遣濃デ】タとレーダーデータから見た Cbクラスターの ライフサイクル

気象衛星センター 技術報告 第21号 1990年12月
T回データとレーダーデータから見たCbクラスターの
ライフサイクル
The representation of Cb Cluster'sUfe cycle
using Tbb data and radardata.
桜田 正美*
Masami
Sakurada
Abstract
We
attempted
from
GMS
temperature
▽T
Tbb
to describe
data.
than
coincident
⑤cluster
radar
data
difference
life stage of a Cb
of − 30°Cor colder ,②at
area is greater
does
not separate
within extracted
the highest
and
we
or merge.
area through
the lowest
Tbb
indices derived
set following
the boundary
than l,250km^④cluster
of TBB≦−50°C is the best index
between
cluster by using some
objectively Cb cluster areas,
1°C/km, ③the
increment/decrement
And
roughly
extract
of the area is composed
is greater
on hourly images,
with
To
indices
five criteria;①
of the cloud area,
tracking
are examined
life cycle. Result shows
of devloping/weakening
temperature
is possible
comparing
that the areal
of a Cb cluster.
is also a good
index
of Cb
cluster's life stage。
Relationships
temperature
between
reached
during
have a short life time
temperature.
Cb
of 5 to 7 hours
temperature
maximum
of about
clusters with
and
when
3 hours.
and
respectively.
clusters have
and between
Cb
The
sizs greater
and greater
do not reach
than
coldest temperatures
than
the size and coldest
clusters smaller
coldest temperatures
size of 10,000-30,OOOkm^
7 to 10 hours
Cb
areal size and life time,
life cycle is also investigated.
30,000㎞2
reach
than
10 ,OOOkm^
the tropopause
have life time
the tropopause
lO.OOOkm^
分解能で比較することが可能になった。
1。はじめに
この調査では、まずGMSのTBBデータからCbク
衛星の雲解析から得られる情報の中で、最も重要な
ラスターに対応する領域を客観的に抽出し、次いで
一つは発達した積乱雲群(Cbクラスター)に間する情
TBBから求めたパラメータとレーダーエコーを比較
報である。Cbクラスターの発生や移動はもちろん重要
することにより、Cbクラスターの発達・衰弱を客観的
な情報であるが、ライフサイクルのどの段階にあるか
に判断することを試みた。また、Cbクラスターの水平
を知ることも重要である。これまでは主に画像上で雲
スケールによるライフサイクルの違いについても調査
頂の輝度や、雲城の形状から定性的に発達や衰弱が推
した。
測されてきた。しかし、このような定性的な判断には
2。調査データ
必ずしも明確な基準がなく、また十分な検証も行われ
ていない。日本付近で見られるCbクラスターは一般
衛星データとレーダーエコーを定量的に比較するた
的に数時間から10時間くらいの寿命であり、GMSの
めに、毎時のTBBと合成されたデジタルレーダーを使
観測が3時間間隔であった時代にはライフサイクルを
用した。そのデータの詳細及び、今回調査対象とした
的確に捉えることは無理であった。現在はGMSは1
Cbクラスターは次の通りである。
時間ごとの観測を行っており、また同じ1時間間隔で
(1)TBB格子点値(赤外輝度温度)
デジタルレーダーの観測データが得られるので、GMS
ランペルト変換されているレーダーエコーと一対一
のTbb
