シスコ ユニファイド コンピューティング システム 導入事例 株式会社すかいらーく グループ各社の業務システムを統合する 新たなプラットフォームを Cisco UCS で構築 長期的な展望の下で、可用性、信頼性を高める 導入ソリューション ・Cisco Unified Computing System (Cisco UCS B200 M3/M4) ・Cisco Nexus 7018 データセンター スイッチ ・Cisco ASA 5585 セキュリティ アプライアンス 「ガスト」 「ジョナサン」 「バーミヤン」 「夢庵」など多彩な外食チェーンを展開している すかいらーくは、経営基盤の強化に向けた取り組みの 1 つとして、グループ各社が 個別に構築していた業務システムを統合し、可用性や信頼性をさらに高めようとし ている。長期的な展望に基づき、グループ全体のシステム運用を支える新たなプラッ トフォームの構築を決断した同社は、シンプルかつ先進的なアーキテクチャを備え、 拡張性にも優れたソリューションとして、インテル® Xeon® プロセッサーを搭載し た Cisco Unified Computing System(Cisco UCS)を採用した。 導入前の課題、検討事案 ・過去カンパニー制を採用していた時代の業 務システムが個別に存在し、構成が複雑化 していた。 ・可用性の維持やセキュリティ対応など、運 用や管理の体制も異なっていた。 ・高い生産性を求めるために、高速な最新 CPU と DDR 4 メモリを搭 載した Cisco UCS サ ー バ、SSD 搭 載 ス トレ ー ジ、 10 GbE ネットワークの導入を決定した。 経緯 複雑化していた業務システムの整理統合に向けて シンプルな新しいプラットフォームの構築を決断 すかいらーくは、2007 年 10 月まではカンパニー制度で運営しており、グループ各社 が業務システムを個別に構築し保有していた。そのため、グループ全体を俯瞰した場合、システム構成が 複雑化して相互の連携も行いにくいという課題を抱えていた。現在はカンパニー制度を解消し経営を統合 しているが、業務システムに関しては当時の状況が引き継がれた格好になっていた。そこで経営基盤と同 様に業務システムも統合し、運用やコストの効率化、可用性や信頼性の向上を図るべく、新たなプラット フォームの構築を決断。2014 年にプロジェクトを立ち上げ、2015 年の本番環境のリリースに向けて作 業を進めている。このプラットフォームに、同社はブレード サーバの Cisco UCS B シリーズとデータセ ンター スイッチの Cisco Nexus 7018 を採用した。 導入効果 コーポレートサポート本部 情報システムグループの岡本兵衛氏は、今回の経緯を次のように話す。 ・Cisco UCS のシンプルかつ先進的なアー キテクチャにより、業務システムの可用性や 信頼性を高められる。 「過去、カンパニー制度の時代に導入されたシステムはベンダーも異なっていて、可用性の維持、バック アップ、セキュリティ管理などもすべて個別に運用されていました。ネットワークも複雑で、互いに連携す ・Cisco Nexus 7018 も組 み 合 わせ、今 る際もいろいろ難しい面があったのです。そこで、システムを一元化し、シンプルかつ堅牢にすることが不 後の拡張性を担保した設計により、長期的 可欠と考え、今回のプロジェクトを立ち上げました。入り組んだ状態を改善し、シンプルなアーキテクチャ な観点における TCO 削減にも貢献できる。 の下で整理して、可用性を高めることが大きな狙いです。また、データセンターも分かれていたので、今 回の統合によってコストを抑えることができると考えました。 」 同社の業務システムは、バック オフィスの業務だけでなく、全国の外食チェーン店に設置されている POS 端末を通じた売上の集計、来店者が利用するクレジット カードの決済、各店舗からの発注業務な インテル® Xeon® プロセッサー搭載 業界最高水準の パフォーマンスを実現 Cisco UCS ど顧客サービスに直結するものも含まれている。加工した食材の提供など生産管理に関する業務もすべ て担っており、堅牢なシステムにすることは重要と岡本氏は続ける。 「 2012 年に店舗系のシステムを刷新した際に不具合が生じて、各店舗の業務に影響が及んでしまうこと がありました。そこで、インフラやアプリケーションの問題点を洗い出し、できることをひとつひとつ着実に 進めてきたのです。 