RIコーンプローブとウエイトの自重で貫入

自重貫入式 RI コーン
RI コーンとは、電気式三成分コーンと、密度計コーンおよび水分計コーンからなるプローブ群
と、その測定データの収録・保存を行うための計測装置を加えたサウンディングシステムです。
RI コーンを構成するプローブ群は、調査対象とする地盤や調査条件によって様々な組み合わせ
が可能です。
自重貫入式の RI コーン貫入試験では、船舶に搭載したウインチと櫓によって、RI コーンプロー
ブとウエイトを吊り下げ、これらの自重によって貫入を行います。この自重貫入システムは、反力
装置が不要であるので、小型の台船でも調査が可能であり、湖底や海底など軟弱な地盤を対象
とした調査法として有効です。この手法を用いれば、BG(バックグラウンド)測定により海底や湖
底の底質土に含まれる原発由来の放射能についても測定可能です。
仮設櫓
滑車
ウィンチ
ワイヤー
ケーブル
小型台船
小型船
ウエイト
ボーリングロッド
RIコーン
プローブ
自
重
で
貫
入
右図に示す RI コーンプローブ
は、オールインワンタイプの測定
器であり、自然ガンマ線と線源か
らのガンマ線(自然ガンマ線を含
む)の測定を同時に行うことがで
きます。そのため、三成分(先端
抵抗 qt、周面摩擦 fs、間隙水圧 u)
に加え、湿潤密度 ρt を 1 回の貫
入で測定することができます。ま
た、飽和地盤においては、飽和
条件(Sr=100%)および土粒子
密度 ρs の値を用いて、湿潤密度
の測定値から、含水比 w や間隙
比 e などの他の物性値を算定す
ることもできます。
ウエイト
バックグラウンド
(BG)[自然 γ 線]
γ
γ
γ
γ
バックグラウンド
(BG)[自然γ線]
線検出器
シンチレータ
γ
バックグラウンド
γ
(BG)[自然γ線]
NaI
γ
γ
γ
γ
γ
γ
γ
γ
2軸傾斜計
2軸傾斜計
メインケーブル
γ
γ
γ
γ線検出器
γ
NaI シンチレータ
γ
NaI
γ線検出器
NaI シンチレータ
γ
γ
fs: 周面摩擦
γ
計測用 PC
深度計
2軸傾斜計
γ
γ
線検出器
γ
シンチレータ
γ
γ
γ
γ線源
γ
γ線源
fs:
u周面摩擦
: 間隙水圧
qc:
u先端抵抗
: 間隙水圧
γ 線源
qc: 先端抵抗
データロガー
f s : 周面摩擦
u: 間隙水圧
q c : 先端抵抗
本
社 〒561-0834 大阪府豊中市庄内栄町 2-21-1
TEL 06-6331-6031(代) FAX 06-6331-6243
東京支店 〒101-0032 東京都千代田区岩本町 1-9-8 第 3FK ビル 3F
TEL 03-5833-7400
FAX 03-5833-7401
自 重 貫入 式 RI コー ン
~調査例:海底・
湖底堆積物の調査~
深部の測定を手軽に実
海底堆積物の調査(有明海)
現~
この調査では、有明海の海底堆積物(底質)の状態を把握することを目的としています。
試験結果からは、深度方向に堆積物の湿潤密度が大きくなり、先端抵抗が大きくなる傾向が認められ
ます。これは、自重圧密によるものと考えられます。海上からでは採取が難しい底質、底泥などの軟らか
い堆積物に対して、原位置で密度および強度が測定できる自重貫入式 RI コーンを用いた調査は、非常
u ,σ (kN/m )
w (%)
q ,σ (kN/m )
f (kN/m )
BGカウント (cps)
ρ (g/cm )
に有効であると考えます。
0.0
50
100 150 200 250
-2 -1 0 1 50
2
100
150
200
00 20 40 60 0
0.4
0.8
1.2
1.6
00 200 400 600
t
1
2
東経,北緯
130°12'52.5'',
1
33°03'36.8''
130°14'7.3'',
2
33°02'1.4''
有
明
海
大牟田市
3
v0
n
-1.5
-1
-0.5
海底からの深度 (m)
筑
後
川
2
2
s
-2
佐賀市 No.
鹿島市
2
v0
0
0.5
1
1.5
qt
2
潮受堤防
2.5
σ vo
島原市
ρm
ρd
σ vo
3
諌早市
ρt
u
u0
○ :採取した試料のρ t
3.5
試験調査結果の一例
湖底堆積物の調査(諏訪湖)
この調査では、諏訪湖の湖底堆積物(底質)の状態を把握することを目的としています。
先端抵抗のデータでは、堆積物表面から下に向かって強度が増す傾向を示しており、湿潤密度のデ
ータから、これが自重圧密によるものであることが分かります。懸濁層・浮泥層の湿潤密度を ρt=1.00
q ,  (kN/m )
fs ,  (kN/m )
u, u ,  (kN/m )
BG (cps)
 (g/cm )
w (%)
~1.06(g/cm3)と定義すると、RI コーン
0
100
0
5 40
50
60
70
80 0
20
40 0
0.4
0.8
1.2
0
400
800
-1
諏訪湖
の湿潤密度測定結果から、直行する測5 -0.5
No.1
 =1.7g/cm

線の断面は右下図のようになります。 5.5
湖底面
0
比較的湖岸に近い部分では、懸濁層・
v

6
0.5
fs
浮泥層は厚く、湖心に近い部分では薄


u
 =2.5g/cm

1
q
い特徴が明らかとなりました。
 =2.0g/cm
2
v0
2
v
0
v0
2
3
n
3
v0
s
湖底からの深度 z (m)
水深 hw (m)
t
m
v0
t
3
(a)
砥川
5
1
A
4
諏訪湖
A
(c)
No.6
0.7km
No.1
1.6km
t=1.13~1.22g/cm3
1.0
宮川
1km
1.5km
(e)
○ 採取した試料のw
(f)
cm
3
1.00g/cm 3
上川
1.10g/cm3
1.15g
z=0.5m
(a) A-A'断面
B
一例
0.2km
No.1
0.7km
1.0km
No.2
No.3
0.9km
0.8km
B'
hw=1.7m
hw=5.7m
t=1.06~1.16g/cm3
No.4 A'
約30cm,
t=1.00~1.06g/cm3
5g
/
z=0.5m
0
No.5
1.4km
約30cm,
t=1.00~1.13g/cm3
hw=2.8m(z=0m)
3
(d)
u0
s
採取した試料のt
○ カッターリングで測定
● フィルムケースで測定
試験調査結果の一例
A'
2
B'
(b)
2
B
6
s
t
1.5
横河川
天
竜 釜口水門
川
3
d
A-A’断面
約10cm,
t=1.00~1.02g/cm3
hw=5.4m (z=0m)
t=1.02~1.18g/m3
約30cm,
t=1.00~1.06g/cm3
3
z=0.5m
1.0
hw=5.7m(z=0m)
t=1.06~1.16g/cm3
3
/cm
約30cm,
1.00~1.05g/cm3
約10cm,
1.00~1.02g/cm3
清澄水
懸濁層・浮泥
底泥
z=0.5m
t=1.02~1.17g/cm3
hw=6.2m
c
0g/
m
3
g/cm
1.05
m3
1.10g/c
3
1.15g/cm
z=0.5m
(b) B-B'断面
hw=5.9m(z=0m)
t=1.05~1.16g/cm3
z=0.5m
B-B’断面
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