の対応を取るために位置座禅はランペルト変換したデ
(赤外輝度温度)とレーダーエコーを同じ時間
* 気象衛星センター解析課
−57−
METEOROLOGLCAL
SATELLITE
−タを使用した。範囲は32.4N
CENTER
TECHNICALNOTE
123.6Eから39.0N
N0.21DECEMBER,
1990
T凹分布図を見ると−30°C以下の領域は、07∼09
152.4Eで、格子点間隔5km、250×480の格子を設定
UTCまではほぼ震域全体を占めているが、衰弱した
し、この中のレーダー探知範囲に限定した。TBB値は
時期(10UTC)では−30°Cより暖かい温度領域が多く
格子点の位置座標に最も近い画素の値を採用した。
現れた。一方、−50°C以下の温度領域は08UTCで面積
が最大となり、09UTCでは減少し、さらに衰弱が進む
(2)レーダーエコー
につれてこの領域がなくなっているのがわかる。
エコー強度はO∼15レベルで使用した。合成基準は
(2)断面の時間変化
「レーダーエコー合成図」と同じである。
(3)対象としたCbクラスター
TBB断面図の時間変化を見ると、発生時の07UTC
① 1988年7月13日18UTC∼7月16日06UTC
では貫頂が高く直径が短い細く立った形で震頂は鋭い
総観場では梅雨前線が朝鮮半島南部から中国、四
山形をしている。
国地方に停滞し、前線上で活発なCbクラスターが
程度に高いが貫頂はやや平らになり始め、直径が07
発生して山陰地方に豪雨をもたらした。
UTCより大きくなっている。これは、上層の発散によ
② 1988年8月17日
08UTCには貫頂高度は07UTCと同
るアンビルCiの広がりを意味している。衰弱時(09、
10UTC)では貫頂高度が下がり貫頂の形が崩れてい
日本海西部に弱い熱帯低気圧がありこの周辺で
Cbクラスターが多数発生した。
る。これはアンビルCiがさらに広がって薄くなり、中
③ 1989年7月22日∼8月19日
心の低温核以外は地表の放射の一部が透過してTbb
7月の事例は太平洋高気圧におおわれていたが上
が高く観測されるのが原因と考えられる。
空500mbでは−6°C以下の寒気が入り込み対流不
安定により日本全土でCbが多数発生した時期であ
このように、貫画像上で定性的に見ていたCbクラ
る。8月の事例は熱的要因によるCb及び海上で発
スターの発達・衰弱が、あるしきい値のTBBの面積の
生したCbを対象とした。主にこの時期は孤立した
変化や貫頂の変化から客観的に判断できると考えられ
小さなCbを対象としている。
る。そこで次にはこのような変化を表現するTBBのパ
ラメータを用いて発達・衰弱を客観的に表現すること
3. T8B分布の変化で見たCbクラスターのライフ
を試みる。
サイクル
4. Cbクラスターの抽出
一般的に貫画像から観測されるCbクラスターのラ
イフサイクルは、貫頂温度の変化や霊域の増減などを
TBBの面積などをパラメータとして使うためには、
判断して定性的に見ている場合が多い。また、貫画像
Cbクラスターの領域を客観的に決める必要がある。そ
は平面的に上から見ており、立体構造は観察されない。
こでCbクラスターをある条件のもとで自動抽出する
T闘値を適当な温度で区切ればその面積の変化や貫
ことを考えた。
頂温度の変化を客観的に知ることができ、また、Tbb
4.1 抽出条件
断面図を作成すると立体的な構造が良くわかる。
ライフサイクルを見る場合、構造が複雑なマルチセ
Cbクラスターは赤外画像上では白く輝いた低温域
ルタイプのCbクラスターより孤立したシングルセル
として見られ、きわだった縁を持つ震域として認めら
タイプのCbの方が簡単である。
れる。この温度の基準としては、例えばMaddox
Fig.lは1989年7月22
日四国高松付近で発生したシングルセルタイプのCb
(1980)は米大陸上のMCC
の例である。このCbは4時間持続し、レーダーから判
Complexes)の判定基準として−32°C以下の低温域と
断すると08UTCが最盛期であった。図の(a)はTbb
することを提案している。また、元木(1983)はティ
の−30°C以下の領域と−50°C以下の領域にハッチを付
パリングクラウドに関する調査で、ティパリングクラ
けて時間変化を見たもので、(b)、(c)には時じ時間
ウドの領域は−30°C以下の温度に対応するとして調査
の直交する2方向のTBB断面の変化を示した。この例
をしている。このように活発な対流雲の領域の判定基
でCbクラスターのT8B分布及びTBB断面は次のよ
準値として−30°C以下としている例が多い。境界を決
うな変化を示した。
める条件としては、Cbクラスターの雲域の周囲で等温
(1)TBB分布の時間変化
(Mesoscale
Convective
線が密で温度傾度が大きい特徴を利用する。長谷川、
−58−
気象衛星センター 技術報告 第21号 1990年12月
Tbb
Cross
Section
Tbb
line
0 0 0 C D 0 0 0