今回のプロジェクトはその流れを汲むものであり、当社のすべてのシステムを新しいプラットフォームに載 せ直すことにしています。だからこそ、シンプルな設計で、高い信頼性、可用性、拡張性、セキュリティ といったポイントを重視してソリューションの選定を行いました。 」 プロセス 1 シンプルなアーキテクチャ、保守体制などを評価 Cisco UCS は「優れたネットワーク デバイス」 同社が新たなプラットフォームに Cisco UCS を選択したのは、アーキテクチャがシ 株式会社すかいらーく オフィサー コーポレートサポート本部 情報システムグループ ンプルであること、シスコのサポート体制がしっかりしていることなどを評価したからと岡本氏は話す。 以前にこうしたシステムについて調べたことがあり、それ以降シンプルなアーキテクチャに注目していた という。 「2009 年に Cisco UCS が発表されたとき、そのアーキテクチャはシンプルで、以前検討したものとよく Deputy Director 岡本 兵衛 様 似ているという印象を持ったのです。かつて注目した製品は非常に特化したもので、コストやサポートの面 で難しいと感じたのですが、シスコという会社の事業規模やサポート体制を踏まえると Cisco UCS なら 安心して導入できると考えました。 今はネットワークがなければサーバはその役割を十分果たせませんから、 かつてのようにサーバが主体だっ た時代とは立場が入れ替わっています。ネットワークを中心とした基本設計がなされていることも Cisco UCS を採用した理由の 1 つですね。私は、Cisco UCS を優れたネットワーク デバイスとして捉えてい ます。 情報システム部門として IT システムの基盤や運用の設計は任されているので、Cisco UCS の採用にあ たって社内から特に異論はありませんでした。経営陣に対しても、 『新しいシステムはシンプルに作る』こ とを一番のポイントとして説明し、理解を得られています。 」 株式会社すかいらーく コーポレートサポート本部 情報システムグループ IT 統合基盤チーム コーポレートサポート本部 情報システムグループの中島秀樹氏は、他社製品との比較を通して、Cisco UCS の優位性を感じたと話す。 「2013 年 10 月頃には新しいシステムの方向性がほぼ定まり、Cisco UCS の採用も決まりました。社 リーダー 内では他社のサーバとの比較をよく行っていて、Cisco UCS と似た機能を持つ製品も俎上に載っていま 中島 秀樹 様 したが、ファブリック インターコネクトの拡張性をはじめ、Cisco UCS のほうが優れていると感じられる 場面は多かったと思います。採用にあたって特に異論がなかったのは、こうした裏付けに因るところもあり ました。 」 プロセス 2 Cisco Nexus 7018 でネットワークの可用性を向上 拡張性を担保し、長期的な TCO 削減にも貢献 今回、同社がデータセンター スイッチの Cisco Nexus 7018 も採用したのは、シス テムの可用性とネットワーク速度の向上を果たすために必要なコンポーネントと判断したことに因る。可用 性を高めるために、できるだけ障害ポイントを減らしたかったと岡本氏は話す。 「一般的な構成では、コア スイッチがあり、その下に多数のエッジ スイッチを配置していますが、これは 障害ポイントの増加や通信速度の低下につながります。セキュリティを確保する上でもコントロールが難 しく、このアーキテクチャではいけないと常々考えていました。 行き交うデータ量も多く、業務効率を高めるため、より高いレイテンシを求めて、LAN は 10 Gb 、WAN は 1Gb ネイティブで使えるようにしています。LAN については、 将来 100GbE の使用を見込んで、 光ファ 」 イバーケーブルはすべて低損失の MMF OM 4 を採用しています。 また岡本氏は、Cisco Nexus 7018 の導入は、長期的な視点で見れば TCO 削減にもつながると捉 えている。 「スモール スタートで、後から足していけばよいと言われることがありますが、目の前のコストが下がっても、 長期的な TCO で勝っているとは言えないケースは多々あります。後からエッジ スイッチを足すということ インテル® Xeon® プロセッサー搭載 業界最高水準の パフォーマンスを実現 Cisco UCS は、そのたびに設計や各種作業が生じるわけです。