第 2 部 常時監視以外の調査結果 第1 概 説 第1 概 説 1 目的 微小粒子状物質(PM2.5)の成分,酸性雨,有害大気汚染物質,地球温暖化物質やオゾン層破 壊物質である特定フロンや代替フロンなど多様な大気汚染の実態を把握し,今後の総合的な 環境保全行政推進の基礎資料を得る。 2 調査方法 PM2.5 は 1 地点,酸性雨は 1 地点,有害大気汚染物質は 8 地点,特定フロンは 1 地点,代 替フロンは 5 地点でそれぞれ調査を行った。(各調査の測定地点等は,別表を参照) 3 結果の概要 (1) 微小粒子状物質(PM2.5)成分分析調査 土浦で調査を行った結果,春季,夏季は硫酸イオンの比率が高く,秋季,冬季は硝酸イオ ン,塩化物イオンの比率が大きくなっていた。 (2) 湿性大気(酸性雨)汚染調査 土浦で調査を行った結果は,pH が 3 月に 4.60 で最も低く,6 月に 5.27 で最も高かった。 また EC は,3 月に 25.1μS/cm で最も高く,6 月に 7.2μS/cmで最も低かった。 (3) 有害大気汚染物質調査 大気汚染防止法に定める有害大気汚染物質のうち, 揮発性有機物質類(11 種類)は 8 地点, その他の物質(10 種類)は 3 地点で毎月測定を行った。 環境基準等が定められている 12 物質については,全地点で基準値又は指針値以下であっ た。 (4) フロン環境濃度測定調査 特定フロン濃度の平均値は CFC-11,12,113 の順に 0.25,056,0.082ppbv であった。 また,代替フロンについて濃度の高かった主な物質を順に示すと,HCFC-22,HFC-134a で あり,年平均値でそれぞれ 0.34,0.074ppbv であった。 (5) 石綿調査 土浦保健所で調査を行った結果,一般大気環境中の石綿濃度は夏期 0.16 本/ℓ, 冬期 0.09 本/ℓ であった。 (6) 光化学オキシダント濃度測定調査 県内 6 地点(大子,行方,つくば,守谷,坂東,結城)に仮説局を設置して,5 月∼10 月に昼間(10 時∼16 時)の光化学オキシダント濃度の調査を行った。 各仮設局別の光化学オキシダント最高値は 0.097∼0.156ppm であり,結城局が 最 も 高 く , 大 子 局 が 最 も 低 い 結 果 で あ っ た 。 昼 間 の 平 均 値 を み る と , 0.030 ∼ 0.042ppm であり,結城局が最も高く,大子局が最も低い結果であった。 - 155 - 表1 定期監視測定方法 測 定 地 点 名 日立多賀 測 定 場 所 測 定 期 間 日立市末広町1-2 平成24年4月 日立多賀測定局局舎 ∼平成25年3月 試料採取期間 24時間 測 定 項 目 (水戸石川,神栖消防,土浦中村南に 測定頻度 試料採取法 分 析 法 1回/月 ついては全項目,その他の地点につい ては揮発性有機化合物類のみ測定) 水戸石川 水戸市石川1-4043-8 水戸石川測定局局舎 揮発性有機化合物類 ベンゼン 揮発性有機化合物類 容器採取法 揮発性有機化合物類 ガスクロマトグラフ質量分析法 トリクロロエチレン 神栖消防 神栖町溝口4991-5 テトラクロロエチレン 神栖消防測定局局舎 クロロホルム アクリロニトリル 神栖下幡木 神栖町下幡木4130 塩ビモノマー 神栖下幡木測定局局舎 1,2-ジクロロエタン ジクロロメタン 有 鹿嶋平井 害 鹿嶋市平井1350-45 1,3-ブタジエン 鹿嶋市総合福祉センター敷地内 塩化メチル トルエン 大 土浦中村南 気 土浦市中村南1-1413-1 土浦中村南測定局局舎 土浦保健所 染 土浦市下高津2-7-46 土浦保健所測定局局舎 物 調 査 アルデヒド類 ホルムアルデヒド 固相捕集法 アルデヒド類 高速液体クロマトグラフ-紫外線吸光光度法 アセトアルデヒド 汚 質 アルデヒド類 金属類 金属類 ニッケル化合物 フィルター捕集法 金属類 誘導結合プラズマ質量分析法 ヒ素及びその化合物 筑西保健所 筑西市甲114 マンガン及びその化合物 筑西保健所測定局局舎 クロム及びその化合物 ベリリウム及びその化合物 水銀 金アマルガム捕集法 水銀 加熱気化冷原子吸光光度法 水銀 多環芳香族炭化水素 