.﹃ ︲7 ︲6 ︲5 ︲4 乃 々 。︲1
Ool 3UコiVy3dU3i
0 0 0 0
4 Q丿 つ` l
0.13ynivy3dH3i
0 0 0 0
e 7 6 IJ
一 一 一 一
Pixcel
0
0
10
10
20
20
40 80
DISTANCE
07UTC
IKM)
120
160
200
240
280
DISTANCE (KMl
07UTC
07UTC
0 0
8 7
-80
0
6 0
S 0
4 0
3 0
2 0
1
﹄一 一︷ 一 一
Ooi 3yniva3dW3i
0 0 0 0 0
6 CJ 4 QJ nZ
一 一 一 一 一
(3.1 3ynivy3dU3i
−70
10
0 0
1
0 0
1
20
20
40
80
120
160
200
240
280
40
80
OISIANCE (KM)
08UTC
08UTC
160
200
240
280
IKM)
︲6 ︲7 ︲6
0 0 0
乙o
0 0
8 7
一 一
−
-60
0 0 0
I″nz 1
︷ f 一
0
O D 0 0 0
︲5 べ り ︲2 。っ
3ynivy3dW3i
0 0
5 4
一 一
I 3ynivy3dH3i
o
L20
DISTANCE
08UTC
0
10
10
20
20
40
80
120
160
200
240
匯M)
DJSJANCE
09UTC
09UTC
40
280
60
120
160
200
240
280
DISTANCE 削M〕
09UTC
−70
0 0 0 0 0
rD CJ 4 1︸n4
一 一 一 一 一
Ooi 3yni\y3d
Co) 3ynivy3dU3i
0 0 0 0 0 0 0 0
J ︲7 ︲6 ︲5 ︲4 り ︲2 ︲1
-60
U」
゛ ̄−10
0
0
10
10
20
20
Fig.l Temporal
variation
of a Cb-cluster.
In
(a)
hatched
respectively
along
(KM)
DISTANCE
lOUTC
b)
lOUTC
a)
The
area
of Tbb
horizontal
Cb-cluster
and
blacked
was
。(b)and(c)shows Tbb
the pixcel and
variation
the line respectively.
and
cross section (b,c)
on July 22, 1989 at sikoku
represent
−59−
c)
distribution (a)
observed
area
DISTANCE
lOUTC
areas
both
below
crossing
district.
− 30°Cand
− 50°C
the gravity
center
匯出
METEOROLOGLCAL
SATELLITE
CENTER
TECHNICALNOTE
N0.21DECEMBER,
1990
二宮(1984)の長崎豪雨の調査ではCbクラスターの風
第3ステップ:「境界温度」の決定
上側の温度傾度の大きい領域は豪雨域に良く対応する
Cbクラスターに対応する境界を決める温度傾度
ことを示している。また、単に−30°C以下の領域をあ
のしきい値は1°C/kmとした。この値は画像上で
てはめると、Ci域、特に厚いCi域を数多く拾うことに
認識されるCbとこの方法で切り出す霊域が合致
なるので温度傾度の大きい領域を探す方が効率的であ
するよう経験的に決めた。
る。衛星からCbクラスターの特徴を抽出するために
1°Cづつ順次大きくし、dT/drがこのしきい値
To=TIとして温度を
はある程度の大きさがないとT皿からの特徴がつか
より小さくなったときの温度、すなわち切り出さ
みにくい。従って、次の(1)∼(3)を客観的抽出条件とし
れた領域の最高温度を「境界温度」とする。
た。
第4ステップ:抽出の対象とする霊域の決定
(1)−30°C以下の格子のみで構成されている。
「境界温度」で囲まれる震域を抽出する対象の霊
(2)霊域の境界で温度傾度が1°C/kmより大きい。
域とする。ただし、「境界温度」が−30°Cより高い
(3)面積が1250km2(50格子)以上である。
場合は、−30°Cの等温線で囲まれる震域を抽出対
Cbクラスターを発達から衰弱にかけて追跡する必要
象とする。
があること、できるだけ単純な例を調べた方が特徴が
第5ステップ:「抽出霊域」の決定
つかみやすいことから霊域の分裂、併合がないことを
ある程度組織化したCbクラスターを解析対象と
条件とした。このため次の二つの条件を加えた。
するため、面積1250km2(50格子)以上の震域のみ
(4)毎時の画像で追跡が可能である。
を対象とし、これを「抽出霊域」とする。
(5)霊域の分裂、併合がない。
レーダー探知領域内を抽出対象範囲とし、第1ステ
(4)、(5)の判断は自動化が難しく、人間の判断が必要で
ップから第5ステップまで繰り返す。以上まとめた処
ある。
理フローをFig.