そうした負担が積み重なっていくことのほうが、全体 への影響は大きいと思っています。 実は、エッジ スイッチのコストと、Cisco Nexus 7018 に追加するライン カードのコストは大きく変わ りません。シャーシ内部はバック プレーンで接続されますから、通信速度もワイヤ接続より 2 桁ほど違い ます。 グループ全体の業務を支える新たなプラットフォーム Cisco Nexus 7018 データセンター スイッチ 可用性 信頼性 シンプル (冗長構成) 可用性 拡張性 TCO削減 Cisco ASA 5585 セキュリティ アプライアンス も Cisco UCS B シリーズ セキュリティ 今回導入して セキュリティ対策を 強化 ・Cisco UCS B200 M3 / M4 ・Cisco UCS 5108 ブレード サーバ シャーシ (19 シャーシで構成) 新データセンターとネットワーク構成概要 Cisco Catalyst 4948E スイッチ ●4 つのデータセンターに分散しているサーバ群を新データセンターのプライベート クラウド環境に統合 ● サーバ間速度を 10Gbps LAN で高速化し、業務効率を向上。将来は 100Gbps LAN に対応可能 ● ファイル サーバのレスポンスを 2 ∼ 3 倍に向上。SSD との組み合わせで 3 倍以上を目標 ● ネットワーク コスト、ハウジング コスト、運用管理コストを削減 ● 障害ポイント削減により可用性を向上させるとともに、 統合監視環境に移行することで予防保守を実現 ● ジョブネット環境の統合、セキュリティ環境の統合、運用管理環境の統合 Cisco 3925E ルータ Cisco 2911 ルータ Cisco 891 / 892 ルータ Cisco ASR 1002-X ルータ インターネット Microsoft Office 365 新プラットフォームを構成する機器を収める ラックは、Cisco Nexus 7018 のエアー ダクト ソリューションを搭載した Panduit (パンドウィット)社の専用ラックを採用 Cisco UCS B200 M3 / M4 メール 新データセンター 店舗系システム 宅配系システム 会計系システム 人事系システム Active Directory 本社系システム 購買系システム 工場系システム IP-PBX ファイル サーバ 1 Gbps 100 Mbps INS-1500 INS-64 インターネット 通信キャリア 専用回線サービス ISDN VPN IP 電話 三鷹 第 1 オフィス 全国工場、物流 センター(17 拠点) 新宿リクルーティング センター 全国店舗 (3,000 店) IP 電話 三鷹 第 2/ 第 3 オフィス 東京、沖縄 テレホンセンター グループ会社 (14 拠点) 最初に大きなシャーシを導入し、今後事業が大きくなっても堪えられるように、拡張部分をしっかり担保 株式会社すかいらーく したうえで今回のシステムは設計しています。Cisco Nexus 7018 と Cisco UCS の組み合わせだと、 光ケーブルが敷設済みのこともあり、当面ハードウェアを追加することなく、コマンドだけでネットワークの 設定が完了します。 」 今後 本番環境のリリースに向けて構築作業は順調に進展 シスコの継続的なサポートにも期待 同社は 2015 年中に本番環境をリリースし、その後業務システムの移行を順次進めて 本社所在地 東京都武蔵野市西久保 1-25-8 設立 1962 年(昭和 37 年)4 月 4 日 従業員数 株式会社すかいらーく 正社員 4,368 名/クルー 83,093 名 すかいらーくグループ 正社員 5,625 名/クルー 90,798 名 (平成 25 年 12 月末現在) URL http://www.skylark.co.jp/ 日本におけるファミリー レストランの先 駆けとして、1970 年に東京都府中市 に 「すかいらーく」1 号店をオープン。 以来、さまざまなブランドの開発に努 め、常に変化するお客様のニーズに応 えてきた。現在はすかいらーくグルー プとして 「ガスト」などのテーブル レスト ランを含む約 3,000 店舗でフード ビ ジネスを展開し、年間 4 億人のお客 様に 「食」 を通しておいしさ・安全・安 心・快適さを提供している。 いくとしている。