Strategic Regions Tax Newsletter 税理士法人トーマツ Vol.38 2014 年 2 月 英国 1. 英国歳入税関庁が 2012~2013 年度の 移転価格統計値を公表 英国歳入税関庁(以下「HMRC」)は、2012~2013 FRS 102 に移行する法人に生じる会計上の変更お よび税務上の影響に関する主要点をとりまとめた 2 つの説明文書を作成した。 年度の移転価格に関する最新の統計値を発表した。 一方の文書には、現行の UK GAAP から FRS 101 統計値には、移転価格調査による更正額、調査終 への変更に伴う会計上および税務上の影響が、他 了までにかかった時間、および継続中の調査の経 方には、UK GAAP から FRS 102 への切り替えに 過期間などが示されている。 伴う影響が記載されている。 また、事前確認制度(APA)および過少資本税制に 各文書はそれぞれ 2 つのパートに分かれており、前 関する事前合意(ATCA)の申請、ならびに相互協 半は現行の UK GAAP における会計上および税務 議(MAP)により解決された事案に関する数値も発 上の取り扱いとの比較、後半は移行に伴い発生す 表された。 る問題について触れている。共に法人税に関する 数値を見ると、大企業を担当する Large Business Service チームによる更正額は、大規模な更正が少 数であるため大きく変動するのに対し、それ以外の 影響に焦点を当てており、追加の情報が入り次第、 更新される。 3. その他 (1) OECD 移転価格ドキュメンテーション 大企業や複雑な案件を担当する Local Compliance (Large & Complex)チームによる更正額は 1 億ポ ンド以上増加した。 経済協力開発機構(Organisation for Economic 調査終了までの平均期間は短縮され、現在は約 2 Co-operation and Development:以下「OECD」) 年 強 と な っ てい る。 詳 細情 報に つ い ては 以 下 の は、パブリックコメントを募るため、移転価格ドキュメ HMRC ウ ェ ブ サ イ ト に あ る 「 Transfer Pricing ンテーション(各国税務当局への報告を含む)に関 statistics」を参照のこと。 する討議資料草案(Discussion Draft)を公表した。 http://www.hmrc.gov.uk/international/transferprici 報告する情報量その他数多くの基本的な質問に対 ng.htm するコメントが 2014 年 2 月 23 日まで募集される。 2. 新 UK GAAP 実施に伴う英国の課税関 係に関する HMRC の説明文書 (2) OECD が共通報告基準の最終版を公表 OECD は、多国間の自動的情報交換に関する共通 HMRC は、現行の UK GAAP から FRS 101 または 報告基準の最終版を発表した。現在 41 の国および 1 地域がその早期導入を予定している。 過去のニュースレター 共通報告基準に対するコメンタリーはいまだ OECD 過去に発行されたニュースレターは、 内で討議中である。当該基準はその大部分が、自 下記のウェブサイトをご覧ください。 動的情報交換の分野における OECD のこれまでの www.tohmatsu.com/tax/nl/eu 取り組みに基づき作成された。 また、EU 内の取り組みおよび資金洗浄防止のため のグローバル基準も反映されている。 問い合わせ 税理士法人トーマツ 共通報告基準の下では、各国が自国に所在する金 本部・東京事務所 融機関から情報を取得し、当該情報を年次ベース 〒100-8305 で他の国および地域と自動的に交換することを必要 東京都千代田区丸の内三丁目 3 番 1 号 とする。 また、交換対象となる金融口座情報、報告対象金 新東京ビル 5 階 T E L : 03-6213-3800(代) 融機関、対象となる口座および納税者の種類、なら email: [email protected] びに金融機関が実施すべき共通の本人確認 U R L : www.tohmatsu.com/tax (デューデリジェンス)手続きについても定められて いる。 共通報告基準は OECD および G20 国により共同策 定された。 OECD は当該基準を、2 月 22~23 日にシドニーで 開催される G20 財務相会議に正式に提出して承認 を得る予定である。 本資料に記載されている内容の著作権はすべてデロイト トゥシュ トーマツ リミテッド、そのメンバーファームまたはこれらの関連会社(税理 士法人トーマツを含むがこれに限らない、以下「デロイトネットワーク」と総称します)に帰属します。著作権法により、デロイトネットワークに無 断で転載、複製等をすることはできません。 本資料は、関連税法およびその他の有効な典拠に従い、例示の事例についての現時点における一般的な解釈について述べたものです。デ ロイトネットワークは、本資料により専門的アドバイスまたはサービスを提供するものではありません。貴社の財務または事業に影響を及ぼす 可能性のある一切の決定または行為を行う前に、必ず資格のある専門家のアドバイスを受ける必要があります。また本資料中における意見 にわたる部分は講演者の私見であり、デロイトネットワークの公式見解ではありません。デロイトネットワークの各法人は、本資料に依拠する ことにより利用者が被った損失について一切責任を負わないものとします。 トーマツグループは日本におけるデロイト トウシュ トーマツ リミテッド(英国の法令に基づく保証有限責任会社)のメンバーファームおよびそ れらの関係会社(有限責任監査法人トーマツ、デロイト トーマツ コンサルティング株式会社、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザ リー株式会社および税理士法人トーマツを含む)の総称です。トーマツグループは日本で最大級のビジネスプロフェッショナルグループのひと つであり、各社がそれぞれの適用法令に従い、監査、税務、コンサルティング、ファイナンシャルアドバイザリー等を提供しています。また、国 内約 40 都市に約 7,300 名の専門家(公認会計士、税理士、コンサルタントなど)を擁し、多国籍企業や主要な日本企業をクライアントとしてい ます。詳細はトーマツグループ Web サイト(www.tohmatsu.com)をご覧ください。 Deloitte(デロイト)は、監査、税務、コンサルティングおよびファイナンシャル アドバイザリーサービスを、さまざまな業種にわたる上場・非上 場のクライアントに提供しています。全世界 150 を超える国・地域のメンバーファームのネットワークを通じ、デロイトは、高度に複合化された ビジネスに取り組むクライアントに向けて、深い洞察に基づき、世界最高水準の陣容をもって高品質なサービスを提供しています。デロイトの 約 200,000 名を超える人材は、“standard of excellence”となることを目指しています。 Deloitte(デロイト)とは、英国の法令に基づく保証有限責任会社であるデロイト トウシュ トーマツ リミテッド(“DTTL”)ならびにそのネット ワーク組織を構成するメンバーファームおよびその関係会社のひとつまたは複数を指します。DTTL および各メンバーファームはそれぞれ法 的に独立した別個の組織体です。DTTL(または“Deloitte Global”)はクライアントへのサービス提供を行いません。DTTL およびそのメン バーファームについての詳細は www.tohmatsu.com/deloitte/ をご覧ください。 © 2014. For information, contact Deloitte Tohmatsu Tax Co. Member of Deloitte Touche Tohmatsu Limited 2
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