2に示す6
「抽出霊域」を取りだす際には、人間の判断によっ
4。2 抽出方法
て同一の霊域であるかどうかをチェックする。この方
4.1項の条件を満たすCbクラスターに対応する
法を毎時の画像に適用して一つの霊域の発生から消滅
霊域を抽出するために、肆矢、鈴木(1988)と同様に
までの「抽出震域」を得る。
次の手法を用いた。
4。3 抽出霊域の例
第1ステップ:低温なTBBで構成されている格子
点を探し、その内最も冷たい温度をT。とする。T。
TBB分布からCbクラスターの領域を抽出した例を
で囲まれる面積Soを設定する。
次に示す。
第2ステップ:温度傾度の算出
Phot0.1は1989年7月12日12UTCのIR画像である。
Toの等温線で囲まれる面積SoとTI(T1〉To)の
山口県付近に輝度の高いCbクラスターがある。また、
等温線で囲まれる面積S1から、温度傾度dT/dr
岡山県付近、対馬の東海上にばCg(注参照)程度の雲
を求める。
域がある。これをTBBの等値線図(Fig.
dT/drは、抽出した霊域の等温線が円形で温度傾
山口県付近の輝度の高い領域は−50°C以下の低温域で
度は方向によらないと仮定して、次のように計算
構成されている。その他は−50°C以下の温度を観測し
する。
ていない。このTBB分布からCbクラスターの領域を
ここで
抽出したのがFig.
S=πΓ2
2π「
温度傾度は
2,/ご冊
の領域が抽出されており、レーダーエコーも良い対応
を示す。しかし、九州及び四国の南海上の塊上のCi域
従って、
dT
一
d
一
一
r
4である。この中にはレーダーエコ
ーも合わせて表示してある。Cbクラスターに対応する
s
領域(図上の番号6)とCg(図上の番号1、2、8)
dT
d
r
一
dr=
d
−
 ̄ ̄汀7m
一
d s
3)で見ると、
24sこ且=2、/jtSn
(T1− To)
(SI− So)
TI=To+1°CとしてdT/drを求める。
(注)気象衛星センターでは積雲(Cu:ぬ)と羽毛
状巻雲を伴った積乱雲(Cb:私 )の間の段階の
「発達した積雲又は無毛状積乱雲」をCg(&)
と分類している。
−60−
気象衛星センター 技術報告 第21号 1990年12月
Fig. 2 Schematic
flow of subjective extraction of Cb-clusters from Tbb field.
−61
METEOROLOGLCAL
SATELLITE
Photo. 1 GMS
CENTER
TECHNICALNOTE
infrared image
Fig. 3 Tbb contour map
at 12UTC
at 12UTC
−62−
N0.
21DECEMBER,
on July 12. 1989.
on July 12,1989
1990
気象衛星センター 技術報告 第21号 1990年12月
1
5
Fig.4 Automatically extracted Cb-cluster areas (solid lines) and composited
echo (hatched pattern) chart at 12UTC on July 12,1989.
Simbols of hatched pattern denote :-below 3・/h.=4
【!】over
64㎜/h.
radar
to 15㎜/h. *16 to 63 −/h。
も合わせて抽出している。従って、この方法で抽出し
ダーエコーとTBBについてパラメータを設定した。
た震域がCbかCiかの最終的な判断は人間が行う必
TBBのパラメータはCbクラスターの面積と雲頂の状
要がある。
態を表すパラメータである。
(1)
5. Tbbのパラメータから見たCbクラスターの発達
Tbbのパラメーター
Nci :「抽出雲域」内の格子総数
・衰弱の特徴
NC2 :「抽出雲域」内の−50°C以下の格子数
発達・衰弱を判断するためには基準となる値が必要
Tlo :「抽出震域」内の最低温度
である。ここでは抽出した震域に含まれるレーダーエ
Thi :「境界温度」
コーの格子数の増減を発達・衰弱の判断基準としてラ
Tdv :「抽出雲域」内の温度分散
イフサイクルを考察する。即ち、レーダーエコーの格
(2)レーダーエコーのパラメータ
子数が最も多いときを最盛期とする。
Nei :「抽出雲域」内のレーダーエコーの格子総
数
5.1 TBBのパラメータとレーダーエコーのパラメ
N
ータ
E2 :「抽出雲域」内の4
m/hr以上の強度を持つ
レコーダーエコーの格子数
自動抽出したCbクラスターのTBB分布とレーダ
Nc2の温度を−50°Cにした理由は、基礎調査の段階
ーエコーを毎時の画像で定量的に比較するためにレー