機能試験、性能試験、そしてインフラ試験をしっかり行ったうえで本番環境をリリースで きるよう鋭意作業中とのことで、移行期間は 4 ∼ 5 年ほどを見込んでいると岡本氏は話す。 「当社では、本番システムへのリリース前には、必ずリリース判定会議を行うのですが、今回のシステムで はステージング環境、本番環境をすべて同じ構成にして、ステージング システムと本番システムの間でリ リース手順が違うといったことが起こらないようにしています。過去に経験して困った部分をすべてカバー し、解決することを目指しました。また、これは J-SOX への対応をしっかり行ううえでも必要な環境とな ります。 本番環境の構築後は、システム間の連携をひも解いて、どのような影響が出てくるかも見極めながら、ナ レッジを詰めつつ移行させていく予定です。移行中には 3,000 店舗に設置しているルータなど既存機器 の刷新や保守の更新、Microsoft Windows Server 2003 の延長サポート終了といったこともあるの で、そうした要件も鑑みながら当社として最も良い順番を考えて対応していきます。 これからの 5 年間は複雑化していたシステムを整理し、きれいにしていくための期間です。次の 5 年で 2 サイクル目として、より良い最適化や BCP 対応に配慮したパブリック クラウドとのシームレスな連携など を検討していくことになるでしょう。 」 まだ構築段階ではあるものの、Cisco UCS の安定性や信頼性はすでに実感していると中島氏は話す。 Cisco UCS に対する期待も大きくなっているという。 「シスコという会社はとても堅実である一方、新しい規格などもすべてシスコから始まっていて、先進的な 面も強く感じています。Cisco UCS を初めて見たときは、とうとうこの市場に参入してきたかと思いまし たし、シェアも着実に伸びているので、当社としても期待しています。今回のプロジェクトでは構築ベンダー を介してご協力いただいていますが、大きなトラブルもなく、アーキテクチャとしても非常に安定しているの はさすがです。 」 岡本氏もシスコの対応を評価しており、ユーザとして安心感を持って使っていけるよう、継続的な支援に 期待している。 インテル® Xeon® プロセッサー搭載 「シスコはネットワーク分野で長きにわたってナンバーワンの地位を築いている会社として、ユーザの視点 に立った製品やソリューションをこれからも送り出してほしいですね。今回のプロジェクトではいろいろと お願いをしていますが、いつも迅速で、タイムリーな対応をいただいて助かっています。さまざまな支援 業界最高水準の パフォーマンスを実現 Cisco UCS があってこそ、こうしたシステムは成り立つものなので、これからも継続的なサポートをお願いできればと 思います。 」 Intel、インテル、Intel ロゴ、Intel Inside、Intel Inside ロゴ、Celeron、Celeron Inside、Intel Atom、Intel Atom Inside、Intel Core、Core Inside、Itanium、Itanium Inside、 Pentium、Pentium Inside、vPro、Inside、Xeon、Xeon Inside は、アメリカ合衆国および / またはその他の国における Intel Corporation の商標です。 ©2015 Cisco Systems, Inc. All rights reserved. Cisco、Cisco Systems、および Cisco Systems ロゴは、Cisco Systems, Inc. またはその関連会社の米国およびその他の一定の国における登録商標または商標です。 本書類またはウェブサイトに掲載されているその他の商標はそれぞれの権利者の財産です。 「パートナー」または「partner」という用語の使用は Cisco と他社との間のパートナーシップ関係を意味するものではありません。 (1502R ) この資料の記載内容は 2015 年 2 月現在のものです。 この資料に記載された仕様は予告なく変更する場合があります。 お問い合せ シスコシステムズ合同会社 〒107- 6227 東京都港区赤坂 9-7-1 ミッドタウン・タワー http://www.cisco.com/jp 1032-1502-01A-F
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