Global Tax Update インド 税理士法人トーマツ 2014 年 12 月 ※本ニュースレターは、英文ニュースレターの翻訳版です。 日本語訳と原文(英文)に差異が生じた場合には、原文が優先されます。 1. インドの在留邦人に対する優遇措置 1 2014 年 1 月 、 イ ン ド 政 府 は 、 就 労 ビ ザ (Employment Visa(E ビザ))を申請する日本人 に対する個別規定を実施した。これにより、一定の 業種に就労するために就労ビザを申請する者は、 初回のみ、有効期間(2 年から 5 年)であれば何度 でも出入国できる数次ビザ(multiple entry visa) が発給されることとなった。ただ、外国人登録局 (Foreigners Regional Registration Office)が発 行する居住許可証(residence permit)の有効期 間は最大 1 年間であるため、就労ビザの有効期限 が切れていないにもかかわらず、居住許可証につ いては毎年更新しなくてはならなかった。また、外 国人登録、ビザの期限延長、住所変更、管轄の外 国人登録局の変更、登録住所不在通知およびイ ンドからの最終出国通知を行うためには、本人が 外国人登録局まで行くことが義務付けられてい た。 2014 年 7 月、インド大使館は、日本人の外国人登 録要件に関する上記規定を緩和した(詳細は外務 省あて書簡を参照)。主要な変更点は以下のとお りである。 就労ビザまたは就労ビザの保有者の家族の 1 出典: 2014 年 7 月 15 日付の東京インド大使館から の書簡 No. 159/2014 滞在ビザ(X ビザ(就労ビザと同期間有効))を 有する日本人に発行される居住許可証の有効 期限は、ビザの有効期限と同じになる。した がって、居住許可証の年次更新は不要となる 外国人登録およびビザ延長の際、本人が外国 人登録局に行く必要はない。選任を受けた代 理人がこれらの手続を行うことができる 外国人登録局で住所変更およびその他の情 報に関する手続(登録住所から継続して 8 週 間以上不在にする場合の通知やインドから永 久または一時的に出国する場合等の通知)を 行う際に、本人が外国人登録局に出向く必要 はない。選任を受けた代理人がこれらの手続 を行うことができる 2. ボンベイ高等裁判所:株式プレミアムの 2 課税可否 インドに子会社を有する外国企業が安堵する判決 が下された。この度、ボンベイ高等裁判所は、イン ド子会社から親会社への株式発行によっては、イ ンド移転価格税制の対象となる、国際取引に係る 所得は発生しないとする判決を下した。 2 出典: Vodafone Services Private Limited 対 Union of India & Ors.-2014 年訴訟番号 No. 871(ボン ベイ高等裁判所):Shell India Markets Pvt. Ltd. 対 Union of India & Ors.-2014 年訴訟番号 No. 2479(ボ ンベイ高等裁判所) 1 本件で、インド子会社はその持株会社に株式を発 行し、その際、株式プレミアムが発生していた。税 務当局は、株式プレミアム付与後の価格を考慮し て、当該インド子会社が親会社に対して株式を著 しく低い価格で発行したと判断し、株式プレミアム の金額をインド子会社からのみなし貸付として取り 扱い、みなし貸付額に対するみなし利子額を算定 した。 ボンベイ高等裁判所は、当該株式発行は資本取 引であり、非居住者からの資本取引による入金に ついて課税所得に該当するという明示的な規定が ないため、課税所得には該当しないとの判決を下 した。 過去のニュースレター 過去に発行されたニュースレターは、 下記のウェブサイトをご覧ください。 www.deloitte.com/jp/tax/nl/ao 問い合わせ 税理士法人トーマツ インド室 パートナー 林 博之 [email protected] シニアマネジャー Sharad Goyal [email protected] ニュースレター発行元 税理士法人トーマツ 本部・東京事務所 〒100-8305 東京都千代田区丸の内三丁目 3 番 1 号 新東京ビル 5 階 T E L : 03-6213-3800(代) email: [email protected] U R L : www.deloitte.com/jp/tax-co 本資料に記載されている内容の著作権はすべてデロイト トゥシュ トーマツ リミテッド、そのメンバーファームまたはこれらの関連会社(税理 士法人トーマツを含むがこれに限らない、以下「デロイトネットワーク」と総称します)に帰属します。著作権法により、デロイトネットワークに無 断で転載、複製等をすることはできません。 本資料は、関連税法およびその他の有効な典拠に従い、例示の事例についての現時点における一般的な解釈について述べたものです。デ ロイトネットワークは、本資料により専門的アドバイスまたはサービスを提供するものではありません。貴社の財務または事業に影響を及ぼす 可能性のある一切の決定または行為を行う前に、必ず資格のある専門家のアドバイスを受ける必要があります。また本資料中における意見 にわたる部分は筆者の私見であり、デロイトネットワークの公式見解ではありません。デロイトネットワークの各法人は、本資料に依拠するこ とにより利用者が被った損失について一切責任を負わないものとします。 トーマツグループは日本におけるデロイト トウシュ トーマツ リミテッド(英国の法令に基づく保証有限責任会社)のメンバーファームおよびそ れらの関係会社(有限責任監査法人トーマツ、デロイト トーマツ コンサルティング株式会社、デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザ リー株式会社および税理士法人トーマツを含む)の総称です。トーマツグループは日本で最大級のビジネスプロフェッショナルグループのひと つであり、各社がそれぞれの適用法令に従い、監査、税務、コンサルティング、ファイナンシャルアドバイザリー等を提供しています。また、国 内約 40 都市に約 7,800 名の専門家(公認会計士、税理士、コンサルタントなど)を擁し、多国籍企業や主要な日本企業をクライアントとしてい ます。詳細はトーマツグループ Web サイト(www.deloitte.com/jp)をご覧ください。 Deloitte(デロイト)は、監査、税務、コンサルティングおよびファイナンシャル アドバイザリーサービスを、さまざまな業種にわたる上場・非上 場のクライアントに提供しています。全世界 150 を超える国・地域のメンバーファームのネットワークを通じ、デロイトは、高度に複合化された ビジネスに取り組むクライアントに向けて、深い洞察に基づき、世界最高水準の陣容をもって高品質なサービスを提供しています。デロイトの 約 200,000 名を超える人材は、“standard of excellence”となることを目指しています。 Deloitte(デロイト)とは、英国の法令に基づく保証有限責任会社であるデロイト トウシュ トーマツ リミテッド(“DTTL”)ならびにそのネット ワーク組織を構成するメンバーファームおよびその関係会社のひとつまたは複数を指します。DTTL および各メンバーファームはそれぞれ法 的に独立した別個の組織体です。DTTL(または“Deloitte Global”)はクライアントへのサービス提供を行いません。DTTL およびそのメン バーファームについての詳細は www.deloitte.com/jp/about をご覧ください。 © 2014. For information, contact Deloitte Tohmatsu Tax Co. Member of Deloitte Touche Tohmatsu Limited 2
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