で−50°Cの温度は発生から衰弱までの各段階に共通し
−63−
METEOROLOGLCAL
SATELLITE
CENTER
TECHNICALNOTE
N0.21DECEMBER,
1990
て現れる温度であり、−60°C、−70°Cの温度はある時間
の後NE1最大を境に上昇している。
では現れるが、ライフサイクルをとうして常には現れ
温度差はNE1の減少時に急速に小さくなる。「抽出
ないことが分かったことによる。
震域」の温度分散(TI)V)はNE1の増加時には高い値
Maddox
(1980)も
THIとTLOの
MCCの中の対流活動の強い部分は−52°C以下の低温
を示し、NE1、Nclの減少時には急速に減少してい
域と対応することを示している。ただし、冬季など圏
る。
界面が低くCbクラスターの貫頂が低い場合はもっと
② 福岡県で発生したCbクラスター
暖かい温度にする必要がある。
(1988年7月15日07UTC-16UTC)
福岡県で発生したCbクラスターが発達しながら
5。2 パラメータの時間変化
霊域を拡大し、南東進して四国沖で衰弱した。梅雨
対象としたCbクラスターは7月8月に発生したも
前線が九州北部を通り東海沖に速しており、このCb
のであり、前線上に発生した水平スケールの大きなCb
クラスターはこの前線近傍で発生している。
クラスターと不安定による比較的水平スケールの小さ
各パラメータの時間変化図(Fig.
い孤立したCbとタイプの違うCbクラスターを含ん
ーエコーのパラメータNE1は11UTCで最大になり
でいる。以下に、このタイプの違うCbクラスターのパ
13UTCまで減少、14UTCではほぽ横ばいになりそ
ラメータの時間変化の例を示す。
の後減少している。一方、NE2は11UTCで最大にな
7)では、レーダ
りその後一様に減少している。これに対して、Tbb
(1)前線上に発生したCbクラスター
のパラメータNc1の変化は12UTCで第1のピーク
① 隠岐島付近で発生したCbクラスター
を持ち、その後減少して14UTCで第2のピークを
(1988年7月14日10UTC-16UTC)
持っている。
隠岐島付近で発生したCbクラスターが発達しな
減少している。Nc1の第2のピークでNE1はほぽ横
がら南東し、大阪付近で衰弱した。この時は梅雨前
ばいの変化であり、Nc1ほどの大きな増加を示して
線が朝鮮半島南部から紀伊半島を通り日本の南海上
いない。震画像から判断すると、14UTCのNc1のピ
まで伸びており、Cbクラスターはこの前線上で発生
ークはCi域の拡大を反映したもので、必ずしも霊域
している。この時のCbクラスターの時間変化を調
の再発達を示していない。この例では、Nc1はNei
べるために霊画像と抽出霊域とを比較したのが
の最大までは対応が良いが、NEIの減少期にはうま
Fig.
く対応しない。Nc2の時間変化はピークがNE1より
5である。霊画像から7月14日09UTCに発生し
Nc2は12UTCでピークを持ちその後
たCbクラスターは、12UTCで最も発達して16
も1時間後に現れること、及び14UTCのNE1の変
UTCでは消滅した。これに対して、「抽出霊域」は
化を除けばNC2とNE1、NE2との対応が良く表れて
10UTCで表れその後面積が増加し13UTCで最大
いる。
になり14UTC以降滅少して16UTCには消滅した。
THIはNE1のピーク時に最も上昇しておりその
Cbクラスターの各パラメータの時間変化図
後低下し第2のピークで再び上昇している。
(Fig.
NE1最大の1時間前に観測され、その後上昇してい
6)では、レーダーエコーの格子総数(NE1)
TLOは
は、13UTCで最大になり14UTCから滅少している。
る。 THIとTLOの温度差はNE1の減少期に急速に
4mm/h以上の強度を持つレーダーエコー数(NE2)も同
小さくなるが、この例ではNc1の第2のピークに大
じである。この例では、「抽出霊域」内の格子総数(N
きくなっている。
TDVはNE1の増加時には増加し、
c1)、「抽出震域」内の−50°C以下の格子数(Nc2)とも
NEIの最大時に最大を示し対応が良い。
NE1、NE2と同じ時間変化をしている。特にNEIとN
のピーク時には再び大きな値を示すが、その後急激
Nc1の第2
c1、NE2とNc2の時間変化が一致した傾向を示してい
に減少している。
る。
(2)孤立した比較的小さなCbクラスター
「境界温度」(THI)はNE1のピーク時(13UTC)
(1989年7月22日07UTC-10UTC)
まで−30°Cから−35°Cのほぼ一定温度を示していた
四国高松付近で発生したCbの特徴パラメータの時
が、NEIの滅少時には−50°Cまで温度が急速に低下
間変化(Fig.
