うとす る この 時期 に 、 当指 導
手 引 きが 通 常 の 学 級 の 先 生 方 に と って 、教 育 実 践 上 参 考 とな り、研 鎮 を深 め て い
くた め の 資 料 とな る等 、 L D B A D H D ・
的支 援 の 一 助 とな ります こ と
高 機 能 自閉症 等 の 子 ど もた ち へ の 教 育
を願 つて い ま す 。
詳細 な様 式等 につ きま しては 、下記 U R L の ホー ム ペ ー ジに随 時
ア ップデ ー トします 。必要 に応 じて、アクセス して下 さい。
URL __http://www.hyogo―c口
ed.jp/∼shogaiji―
bo/
ホ ー ム ペ ー ジ 内 ア ッ プデ ー ト予 定 資 料
個 別 の指導 計 画様 式例
個 別の教 育 支援計 画様 式例
個
ア
別の指導計画実践事例
セ ス メ ン ト、W I S C 一
III
関係 機 関 等
ダ ウ ン ロー ド用
指 導 手 弓│ き : 「特 別 な 支 援 が 必 要 な子 ど もた ちの た め に 」
リー フ レ ッ ト : 「特 別 な 支 援 が 必 要 な子 ど もた ち の た め に 」
(表紙デザイン)県 立神出学園副校長 藤 井 淳 一
「特別 な支援が必要 な子 どもた ちのため に」
平成 1 8 年 3 月
発行 : 兵 庫 県教 育委 員会
兵庫 県立 障害児教 育セ ン ター
〒6 5 1 - 0 0 6 2 神
戸市 中央区坂 回通 2 丁 目 1 番 1 8 号
TEL/FAX
078-222-3604
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mailishogaiji一
bo@hyogo―
c.ed.jp
(襲称 :ココロン)
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こころ豊かな美しい兵庫〃
を
めざして
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