ベンゾ[a]ピレン 酸化エチレン 多環芳香族炭化水素 フィルター捕集法 酸化エチレン 固相捕集法 -156- 多環芳香族炭化水素 高速液体クロマトグラフィー-蛍光検出法 酸化エチレン ガスクロマトグラフ質量分析法 測 定 地 点 名 水戸石川 測 定 場 所 水戸市石川1-4043-8 水戸石川測定局局舎 測 定 期 間 平成24年5月 試料採取期間 24時間 日立市末広町1-2 (代替フロンのみ) 日立多賀測定局局舎 8月 トリクロロフルオロメタン(CFC-11) ジクロロジフルオロメタン(CFC-12) 試料採取法 分 析 法 ガスクロマトグラフ質量分析法 4回/年 トリクロロ-1,2,2-トリフルオロエタン (CFC-113) 代替フロン 代替フロン 容器採取法 四塩化炭素,1,1,1-トリクロロエタン フ ロ ン 環 境 濃 度 測 定 調 査 測定頻度 特定フロン 容器採取法 11月 平成25年2月 日立多賀 測 定 項 目 特定フロン 神栖消防 神栖町溝口4991-5 ジクロロフルオロメタン(HCFC-21) (代替フロンのみ) 神栖消防測定局局舎 クロロジフルオロメタン(HCFC-22) 土浦保健所 土浦市下高津2-7-46 (代替フロンのみ) 土浦保健所測定局局舎 2-クロロ-1,1,2-テトラフルオロエタン 筑西保健所 筑西市甲114 ジクロロペンタフルオロプロパン (代替フロンのみ) 筑西保健所測定局局舎 ガスクロマトグラフ質量分析法 4回/年 2,2-ジクロロ-1,1,1-トリフルオロエタン (HCFC-123) (HCFC-124) (HCFC-225ca及びHCFC-225cb) 1,1,1,2-テトラフルオロエタン (HFC-134a) 1,1-ジクロロ-1-フルオロエタン (HCFC-141b) 1-クロロ-1,1-ジフルオロエタン (HCFC-142b) 湿 性 大 気 汚 染 調 査 土浦 平成24年4月 霞ケ浦環境科学センター ∼平成25年3月 約1ヶ月間 pH,導電率 1回/月 自動開閉式採取法(wet only) pH イオン類 ガラス電極法 導電率 電気伝導度計法 NH4+,Na+,K+,Mg2+,Ca2+,Cl-,NO3-,SO42イオン類 土浦保健所 石 綿 調 査 土浦市沖宿町1853 土浦市下高津2-7-46 平成24年 8月 土浦保健所測定局局舎 平成25年 1月 4時間 石綿繊維数濃度 6回/年 -157- フィルター捕集法 イオンクロマトグラフ法 位相差顕微鏡法 測 定 地 点 名 土浦保健所 測 定 場 所 土浦市下高津2-7-46 土浦保健所測定局局舎 微 小 粒 子 状 物 質 成 分 調 査 光 化 学 オ キ シ ダ ン ト 濃 度 測 定 調 査 測 定 期 間 試料採取期間 測 定 項 目 平成24年5月 2週間 炭素成分 ∼平成24年12月 有機炭素,無機炭素 (春夏秋冬の 4季節) イオン成分 NH4+,Na+,K+,Mg2+,Ca2+,Cl-,NO3-,SO42無機元素成分 Al, V, Cr, Fe, Mn, Co, Ni, Cu, Zn, As Mo, Sb, Ba, La, Ce, Sm, Pb, Th 測 定 地 点 名 大子町 測 定 場 所 測 定 期 間 試料採取期間 測 定 項 目 平成24年5月 10時∼16時 光化学オキシダント濃度 町立中央公民館中央グラウンド ∼平成24年10月 行方市 行方市麻生1569番地 行方市役所麻生庁舎敷地内 つくば市 つくば市金田1979 つくば市旧桜庁舎敷地内 守谷市 守谷市百合ヶ丘2丁目2539 守谷中央公民館敷地内 坂東市 坂東市辺田48番地 坂東市岩井福祉センター 敷地内 結城市 結城市結城8424 結城市役所都市建設部 久慈郡大子町池田2676-4 区画整理第一課・第二課敷地内 -158- 測定頻度 試料採取法 4回/年 フィルター捕集法 分 析 法 サーマルオプテカル・リフレクタンス法 フィルター捕集法 イオンクロマトグラフ法 フィルター捕集法 酸分解/ICP-MS法 測定頻度 試料採取法 毎時 個別採取管法 分 析 法 紫外線吸収法
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