している。「抽出震域」内の最低温度(TLO)は発現
に覆われていたが、500mbの天気図では−6°Cの寒気
時にライフサイクルの中で最低を観測しており、そ
が日本上空に入り込んでいることから、成層不安定の
−64−
8)を示す。地上天気図では太平洋高気圧
気象衛星センター 技術報告 第21号 1990年12月
Fig. 5 An
exsample
of time series of automatically extracted Cb-clusters.
Arrows both on the IR image
indicate corresponding areas.
(upper) and extracted Cb-clusters chart(lower)
09UTC
lOUTC
llUTC
12UTC
−65−
METEOROLOGLCAL
SATELLITE
CENTER
TECHNICALNOTE
13UTC
N0.21DECEMBER,
14UTC
箕゛・`ダ.
痙
→』
/=儒
ノ
ず
15UTC
㈲
16UTC
訟
y͡一こ
/
言-
−66−
1990
気象衛星センター 技術報告 第21号 1990年12月
N c1:Total number
%唱
of IR pixcels
N c2
: Number of IR pixcels below
−50°C
18
-90
N El: Total number
16
of radar echo
gridpoints
N E2
: Number
of radar
-80
echo
pointsover 4inm/h
14
−70
12
−60
8
T LO : Coldest temperature
T H1
: Boundary temperature
T DV : Tbb variance
−40
4
−20
2
−10
1
0 0
DBSERVAIIGN I】HE
8B. 07. 14.】0
Z 、07.14.16Z
(Z)
Fig. 6 Time sequence of Tbb -parameters and radar data within an extracted Cb cluster through its life cycle. The Cb-cluster was observed on July 14, 1988 at
western Japan.
殆司
le
-90
16
-80
14
−10
3
12
-60
3
10
-50
8
-40
6
−30
1
4
,20
1
2
10
OBSERVATION
TIME
(Z)
88.07.15.07
Z ∼07.15.16 Z
Fig. 7 Same as Fig. 6 excpt for Cb-cluster ovserved on July 15, 1988 at Hukuoka
prefecture.
−67−
grid
METEOROLOGLCAL
SATELLITE
CENTER
TECHNICALNOTE
N0.21DECEMBER,
1990
(℃)
200
-100
STaoxid
jaqiunM
0
Ln
1
3jnaBJ9aai8T
4・4
0
100
50
0
08 Observation0711e(UTC)
10(UTC)
89.7.22.07UTC-IOUTC
Fig. 8 Same
as Fig. 6 excpt for Cb-cluster
overved
on July 22, 1989 at Shikoku
district.
よって発生Cbであると判断される。この時の特徴パ
ダーエコーの時間変化と良く一致する。また、比較
ラメータの時間変化はNE1、NE2とも08UTCで最大
的小さな孤立したCbでもNc2はレーダーエコーと
となり09UTCで減少に転じている。また、Nc2の変化
良く対応した時間変化を示す。従ってN
はやはり08UTCで最大になり09UTC、10UTCと減
50°Cの面積)の変化はCbクラスターの発達・衰弱を
少している。これからNc2はNE1、NE2との対応が良
示す良い指標となる。
いが、Nc1とレーダーエコーの対応は良くない。
② ライフサイクルの最低温度(TLo)の極小値は
TLOはNE1の最大時に最低温度を観測し、その後上
レーダーエコーが最大値になる時刻か、それ以前に
昇している。
現れ、レーダーエコーが減少するにつれて上昇する。
THIは発生時から変化なく一定の温度を
C2 (Tbbく−
示している。これは孤立したCbの場合、温度傾度の大
③ 前線上に発生した水平スケールの大きなクラス
きい場所は常に霊域の境界と一致しており、霊域の最
ターでは最低温度(TLO)と「境界温度」(THI)の
高温度そのものが「境界温度」として観測されるため
差が衰弱すると急速に小さくなる。これは最低温度
である。
の上昇と「境界温度」の低温側への移動のために起
こる。しかし、孤立した小さなクラスターではこの
(3)特徴のまとめ
前線上に発生した水平スケールの大きなCbクラス
特徴が現れないことがある。
ターと水平スケールの小さい孤立したCbの違うタイ
④ 温度分散(TI)V)は発達期(レーダーエコー数
プのCbクラスターで3例を示したが、その他の例で
が最大に達するまで)に大きく、衰弱するに従って
もほぼ同様の特徴が見られた。これらの特徴をまとめ
小さくなる。または、発達期に増加し衰弱するに従
ると次の通りである。
って小さくなる。
① 前線上に発生したCbクラスターの場合、Nci
はCiに影響されるため、レーダーエコー(NEI)の
これらの特徴は、Fig.lに示したT8Bの分布と断面
減少時にはうまく対応しないことがある。これに対
図に見られる時間変化やこれまで定性的に言われてき
してNc2の増減はCi域の変化に影響されず、レー
たCbクラスターの発達・衰弱の様相と合致しており、
−68−
気象衛星センター 技術報告 第21号 1990年12月
TBBのパラメータでCbクラスターのライフサイクル
Mのグループでは雲域が抽出されてから5時間程度
をある程度表現することが可能である。
まではレーダーエコーの含まれる比率が30%以上ある
がそれ以降減少する。従って、ライフタイムは5∼7
6. Cbクラスターの水平スケールによる特徴
時間程度と見る。また、強いレーダーエコーの含まれ
一般的に前線上やその近傍に発生するCbクラスタ
る比率は3時間くらいまでは30%以上(1例はさらに
ーは総観規模の場に影響を受け、水平スケールが大き
長い)を保っている。
い。一方孤立して発生するCbは熱雷などのように日
Lのグループのライフタイムは抽出後7∼10時間と
射による場合、また上空に寒気が入り対流不安定によ
見ることができる。また、強いレーダーエコーの含ま
り発生する場合等が考えられ水平スケールは小さい。
れる比率も他のグループに比べて長い。
このように水平スケールの異なるCbクラスターを
6。3 水平スケールと霊域の最低温度
TBBやレーダーエコーのパラメータでライフサイク
ルの違いを見てみる。ここでは、自動抽出したCbクラ
Table.
1の中の最低温度は抽出した霊域がライフサ
スターの霊域について発生から消滅までの特徴を見る。
イクルの中で到達した最も低い貫頂頂温度である。こ
ただし、抽出条件で霊域の大きさを1250km2以上として
れを水平スケール別に見ると、Sのグループでは−
いるため発生初期のごく早い段階のCbは除かれる。
50.0°C∼−62.5°Cの間にあり平均は−56.9°Cである。
一方、Mのグループは−66.0°C∼−70.0°Cで平均は−
6.1 Cbクラスターの分類
67.8°C、Lのグループは−72.5で∼−78.0°Cで平均
今回抽出したCbクラスターをライフタイムを通し
は−76.0°Cである。
た最大面積(Smax)に注目して,次の3つに分類し
抽出した霊域の最大面積と最低温度の関係はFig.
た。
のようになった。この図から明らかに水平スケールと
S
: Smax
M
: 10,000km2≦Smax<30,000k
<10,000km2
到達できる最低温度には強い関係がある事がわかる。
「
これについて次のように考えることが出来る。到達で
L : Smax≧30,000kiD^
きる最低温度はCbクラスターの中心部の上昇流の強
その結果Table. 1のように分けられた。Sの事例8例
弱に支配されると考えられるが、水平スケールが大き
の内6例は陸上で日射によって発生したCbで,2例
いほど中心部ではエントレインメントの効果が小さく、
は夜間から早朝に海上で発生したCbである。Mの3
効率的に高い高度まで貫頂を仲ばすことができる。こ
例は同じ日に発生したCbクラスターで日本海西部に
れに対して小さいスケールのCbクラスターはエント
弱い熱帯低気圧があって,その周辺と南側の四国の陸
レインメントの効果が中心部まで及びやすく十分に成
上で発生した。Lの3例はいずれも梅雨前線上に発生
長できない。このため水平スケールによって到達でき
したCbクラスターである。
る霊頂高度が制限されるためであると考えられる。な
6 ム
お、抽出した霊域に最も近い高層観測のエマグラムで
レーダーで見たCbクラスターのライフタイ
貫頂温度と圏界面温度を比較した結果、M、Lのグル
ープでは霊頂は圏界面まで達していたが、Sのグルー
Table. 1のレーダーエコーの比率のAは抽出した雲
プでは圏界面まで達せず、その下の安定層で貫頂が押
域全体に含まれるレーダーエコーの比率で、Bはレー
さえられていた。
ダーエコーの総数に対する4㎜/hの強度を持つレー
7。まとめと問題点
ダーエコーの比率である。
Sのグループでは雲域が抽出されてから3時間程度
Cbクラスターの発達・衰弱を表すために、TBE分布
まではレーダーエコーが含まれるが、それ以降はレー
からCbクラスターに対応する領域を客観的に抽出し、
ダーエコーの含まれる比率が下がる傾向にある。強い
その領域に含まれるTBB分布とレーダーデータから
レーダーエコーの含まれる比率も抽出直後の1、2時
パラメータを求めて比較し、その時間変化を調査した。
間では比率が大きいがそれ以降は急速に低下する。従
また、抽出したCbクラスターの水平スケールによる
って、Sグループのライフタイムは霊域が抽出されて
貫頂温度と面積の比較及びそのライフサイクルの中で
から約3時間と見ることができる。
のレーダーエコーの変化を調べた。その結果は以下の
― 69 ―
9
METEOROLOGLCAL
SATELLITE
CENTER
TECHNICALNOTE
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1990
気象衛星センター 技術報告 第21号 1990年12月
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Maximum
size
Fig. 9 Relationship between the coldest temprature and the maximum
cycle of the extracted Cb-clusters.
、)
size through life
通りにまとめられる。
巾 抽出条件として1、250km2以上の面積を持つCbク
巾 自動抽出したCbクラスターの−50で以下の領域
ラスターを対象としたため、水平スケールの小さい
の変化はアンビルCiに影響されず抽出雲域内のレ
Cbクラスターの発生初期では抽出されないことが
ーダーエコーの増減と良く一致する。従って−50°C
ある。
以下の領域の変化はCbクラスターの発達・衰弱を
(2)ライフタイムの短いCbクラスターは3時間程度
表す一つの指標となる。
で衰弱するため、毎時の画像でも最盛期を的確に捉
(2)ライフサイクルの中で貫頂の最低温度の極小値は
えられないことがある。
抽出霊域に含まれるレーダーエコーの最天時かそれ
以前に観測される。
Cbクラスターの発達・衰弱の特徴から定量的に取り
(3)前線上に発生する水平スケールの大きなCbクラ
扱う方法を開発するためには、発生要因等による分類、
スターは、最低温度と境界温度の差がレーダーエコ
持続時間、レーダーエコーとの対応などについて更に
ーの減少時に急速に小さくなる。
多くの事例を集める必要がある。
(4)
Cbクラスターを水平スケール別で見るとその特
謝 辞
徴は次の通りである。
① 最大面積が10、000km2未満の小さなクラスター
まとめに関する有益なコメントに対し、気象衛星セ
はライフタイムが短く、抽出霊域の中に含まれる
ンターデータ処理部解析課の萩原武士課長、麻生正先
レーダーエコーの割合は3時間程度まで高い。従
任主任技術専門官、内藤成規調査官、同部システム管
って、ライフタイムは3時間程度と見ることがで
理課大沢和裕技官及び気象庁予報課の鈴木和史予報官
きる。 10、000km2以上30、000km2未満のCbクラスタ
に謝意を表する。
ーは5∼7時間程度、30、000km2以上のCbクラス
参考文献
ターでは7∼10時間程度持続する。
長谷川隆司・二宮洸三(1984):静止気象衛星データか
平スケールによって制限され、10、000km2以上のス
ら見た長崎豪雨(1982年7月)の特徴。天気,
ケールを持つCbクラスターは圏界面に達したが
565-572
それ以下では圏界面に達しなかった。
Maddox.R.A
しかし、今回の調査ではまだ以下の問題点がありさ
plexes. Bull. Amer.
らに調査を進める必要がある。
1387
-
② Cbクラスターが鉛直方向に発達する程度は水
71−
(1980):Mesoscale
Meteor.
31,
convective comSoc, 61,1374-
METEOROLOGLCAL
SATELLITE
CENTER
TECHNICALNOTE
元木敏博(1983):ティパリングクラウドの発達・衰弱
と赤外データの時間変動。天気,
30, 565-569
肆矢雄三・鈴木和史(1988):活発な対流活動を伴引氏
温霊域の発達・衰弱について。日本気象学会春季
大会予稿集,
53, 171
−72−
N0.21DECEMBER,
1990